今週末に参加した第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソンの完走記その2です。
これまでのエントリは、こちら。
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記① | reboot blog
“旅”のはじまり
ウルトラマラソンは、いつも”レース”というより”旅”のような感覚の方が強いんですが、今回は仲間5人と一緒だからか、なおさらその趣きが強くなります。
早朝にスタートするウルトラは前日受付&前泊が基本だし、レース以外も実際は旅行みたいなもの。
当日の朝、朝食と出発時間から逆算して2:30の起床。これから走る100kmのことを考えると、しっかり睡眠を取って気持ちよく目覚めたいところ・・・が、この日の朝は残念ながら穏やかな起床にはなりませんでした。
なぜなら、ケータイのアラームより前に、「まじでぶっ〇してやろうかと思った!」という、ただならぬ怒声で目覚めたから。
その声を発していたのは同じ部屋に泊まった仲間の一人、通称「小僧」選手。そしてその言葉が向けられた先も、尋常じゃないいびきでライバルのコンディションを崩しにかかった同じくチームメートの「熊」選手。本人はそのいびきに気付いてなかったようですが、不幸にも相部屋になってしまったお兄さんとおじさまの証言を加味して考えると事実であることは間違いないらしい。
ちなみにぼくはぐっすり眠らせていただき恨み言は一切ない上、熊選手にはレース中、数度にわたってロキソニンの施しを受け、完走まで導いていただいたということで頭が上がらないのです。感謝。
お兄さんとおじさまには、一同から謝罪し、お互いの健闘を祈ってバスで宿を出発。
こんなことも含めて、ウルトラマラソンです。林道や馬越峠の前に、相部屋になった人のいびきによって削られるかもしれないのがウルトラマラソンです。
荷物預けでにぎわうスタート地点の体育館。気分が盛り上がってきます。
スタート@0km
スタート地点で仲間6人全員で落ち合い、完走を誓い合ってスタート地点へ。たぶんこの時点だと、「絶対完走!」と口では言っているものの、100kmという未知の世界に対する不安でいっぱいだったんじゃないでしょうか。
わかります。初ウルトラの時はそうでした。100kmが終わる頃、自分がどうなっているのか想像できないですから。初マラソンの前に「乳首がウェアでこすれて血が出るから絆創膏はっといた方がいいよ」と忠告を受けて、自分の想像力の届かなさに衝撃を受けたことを思い出します。ましてや100km。何から血が出てもおかしくありません。
でも、弱気なことを口にするメンバーは一人もいません。ただただ堅く自らの完走を誓い、同時にお互いの完走を信じます。今回のスターターは、プロフィギアスケーターの安藤美姫さん。というアナウンスがあった瞬間、おそらくは心の中に抱えていたであろうそんな不安も吹き飛び、我先にとスタート地点に駆けつけます。運営側のにくい演出に救われました。
スタート時点の気温は5℃。寒い・・・
それでも、0℃でスタートし5℃までしか上がらず、雨も止まなかった富士五湖と違い、天気は晴れ。気温が上がることも分かっているので、ランニングジャケットはドロップバッグに入れ、スタート時点はアームカバーと温かくなったら捨てられるビニール袋(ゴミ袋を首と腕のところをくりぬいてかぶっただけのもの)で対応。
安藤美姫さんに手を振って、いよいよスタートゲートをくぐります。
でも、みんなが写真を撮っていくので、スタートのゲートをくぐる時点ですでに3分が経過。ウルトラにはグロスのタイムしかないので、この3分は関門と闘わなければならないギリギリランナーにとっては命取りですよ!ということを、2分45秒前にゴールした富士五湖で学びました・・・気を引き締め直していざ出発です!