第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記⑧

先週末に参加した第24回チャレンジ富士五湖112kmの完走記のおまけです。

これまでのエントリは、こちら。
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記① | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記② | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記③ | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記④ | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記⑤ | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記⑥ | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記⑦ | reboot blog

ウルトラマラソンの感情密度

7回に渡ってチャレンジ富士五湖の完走記を書いてきたんですが、ウルトラマラソンの完走記を書くのは難しいです。

ものすごく冷めた言い方をすれば、長い距離を14時間ほどかけて走っているだけのことだし、肉体的には、

【順調→ちょっと疲れてきた→だいぶ疲れてきた→やばいぐらい疲れてきた→極限状態】

のステップを、多少行ったり来たりしながら進めていくだけのこと。精神的にも、

【やる気十分→まだ楽しめる→あれ?つらいぞ→やばいぐらいきつい→極限状態】

みたいな変遷を、これまた行ったり来たりしながら進むだけ。あとはその肉体と精神の組み合わせという、割とシンプルな構造なので。

写真を撮っていないところに関しては、本人以外にとっては苦悩のつぶやき録(※)程度にしかならないんですよねえ。

それでも、7回に渡って書きたくなるぐらいの心の変化が発生するほど密度の濃い時間ではあります。普通に24時間生活していて、何も書くことがないって日もやっぱりありますからね。

無理矢理にでも、自分の感情を揺さぶってみたい方は、ぜひ一度走ってみることをオススメします(笑) 自分の知らない自分を発見できるかも。

※それでも、これからウルトラマラソンに挑戦したいとか、チャレンジ富士五湖を走ってみたいというランナーの、何かの役に立てればいいなと、恥を忍んでできるだけ再現する形で書いています。等身大の完走記ということで、こんな人もいるんだ~くらいの感じで参考にしていただければと思います。

『死ぬこと以外、かすり傷!』の精神

どこだったか覚えてないんですが、沿道の声援の中に、『死ぬこと以外、かすり傷!』と書かれた旗で応援してくださっていた一団がありました。

先日、初トライアスロンのスイムで本当に死ぬかも体験をした今だからこそ、心の底から共感できます。死ぬこと以外は、かすり傷です。回復可能なものは全てかすり傷です。そう思わないとやってられません。

応援にこんな旗が翻るということは、つまりウルトラには、死ぬこと以外のことはそれなりにあるよってことですね(笑) それぐらいつらいです。何回走ってもつらいです。

でも、最初からこの精神で走っていたら、それも当たり前だと思えるし、ちょっとは気が楽になるんじゃないでしょうか!ナイスな旗で応援していただいた御一行さま、本当にありがとうございました!!

走るのをやめるための口実を作り続ける自分との、二人三脚の旅

こうして改めてレースを振り返ってみると、無心で走れたらどれだけ楽かと思います。

無心で走っている瞬間ももちろんあります。気持ちよく走っている時とか、意識が朦朧としている時とか(笑)

でも、多くの時間は何かしら考えてるし、自分と対話しています。それもかな~りネガティブな自分と。ウルトラは、「走るのやめたい」と口実を作り続ける自分との二人三脚の旅です。その自分は足手まといなんですが、二人三脚だから一緒に走るしかないんです。

元気な時には何でもないことでも、極限状態に近づいてくると、あらゆることがリタイアするための口実になります。だから、その口実とどうやって付き合っていくのかが大事な気がします。これ、日常生活でも一緒ですね。

***

最後に、一緒に72kmの部に参加したK兄さんとTさん、初ウルトラ完走おめでとうございます!そして、ありがとうございました!!

仲間が同じ道を走っていると分かっているからこそ頑張れたところも大きいです。

本当は、自分が先にゴールして、お二人を感動のゴールでお迎えしたいと思っていたんですが、それどころではなくなってしまいました(笑) 次回こそ!

第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記⑦

先週末に参加した第24回チャレンジ富士五湖112kmの完走記その7です。

これまでのエントリは、こちら。

第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記① | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記② | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記③ | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記④ | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記⑤ | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記⑥ | reboot blog

エイド21@93.6km~第5関門:河口湖ステラシアター@103km

夕方5時を過ぎ、私設エイドを出して応援してくれているみなさんも、さすがに片付けを始めている。しかし、エイドと沿道の声援は本当にうれしい。応援する方が寒いし、大変だと思う。

「もう完走できるかは分からないけど、とにかく行けるところまで行こう」という気持ちが背中から伝わってくるランナーも多い。「お互い最後までがんばりましょう」という無言のメッセージが伝わっていることを祈りながら、その脇を黙々と走り抜ける。カフェインパワーが保っているうちに走れるところまで走っておかないと、次の関門に間に合わないんです。

ラップを見ると、西浜小中のエイドを出てから、ずっと6分台を刻んでいる。これは本当に全力。最後の関門までたどり着いたら、ゴールまで行けると信じるしかない。その関門の先の103km地点から、名物の地獄の急登が待ってるのも知ってるけど、知らないふりをして、とにかく河口湖ステラシアターの関門を抜けることを考えるしかない。

暗くなり始めている河口湖が最後の湖畔風景。もうこの夏は、湖見なくても大丈夫です。6月と8月にも嫌というほど湖沿いを走る予定なんですが(笑)

四車線の県道707号線、幅広く整備された歩道を、信号につかまらないようにできる限りの速度調整(実はそれほど変わってないと思うけど、もう信号で止まっている1分が惜しい)を試みながら、ステラシアターのある最終関門に飛び込んだときには、関門時刻18:25の5分前でした。

第5関門@103km~ゴール:富士北麓公園@108km

「おーなんとか抜けた・・・」

と感慨にふける余裕もなく足早に関門とエイドを駆け抜けます。ここで最後の急登への気合を入れようと思ったけど、すでにエイドには何もない。水もない。VAAMもない。チョコもない。ということで、潔く、脚を一歩も止めることなく通過して坂へ挑みます。

残り5kmで最大の難所、3kmにも及ぶ急登が待っている。高低表を見ても一目瞭然。最後の最後が一番登ってます。

スタートから最初の数キロを下り続けたんだから、ゴール地点でもある富士北麓公園に帰るには登らなければいけないということはもちろん分かってます。だからこそ、制限時間いっぱいで帰ってきた自分が恨めしいけど、脚重かったんだし、仕方がない。この日のどこかのタイムを縮めろと言われても、思いつかないぐらい、ここまでの103kmもがんばってきたんです。まあ、序盤のトイレは行き過ぎだったけど。

そんなことを考えながら、走ってるのか歩いてるのか分からないぐらいのスピードで登ります。ラップを見ると、9分台で我慢の登り。早く登りの頂上が見えないと我慢も限界。でもあたりはすでに真っ暗だし、霧雨で先の見通しもよくないし、ランニングゾンビ(とウォーキングゾンビ)の列が延々と連なっているように見える。

ゼッケンの色を見ると、何kmの部に出場しているのかが分かります。112kmの部と100kmの第1ウェーブは同じ19:00が制限時間。プラス15分の余裕がある100km第2ウェーブと72kmのランナーがうらやましくて仕方がない。あと15分あったら、絶対歩いてるよー

何度も何度も時計を見て、制限時間内ギリギリで完走するには、もうここから全力で行くしかないと腹をくくった残り3km地点から、再び全力の6分台で走り始めます。幸いそこからすぐに下りに入り、5分台へ。もう時計を見ている余裕もないけど、競技場の方から声援が聞こえてきて、何となくゴールが近いことが分かる。残り1.5km地点の最後のエイドももちろんスルー。暗くて何も見えないし、側溝に落ちるかもしれない。でも、スピード落とすわけにもいかないので、がむしゃらに下りを転がり落ちるように走っていると、公園の入口が!

公園に入ってから競技場までどれくらいだったっけ?なんか応援する人の数が増えてきた。

「おかえり!」
「間に合うよ!!」

と声をかけられ、おお、間に合うのか!と思っていると自分の名前を呼ぶ声が。72kmの部に参加して、先にゴールしていたK兄さんが競技場の入り口で待っていてくれた。一度抱き合って喜び、この時初めてゴールできるんだと実感。

ここまでの道のりとは対照的に、照明で明々と照らされたゴールに、残り2分45秒でゴール。

終わった・・・帰ってきた・・・今回はさすがに帰ってこれないかと思った。でも帰ってきたよ~寒かったよ。でも帰ってきたよ~雨、辛かったよ。でも帰ってきたよ~3週連続でレース入れた自分バカバカ。

72kmの部にK兄さんと一緒に出場していたもう一人のラン仲間、Tさんも10分ほど前に無事ゴールしていたらしい。二人とも初のウルトラを見事に完走した。みんなそれぞれの闘いを乗り切ったんだと思うと泣けてくる。

ゴールすると不思議なほど、脚が動かなくなるもの。さっきまで走れていたことの方が不思議なのかもしれない。曲がらない脚で機械のように動きながら完走証を受けとり、仲間たちと写真を撮り、30分後に迫った最後の最後の関門である新宿行きのバス乗り場に向かったのでした。

***

たった一日のウルトラマラソンを振り返るのに随分時間がかかってしまいました(笑)

でも、それだけ思い出深いチャレンジだったのは間違いないし、これからも振り返り甲斐のあるチャレンジをしたいと思います。

まずは、2週間後に迫った八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン!まだまだ走ります、ウルトラ!

2ヶ月連続で100km走るのは初めてなので(そもそもそんな走り方する人の話、聞いたことないし・・・)、どうなることか分かりませんが、これまたナイスチャレンジになること必至です。応援よろしくお願いします。

第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記⑥

先週末に参加した第24回チャレンジ富士五湖112kmの完走記その6です。
ここから先は、制限時間との闘いで、ゴールまで一枚も写真がありません・・・

これまでのエントリは、こちら。
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記① | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記② | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記③ | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記④ | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記⑤ | reboot blog

本栖湖県営駐車場@77.5km~第4関門:西湖公民館@88.9km

本栖湖県営駐車場からは、ゴールのある富士北麓公園まで戻るだけです。「戻るだけ。戻ればゴール。」というのが、大きな心の支えです。

脚はといえば、痛み出したら致命傷の右ヒザは、ペースをかなり落としてきたからか何とか持ちそう。2週間前のトライアスロンで再発した左ヒザに違和感があるものの、かばってると他のところが痛くなるので体幹とお尻で走ることを心がけるのみ。

脚が重くて前に出ないのは、まるで重りつきの丈の短い竹馬に乗ってる気分。そんなものはたぶん存在しないけど、そんな感じです。着地の度に鈍い痛みが足裏から足首を通して全身に伝わってくるので、止まったあとの走り出しがつらい。でも、周りを見てもみんな歯を食いしばって走っているのが分かるので、励まされます。

行きは下りだった精進湖への登り道でエネルギーが切れてきて、歩きに切り換える。86kmから91kmぐらいまでのラップはすべて10分台/km。何とか次の関門までつながるように、早歩きで凌ぎます。ここに来て、100kmから先の8km分が重いっす。ここまで来たのに、まだハーフマラソン分あるって・・・

復路のうどんエイドは、すでに売り切れで汁だけですが、それでも感謝です。このエイドで抜いていった女性ランナーが、旦那さんと思われる人に「まだ間に合うよね?」と聞いている。「まだ行ける。でもペースは落とすな!」と言われているのを聞いて、改めてギリギリにいることを認識します。

うどん(の汁)パワーで復活することを祈りながら歩いたり走ったりを繰り返しながら距離を稼ごうとするも、全然進まない。1kmあたり10分以上かかっているので、5km走るだけでも1時間近くかかるのは、普段のランでは全くない時間感覚。あっという間に時間が消費されていき、焦るんですが体がついてこない。

再び戻ってきた西湖の、今度は南側を半周しますが、途中の第4関門:西湖公民館は全く記憶がありません・・・ Google ストリートビューで見てみても思い出せません(笑) 本当に意識が朦朧としてたんだろうなあ。

GARMINの記録によると、スタートしてから11時間50分、第4関門時刻17:00の約40分前に通過し、最後の関門ステラシアターへと向かいます。

第4関門@88.9km~エイド21:西浜小中学校@93.6km

精進湖手前の信号待ちで、何度か富士五湖を経験しているランナーに「次の関門(第4関門の西湖公民館)はたぶん大丈夫だけど、その次の関門が厳しいから、先を急いだ方がいい」と言われたことを思い出す。

今走れるスピードから考えると、2時間で14kmは全く余裕なし。完走ギリギリランナーにとっては、最後の10kmを全部歩いてでも何とか間に合うぐらいの貯金があると、ずいぶん気が楽なんですが、とてもそんな悠長なことは言ってられません。

しかも、第5関門のあとに、歩くしかないと思われる急登が待っている・・・ギリギリで通過したらゴールに間に合わん。ここで少しでも貯金を作らねば。という計算も働き、やばいやばいと、回らない頭で何度も計算を繰り返す。

ここまでは、ウェストバッグで携帯していたエネルギージェルとかハッピーターンとかドリンクとか、お守り代わりだと思って全く口を付けてなかったけど、ここで諦めるぐらいだったら、やれることは全部やるべし、ということで、とにかく復活することを祈りながら食いつなぎます。

ガス欠したら終わり。歩くしかない。しかも、ウルトラの場合、ガス欠が何度でも来るんだよなあ。どれだけ食べてても足りないっす。

こうして、やっぱりほぼ記憶にない西湖の半周を終え、もう一度西浜小中学校へ戻ってくる。

ここで、砂糖をたっぷり入れてもらったホットコーヒーと氷砂糖を食べまくります。もしあなたが、普通のマラソンしか走ったことがなければ、ホットのレモンティーとかコーヒーなんかがエイドで出てくるのを不思議に思うかもしれません。

ウルトラマラソンは、「走る」ことの延長だと思っている人が多いし、自分でもそう思っていました。

でも、どちらかというと、「生活する」の延長にあるといった方が近い気がする。なにしろ十数時間走り続けるのだから、一日に起きている時間の大半を走り続けるということになる。そこそこよく働く人の一日の仕事と同じくらいの時間、走り続けているということになる。

仕事の合間にランチを食べる。
仕事の合間にトイレに行く。
仕事の合間に同僚と談笑する。

コーヒーを飲みながら仕事をする。
居眠りしているのをごまかしながら仕事をする。
バリバリ仕事をしている自分に酔いながら仕事をする。

「仕事」のところを、「走る」に置き換えてみよう。これがウルトラマラソンだ。

つまり、フルマラソンの延長としてウルトラマラソンがあるのではなく、生活に多少の躍動感を加えたものがウルトラマラソンなのである。

なわけねーだろ!!!

みたいなつまらないことを考える時間も、ウルトラマラソンにはたっぷりある。

でも、本当にウルトラは生活しているようなものだと思います。人力キャンピングカーみたいなものです。飛脚を元祖ウルトラマラソンマンだと思ってもらえば、なんとなく想像できますよね。

だから、マラソンの途中でもコーヒーを飲むのです。こうして、コーヒーのぬくもりとカフェインとたっぷりの糖分によって再度の復活!最後の勝負に挑むべく県道21号線を下るのでした。

「あきらめたら そこで試合終了ですよ・・・?」

(その7へつづく)

第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記⑤

先週末に参加した第24回チャレンジ富士五湖112kmの完走記その5です。

これまでのエントリは、こちら。
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第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記③ | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記④ | reboot blog

第3関門@69.5km~本栖湖折り返しポイント

本栖湖県営駐車場では、二つ目のドロップバッグが待っている。はず。でも、どこに自分のバッグがあるか見つからず。ボランティアの方に助けを求めて一緒に探してもらうも、番号通りにも置いていないし、疲れた体で結構な消耗を強いられる。70km近く前にしか進んでいないと、横に動くこととか、ちょっと何かを飛び越えることとか、体が動き方を忘れちゃうみたいなんですよね。ちょっとしたことでもすぐヨロヨロします。

ところで、好きなものをドロップバッグに入れておくと、そこまでの道のりで、何食べようかと考える楽しみで少し気が紛れます。胃腸もかなり弱っているので、食べられるものも限られてるし。量よりも色んな種類を用意しておいて、その時食べたいもの、食べられるものを選ぶというのが作戦です。

この日はなぜかピーナッツコッペパン。時間もないので、ささっと着替えながらかじったピーナツコッペパンにこの後、救われることになります。ランチームのTシャツに着替え、英気を養っていざ本栖湖へ!

と張り切ってエイドを出ようとしたところにある表示がこれ。
140430 1 本栖湖県営駐車場

究極の選択・・・いや、正確にはもはや選択の余地はないんですが。112kmの部にエントリーした自分を心底恨んだ瞬間。70km走った後で、この選択は酷じゃないっすか!?

でも、本栖湖へ向けて走り始めて、その思いを改めました。

残雪の影響で本栖湖一周から、「千円札富士山ポイント」まで行って戻ってくるコースになった本栖湖は、112kmランナーが走る往復コース。同じ道を選んだランナーだけが分かる苦しみを、お互いに讃えあう時間でした。

すれ違うたびに、「ナイスラン!」「ファイト!」とおじさんおばさんお兄さんお姉さんたちが声をかけ合う。声をかける余裕のないランナーは、ただ黙って親指を立て、声なき声援を贈る。

本栖湖が往復コースにならず、すれ違うランナーたちとの励まし合いがなければ、心がくじけてどこかの関門につかまっていたかもしれません。ありがとう、残雪。

コッペパンがちょうど消化されてくる時間でもあり、地図上ではゴールから一番遠い位置で、何とか息を吹き返したのです。

本栖湖折り返しポイント~再び本栖湖県営駐車場@77.5km

本栖湖の折り返しポイントは、千円札にも描かれている富士山のビューポイントですが、もちろんこの天気なので拝むことはできず。終始、霧か霧雨か雨か、その組み合わせの一日でした。
140430 2 本栖湖

この辺りから、残り時間を計算し諦め始めるランナーも出てきます。エイドや信号待ちで立ち止まっていると、「次の関門厳しいですね・・・」と話かけてくる人もいます。

白山・白川郷ウルトラの時もそうでした。55kmほど走ったあとの白川郷エイドでおいしい熊汁で補給していると、隣に座ったおじさんが、「もうムリだねえ」とすでに諦めている様子。「へ?死ぬ気で行く気ですけど、行かないんすか?」と思ったことを覚えている。たしかにそこからは、一度超えてきた白山スーパー林道を再び15kmかけて1200m以上を登るという、あまり気の進まない帰り道ではあったけど。

ウルトラに限ったことではありませんが、ムリだと思った人には、ムリなことにしか見えない。できると思った人、思い込んだ人にしか挑戦権は与えられんのだと思います。だから、申し訳ないけど、そういうランナーたちは置き去りにさせていただくしかない。

そのように、あの安西先生も言ってます。

「あきらめたら そこで試合終了ですよ・・・?」

本栖湖からの戻りを、懸命に走り続けたおかげで、なんとか首の皮一枚つながった。ありがとう、安西先生。ありがとう、コッペパン。

もう一度本栖湖県営駐車場まで戻り、急いで補給。ここからは、112kmランナーも、100kmランナーも、70kmランナーも合流して、ほとんど同じ制限時間に向けて、残りの距離を走ることになります。あとはみんなで来た道を戻るだけ!まだ30kmありますけど(笑)

(その6へつづく)

第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記④

先週末に参加した第24回チャレンジ富士五湖112kmの完走記その4です。

これまでのエントリは、こちら。
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第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記② | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記③ | reboot blog

第2関門@51.3km~西湖~精進湖入口@62km

県道21号線を進み、いよいよ富士五湖3つ目、西湖に到着。
140429 1 西湖

この辺りまで来ると、すでに湖畔の景色がイヤになってます。進んでる気が全然しないんだもん。それに、見通しのいいところに出ると、延々と先を走る人が連なっているのが小さく見える。「あそこまで回るのやだ~」とダダをこねたくなります。言っても距離が変わらないのは知ってますけど。

途中で55km地点の表示を見て、ようやく半分超えたことを確認。ウルトラだと、42kmはあまり意識しないんですが、半分超えたと思うと少し気が楽になります。西湖の北側を抜け、精進湖へ向かって湖北ビューラインから再び国道139号線の富士パノラマラインへ。

途中の名物、うどんエイドがありがたいっす。薬味も何もない素うどんだけどありがたい。体が温まります。よくストレッチをして、先へ向かいます。
140429 2 うどん

ここから先は、しばらく湖畔の景色とはお別れし、森の中を進みます。この辺りで精進湖と本栖湖を回って戻ってきたトップランナーとすれ違います。早い。そして、速い。すれ違うスピードは、自分のフルマラソンの時のスピードでも遠く及ばないっす。すごいなあ。でもみんな苦しそうな顔で走ってます。速い人でも苦しいのは一緒なんですね。

精進湖へ向かう道は、折り返しランナーとすれ違いがある上に、歩道まで小枝が張り出しているところがあって、走るのに多少、気苦労があります。気を抜くとビシビシ当たるので、危ないと言えば危ないんですが、こういうのもウルトラならでは、と思って楽しむことにしよう。

トレイルならこれぐらいで文句言う人はいないし、道路の真ん中走っていい普通のマラソンって、どれだけ恵まれてるんだろうと改めて思います。交通規制に協力してくれる地域のみなさんには本当に感謝ですね。

富士山原始林を左手に見ながら大きな弧を描く橋を下り、ようやく精進湖の入口へ到着しました。下る時はいつも帰り道のことを心配してしまいます。振り返って、帰りはこれ登るのか、と。

ここに来るまで忘れてたけど、今年から「?エイド」というものができたらしいです。信号が変わるのを待って飛び込んだエイドには「ラーメン」の文字!うどんの後にラーメン!ラーメンといってもチキンラーメンにお湯を注いだだけのものでしたが、ここまで来たら、今は何でも食べられるだけでありがたいっす。

精進湖入口@62km~第3関門:本栖湖県営駐車場@69.5km

ここから4つ目、精進湖を回って本栖湖へ向かいます。
140429 3 精進湖

中盤に入ってくると、そろそろ思考能力もなくなってきます。この辺りは精神的にも本当につらく、ひたすら我慢。60kmから70kmぐらいが、がんばってる割に距離も進まないし、一番苦しいのです。精進湖がどれくらいの大きさだったのかも思い出せない。

道沿いに発見したトイレの階段を登っていくのも一苦労。手すりを腕で掴んであがり、手すりに全体重を預けて下ってくる。もう脚が全然動かないよぉ。

精進湖沿いの細い歩道をひたすら進む。ここまで来ると112kmのランナーも、100kmのランナーも、72kmのランナーも同じようなスピードで走っている人が連なっているので、エイドでの休憩や、トイレに行っている間に抜きつ抜かれつしながらも、同じような顔ぶれで進むゆるい連帯感が芽生えます。

本当に尊敬するのが、ペースを全く乱さず、一定のスピードで進み続けるランナー。走ってるときのスピードは自分の方が速くても、途中で歩いたり、休憩している間にゆっくりと抜き去っていきます。ああいう人が本当のウルトラランナーだよなあと。

そんな低速デッドヒートを繰り広げているうちに、どうにかこうにか一番小さいのに、でも気持ち的にはめちゃめちゃ長かった精進湖を抜け、声援でにぎわいを見せる本栖湖へ。

関門時刻14:30の約1時間前に第3関門の本栖湖県営駐車場に到着。走っても走っても全然余裕がない(泣)
ここからゴール地点の制限時刻19:30までの5時間、一分一秒を争う闘いが待っています・・・

(その5へつづく)

第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記③

先週末に参加した第24回チャレンジ富士五湖112kmの完走記その3です。

これまでのエントリは、こちら。
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記① | reboot blog
第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記② | reboot blog

山中湖入り口@13.2km~第1関門:焼き鳥ふじ@27.6km

富士五湖すべてを回る112kmの一つ目の湖であり富士五湖で最大の山中湖は、一周約14km。

山中湖交流プラザ「きらら」で行われる音楽フェスには何度も来たことがあり、第4エイドが設置されている撫岳荘・第5エイドのみさきキャンプ場にも、その際のキャンプで泊まったことあり。

まさかここをウルトラで走ることになるとは・・・その頃は、ここで毎年ウルトラマラソンが開催されているということなんて全く知りませんでした。そもそも、「ウルトラマラソン」という言葉すら知りませんでした。そう思うと、知らない世界って意外と身近に転がってるものなんだなと思えます。

そんなことを考えながら知っている道を走るのは楽しいし、エイドまでの距離感も何となく分かるので、気持ちよく走ります。撫岳荘エイドのホットレモンティーと、みさきキャンプ場エイドのおにぎりは助かりました。エイドのボランティアのみなさん、朝早くからありがとうございます!

北側に回り込んで、長池親水公園の遊歩道へ。
140428 1 山中湖

晴れると富士山全景がきれいに見えるはずなんだけど、全然見えないのが残念。この辺りはまだ写真を撮っている余裕があります。せっかくなので、富士五湖すべてを写真に収めたい。

そうこうしているうちに、さっそく脚が重くなっていきます。まだ20kmちょっとなんですが。走り始めから重かったものの、走っているうちに温まって段々軽くなると思っていたのに、重くなる一方の脚。

まさか、このままの脚で行くつもりじゃないだろうね?と自問自答するも、軽くなる見通しもなく、先週・先々週と酷使した自分を反省しつつ、予想以上に時間はかかったものの山中湖を回り切り、27.7kmの第一関門:焼き鳥ふじを無事通過します。

重ね着していたジャケットを一枚脱ぎ捨てる予定だったけど、寒かったのでそのまま行くことに。結局最後まで、ジッパーを上げたり下げたりするだけの温度調節で十分でした。

スタートしてから3時間16分、第1関門時刻8:45の約1時間前に通過し、河口湖へと向かいます。

第1関門@27.6km~河口湖大橋@42.7km

森と畑の中を進み、一度国道138号線に戻り、そこから139号線(富士パノラマライン)に入ります。

その手前辺りのエイド7@33.5kmの富士吉田入口でカステラをいただきます。ちょっと回復。

この辺りから72kmの部とコースが同じになるので、トップの選手が颯爽と駆け抜けていきます。こちらはすでに30km超走っていて、すでにクタクタ・・・まあ、同じ距離だとしても全然レベルが違うんですが、うらやましく背中を見送ります。

72kmに参加の仲間二人も走り始めているはずだと思うと、こっちもがんばろうと思えますね。

富士急ハイランドを右手に片道4車線の大きな通りを走り、さらにその先を県道707号線に進み河口湖へ向かいます。

この辺りで信号待ちをしていた100kmの部のシュッとしたお兄さんに「キツイっすねえ」と話しかけられる。まだフルマラソンの距離も走ってないのに・・・と言われ、「Oh…たしかにその通り。」と気落ちする。巡航速度が違うからか、ずっと脚が重く感じるんですよね。

もうこのあたりまで来ると、信号待ちがありがたくなってきます。序盤は信号で捕まると、「なんだよ~」と思うけど、中盤から後半では、脚を休める口実になります。逆に、赤信号だと思って止まりかけた瞬間、青に変わったときの絶望感たるや(笑)

見通しのいい県道707号線は、そのまま河口湖大橋につながっています。
140428 2 河口湖大橋
この橋を渡り切ったエイド9@42.7kmでようやくフルマラソンの距離を来たことに。まだまだ道のりは長い。

河口湖大橋@42.7km~第2関門:西浜小中学校@51.3km

河口湖の北側は河口湖美術館を中心に、とてもきれいに整備されています。リゾート感を求めて遊びに来ている観光客がたくさんいる中、苦しそうな表情で道路をウロウロしてるのは申し訳ない気分になりますね~(笑)

相変わらず富士山は見えないけど、この辺りは桜が満開で癒されます。湖畔沿いは景色があまり変わらないし、左側通行にするためかすべて反時計回りなので、なおさら変化に乏しく。だから、桜が咲いてたり、観光客がいたりというのは刺激があって気が紛れます。変化といっても急坂とかいらないですけど。

河口湖を半周して、県道21号線を進んでいると、西湖に向かう峠を越えるための急坂に。その中腹がようやく第2関門の西浜小・中学校。歩いて登ります。

先のことを考えると気が滅入るぐらいすでに脚も重いので、ここで何とか回復したい!けど寒くてゆっくりもできないっす。一つ目のドロップバッグに用意しておいたものも、あまり食べる気にならず、みたらし団子一本だけ食べる。アミノ酸ジェルも気が進まないけど、温かいレモンティーで飲み下す。温かいドリンクは本当にありがたい。

51.3km。まだ折り返してないよ~。この脚でこの先大丈夫でしょうか?と聞いてみたいけど聞く相手もいないので、仕方なく先を目指します。仲間たちは今どの辺りを走ってるんでしょう。少しでも一緒に走れるといいんだけど。

ここから西湖に向かう道のりもまだ登り。エイドで食べたみたらし団子を吸収するための時間、という口実で歩きます。

スタートしてから6時間28分、1時間の貯金をキープしたまま第2関門を出発し、西湖へと向かいます。

(その4へつづく)

第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記②

先週末に参加した第24回チャレンジ富士五湖112kmの完走記その2です。

これまでのエントリは、こちら。

第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記① | reboot blog

起床~スタート

当日の朝は2時半に起きて、すぐに朝食です。4:30が112kmの部のスタートなので、早朝(というか深夜)起床です。前の晩は、夜9時には寝ましたが、それでも眠い・・・

フルマラソンの場合は、レース中エネルギーが切れないようにと、当日の朝にたらふく餅を食べたりするんですが、ウルトラマラソンは長丁場のため、朝食でいくら食べたところでどっちみちそれだけではゴールまでもちません。なので、エイドとドロップバッグに期待しつつ、いつも通りおいしく宿の朝食をいただきました。

今回一緒に来ている同じ部屋の仲間二人は72kmの部に出場で出発時間が遅いため、起こさないように暗闇の中で準備を整え、ストレッチをしてからシャトルバスで出発。前日の夜に荷造りしておいたスタート会場で預ける荷物・一つ目の着替えポイントに置くドロップバッグ・二つ目のドロップバッグを持っていざ出陣。

会場につくと、暗闇から次々と集まってくるランナーたちのシルエットが・・・
140427 1 会場

前の晩、宿のご主人から天気は回復に向かうと聞いていたものの、当日の朝は霧雨で100m先も見えないぐらい。それにしても寒い。それなりのスピードで走る人にとってはいい気温かもしれませんが、寒いとヒザが痛むことが多いのでかなり不安…

結局、前日に現地入りした時から雨が降り止むことはなく、気温もまったく上がらず。受付会場ではいくつか用意されていたストーブの周りにずっと人が集まっていたし、説明会を待つ体育館の床は冷たかったっす(泣) あまりに寒いので、予備で持って来ていた二枚目のランニングジャケットも重ね着して走ることに。

暑くなったら第一関門で脱ぎ捨てられるし、と思っていたものの結局最後まで着て走ることになるとは。持って来といて本当によかった。多少荷物が増えようとも、不安要素は一つでも消しておくのが大切ですね。

ドロップバッグを預け、トイレに並んでいると気付いたらスタート2分前!余裕で並んでいる人たちは100kmの部なのね。というわけで、暗闇の中、小走りで競技場のスタートラインへ向かう。100km走るんだから、数百メートル増えたところで変わらないか〜と思っていたら、カウントダウンが始まり、スタート前から本気ダッシュ。ギリギリで最後尾につくことができ、長い長い108km*の旅が始まりました。どんな一日が待ってるのか、想像も尽きません!

*残雪の影響により、本栖湖一周の本来のコースから途中で折り返して戻る108kmのコースに変更されました。

140427 2 Start

スタート@0km〜山中湖入り口@13.2km

半年ぶりのウルトラマラソンですが、

「行ってらっしゃい〜!」

で送り出してもらうのがうれしいですね。そして、

「おかえりなさい!」

と迎えてもらう、”ロングジャーニー感”がウルトラの醍醐味だなあと思います。

今回は、疲労が全然抜けていない上、苦手な寒さの中でのレース。しかも、初めての100km超えということで、制限時間内にゴールできればよし!という目標設定。とにかく長丁場だし急いだら早く終わるという距離でもないので、慌てずただ淡々と走ることを決めて進みます。

競技場を出ると、辺りはまだ真っ暗で、暗闇の中を進みます。気を抜くと側溝に落ちそうになる(笑) しばらく森の中の道を進むと、ゆるい下りが延々と続きます。ウォーミングアップにはちょうどいいけど、下った分がすべてゴール前の急登になるんだと思うとちょっと萎える・・・でも、先のこと過ぎて想像が及ばない。陽が登って(雨だけど)また沈む頃には帰ってこれるといいなあ。
140427 3 第1エイド付近

前もほとんど見えない暗闇に下り坂。帰りの登りも暗闇でした(笑)

ここから富士五湖すべてを回る112kmの部は、第一の湖山中湖へ向かいます。ようやく明るくなってきた頃、国道138号線(旧鎌倉往還)の掲示板で現在の気温が0℃という表示を見て萎える。どおりで寒いわけだ。寒すぎてトイレも進み、序盤は公衆トイレを見つける度に立ち寄ってました。この頃はまだ時間的にも余裕があったなあ。

ここを走っている頃、30分後にスタートしている100kmの部第1ウェーブのランナーたちに次々と抜かれていきます。トップランナーは速いし軽装。速い人は9時間切って戻ってくるんだろうな、などとのんびり考えていたら、あっという間にさらにその15分部に出発した100kmの部第2ウェーブのランナーたちにも抜かれて行く・・・しかし、ここは我慢です。あくまで目標は時間内の完走ですから。

しばらく走ると少し視界が開け、ようやく山中湖とご対面です。ちょうどその入り口に第3エイド@13.2kmがありますが、それを目前にして信号待ち。

信号待ちがあるんですよね、ウルトラは。長距離・長時間に及ぶウルトラで完全に交通規制するのは実質的に不可能です。だから、チャレンジ富士五湖でも道路の真ん中を走ってはいけないし、信号があれば止まって待たなければいけません。

そういう意味では、去年秋に走った白山・白川郷ウルトラは、コースの大半を占める白山スーパー林道を完全に閉鎖してランナーが走れるので、格別の体験でした。普段は車しか通れないここの景色をゆっくり眺めたいと思ったら、ウルトラマラソンに参加するしかないんですね(笑) 普段ゆっくり楽しめない景色を楽しめるのがマラソンのいいところでもあります。だから、行ったことのない土地のマラソンに参加するのが好きなんです。

ともあれ、富士五湖で一番大きい山中湖に沿って、ここからの10km以上を進むことになります。

(その3へつづく)

第24回チャレンジ富士五湖112km(超ギリ)完走記①

こちらのブログでもちょこちょこ触れてはいたんですが、先週末に第24回チャレンジ富士五湖112kmに挑戦してまいりました。

ようやく筋肉痛も落ち着いて通常生活が送れるようになり、少し余裕も出てきたので、ここらへんで振り返ってみたいと思います。(ウルトラマラソンは、振り返っただけでも長くて重いので、余裕がないと振り返れない(笑))

チャレンジ富士五湖  Home

結果はと言うと・・・

制限時間14時間30分のわずか2分45秒前、14時間27分15秒でなんとか完走!
自分の戦績の制限時間ギリギリ記録を更新しました(笑)

去年の第1回白山・白川郷100kmウルトラマラソンに続く、二度目のウルトラマラソンだったわけですが、楽しさよりも苦しさに焦点が当たりっぱなしで、精神的に相当堪えたレースでした。

これまでも、初マラソン、初ウルトラマラソンはもちろんのこと、ラン歴3年ちょっとの若輩者なりに苦しいレースはたくさん経験してきました。

ヒザの故障で10km以上歯を食いしばって歩き続けたマラソンとか、激しいアップダウンで腿を破壊され、這いつくばるように制限時間7分前にゴールしたトレイルとか、初めて泳ぐ海が大荒れで本当に溺れかけた初トライアスロンとか、思い出しただけでも思わず呼吸が荒くなる・・・

しかし、その中でも、7時間以上も関門と闘い続けた今回のウルトラは、もしかしたら、今までで一番つらかったかも。

たぶん、一緒に72kmの部に出場したラン仲間がいなかったら完走してなかったし。
たぶん、残雪の影響のコース変更で108kmになってなかったら完走してなかったし。
たぶん、ドロップバッグにピーナッツコッペパン入れてなかったら完走してなかったし。
たぶん、たぶん、たぶん・・・

と、完走できた理由を掛け合わせていくと、かなりの倍率をくぐり抜けてのことであったと自覚しております。感謝です。

一方で、もし完走していなかったら言い訳にしたくなっただろうこともたくさんあって、

月間走行距離200kmが完走の最低ラインと言われるウルトラで、毎月200kmどころか年明けから全部足しても200kmの半分も走れてないし、走れていなかった原因であるヒザにとっても、最高気温でも5℃前後という気温の低さは大きなマイナス要因。さらには、2週間前の初トライアスロンで精神を消耗し、1週間前のトレイルランで脚を消耗し、残っているのは上半身だけというコンディションでのスタートだったり。

こういうことは、たしかに実際に走りに影響を与えていることもありますが、それよりもリタイアの口実に使えてしまうことが、その誘惑との闘いを辛くするのです。

言い訳したくなるぐらいのことが多かったからこそ走るのが辛かったというより、その言い訳を使って走るのを止めようとする気持ちと闘うのが辛かったってことです。今回のレースを一言で言うと、そういうことです。

でもせっかくだし、一言で片付けずに、次のエントリからもう少しちゃんとレース展開を振り返ってみたいと思います(笑)