“ラン大学”で学んだことシリーズです。
2014年の年間テーマは、
「身体を通して学び、学んだことを身体知化する」
でございました。走ることを通して、身体を通して、学んで、消化して、吸収して、自分の血肉にしようということで。
そういうわけで、タイトルの”ラン大学”は<ランニングについて学ぶ大学>ではなく、<ランニングを通して学ぶ大学>の意。走ることを通して学んだことを、順不同&不定期で書いていきます。
このシリーズを書き始めた経緯についてはこちらから。
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“ラン大学”で学んだことシリーズ|(2)「出そうと思えば、いつでも全力が出せる」というのは大きな勘違い。 | reboot blog
の続きです。
全力を出すための訓練
自分の全力を引き出すのは、自分で思っている以上に難しい。だから、そのための訓練をしなければいけません。わざわざそのための訓練をしなければいけないんです。
「じゃ、訓練って何やればいいの?」という質問に答えるだけの知見はまだないんですが、今のところ有効だと思われる方法が一つだけあります。それは全力を出さざるを得ない状況に身を投じること。
そもそも、全力が出せているかどうかなんて、本人以外に評価のしようがないものだから、人から教わることが難しい分野なのかも。この点については引き続き研究しますが、今のところの結論はこれです。
しかし、この方法は実践するには多少の勇気が必要でしょう。だから、あながち間違いではないと思える程度の証拠を提示します。
証拠①:「火事場のクソ力」
証拠ってこれかよ……
ご覧の通り、キン肉マン(下の方です。黒い顔の人に超強い必殺技かけられて脱出しようとしているところ。念のため)は窮地に陥ったときに、「火事場のクソ力」という、通常時をはるかに超えるパワーを発揮。
ポイントは、いつでもこの力が発揮できるわけではないということ。そして、他の人のエネルギーを注入されたとか、すごい補給食を摂取したとか、そういう外部のエネルギーに頼っているのではなく、自分の中から湧いてくるエネルギーであるということです。
アシュラマンとミート君もそれぞれクソ力を発揮していたので、キン肉マンにしか使えない力というわけではないと思われます。
(話が全く分からないという方は、「火事場のクソ力」へ)
証拠物件②:「クリリンのことか」
世代がばれる……
ナメック星での最終決戦において超サイヤ人として覚醒した悟空は、親友であるクリリンを殺したことを匂わすフリーザの挑発に、さらに怒りを爆発。
ポイントは、その後の修行によりこの状態を常に保ち続け、最大限の力を発揮できるようにしたことです。一回限りだと、クリリンが何人いても足りないですから。でも、最初はこういう状況に置かれることが必要。
(話が全く分からないという方は、「クリリンのことか」へ)
証拠③:白山・白川郷100kmウルトラマラソンの時の自分
最後に、一般人の証拠として自分自身の経験を。約一年前の9月29日、初めてのウルトラマラソンである第1回白山・白川郷100kmウルトラマラソンを完走しました。
我ながら、なかなか思い切りのいい挑戦ではあったものの、ウルトラマラソンに対する認識が甘く練習が全く足りてませんでした。走る前に調べた情報によると、100km完走のためには、
・月間走行距離は400〜500km走っておくべき
・最低でも直近の3ケ月で毎月月間200kmは走っておくべき
・最低でも一回は50km走をやっておくべき
等々出てくるんですが、実態は、
・月間走行距離は100〜150km
・直前の8月に唯一200kmを一度だけ超える
・練習でやったのは30km走まで
と、走力的にはかなり厳しい仕上がりだったわけです。
しかし、100km&累積標高2530mというチャレンジングな舞台の上に、「いってらっしゃい!」という往路の応援と、「おかえりなさい!」という復路の応援と、「最後までがんばりましょう!」というランナー同士の励ましと、ラン仲間の心の支えが乗っかって、実力以上の未体験ゾーンに突入し、どうにかこうにか完走することができました。どれか一つ欠けても無理だったでしょう。
「火事場」は自分でこしらえる
全く同じ去年の9月29日に、普段練習で走っている多摩川で「同じ力を発揮せよ」と言われても到底不可能でしょう。応援も励ましも心の支えもないし。クリリンとは別に仲良くないし。
普通の生活をしている限り、「火事場のクソ力!!!!!」とか「クリリンのことかーーーっ!!!!!」と叫ばざるを得ない状況に巻き込まれることは稀です。だから、(自分が思っている)実力を超える力がないと達成できそうもないような状況を、自分でこしらえ、自らそこに飛び込まないとといけないということです。
そうしないと、全力を出す機会など、永遠にやってきませんから。すべてはまず、そこからです。
“ラン大学”で学んだこと(3)
「火事場」を自分でこしらえる。
そうしないと、全力を出す機会など永遠にやってこない。
“ラン大学”で学んだことシリーズ(4)につづく。