ウルトラマラソンの精神論③:完走からバックキャストする。

職種・業種や、仕事・人生に共通して、とても重要だと思っている考え方の一つに<Backcasting>があります。

<Backcasting>という考え方

反対語は<Forecasting>。企画立案や未来の予測などにも活用できる考え方なので、「ものづくりベースキャンプ」の勉強会でも、ご紹介しています。

一言で言うと、

     ・Forecasting=現在を起点として「今できること」から考える方法

     ・Backcasting=「理想的なあるべき姿」を起点に巻き戻して今を考える方法

前者は<積み上げ>的な考え方、後者は<逆算>的な考え方とも言えます。

<Forecasting>のイメージは、伸縮式の指し棒です。手元からスルスルと伸ばしていくような感じです。一方<Backcasting>はといえば、おもりのついた釣り竿を遠くに投げてから手繰り寄せるという感じ。

あくまでイメージなので、しっくりこなければ忘れてください・・・

140526_1_Backcasting

ウルトラマラソンにおける<Backcasting>

そんな<Forecasting>と<Backcasting>ですが、ウルトラマラソンを完走するには、絶対に<Backcasting>の考え方で走ることが必要だと思っています。

走る時にどんな考え方の違いになってくるかというと・・・

     ・Forecasting=「とにかく行けるとこまで行こう。」

     ・Backcasting=「絶対完走。そのためには・・・」

「行けるとこまで行こう。」というノリで100kmを完走できるのは、200kmでも300kmでも走れるという、かなり余裕のある人でしょう。完走ギリギリランナーが「行けるか、行けないか」と自問自答したら、「もう行けない」という状況が頻発します。頻発というより、50km以降はそういう状況しかありません。

ウルトラマラソンは、体力の限界の範囲=「行けるとこ」に収まるレベルではないので、必ずそこを突破する必要があるのです。その時に「Forecasting」で考えている場合には、「行けるとこ」の壁で打ち止めということになってしまうわけです。

これは100kmじゃなくても、その人の走力に応じて42kmとか160kmとか違いはあると思いますが、考え方としては同じだろうと思います。最後まで行くつもりの人だけが、最後まで行けるし、逆にスタート地点で最後まで行く気がなければ、最後までは行けないということです。

ウルトラ完走のための練習法

毎度ギリギリとはいえ、ウルトラの中ではそこそこキツイと言われている野辺山100km、富士五湖112km、白山・白川郷100kmを完走している立場から、ウルトラを完走するために最も効果的な練習法を挙げるとすれば、

     ・最低でも5時間走

とか、

     ・月間走行距離200km以上を3ケ月

とか、

     ・峠走

とかではなく、

     ・毎回、自分でやると決めた練習を、絶対にやり切ること

です。

今日は10km走ると決めたら、絶対に10km走る。

峠走で登りは歩かないと決めたら、頂上まで絶対に歩かない。

今月は月間で100km走ると決めたら、月末は毎日走ることになっても走り切る。

ってことです。

これは、たぶん肉体面から見たセオリーには反しています。ケガしてるのに走ったら悪化するだけだし。走らない日も大事だとよく言われますし。でも、これは肉体を鍛えているわけではなく<Backcasting>という考え方を養っているわけです。もう少し大げさに言えば、精神と肉体を一致させる訓練とも言えるかもしれません。

フルマラソンを完走できるぐらいの走力がある人であれば、肉体の練習を積むよりも、精神の練習を積んだ方が、ウルトラにとっては効果的だと思うんですよね。実際、私は月間走行距離が200kmを超えたことは一度もありません(だから毎回完走ギリギリなんですが・・・)。

いずれにしても、「行けるところまで行こう。」と、「最後まで行くつもりで行く。」の違いは思いの外、大きなものです。そして、これは仕事においても人生においても、とても大切なことです。

こんな大事なことを、身体を通して学ぶことができるウルトラマラソンって、とっても素敵だと思いませんか?

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