2014年11月末、8ヶ月連続ウルトラマラソン/トレイルチャレンジの最終章、「HK168」で香港に行ってきました!
結果は…全168kmのうちの163.5km地点、ゴール手前のCP15で関門時刻に間に合わずDNFとなりました。無念のリタイア記です。
前のエントリはこちらから。
HK168(残り4.5km)リタイア記⑫|最後の最後でまたロスト、163.5km地点にてDNF。 | reboot blog
そんなわけで、結局37時間半に及んだ長い長いレースをリタイア記として書いてきたわけですが、書くのも嫌になるぐらい長かったっす(汗)
長いものを、そのままきちんと長く書くのは思いのほか大変だったんですが、それでもそうしようと思ったのは自分にとっての初100マイルレースを、記録としてしっかり残しておきたかったというのが理由の半分。残りの半分は、まだ2回目のこの大会、事前に調べていても情報があまりなかったので、これから走ろうという人に、多少なりとも参考になる情報を残しておこうということで。っていうか、その「これから走ろうという人」とは自分です。必ずリベンジします。
HK168をオススメしたい人
もちろん自分でも、またこのレースを走りたいと思っていますが、他にもオススメしたい方がいるので、まとめの代わりとして。
・適応力を鍛えたい人
丸めた言い方してますが、ずばり「ロストしたい人」ってことですね!
マーキングはあるにはあるんですが、100人走って100人迷わないようなものではありません。迷いやすいところに人が立っているわけでもないので、初めての場合はロストしやすい箇所がけっこうあります。距離表示もありません。この辺が、日本の大会とは一番大きく違うところかと。
基本的には山に入る以上、マーキングがなくても自力で回ってこれるくらいであるべきだとは思うので、運営が悪いというよりは日本の大会が過保護なのかもと思ったりもしますが。
そもそも若い大会なので規模も小さく、良くも悪くも手作り感たっぷりです。タイムの計測も、チップこそあるものの、チップでのタイムの計測は2カ所ぐらいしかなかったような…… あとはナンバーを読み上げてスマホ(のアプリ?)に打ち込んでました。まあ、これが軽いリソースで運営を回す最新のやり方なのかも。
エイドも、事前に大会から発表されていた通りのものが各エイドで出てこず、当てが外れてがっかりということはしばしば。CP4のように予定通りカップヌードルはあるけど、お湯が切れていて…… ということも。まあ、こういうことよくあることだし、スタッフさん&ボランティアはとても温かいです。ドロップバッグを3カ所使えるので、これで補えば問題ないです。
・とにかく海外のウルトラトレイルレースに挑戦したい人
海外レースとなると、国内とは少し勝手が違ったりして戸惑うことも多々あり、レース以外のところで消耗することも多いです。なので、レース自体は走力に比べて少し余裕があった方がいいかもしれません。
HK168は、累積標高6580m(※)ですが最高標高が1000mにも満たないですし、深夜でも動いていれば半袖+アームカバーで対応できるぐらい。トレイルもよく整備されていて、全般的に堅めですが走りやすい。コースや気候条件は100マイルレースとしては比較的ラクな方かと思います。
日本からはアクセスもいいので、海外レースの中ではハードル低めではないかと。
※オフィシャルには6580mとなってますが、ロストしまくった結果、GARMIN計測によると9300m。感覚的には8000m前半ぐらいかなという印象。
・UTMBエントリーのためにポイントが欲しい人
日本国内だと4ポイントレースは数えるほどしかなく、2014年だと
・UTMF (169km/9478m)
・OSJ おんたけ100マイル (155km/6400m)
・山田昇杯 (120km/8300m)
・OSJ KOUMI100 (155km/8945m)
の4戦のみ。UTMBエントリー(3戦以内で8ポイント以上)のためには、3〜4ポイントのレースが必須なので、どうしても限られたレースにエントリーが集中し、抽選に外れれば、走ることすらできません……
HK168は100km以上のトレイル完走経験があればOKで、今のところはエントリーすれば抽選なしで走れるので、スタートラインに立つまでのハードルも低いです。
エントリー費も安めですし、LCC使ってゲストハウスに泊まるなど、工夫すれば国内レースより安く上がるぐらいです。IRONMAN JAPANはエントリー費だけで8万円でしたから……
HK168をオススメしない人
・ゆる〜いレースが嫌いな人
大会受付がスポーツ用品店の臨時テーブルだったり、9時スタートなのに8時58分にスタートしたり、Cut-off Timeが告知なしで1時間早まっていたり、色々とゆる〜いです。小さな大会だからなのか、まだ2年目だからなのか、香港だからなのか理由は不明。
そういえば、序盤と半分から後はほぼずっと最後尾を走ってましたが、スイーパーはいませんでした。リタイアも申告不要なのか(?)、CPの間でレースを断念して勝手に帰っていく人もよく見かけました。
ぼくがリタイアした時は、迷いに迷ってCut-off Timeから30分後にCP15に到着し、スタッフの車でゴール地点まで連れて帰ってもらったんですが、これはリタイアする人を収容する車ではなく、エイドの片付けを終えたスタッフが、たまたまそのタイミングでゴール地点に戻るところだったから乗せてもらったという、ヒッチハイク以上のものではありません。
あと10分遅れていたら、跡形もないCPで途方に暮れていたことでしょう。ゴールに戻れていなかったら、ゴール地点に送られていた自分の荷物と着替えもどうなっていたのか……
・運が悪い人
リタイア後のことも含めて、今回はあらゆることが綱渡りでした。その理由の大半が自分の実力不足であることは間違いないんですが。
レースの報告をしたときに、37時間かけて163.5kmも走ったのに完走できなかったなんてかわいそう!と言ってくれた友人知人がたくさんいたんですが、どちらかと言うと、163.5km地点までたどり着けたこと、もっと言うとゴール地点まで無事に戻り、翌日予定通り帰国できたことが偶然以外の何物でもなく、2014年で最も幸運に恵まれた日だったとすら思っています。
走力でねじ伏せられるぐらいの余裕があるのでなければ、運を味方につけることも必要かと(笑)
ぼくはアメリカ横断ウルトラクイズという番組が好きだったんですが(そういえば以前こんなエントリも書きました)、HK168を完走するにはやっぱり「知力、体力、時の運」がすべて必要だったと痛感しています。ニューヨークまで一歩及ばず…
終わりに、ごくごく個人的な感想。
色々ありましたが、このレースに満足はしてないけど、納得はしています。
2014年のランにおける最大の目標だったUTMBエントリー権の獲得は、このDNFによって残念ながら達成できませんでした。でも、間違いなく今季のベストレースだったし、関門に追われ続けた後半の80kmは今季のベストランでした。
ゴールこそできなかったものの、「一番最後までレースを捨てなかったランナー」であったことは収穫だし、それこそがこの一年の集大成。
そういう意味ではCP8には間に合って本当によかった。それがなかったら、その後のがむしゃらランはなかったので。そして、CP15に間に合わなくてよかったです。必ずしも、頑張ったことがが報われるわけではないということも分かったので。現実は残酷なものです。
ここで得たことは、また『ラン大学で学んだこと』として書いてみたいと思います。
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ちなみに、レース翌日は、普通に宿を10時頃チェックアウトし、レース後カーボローディングへ!
香港粥がめっちゃうまいっす。胃にも優しい(涙) ネギと生姜と出汁醤油のつけダレ?が美味。
とめどなく栄養を欲する体に素直になってハシゴ。筋肉痛はあるんですが、不思議と初フルマラソンや初ウルトラマラソンの時とは違って普通に歩けるぐらい。走り過ぎて、体がちょっと壊れてるのかもしれません。
牛バラ麺もまた美味。この日に帰国してから年末まで、30日間休みなしで働くことになるとは、この時は思ってませんでしたけど・・・
リベンジを果たすため、必ずまた香港に帰ってきます!
HK168(残り4.5km)リタイア記完。