これ、ステキな一品だと思いませんか?
(Source: http://www.sun-star-st.jp/news/61/19th_prize.html)
花丸柄のスタンプなんですが、押す時の強さ、つまり感情の強さによって、花丸の大きさが変わるんです。
「Hanamaru Stamp」
こちら、その名も「Hanamaru Stamp」、第19回文房具アイデアコンテストのグランプリ受賞作品だそうです。
このコンテストのことを、私は今回初めて知ったんですが、今年で第19回ということはけっこう伝統があるんですね。
学校の先生が採点の時に描いてくれる「花丸」が押せるスタンプですが、印面をシリコン素材にすることで、押す力によって花丸の大きさが変わるようにしているそうです。
モノなのに体温を感じるというか、コミュニケーションになっているところが素晴らしいアイデアです。ぜひ使ってみたい。全部大きな花丸にしたくなっちゃいそうですけど(笑)
いいデザインって、ほんのささいな違いなのに、物事の価値を大きく変えてしまうところがありますね。
そんな作品のグランプリ受賞者の方のインタビューが、これまた企画プロセスの参考になるのでご紹介させていただきます。
人に話して、自分のパターンを打ち破る
この作品を作られたのは、お二人ともデザイナーの方なんですが、発想のための方法にとても共感しました。やっぱりこういうやり方を続けていると、いいものが作れるんだなあと。
たとえば、こんなことをおっしゃっています。
テーマを思いついたりすると、人に話してみるんです。
もちろん、とことん自分を追い込んで考え抜くといったことも重要なのですが、ひたすら続けているうちに、自分の傾向というかパターンというか、そういうものが見えてきて、これはいかん、と。
自分が企画をするときに、最も重視していることの一つに「他の人の頭を借りる」というものがあります。主催の勉強会でも、メインテーマの一つになっています。
どれだけ多様な視点を持っているつもりでも、自分一人では限界があります。他の人には他の人の視点が必ずあるわけなので、少なくても自分一人で悶々としているよりは、多くの視点からそのことを考えられます。
加えて、相手の人が多様な視点を持っている人なのであれば、かけ算式でアイデアが拡がります。
アイデアに自信のある人ほど、自分の中で閉じてしまいがちなところがあるんですが、思い切ってオープンにしてみると、自分では想像もしなかった方向に他の人が展開してくれたりするものですし。
仕事ではない場に出て、制約から解き放たれる
もう一つ面白いのが、上述したようにお二人は本職もデザイナーなんですが、あえて他流試合としてコンテストへ参加しているということ。ご自身が属している会社とは全く関係のない商品のアイデアコンテストに参加することで、普段とは違う部分を刺激しているようです。
コンテストへの参加は、日常とは違う筋肉を動かしてみる、といった感覚ですね。日々、自社製品のデザインについて考えているわけですが、やはり、気づかぬうちに発想がパターン化してしまう恐れが、誰にもあると思うんです。それを破るのに、こうした機会はとても有効だと思っています。
そうそう、いつもと違うところを使うというのは、いい刺激になります。全く別の分野の商品がヒントになったりすることがあるとも言われているので、おそわく本業の方にもいい影響があるんでしょうね。
外に出よう!
人に話してみるということも、コンテストに出てみるということも、一言で言うと「外に出る」ということだと思います。自分の頭の外に出て見たり、自分の仕事の外に出てみたり。
着想を得るとか、発想を拡げる時にはどんな形であっても「外に出る」というのが有効だと思っています。あるいは、物理的に外に出てみるだけでも効果的かもしれません。私も行き詰ると、よく散歩します(笑)
そのことを証明していただいたようなインタビューだったので(それと、もちろんデザインされたプロダクトが素晴らしかったので)紹介させていただきました。
興味がある方は、ぜひインタビュー本文の方もどうぞ!