2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記⑧

今週末に参加した2014 OSJ奥久慈トレイルレース50Kのリタイア記その8です。

これまでのエントリは、こちら。
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記① | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記② | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記③ | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記④ | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記⑤ | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記⑥ | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記⑦ | reboot blog

初めてのリタイア

というわけで、ラン人生で初めてのリタイアをしました。

前日の競技説明会で、

「距離的には60kmぐらいだけど、強度的には2.5倍くらいだと思ってもらった方がいいですね。だから、100milesとは言わないけど、150km分くらいはありますかねぇ」

とたしかに言われておりました。鵜呑みにはしていなかったんですが、終わってみれば40kmほど走っての2.5倍というと、100kmほどの計算。

やっぱり今は、ロードで100kmちょっと走れるぐらいの走力だということですね。修行が足りんです。

東金砂神社からは、バスでスタート地点まで戻ります。リタイアバスももちろん初めて。本当は這ってでも自分の脚でかえらないといけない距離が、バスだとあっという間だなあ。
140606 1

奥久慈トレイルレースの反省

レース自体はすごく頑張りました。ヒザの具合とか野辺山ウルトラの疲労とか考えると、健闘したといってもいいと思います。

でもまあ、もし受験勉強でたとえるなら、日本史で、配点が高くて最重要な近現代の勉強に入る前に受験を迎えたしまった感じでしょうか。現役生にありがちです。一生懸命、古墳とか遺跡とか覚えちゃうんですよねえ。

最初から頑張ったんだけど、全体を見渡して最適な頑張り方ができなかったような。

でももっと言うと、エントリーしてからの時間すべてが、そもそも頑張り方を間違えていたような気がします。練習も心構えも準備も、全部少しずつ下側にずれてました。

もし羽田空港からの帰りの電車でたとえるなら、横浜方面に向かう京急電車に乗って帰らないといけないはずなのに、気付いたら成田行きに乗っていて千葉にいたというような感覚で。

土地勘があってもなくても分かりにくい言い方だとは思いますが(笑)、素直に感じていることを表現するとそんな感じです。どっちに乗っても蒲田までは同じように進むので、間違った電車に乗ってても気付かないんです。

まあ、しっかり気を強く持っていないと、電車を乗り間違えるぐらいの簡単さで、うっかりリタイアすることになっちゃうんだなあという深い反省です。

よくアスリートが言う、「目の前の一戦一戦を大切に」と言っていることの意味が、少しだけ分かった気がします。

どれだけ頑張っていようと、完走するための頑張り方をしなければ意味がないということで。

2014 奥久慈トレイルレース完走率

レースのあとは、袋田の滝近くのこちらの温泉で汗を流せます(700円)。まだ必死に走っているランナーがいることを思うと、あまり気は進みませんでしたが…やっぱり完走して入りたいものです。
140606 2

風呂の後は、せめて最後まで帰ってくるランナーを応援しようとゴール前で応援とハイタッチ。完走ギリギリランナーとしては、ここを自分が走っていないのはやっぱり悔しいです。

さて当日も、3割いくかどうか話題になっていた完走率ですが、オフィシャルWebの50Kリザルトを見ると、完走者はちょうど200人。出走も700人ぐらいだったので、約29%。3割切ってますね…

まだ来年のリベンジを決意するには(珍しく)ダメージを負いすぎていますが、きっといつかは(!?)また走りに来ると思います。

だから、完走率を上げるためのコース変更なんかは絶対せずに、ドMランナーを迎え入れるドSコースのまま待っていてほしいですね。

ドMなみなさんは、ぜひ奥久慈に挑んでみてください(笑)

(おわり)

2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記⑦

今週末に参加した2014 OSJ奥久慈トレイルレース50Kのリタイア記その7です。

これまでのエントリは、こちら。
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記① | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記② | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記③ | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記④ | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記⑤ | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記⑥ | reboot blog

第2関門:竜神大吊橋@26km~赤岩エイド

関門ギリギリで出ているので、ほぼ最後尾。関門に間に合っていた人でも、力尽きてリタイアした人が大量に横たわっています・・・

時間的には、すでにかなり絶望的ではあるものの前進あるのみ!

と気合が入っていたのは、関門を出てほんの一瞬のこと。橋ふもとの駐車場脇から入ったトレイルは、またまた容赦のない登り。

少し前に出たであろうランナーが次々と、「がんばってください!」とさわやかに声をかけながら引き返してきます。聞いてみると、一旦は次に向けて出発したものの、登り始めてやっぱり無理だと確信した、と。

しかも、おそらく誰か一人引き返し始めると、「だよね、やっぱ無理だよね」と便乗して引き返す人が出てきます。集団になって降りてくる人たちもいました。それを「お疲れ様でした!」と空元気で見送る度に、前に進もうという心が削られていく・・・

いよいよ立ち止まることのなかった登りで初めて立ち止まる。もう視界の中には一人二人しかいない。みんな立ち止まり、うなだれながら肩で息をしている。

つらい。

やめちゃう?

引き返しちゃう?

8時間以上がんばってるし、30km以上走ってるし、2300m以上登ってるし、もういいんじゃない?

って思っちゃってもおかしくない状態の中、それでもフラフラと力なく登っていると林道に出る。本来なら走れるとこなんだろうけど、完全に前進するエネルギーを失っている今、一瞬意味もなく迷い、ぼーっと突っ立ってるよりは下った方がましか、という程度の気持ちで下る。

引き続き顔で塩を生産しながらダラダラと林道を下り終え、ここからは舗装路か、と思っていたところにぎやかな声で迎えられます。赤岩エイド!めちゃめちゃ充実の赤岩エイド!地元のみなさんの、温かいお迎えに涙が出そう。

頭から水をかけてもらい、食べやすいように小さく握ってくれたおこわや、フルーツ、新鮮で冷たいトマトをたくさんいただいて、少しだけ前に進む力を得ます。

そこでは、手作りのこんなものもパックに入れてくれてました。ありがたや。
140605 0

赤岩エイド~東金砂神社@35km

それにしても、腿にたまった乳酸は思考を吸着する機能でもあるんじゃないかと思うぐらい、何も考えられなくなりますね。

次のトレイルでいよいよ脚が止まります。下りで脚が出ないのは初めて。黄色いテープをたどっていくこんなトレイルは、普段ならワクワクするんですが、茫然自失でぼんやり眺めるだけ・・・
140605 1

ここはテクニカルで普通に走れても時間かかるだろうと思いますが、もうとんでもなく時間かかってます。迷子にでもなったかのようにとぼとぼと進みます。

そして砂防地区、地元の方がご厚意で出してくれているというエイドで、お茶をいただく。応援してもらっているのに元気よく走り出せないのが情けない…
140605 2

フラットなロードぐらい遅くても走るのがウルトラマラソン・フィニッシャーの意地。とばかりにフラフラ走ってると突如現れた東金砂神社の鳥居。

東金砂神社って次のエイドだな。あれ、もしかして思ってるより進んでるのかな。なんて考えてたんですが、この鳥居から神社まで何kmあるんだというほど遠い。ということが後々分かります。というより、なぜここに鳥居があったのか…
140605 3

砂防地区から神社までのロードは、苦しくても全歩きだとタイムが厳しくなるので走ること!と説明会では言われたものの、炎天下の登りはさすがに脚が前に出ず・・・
140605 4

登りを歩き通し、ようやく神社への参道が・・・もう少しか!?
140605 5

と思いきや、まだまだけっこうな登りトレイルで、完全にへし折られます。
140605 6

もう心は完全に空っぽ。

途中までは完走するために走っていると思っていたんですが、気付くといつの間にか、完走できないことを確かめるために走っていたという感じ。
10km先にある関門の制限時間10分前、東金砂神社エイドで投了。10時間20分でわずか37km。しかし、3140mを登ったレースでした。
140605 7

(ちょっとだけ続く)

2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記⑥

今週末に参加した2014 OSJ奥久慈トレイルレース50Kのリタイア記その6です。

これまでのエントリは、こちら。

2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記① | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記② | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記③ | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記④ | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記⑤ | reboot blog

湯沢峡エイド@17km~第2関門:竜神大吊橋@26km

湯沢峡エイドを出たのがスタートから5時間ちょっと。ヒザをケアして慎重に走っているとはいえ、時間かかりすぎでかなりやばいです。

登りは休みなしで、落ちてくる人・休憩している人を拾いながら少しずつ順位を上げていくものの、下りはヒザが怖いのでスピードを落として着実に。

競技説明会でも、下りで脚を使いすぎないようにって言われたしなあ、なんてこれだけ押さえてても、脚はすでに売り切れ気味。

とにかく時間がないので、バックパックのリザーバーに水を補給してもらって再出発です。篭岩登山道からトレイルに入りますが、ここから先は、本当に余裕がなくなってきたので、写真もほとんどないです・・・

すでに疲労困憊だったからかあまり記憶がないんですが(笑)、ここから亀ヶ渕までは面白いトレイルゾーンだった気がします。たしか。

こんな沢渡りが2か所くらいあって、頭から水かぶってリフレッシュしました。座り込んだら立ち上がれないと思い、早々に立ち去ります。
140604 1

天気は意地悪なほどに良く、もう暑過ぎます。3分に一度は水分補給をしないと干からびてしまいそうな状況。

暑い。

暑い暑い。

顔がザラザラすると思ったら、汗かきすぎて額が塩田になってます。脚は完全に売り切れてますが、乳酸と塩なら売るほどあります。自分の汗が目に入って痛い。

気付いたら、もう水しか飲めない状態になっておりました。序盤は持参した大福とか食べてたんですが、ジェルもハッピーターンも、全然食べる気がしない。空腹を感じている時点でやばいことは分かってるんですが、水以外なにも摂る気になりません。

マラソンにおけるエイドは、飲み物・食べ物を提供してくれるのはもちろんですが、もっと大切なものを提供してくれていました。それは補給の機会。定期的に、そして半ば強制的に補給の必要性をリマインドしてくれているのです。

トレイルでは、エイドの役割も自分が果たさなければいけない。自分の世話は自分が焼かなければいけないのです。なんのために背中に荷物背負ってんだ。最近、ウルトラマラソンばかり走っていたので、すっかり忘れてました。これじゃ、トレイルランナーとは言えませんね。

そんなわけで、ぐったり。でも、そんなことお構いなしに容赦なく登らせます。
140604 2

面白いのに長い長いトレイルを抜けて亀ヶ渕に出ると、ここからはロードで大吊橋へ。

この少し前、友人を介抱中(?)の親切なランナーが、「あと1kmぐらいで亀ヶ渕に出ますよ~そこから先はロードなので、ダッシュすれば関門に間に合うかもしれません」と教えてくれる。
140604 3

アスファルトからの照り返しが強く、遠回りでも木陰を選んで走らないと倒れそう。クラクラ。

フラットなところと緩い登りは死ぬ気で走る。どこまで続くんだよ~と思っていると、第2関門がある竜神大吊橋の先端が目に入る。「やった!」と思う前に、「遠っ!そして、高っ!!」
140604 4

とにもかくにも目標が射程圏内に入り、前向きな気持ちで走っているのに、奥久慈ベテラン風のランナーに「あれが橋ですよね!?間に合いますかね?」と聞いてみると、「どうかな~登らないといけないからね」とつれない返事が・・・

その意味がここで分かります。橋への入口で案内をしてくれているスタッフの方が応援とともに伝えてくれたのは、「この階段登ってください!関門は橋渡ってすぐですよ~」 まじっすか。これ、登るんすか?橋の真下にいるはずなのに、これだけ遠くに見えるあの橋の高さまで、階段登るんすか??そして、関門は橋の向こう側なんすね??
140604 5

スタッフの人は悪くない。橋も悪くない。太陽も悪くない。こんなギリギリの時間にちんたら走っている自分が悪いのだ・・・

と言い聞かせながら、登る。これはきつい。極上のきつさ。脚が売り切れのため上半身で登ろうとするも、手すりも熱くて掴めないよ。心拍ギリギリまで追い込んで決死の覚悟で登っているのに、まだ遠い・・・
140604 6

階段なのに、両手両脚使って四つん這いで登る人の気持ち、分かりますか?登っては、木陰の手すりに寄りかかりうなだれる。容赦なく太陽が照りつけ、容赦なく制限時間が迫るこの階段、地獄絵図です。
140604 7

ようやく、橋桁と同じ高さまで登ってきた。観光客が、とても気の毒そうに応援してくださる。橋、長っ!
140604 8

観光客の合間をすり抜ける(すでにゾンビと化した)ランナー。高所恐怖症なんですが、怖がる余裕がない。
140604 9

遠い目をしながら橋を渡り終えると、スタッフの方の説明通り関門が。そしてその周辺には、日陰に寝転がるランナーたちの屍と、対照的に休日を楽しむ観光客のコントラスト。

エイドで頭から何度も水をかぶりますが、もはや暑さ対策というよりは、正気を保つためだけにかけています。

近くで私設エイドを出してくれていた方に、冷たいコーラをいただく。これはめちゃめちゃありがたい。しかし、相変わらず何も食べることができず、日陰で横になると、風が気持ちいい。あぁ、このまま眠ってしまいたい・・・
140604 10

と、そんなことも言ってられず、第2関門の制限時間いっぱいいっぱいの13時頃、竜神大吊橋を後にします。もう全く猶予なし!あ~しんど。

(つづく)

2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記⑤

今週末に参加した2014 OSJ奥久慈トレイルレース50Kのリタイア記その5です。

これまでのエントリは、こちら。

2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記① | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記② | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記③ | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記④ | reboot blog

第1関門:持方@11km~湯沢峡エイド@17km

制限時間1時間前にエイドを出て、次のトレイルに向かいます。すでにかなりの消耗度ですが、ヒザはまだ大丈夫。というわけで、気合入れていきます。
140603 1

ここから先も、男体山に向かう激しいアップダウンが続くんですが、かなり手こずりながら走っているので写真がありません(汗)

ただ言えるのは、高低図上でノコギリの刃のように見えるギザギザがすべて、急斜面を登っては下ることの繰り返しで、なかなか前に進んでいるという達成感を味わわせてはくれないということ。終始、報われない感じがなんとも言えません。
140529 1

この感覚はなかなか表現しがたいんですが、強いていえば、体力テストでやらされる「踏み台昇降」のような生産性のなさ。前にも進まないし、何も生み出していないのに時間だけが過ぎていく感じ。

マラソンは距離の競技だと思っていましたが、トレイルにおいては、いや奥久慈トレイルレースにおいては、この考えを捨てるべきだったかもしれません。前半から時間をかけて消化しているのは累積標高であり、そういう意味では決して徒労ではないんですが、そのことに気付いたのは、レースが終わったあとでした。

実際、今年のコースは後半に長い林道があり、そこではかなり走れることになっていたわけで、そこまでたどり着く前に力尽きてしまったのは、単純に走力が足りなかったと言うことで。

ともかく、苦戦しながらも男体山の頂上に到着。
140603 2

眺めは最高です。トレランやっててよかったと思う瞬間の一つ。
140603 3

しかし、男体山の頂上を越えても、相変わらず走らせてはくれません。

鎖がないと、もはやロッククライミング・・・
140603 4

どこ通ればいいか分からないぐらいの岩があったり、
140603 8

巨大な根っこの下をくぐったり、
140603 5

そして、せっかく登ったのにすぐ下らせるのがこのコース。ああ、報われない・・・
140603 6

この間髪入れないアップダウンに、知らない間に心身ともに削られてるんです。

周りを走る誰もが、「エイドがないエイドがない」「休みたい休みたい」とつぶやき、励ましながら下っていた頃、ようやくエイドに続く舗装路が目に入りました。やれやれ。
140603 7

17km地点のこのエイド、すでに寝転がって天を仰いでいる(再起不能と思われる)ランナーたちが日陰に並んでいます。エイドの饅頭をありがたく頂き、座って休憩しようとしたら、隣からは、キツすぎて吐いた、とか吐かないとかそんな話が聞こえてきます…

まだフルマラソンと同じ距離、それもまだまだ激しいアップダウンの続くトレイルがたっぷり残ってるのに、果たしてゴールまでたどり着けるんだろうか!? あ〜しんど。

(つづく)

2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記④

今週末に参加した2014 OSJ奥久慈トレイルレース50Kのリタイア記その4です。

これまでのエントリは、こちら。
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記① | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記② | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記③ | reboot blog

スタート〜袋田の滝〜第1関門:持方@11km

前日の競技説明会では散々脅されてしまったわけですが、一晩眠ってすっかり忘れ・・・られるわけもなく、重めの気持ちでスタートを待ちます。

まだ5:30ですがすっかり明るく、まだ涼しいので爽やかです。いよいよスタート!
140602 1

今回はとにかくヒザ次第。2週間前の野辺山ウルトラで酷使したヒザが保つかどうかにかかってます。痛み止めを大量投入してまで走ってしまったので、本当にボロボロ。

冷静に考えると、絶対走っちゃいかんだろって状態ですが、テーピングでしっかりサポートし、何とか走れることを祈ります・・・
140602 2

まずはロードを数km、さっそく観光名所「袋田の滝」へ。先頭集団はすごい勢いで折り返してきます。
140602 3

これが袋田の滝!ゆっくり写真を撮ってる余裕があるのは、最後尾集団だから(笑) せっかくなので楽しまないと。
140602 4

滝からロードをまた戻り少し行くと、いよいよ地獄トレイルの始まり。さっそく渋滞しています。渋滞回避のために最初のロードをダッシュすべしという情報もありましたが、ヒザケアのために、かな〜りかな〜り慎重に走り出してるので、最後尾から10番目ぐらい。
140602 5

さっそく両手を使わないと登れない岩場が。こりゃ渋滞するわけです。
140602 7

こういう気持ちいいトレイルは貴重。序盤から絶え間ないアップダウンが延々と続くので、走れるところはついつい飛ばしたくなりますが、最初の10kmはとにかく痛みが出ないように徹底的に抑えると決め、ぐっと我慢。
140602 8

こういう登りが本当に多い。歩かないといけないパートが多かったのが、逆にヒザにはよかったようで、痛みは出ません。でも、消耗度が半端ないです。GPSウォッチを見ていても、全然距離が伸びない(笑)
140602 9

ようやく一山越えて、一瞬だけロードに出るも・・・
140602 10

また、こんなロープを使わないと登れないような急登。50Kの部は700人ほど参加しているようですが、ずっと後ろから10番目〜20番目あたりを行きます。ひたすらヒザとの対話。
140602 11

こういう足捌きが求められるトレイルが、ヒザに来そうで怖くて仕方ありません。ゆっくりゆっくり。でも、まだ楽しい。
140602 12

竹をくぐったりも。 3分以上気持ちよく走り続けられた場所を思い出せないくらい、アップダウンか障害物競走か、必ず何かあります。
140602 13

ようやく第1関門の持方まで到着。ヒザは何とか暴発せずに保ってくれていますが、11kmで3時間かかってます・・・そしてすでに1000m以上登ってます。いや、本当に進まない。すでに30kmぐらいのトレイルレースを走り切ったぐらいの満足感なんですが。
140602 14

第1関門の制限時間9:30に対し、エイドで休憩を終え、ここを出たのが8:30前。余裕たっぷりに見えますが、そんな貯金はこの先あっという間に消し飛びます…

すでに意気消沈している(!?)周囲のみなさんと、第2関門の竜神大吊橋へ向かいます。あ〜しんど。

(つづく)

2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記③

今週末に参加した2014 OSJ奥久慈トレイルレース50Kのリタイア記その3です。

これまでのエントリは、こちら。
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記① | reboot blog
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記② | reboot blog

奥久慈、いいところです

茨城県に最後に来たのはいつだろう。

確実に覚えているのは、千葉県柏にある高校に通っていた頃(中学だったかな)、若気の至りだったのか「チャリンコで筑波まで行こうぜ!」と友人と連れ立って勢いよく出発したものの、利根川を越えてすぐに心が折れ、駅前のロッテリアか何かでエビバーガーでも食べて帰ってきたことぐらいか。TX(つくばエクスプレス)が開通してしまった現在では、バカバカしすぎてきっと若気も至らないだろうな。

そういえば、あの時もリタイアしてたんだな、自分。茨城は鬼門なのかもしれない。

ちなみに、元々は大阪生まれなのに納豆をおいしく食べられるのは、ちょうどこの筑波チャリンコリタイアツアーの頃に、持ち前の精神力と適応力によって克服したからだ。リタイアのみならず、当時から格上の相手と闘おうとしていたことは、我ながらほめてあげたい。

そんな茨城の大子町ですが、こんなに素敵なところでした。この写真は前日の受付会場だった大子町役場のすぐ裏の様子。
140601 1

そしてこちらが受付会場の様子。とにかく暑く、翌日のレースが思いやられる・・・
140601 2

競技説明会&懇親会

受付を済ませ、ショップを冷やかして待つこと1時間ちょっと、17:30を回った頃予定通り競技説明会と懇親会開始。

早朝スタートのウルトラマラソンとかトレイルランでは前日受付が基本なので、「せっかく来てくれたのに、受付だけでは申し訳ない」といった感じで説明会が行われることが多いです。

ウルトラの場合は初開催の大会以外、これまで説明会に出て貴重な情報を得られたということがほぼないので、イベント気分を感じたいという目的以外では長時間待ってまで参加する必要もないのかもしれませんが、トレイルのレースはかなり重要な情報を提供していただけることが多いです。

試走でもしていない限りは初めて走るコースだし、コースマップだけではイメージしにくいところを写真などを使ってシミュレーションしてくれたり。当日前の天候による路面状況とか、コースマップと高低図だけでは判断が難しい時間配分についてのアドバイスもあり、完走ギリギリランナーの自分にとっては非常に有益です。

OSJ滝川さん&鏑木選手&30Kの部に参加の吉本興業Bコースのハブさんが登場。
140601 3

さて、滝川さんと鏑木さんから脅したっぷりに語られたのは、だいたいこんなこと。


「ここのコース、絶え間なくアップダウンが続くし、技術難易度も高くてきついんですよねぇ」


リップサービスとはいえ、鏑木さんにこういうこと言われるとへこみます。


「毎年、少しずつコース変更してるけど今年は、去年舗装路を走ったところをトレイルに変えてさらに難易度を上げました。」

毎年コース変わってるのは知らなかったっす。せっかく予習した他の方のブログが無効になる・・・

「去年も完走率57%だったけど、今年どれだけ下がるのか、今から楽しみです。」

完走率を下げる方向に改善するって、ドSすぎて新しい・・・


「まぁ、ロードのマラソンとは違って完走ありきではないので、行けるところまで行って、続きは来年ということで楽しんでもらえればと思います。」

この発想も新しい・・・いや、絶対完走したいんですけど。「行けるところまで行く」じゃなくて、完走から逆算しないと絶対完走できないっていうエントリも書いたばっかりだし。


「(奥久慈が初めての人の挙手の数を見て)あぁ~、これは痛い目に遭いますね。」


(絶句・・・)

「(トレイルが初めての人の挙手の数を見て)なんでよりによって、初めてのレースでこの大会を選んじゃったんでしょうね~(苦笑)」

(絶句・・・・・)

「最後に、言い忘れたけど奥久慈の岩は硬くて鋭利なので、手袋が必須ですよ~」


もはや、これは小さな話。

そんなわけで、気分が盛り上がるどころか、かなり萎え萎えになってしまったものの、地元の方がおいしい料理を振る舞ってくれる懇親会(選手は無料)に突入。

全然知らなかったんですが、説明会が終わると見るや、みんな速攻でお目当ての料理に並び、あっという間に長蛇の列が!

行きのスーパーのおにぎり争いといい、この料理争いといい、なんかレース前から戦闘モード全開なんですけど。

周囲の異変に気づき、たまたま近くだったので並んだカレーは大人気で最も長い列ができていたようです。名物の軍鶏&温泉卵入りのはずが、人気のあまり具材がなくなったようで、ただのカレーに・・・でも、とてもおいしかったですよ。
140601 4 Fotor

結局、不安にさせられただけだったような気もしますが、心の準備と覚悟だけはできました。いよいよレースです!

(つづく)

2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記②

今週末に参加した2014 OSJ奥久慈トレイルレース50Kのリタイア記その2です。

これまでのエントリは、こちら。
2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記① | reboot blog

ツアーバスで出発

これまた大甘だったんですが、エントリー時点では東京からなら日帰りで行けるかなあと思ってたものの前泊必須でした・・・

スタートが5:30なので当然なんですが、そもそもエントリーした時は、制限時間が14時間ということも知らなかったので、始発でも間に合うぐらいかと勝手に思い込んでいました。

ツアーの案内が来て、往復バスと宿をあせって手配・・・まあ、そもそも観光気分で走ろうと思ってたぐらいなので、ツアーバスで行った方が気分が盛り上がるというもの。

お昼前に東京駅近くの鍛冶橋駐車場からバスに乗り込み出発!

心なしか、ハセツネ30Kとか蔵王トレイルランより屈強そうな人が集まってる気がするんですが・・・

友部S.Aで水戸を満喫

首都高から常磐道へ入ってしばらく行き、出発から1時間半ほどで、水戸近くの友部サービスエリアへ。ランチ休憩です。

水戸と言えばもちろん納豆。初めて来たけど納豆押しです、友部サービスエリア。

お土産はもちろん納豆。
140531 1

納豆。
140531 2

そして、納豆ドッグ。
140531 3

納豆フラペチーノ…はなかったけど、やたらおしゃれなスタバ。
140531 4

ランチはもちろん、納豆定食をいただきました。みなさん、とん丼を食べていらっしゃいましたが。納豆にマヨネーズ入ってるのかと思うぐらい、コクがあって濃厚でおいしかったです。ちょっと朝食っぽいんですが。
140531 5

食べるものがおいしいと、旅は楽しくなりますね~

途中、休憩をかねてスーパーへ立ち寄り、15時頃には大子町に到着。

ちなみに、スーパー立ち寄りはツアーに組み込まれてるんですが、ここでの買い出しを見込んでいる参加者の晩ゴハン&明日の朝ゴハン&レース中の補給用おにぎり争いがレースさながらの激しさなので、ここで競り勝つ自信のない方は、あらかじめ買って持参した方がいいかもしれません。

このあたりまでは本当に観光気分を楽しんでいたんですが、半袖でも暑いほどの陽気の中、まさか説明会が始まって冷汗をかくことになるとは、この時は思ってもみませんでした・・・

(つづく)

2014 OSJ奥久慈トレイルレース50K(悶絶)リタイア記①

前のエントリでお伝えした通り、この週末は奥久慈トレイルレースで、ラン人生初のリタイアを経験しました。

もしかすると、リベンジに燃えているかもしれない来年の自分や(今はまだ全くそんな気持ちになりませんが・・・)、奥久慈トレイルに興味をお持ちの方の何かの参考にはなるかもしれないので、リタイア記を残しておこうと思います。

傷口をえぐるようで、気は進みませんが(苦笑)

エントリーから間違っていた私

今考えると本当に大甘だったんですが、近いのにあまり行ったことがない茨城に観光気分でした。そう、観光。

日本三名瀑「袋田の滝」とか、にほんの里100選にも選ばれた「持方集落」とか、本州一の吊橋で日本最大級のバンジージャンプがオープンしたばかりの「竜神大吊橋」とか、そんなところを走れるって、すごい楽しそうだよね〜

って観光気分で行ってきたら、えらい目に遭いました…

オフィシャルサイトを見てもらえれば分かりますが、「新緑の深まる季節」とか「マイナスイオンをたっぷり」とか「あたたかいおもてない」とか、ものすごくピースフルなことが書いてあります。

どれもウソではないですが、ひとたびレースが始まると、ピースはどこにもありませんでした。エイドはたしかにあたたかかったですけどね。

POWER SPORTS | パワースポーツ「2014 OSJトレイルランニングレースシリーズ 第4戦 OSJ奥久慈トレイルレース」

蔵王トレイルもそのパターンで行って、痛い目に遭ったんですよね(反省してますが、たぶんこれは直らない)。

それに近場だし、70km以上がほとんどの2ポイントレース(※)の中、50kmで2ポイントっておトクじゃない?という下心も。

こんな浅はかな気持ちで奥久慈にエントリーした自分をビンタしてやりたい(もっと言うと、奥久慈を甘く見て、その二週間前にウルトラ最難度の野辺山100kmと、一週間後に大島でのトライアスロン2戦目を入れやがった自分を往復ビンタしてやりたい)。

そんなこんなで、いざ行ってみて待ってたのは、

たった37km走るだけで10時間かかり、その間に富士登山で言うと2回分を超える3200mぐらい登ってるのにゴールのかけらも見えやしない、規定だから持っていたサバイバルシートとかファーストエイドキットとかライトの予備電池とか、まじで全部これ使い切ることになるんじゃないかと思うぐらい険しい険しいアドベンチャー観光でした・・・

※UTMB/UTMFにエントリーするために必要なポイントのこと。念のため。

徐々に正体が明らかに

徐々に、と言いながら自分がエントリー前にちゃんと調べてなかっただけなんですが…この奥久慈、調べれば調べるほど難関レースだということが明かされていきます。

・エントリーしたあとでチェックしてみたら、50Kのレースではあるものの累積標高4000mというアップダウンの激しさ

・2週間前の野辺山ウルトラを終えたあとによくよく他の人のブログとか見てみたら、どうも50Kとは名前だけで、実際は60kmほどあるらしい(その後Official Webを見直してみたら、レース名から「50K」の文字が消え、「奥久慈トレイルランレース」という名前に…30Kの部ができたから?「50Kの部」というのは残ってます)

・さらによくよく情報収集してみると、岩登り/綱登り/沢渡りと、アップダウンだけでなく、要求される技術レベルもガチっぽい。

・さらによくよく関門情報を見てみると、制限時間が野辺山ウルトラと同じ14時間。そして完走率はと言えば、65%程度の野辺山に対し、57%(去年データ)という低さ。

前日の説明会で、さらに追い打ちをかけるようなことを言われるとは思ってもみませんでしたが、この時点でもうすでに、これはやばい、と。

しかし、鍛え直すにしても手遅れなので、とにかく野辺山の疲労を抜き、酷使してボロ雑巾のようになったヒザのケアに集中し、出走することだけを考えました。

ノーポチするのはいいけど、準備を怠ってはいけません。出ると決めたら、しっかり準備して出ないと、トレイルは危ないですからね。

来年もノリだけでポチってるかもしれない自分への伝言です。

(つづく)