人からもらう<答え>ではなく、自分で答えを出すための<問い>を求めているとしたら、ドラッカーを読もう。

この週末は久々の文化的活動ということで、「現代経営学の父」P.F ドラッカーの勉強会で週末2日間こもっておりました。

ドラッカーと言えば、その名前は至るところで耳にし、どのビジネス書を見ても引用されており、本屋には大量の著作が並んでいる・・・一方で『もしドラ』くらいは読んだんだけど、著作はパラパラめくっても難解すぎて読めそうもないしなあ、という方が多いのではないかと思います。

かく言う私も、一応経営学科の学生だった十数年前に『現代の経営』と『イノベーションと企業家精神』に一通り目を通した程度で、赤線引いただけで読んだ気になっていました。

いつかはちゃんと学びたい、と思いながらも月日が流れ・・・という状態だったところに現れた救世主がこちら。

こちらの本では、日本企業でありがちな(よってもって非常に親近感のある)具体例を交えながら、ドラッカー思想のエッセンスを抽出し、体系化したものが、とても分かりやすい言葉で語られています。

御縁があって、この本の著者であり、米クレアモント大学院大学 P.F ドラッカー経営大学院にて経営学修士号取得された、藤田勝利さんが講師を務められるセミナーに参加させていただいたというわけです。

中身についてはこちらの本に譲るとして(そもそもまだ語るほど消化できておらず(汗))、丸2日間、ドラッカーの思想に触れて感じたことをお伝えしたいと思います。


<答え>ではなく、<問い>をくれるのがドラッカー

大人になってから気付くことの一つに、本当に感謝すべきなのは、困った時にすぐに助けてくれた人ではなく、嫌われることを覚悟で突き放し、自分の脚で立つことを促してくれた人です。

今となっては恩師と呼べる人も、すぐに答えをくれた先生ではなく、「自分の頭で考えろ」と厳しいことをちゃんと言ってくれた先生です。

そういう意味で、ドラッカーは決して安易に<答え>を与えようとする経営学者ではなく、簡単に答えが出ないことなど承知の上で、なお向き合うべき<問い>を正面からぶつけてくれる、ビジネスにおける教育者のような存在であると思います。

たとえば、その代表的な問いには、

   「What do you want to be remembered for? (あなたは何をもって憶えられたいか?)」

重いです。即答できる答えなど、もちろんありません。そして、本当の問いのに対して即答できる答えというのは、おそらくは大した答えではないのでしょう。

「人間が欲しいのは、ドリルじゃなくて、穴なんだよ」とか「もうレッドオーシャンで闘うのやめなよ」とか、そういったことを教えてもらうのは、目から鱗だし、新しい視点を得られることは間違いないし、場合によっては即戦力になるかもしれないので、決して否定しているわけではありませんが、それも考えるべきことを考えた上での話だと思うんですよね。

 

ドラッカーの問いは、どうしようもなく本質的

しかも、ドラッカーの問いは本質的です。 そして、本質的なことは青臭い。 そして、青臭いことは嫌われる。

つまり、「問われたらやだな〜」というところを、ずばり問うてくれるのがドラッカー先生です。

会社の中で、こんなこと言ったら「青いこと言ってんじゃねえよ!」と言われてしまうかもしれません。でも、それは、その会社においては本質的な議論が行われていないことの証左でもあります。

だからこそドラッカーは、「真摯さ(Integrity)」という根本的資質が必要である、と言っているのだと思います。

 

ドラッカーの問いは、一生モノ

本質的であるからこそ、答えを出すのに時間はかかるし、その答えも日々変わっていくものだと思います。むしろ、問い続ける姿勢こそをドラッカーは期待しているのではないかとすら思えます。

ドラッカーの問いのうち最も有名なものに、マネジメントを行う上で重要な「5つの質問」があります。

     ①「事業」は何か?(「ミッション」は何か?)

     ②「顧客」は誰か?

     ③「顧客にとっての価値」は何か?

     ④「成果」は何か?

     ⑤「計画」は何か?

これまた重いです。そして、やはり本質的。こんなことも考えずにビジネスできるの?と言いたくなるほど正面切った質問ですが、まともに答えられない自分がいるのもまた事実です。

そして、自分のビジネスにおいてこれらを問うのはもちろんですが、一個人としての人生においても、それを自分の80年事業と捉えるのであれば、その問いは一生かけて答えを模索し続けるに値する質問だと思います。

ドラッカーの問いは、まさに”一生モノ”です。

***

所感の割には重すぎる(?)このエントリを読んで、ドラッカーを読みたくはならないかもしれませんが・・・私自身はとてもポジティブな気持ちで二日間を終えました。

なぜなら、「人間にしかできないことがいっぱいある」ということを再確認できたから。

マネジメントは、人間を相手にした、人間にしかできない、人間力全開で取り組むぶき営みであるようです。そういう意味では、どれだけITやAIやロボットが人間の領域で置き換わっていこうとも、いや、むしろその方が、人間らしさを発揮できる領域に焦点を合わせることで、よりよく生きられる可能性が拡がっていくのではと思ったり。

変な言い方ですが、「人間に生まれてよかった」と思えた時間でした。

***

ずっと部屋にこもっているのがもったいない、とても天気のよい週末でしたが、こんな素敵な眺めの会場で密度の濃い時間が過ごせました。

ちなみに、手前に見える古い赤レンガの建物は、帝蚕倉庫の旧本社ビルをリノベーションし、アーティストや建築家のアトリエとして稼働している「北仲ブリック」だそうです。こんなところがあったんですね~知りませんでした。

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講師の藤田さん、主催の上田さん、本当にありがとうございました!

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