先週末に参加した第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソンの完走記その6です。
これまでのエントリは、こちら。
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記① | reboot blog
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記② | reboot blog
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記③ | reboot blog
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記④ | reboot blog
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記⑤ | reboot blog
59kmドロップバッグポイント〜71kmの部ゴール
仲間の顔を見て元気が出たところで、再出発。
北相木村から折り返し道を戻ります。少し行ったところで、先にエイドを出ていた羅王選手を発見。一瞬並んだとき、一言だけ「最後まで」と声をかけると、向こうからも一言だけ「もちろんです」と。
体力的にもタイム的にも、決して余裕があるわけではない(というよりかなりやばい)ことは、お互い認識していたはず。それでも、まだ捨ててないってことが何より励みになります。これで完全にスイッチ入りました。
後半に入ってくると、完走を諦めるランナーが出てくるのは、どのレースでも同じ。
人それぞれにゴールがあって、人それぞれに楽しみ方があるので、のんびりと、行けるところまで行くというのも一つの選択肢です。しかし、もし時間内の完走を最後まで目指すのであれば、すでに諦めた人たちと一緒に、のんびり走っていてはいけないのです。コースを共有してはいても、ゴールまで共有しているとは限らないのです。
「自分を変えるためには環境を変えるべき」とか「付き合う人が自分を決める」とかよく言われます。ぼくも愛用しているDropboxの創業者・ドリュー・ヒューストンもMITの卒業生に対して、
「あなたは、あなたの周りにいる最も近しい人(サークル)5人の平均だ」
と、刺激的な人たちを自分の周りに置くことの重要性を改めて説いています。我々は走りながら、このことを学んでいるんですね。
ダラダラとした登りを、走ったり歩いたりしながら、ようやく71km地点にたどりつきます。71kmの部のランナーが続々とゴールに入ってくるのを祝福したい気持ちと、妬ましい気持ちが半々・・・恒例の、なぜ100kmにエントリーしてしまったんだろうと後悔する瞬間です。ちくしょう!
関門時刻15:15の30分ほど前、71km地点を通過して馬越峠へ挑みます。
71kmの部ゴール~馬越峠頂上@79km地点
ちなみに、この71kmまでは細かいアップダウンがありながらも登り基調、71kmから馬越峠入口までは「これ、もう峠入ってるんですよね⁈」「いや、まだみたいですよ」「!!!」 みたいなやり取りを周囲のランナーとしてしまったぐらい、やっぱり登り続き。そして峠に入ってからは、「は~~~っ、こんなの70km過ぎに持ってきますか」と、コース設計者のドSぶりに感嘆してしまうレベル。
59km地点、71km地点と立て続けに投入したロキソニンは、定められた用法・用量(※)に目をつぶって服用のため、なんとなく胃が痛い気がするけど、ヒザが痛いよりはまし。もちろん自己責任です・・・
※基本的には、一日2回までで服用間隔は4時間以上空けること、そして服用時は空腹を避けることとのこと。服用時はくれぐれもご注意ください。
ぼくの場合は、ヒザよりも胃腸の方が丈夫なので、大学で習った比較優位の原則を応用(?)してみると、多少胃を痛めてもロキソニン投入が正解のはず。頭も回らないので、比較優位の使い方は間違っているかもしれないけど。
さて、ここから突入した馬越峠は・・・
前を見ても・・・
後ろを見ても・・・
もう全員歩いています・・・この登りどこまで続くのか・・・事前に足柄峠走に行ってなければ、きっと心が折れていたことでしょう。
ここでスピードを落としたら終わりだと思い、9~10分台/kmをキープして歩き続けます。気持ちが折れそうになったらケータイに入れてあるサンボマスターのライブ映像、白山・白川郷ウルトラでも救ってもらったあの曲を投入し、自らを鼓舞します。
これ見ると、100%がんばれます。でも100%泣きます。泣いて過呼吸気味になり肉体的には追い打ちをかけることになりますが、精神的には踏ん張れます。「できっこないをやらなくちゃ」と。
ロキソニンとサンボマスターの力を借りて、馬越峠を制したのは、レース開始から11時間が経過しようという頃でした。あと3時間で、21km。このレース中、初めて完走できるかも、と思った瞬間でした。
(つづく)