おもてなしとIFTTTの話。<前編>

先日、「『おもてなし』を科学する」というテーマのお話しを聞く機会をいただきました(オープンな場ではなかったので詳細は伏せさせていただきます)。

接客業や営業職では、おそらくよく議論されているテーマだとは思いますが、これまで真っ正面から考えたことがなかったので面白かったです。自分の仕事の中でも、UXの開発なんかにおいては、とても大切な視点ですしね。

ところで「おもてなし」って何?

「おもてなし」といえば、流行語大賞にも選ばれた、昨年9月IOC総会での五輪東京誘致の例のプレゼンテーションを思い出したりするわけです。そこでは、日本のホスピタリティを象徴する言葉として謳われていたわけですが、「じゃあ一体、おもてなしって何なのさ?」と問われると、日本人であっても答えに窮するところではないかと…東京五輪が来るまでに、もう少しちゃんと考えておいた方がいいかもしれませんね。

そんな<おもてなし>ですが、いくつかの定義があるようです。<サービス>と比較する形で語られることが多いようで、

たとえば、提供する側/提供される側の関係性に着目し、

・両者に主従関係が発生し、チャージやチップが発生する<サービス>
・家族と接するように、見返りを求めない関係が<おもてなし>

または、お客様の期待値を基準にして、

・期待の範囲内の提供は<サービス>
・期待をいい意味で裏切るような気遣いが<おもてなし>

など、それぞれの定義に、一理あると思わせるものがあります。<おもてなし>と<ホスピタリティ>は区別したりしなかったり、そちらの定義も色々あるようですね。

「お・もて・なし」=「お”以て””為し”」

色々あるらしい「おもてなし」の定義。どれもそれっぽいんですが、前述の場ではその語源から紐解いておりました。

「おもてなし」とは、「お・もて・なし」。漢字で書くと、「お”以て””為し”」。つまり、「○○を以て、□□を為す。」の省略形だそうです。心構えというか、人を遇するときの精神みたいなものが語源だと勝手に想像していたので、これはとても意外でした。○と□には何でも入り得る、ただの式みたいなものですからね。

面白いのは、お”以て””為し”が、接遇に関する一種のテンプレートではあっても、マニュアルではないというところ。「どのような接遇を行うべし」という指針ではないところです。

つまり、「どんな時でもこうしておけばOK」というような接遇が一つの解として決まるものではないということを大前提にしていて、だからこそ提供される側との関係性や状況によって、提供する側(またはされる側)のクリエイティビティが入り込む余地が、あらかじめ確保されているというんでしょうか。

日本の「おもてなし」と言えば、旅館のおかみさんや寿司屋の板前さんが、例としてより取り挙げられます。呼んでないのに、絶妙なタイミングでお茶を持ってきてくれたり、その日の体調に合わせて握ってくれたり。

そういった空気の読み方は、高コンテクスト文化の日本だからこそ成立しているのかもしれませんが、それにしても「何を以て何を為すか」、その都度その都度判断しているこういう方々は、極めて高度な知識労働者であると言えると思います。

もしかすると、お客様と台本のないサプライズゲームでも楽しんでいるような感覚なんじゃないでしょうか…

そんな話をしていたら「IFTTT」のことが頭をよぎったんですが、長くなったので、次のエントリに続きます。

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