第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記⑤

今週末に参加した第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソンの完走記その5です。

これまでのエントリは、こちら。
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記① | reboot blog
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記② | reboot blog
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記③ | reboot blog
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記④ | reboot blog

59kmドロップバッグポイント

暑いので、エイドでは必ず頭から水をかぶってました。このエイドではプールまで登場!

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エイドに入ってドロップバッグを受け取ると、先を走っていた仲間たちをすぐに発見。自分が完走ギリギリの時間で走っているので、先にエイドに入っているのを見てほっとした気持ち。

おにぎりをほおばる小僧選手は顔を見るなり「(このつらさは)想定外っす!」彼はこの日、30歳最後の日。その最後の日になんとしてもウルトラを完走するという意気込みで臨んでいる。

そもそも、まだフルマラソン完走一回なのに野辺山ウルトラに参戦しているのがすごい。でも実はその裏では、二週間前に野辺山対策で行った足柄峠走にも参加したし、事前に30kmのトレイルランにも挑戦し、完走に向けてしっかり準備している。勢いだけじゃなく、全力で準備もしてくるところが憎い。

そして、途中のエイドで何度か会った熊選手とラオウ選手の顔も。熊選手はここでもロキソニンの施しを・・・本当これがなかったら完走はなかったっす。万が一のための備えとは、実際に万が一が起こったときに必要な対応できるということなんですね。熊選手に学びました。

トイレ渋滞につかまり遅れを取っていたらしい通称「ハラル選手」もすぐに到着。ここでようやく仲間みんなが59km地点までは来ているということをお互いに確認。あとフルマラソン一本分!

60kmからが本当のウルトラマラソン

ところで、ぼくは60kmから本当のウルトラが始まる。と、勝手に思っている。

実は、ウルトラマラソンで精神的にきついのは前半で、そこではまだたくさんの可能性が残されていて、その分オプション(選択肢)もいっぱいある。可能性のうちにはもちろん、関門に引っかかって最後まで走れない可能性も含まれるし、オプションにはリタイアすることも含まれます。

ぼくは、仕事においてはOption Making(選択肢をつくる)のプロセスとDecision Making(判断・決断する)のプロセスを明確に分けます。判断しながら選択肢をつくると、十分に拡散することができず、思い切った選択肢が出てこないからです。

一方で、思いっきり選択肢をつくるのはとても怖いことで、あらゆる可能性を考慮しなければいけません。選択肢がたくさんあるのは好ましくもあるんですが、実はとても不安定で脆くて不安なものです。可能性とか自由って、受け止めようと思うと、思いのほか重いものだったります。

そんなことが、学生時代に読んだエーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』という本に書いてあったようななかったような。何はともあれ、小難しいけど面白い本です。

とにかく、一度決断してしまうと後はやるだけだし、肉体的にはきつくても惑わなくていい分、気持ちとしては楽になります。腹が決まる。腰が据わる。

ここまでの60kmは前半戦で、あらゆる可能性を検討しなければいけなかった状態でしたが、ここからはもう、最後まで走り切るという覚悟。だからこそ、ようやくここからウルトラの苦しさと向き合う時間が始まるのです。

それに、フルマラソンを完走したことがある人なら、気合いだけでも20kmぐらいは走れるもの。だけど、60kmから先は「ここからもう一本フルマラソン」と思うと、覚悟と準備がないと走れるものではありません。

そういう意味でもやっぱり、本当のウルトラは60kmから始まると言ってもいいのではないかと思っています。この”試される”距離にきっちりと難所を持ってきているあたりが、「野辺山を制するものがウルトラを制す」と言われるこのレースの憎いところです。

(つづく)

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