先週末に参加した第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソンの完走記その8、総括です。
これまでのエントリは、こちら。
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記① | reboot blog
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記② | reboot blog
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記③ | reboot blog
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記④ | reboot blog
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記⑤ | reboot blog
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記⑥ | reboot blog
第20回八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン(また超ギリ)完走記⑦ | reboot blog
リタイアせずにゴールまでたどり着くことができた要因分析
今回のレースは、何と言ってもヒザの爆弾との二人三脚の旅。
過去にも、30km地点から12km歩き続けたVenice Marathonとか、27km地点から片脚で走り通した館山マラソンとか、ヒザで苦しんだレースはありましたが(こんなことしてるからいつまで経っても治らないんでしょうが…)、それでもせいぜいフルマラソンの後半の話。
ウルトラの、それもわずか4kmで暴発とは自分のヒザながら大した度胸です。
そのフライング感は、3泊4日旅行の初日に告白してフラれるという、東京03のコントを思い起こさせます。
「4kmで痛くなるやつがあるか!まだ96kmあるんだよ!!」
そんな状態でも完走させてくれたのは、この3つがあったからです。総括として振り返ってみたいと思います。
(1) ロキソニン
まず、物理的にはこれです。これなかったら絶対完走してません。ただし、絶対におすすめしません。
しつこいようですが、もし使うことになった場合も、用法・用量(※)を正しく理解の上、服用しましょう。内臓が回復するまで一ヶ月はかかると言われているウルトラマラソンですから、ただでさえ尋常じゃない負荷が胃腸にはかかっています。追い打ちをかけるような判断をすべきなのかどうなのか、自己責任と自己判断で!
※一日2回までで服用間隔は4時間以上空けること、そして服用時は空腹を避けること、とのこと。ウルトラで使うことになる場合は、いずれの条件も満たせない状況であることが多いので注意。
ただし、痛み止めを使わないといけないぐらい追い詰められると、何をやって何をやらないと後悔するのか、自分の価値観とか基準が明確になって、それはそれでとてもいい経験だとは思います。
ちなみに、今回は後半につれて効きが悪くなっていったので(というより痛みが激しくなったんだと思いますが)、今後は10kmに一錠の配分で準備しようと思います。あくまでお守りとして、ですが!
(2) 前日に書いたブログ
前日の晩、宿でポストしたblogでこんなことを書きました。
関門に間に合うかどうかは、関門が判断することで自分が判断することではない。
半分は、完走ギリギリランナーを自認する自分の決意表明&鼓舞する意味合いだったんですが、さすがに4km地点から関門との闘いが始まるとは思っておらず、それ以降の13時間半、自分自身が何度もこの言葉に助けられることになりました。
気合だけでは、本能には勝てません。本能の駆動力を、足を止める方向ではなく走り続ける方向に向けるための思考や思想を用意することが必要なのだと思います。
ブログでもFacebookでも、外に向かって公言してしまうと、「書いた手前、実践しなきゃ!」と、結局は自分に跳ね返ってくることになるので効果的です。
(3) 仲間
青臭いことを言いますが、走ることにおいても仲間は大事です。
ぼくは、どこまでいってもマラソンは一人で走る競技だと思ってます。伴走してても併走してても、自分の分の距離を代わりに誰かが走ってくれるわけではないので。
でも、その「一人で走る競技」を仲間たちも一人一人が闘っているんだと思うと、かなり頑張れるものです。前を走る仲間も、後ろを走る仲間も力をくれます。
だから、ウルトラに挑戦してみたいけど躊躇してしまうという人は、ぜひとも仲間と走ってみることをおすすめします。その人がウルトラを走ったことがあるかどうかは関係ありません。ただし、自分と同じくらい、完走することに本気の人と走ってください。
この完走記は、あくまでぼくの目から見た完走記で、仲間たちや参加したランナー一人一人にストーリーがあったはず。せっかくなので、今回一緒に走った仲間を紹介するとともに(便宜上、本レースの着順です)、ブログに完走記をつづっている仲間にはリンクを貼っておきます。
〇K兄さん
チーム最年長ですが、安定感の理由はそれだけではない。仕事も家庭もランもトライアスロンも、ぼくの知るあらゆる側面で盤石。
初フルマラソンでSub4を成し遂げているK兄さん、おそらく一度たりとも主導権を手離すことなく100kmを完封したことと思います。しかし、これは必ずしも楽勝だったことを意味するものではありません。
8月のアイアンマンに向け、トライアスロンへの挑戦を一緒に続けている仲間でもあるK兄さんは、チャレンジ富士五湖では72kmの部に出場(こちらも完封)し100kmへの足掛かりきっちり作りつつ、2週間前に行った足柄峠走もしっかりこなし、完走すべくして完走したのです。学ぶこと多し。
〇羅王選手
ラン仲間の中でも、85kg以上もしくは体脂肪率25%以上(もしくは骨格枠という、フレキシブルな入部条件もあり)の選手のみ入部が許されるDe部部長。
一緒にチャレンジしているトライアスロンやウルトラなどで数日をともに過ごすと、100km走っても体重が落ちない理由がよく分かる。力士と同じように、体作りのための食生活を努力の末、習得したのかもしれない。兄さん同様、主導権は手離さないが、お菓子も絶対に手離さない。
なんだかんだ言ってもやる漢だし、有言実行の塊のような漢なので、今回もきっと完走すると思っていたら本当に完走した。やっぱすごいな。かっこよすぎです。60kmぐらいで交わした「もちろんです」には勇気をもらいました。
日本一赤裸々な野辺山100kmウルトラマラソン日記 その1 | ラオウを目指す羅王のブログ
〇神熊選手
ロキソニンを大量保持して降臨した神熊選手。その準備の手厚さには感嘆するとともに厚く御礼申し上げます。
最近、転職したばかりで練習時間も思うように取れない中、De部副部長として、部長の羅王選手とともに3分前に生還したのは本当にすごい。主導権は羅王選手に握られているようにも見えるけどどうなんだろう。
昨シーズン、秩父の84kmウルトラを、途中の関門に引っかかり完走できなかったという話を何度も聞いていて、ぜひとも野辺山でリベンジを果たしてもらいたかったので、心から祝福したい。当日朝、重低音のいびきで一騒動起こしてくれたのも、きっと相部屋の選手たちをリラックスさせるべく笑いを提供してくれたに違いない。そういうとこ、あります。
野辺山ウルトラマラソン完走記その1ぼくみち.com | ぼくみち.com
〇小僧選手
フルマラソンを一回完走したのみのラン歴にも関わらず、「だって、おもしろそうじゃないっすかぁ」というノリと勢いで野辺山ウルトラに挑んだ冒険者。
今回参加したメンバーの大半もこの小僧選手の巻き込み力に屈しての参戦だが、結果的にはみんな感謝しているのは間違いない。チャラく見えるけど芯は強く、どんな時でもスモークを欠かさない。
スモークで肺を追い込んでいる上に滑り込み2分前の完走ということで、何気に今回のMVPかもしれない。30歳最後の日に100kmを完走するなんてかっこよすぎでしょ。ふだんは主導権を握っては放り投げることもあるが、今回は最後まで投げなかった。
〇ハラル選手
最年少だが、ぼくが知っている限り一番ウルトラマラソンへの熱量が高く、チャレンジ富士五湖の72kmの部にも、K兄さんと参戦。いつも片耳にBluetoothワイヤレスイヤホンのようなものを装着しているが、何を聴いているのかは不明。ブログの世界観も独特。
上から目線でいう訳ではないですが、今回のウルトラで一皮むけた印象を抱いているのはぼくだけではないはず。最後まで走って帰ってきたことは本当に賞賛に値すると思ってます。そして、ウルトラに本気なだけに、何としてでも時間内に完走させてあげたかった。でも、きっと気持ちはもう次のチャレンジに向かっていると思います。
ちなみに主導権は利き手じゃない方で握っちゃってる感じ。
何はともあれ、この仲間たちと野辺山を走ることができてよかったです。
チャレンジ富士五湖に続き、野辺山ウルトラの完走記もまた8エントリになってしまいました。こんな壮大(?)な完走記になってしまったのも、仲間も一緒だったので、なおさら色々と考えること・感じることがあったんですね。
内容的にもぐちゃぐちゃなんですが、この混濁した感じがまさにウルトラで体験できることの中身です。だから、記録としては、かなり忠実。
めちゃめちゃつらい思いをすることは必至ですが、ウルトラ走っていまだに後悔したことは一度もありません!これを読んでウルトラ走りたい、野辺山を走りたいと思う人が、一人でも増えてくれるとうれしいです(ロキソニンは忘れずにね!)。