IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑲:[翌日] ありがとう、洞爺湖。ありがとう、北海道。

先週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

IRONMAN JAPAN 北海道2014 完走記その19です。

これまでのエントリは、こちらから。
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。 | reboot blog

トライアスロンを始めてからアイアンマンまでの半年間の道のりはこちらから。
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②:アイアンマンまでの道のり<前編> | reboot blog

IRONMAN JAPAN北海道 2014の様子はこちらから。
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑥:[前々日] いざ洞爺湖!&大会イベントに参加。 | reboot blog

[翌日] 余韻に浸りつつ、北海道を発つ。

レース後は、ゴール会場のスープととうもろこしのおもてなしを受け、宿に帰ってすぐに就寝・・・正直、あんまり記憶がありません(笑) 風呂には入りました、たぶん(笑)

翌朝は、レースに限らず毎朝4時起きの師匠に、レース翌日の疲労も関係なく叩き起こされて会場へ。バイクとトランジションバッグのピックアップ。なぜか、


「夏草や 兵どもが 夢の跡」


という芭蕉の一句が浮かんでしまった、トランジションエリア。本当に夢のような一日でした。
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「IRONMAN」は、キャリア半年だろうと30年だろうと、トライアスリートにとってはやっぱり特別な大会なんじゃないでしょうか。
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ここ数日の、降ったり止んだりの雨で泥だらけのバイクラックから、愛車をピックアップ。泥だらけのタイヤだけを簡単に洗って、宿で発送のために解体。

組み立ても解体も、やっぱりめちゃめちゃ嫌い。嫌いと言ってるうちは、一人前のトライアスリートではないと知りつつもやっぱり嫌いです。コースの外でも盤石な兄さんを見習わねば。

バイクの発送と、4日間お世話になった宿をチェックアウトしてから、「G8北海道洞爺湖サミット」の会場となったザ・ウィンザーホテル洞爺で祝勝ランチ!
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死闘の舞台となった洞爺湖を見下ろす絶好のロケーション。こんなにデカい湖の周りを走ってたのか・・・中島がかっこいい。
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そして、弱った胃に染みわたる絶品の数々。アイアンマンにふさわしい(きっと何を食べてもそう思う)。レース翌日に、こんなに高級な料理をいただいたのは初めてです(笑) 全員、Finisher Tシャツを着用のドヤ感。
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空港へ向かう前に滑り込んだAward Party。あと3時間縮めたとしても、ここには立てないのか・・・
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ランを始めてからの2年半、総走行距離3500km以上をともに走ったランシューとのお別れ記念撮影をして、会場を後にします。ありがとう、洞爺湖!
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空港では駆け込みで海の幸を。ありがとう、北海道!!
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遠征も、レース自体も長旅でしたが、一生忘れられない北海道旅行になりました。

ありがとう、ポセイ丼&Team Admiral!!!

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑱:ポセイ丼、アイアンマンへ!

先週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

IRONMAN JAPAN 北海道2014 完走記その18です。

これまでのエントリは、こちらから。
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負傷の師匠

自分のゴール後、遊歩道沿いに応援に回ると、師匠を発見。
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辺りはすっかり暗くなっているが、よく見ると太もものところに大量のスポンジを挟んでいる様子。そして、「太ももが腫れた」という師匠。

ついこの前まで住んでいたシェアハウスでも、短パンでうろうろしていただけで同居の住民が「なんですか、その太もも!」と、のけぞったという太もも。その太ももが、自己申告による本人比でさらに腫れているとのこと。痛み止めを求められるも、バイクのBoxに詰めたまま置いてきてしまった・・・サポートできないのが申し訳ない。

ゆっくり着替える時間がなかったのでそのままだったというバイクパンツを受け取り、「ゴールで待ってます!」と送り出す。待ってます、師匠!

兄さん、アイアンマンへ!

師匠を送り出してから、戻ってくる選手たちを沿道で応援。ゴールへと帰ってくるランナーもいれば、最後の一周へと向かうランナーも。

師匠が通過してから4〜50ほど、兄さんが帰ってきました!

これまで、トライアスロンデビュー戦だった美ら島トライアスロンから、チャレンジ富士五湖、野辺山ウルトラと、ともにレースを走ってきたけど、いかなる時でも全く綻びを見せない兄さん。自分のことのみならず周囲にも気を配り、スーパービジネスマンとして、一家の大黒柱としていかなる時でも抜群の安定感を誇る兄さん。半年前に一緒にトライアスリートへの門を叩いたはずなのに、常に「トライアスリートかくあるべし」という姿を示し続けてくれる兄さん。14時間を切るタイムで見事に帰ってきました!

いかなる時でも落ち着いているのに、最後の最後ではっちゃけてジャンピングゴールをかましていただいたおかけでブレブレです…が、おめでとうございます!!!(よく見たら全部ブレてるので手ぶれですね。兄さん、すいません!)
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羅王選手、アイアンマンへ!

抱き合って兄さんとゴールの喜びを分かち合い、ひとしきり休憩しながら武勇伝をハイライトで聞いた後、今度は羅王選手の応援へ。

兄さんに聞いたところ、かなり辛そうではあったけど動いてはいた、と。座薬は効いているのか?ロキソニンの連続投下程度の痛みでも地獄の苦しみだったのに、座薬を使わないと走れない状態なんて、本当は止めるべきだったのかも。でも、この半年間積み上げてきたものを、誰よりも知ってるだけに止められはしないけど。事実、チームメイトは誰一人止めようとしなかったもんなあ。

そんな回想モードに浸っていると、羅王選手の名前がアナウンス。とうとう帰ってきた!
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サプライズで東京から駆けつけた娘ちゃんに、一緒にゴールするのを拒絶された直後とは思えない達成感に満ちあふれたゴールシーン。心身ともに、紛れもなくアイアンマンです!!おめでとう!!!

そして、師匠、アイアンマンへ!

羅王選手とも抱き合って喜びを分かち合い、

口数は少ないけどIT上での手数は多い師匠。ド素人を半年でアイアンマンまで導いてくれた指導力と圧力、的確なハードル設定、オープンマインドなノウハウ共有、計算間違い、合同練習とコソ連の許容。そして、何より勝手放題なこの3人をまとめ上げる統率力。この師匠でなければ、ここまで頑張ることはできなかったでしょう。

練習したのかと思うほど見事に「IRONMAN」ロゴをきれいに掲げてゴールする師匠。おめでとうございます!!そして、ありがとうございました!!!
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We’re IRONMEN!!!今回チーム「ポセイ丼」と旅程を共にしていただいたつっしーさんも一緒に。つっしーさんも初めてのアイアンマンレースで、見事なラン、見事な完走でした!
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こんなに屈強で暑苦しい男たちと、汗だくのまま躊躇なく抱き合えるってことが、これまでどれだけ本気でやってきたのかを証明しているような気がします。全員、べっちゃべちゃですよ。

こうして、23時過ぎ、長い闘いを終え、全員が「アイアンマン」となって再会を果たしたのでした。

「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑲」につづく。もう東京へ帰ります。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑰:Sub4には届かなくても、やっぱりランが好き!!!

先週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

IRONMAN JAPAN 北海道2014 完走記その17です。

これまでのエントリは、こちらから。 

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。 | reboot blog

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IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②:アイアンマンまでの道のり<前編> | reboot blog

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IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑥:[前々日] いざ洞爺湖!&大会イベントに参加。 | reboot blog



21km/226km

チームメイトが走っている姿を見て、闘魂が注入された2周目。頑張っている人の姿は、頑張っている人に対して力をくれるものです。力を得て、Sub4へ向け再出発。あと、わずか21km。226kmのうちの、たった21kmです。よくここまで来たもんだ。

ここまでのところは、苦しいながらも何とか5:30~40/kmペースで、ギリギリ食らいついているという感じ。エイドの休憩時間を考えると苦しいかな・・・

このつらい時間帯、ずっとトライアスロンチーム「ポセイ丼」の母体である、ランチーム「Admiral」のことを考えながら走っていました。それぞれ多忙な生活の合間を縫って走り、ともにレースに挑戦し、応援を惜しまず、切磋琢磨する仲間たちは、このアイアンマン挑戦にもFacebookを通じて大きな声援を送ってくれていました(涙) 

最後のランでSub4に挑もうと思えたのも、ここまでSub4ペースで粘れたのもランチームのおかげ。トライアスロン、楽しい。でも、やっぱりランが楽しい。

そんなあれこれを朦朧とする意識の片隅で考えながら、1周目で意気揚々と抜き去っていったランナーたちがペースを落とし、落ちてくるところを拾っていきます。

スイムのキャリアで負けていようと、バイクの設備投資で負けていようと、それでも最後にランがある。ウルトラマラソン&ウルトラトレイルを走っている者としては、最後のランで負けるわけにはいかんのです!

2周目に入ってからは、コーラ補給を再開。往路では、1周目を折り返し戻ってくる兄さん・羅王選手と、順番にハイタッチですれ違い、師匠もすぐ後ろを走っていることを伝える。28kmぐらいの地点で、先に行ってもらったM山くんに追い付き、お互い励まし合うためにしばし併走。あらゆる施策を打ち、落ちてくるペースに抵抗しつつ、折り返し地点を目指します。

 

ただいまの負傷状況

ここまでくれば、もちろん満身創痍です。思うように動かないところも多々あります。

・スイムの息継ぎの時のウェットスーツとの擦れでヒリヒリする首の右側に、追い討ちをかけるように突き刺さる西日で半火傷状態。汗が痛い。

・バイクでDHポジションのまま顔を上げて前を見ていたからか、首の根本から肩にかけての鈍い痛い。ランで重要な肩甲骨の動きに支障あり。

・同じくバイクでの長時間に渡る(間違った?)姿勢保持のため、二の腕と広背筋がすでに筋肉痛気味。

・腹筋、特に下腹部は、とっくのとうに燃え尽きていて使い物にならず、軸が定まらない。

・師匠のそれが正しい太さだとすれば、ぼくのその部位は「細もも」だとチームメイトに揶揄される華奢な太ももは、もう何もしてくれない。

・ふくらはぎは、間違って力が入ってしまうと攣りそうなので、すでに意識の範囲外に置いており、どういう状況か分からない。

・かろうじて生きているハムとお尻だけが、前に進む原動力。ただし、初めて6時間40分もバイクに乗り続けていたからか、股関節周辺が全体的にしびれていて、感覚が心許ない。

やっぱり、トライアスロンにはトライアスロンの消耗の仕方があるもんですね・・・つらい!



10km/226km

M山くんと、抜きつ抜かれつやってきた折り返し地点。M山くんにも大分助けてもらいました。ここからは気合のみ。

気持ちに体がついてこなくなり、じりじりとSub4ペースから遅れていく感覚。でも、不思議と歩こうという気にはならないのは、13時間切りとラン

Sub4の目標があるからでしょう・・・

兄さんとの最後のすれ違いで「ゴールで待ってます!」と。すれ違うまでの時間が少し開いたかなと思っていたら、兄さんの盤石な胃腸ですら調子が悪かったらしく、6度に渡るピットインでタイムロスしていたらしい。そんなことを微塵も感じさせない安定感のある力強い返事にまた勇気をもらう。

そして、羅王選手との最後のすれ違い。

こちらの姿を確認した羅王選手は、自分の時計を見てスタートしてからの時間を確認。そして「13時間切り、おめでとう!!!」と送り出してくれた。13時間を切ることは、仲間とも共有していた目標。直前の負傷で、自分が挑戦できなかったことに対する悔しさもあったはずなのに、こうやって送り出してくれる仲間たち。うるうる。込み上げてくるものが呼吸を圧迫しながらも、その期待に応えるべく、気持ちだけはペースを落とさないつもりで。

 

0km/226km

レース開始から10時間以上も経っているのに、どのエイドもつい長居したくなるほどいい笑顔で迎えてくれる。「お世話になりました!」と言って出てくると、必ず背中に届く「最後までがんばってね~!」の声にうるうる。

道道2号線の橋には、通過する度に大声で応援してくれていたボランティアのおばちゃん。「ありがとうございました!」に「こちらこそーーーーーーーー!!!」と背中を押してくれる。うるうる。長時間走ることより、長時間立って応援し続けることの方が大変なんじゃないかと思う。なんかもう、感謝の気持ちしか湧いてこないですね。

限界まで締め上げた体は全く言うことをきかないので、Sub4ペースなんて維持できていないことは間違いない。けど、最後の最後まで走り通すことだけを守って、最後の遊歩道の戻ってきました。

「おかえり!」

「もうちょっと!」

「お疲れさま!」

「おめでとう!」

そして、

「アイアンマン!」

という沿道からの声援。

この日の自分にとって、最大級の賛辞に涙が堪えられません。

長かったようで、あっという間だった12時間37分。

長かったようで、あっという間だった半年間。

ゴーーーーーーーーール!!!

これで今日から、アイアンマン!!!!!

12時間37分。13時間切ったよ!

結局、ランでSub4には全然届かなかったけど、13時間切ったよ!

でも、ランでSub4目指してなかったら、絶対13時間切れてなかったよ!

ありがとう、ポセイ丼!ありがとう、Admiral!

・Run(42km):4時間16分42秒

●Total:12時間37分16秒

ゴール後は、先にゴールしていたM山くんと喜びを分かち合い、応援してくれていたランチームの仲間にFacebookで報告。そして、自分も応援に回ります。

「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑱」に、もうちょっとだけつづく。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑯:Sub4には届かなくても、やっぱりランが好き!!

先週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

IRONMAN JAPAN 北海道2014 完走記その16です。

これまでのエントリは、こちらから。 

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。 | reboot blog

トライアスロンを始めてからアイアンマンまでの半年間の道のりはこちらから。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②:アイアンマンまでの道のり<前編> | reboot blog

IRONMAN JAPAN北海道 2014の様子はこちらから。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑥:[前々日] いざ洞爺湖!&大会イベントに参加。 | reboot blog



内臓は絶不調も、Sub4ペースで押す前半戦

トータルでの13時間切りと、そのためのランSub4を決意し走り出すも、吐き気と闘う前半戦となりました…補給ができん。バイクの上で詰め込んだエネルギーが尽きる前に回復できるんだろうか!?

応援にぎやかな洞爺湖温泉街前の遊歩道を通過、トランジションエリアの有珠山記念公園をもう一度通って道道2号線へ出る頃には、かなりグロッキー気味。

フラットと聞いていたコースも、元気であればたしかに「フラット」と括ってしまってもいいぐらいだけど、この状態ではわずかなアップダウンにも一喜一憂。国道230号線に入るまでの道道2号線、明らかに登っとるだろ。道道578号線からまた洞爺湖岸に戻る。

すでに折り返して戻ってきているランナーがめっちゃ速いっす。あと十数分後にゴールしようという、トップランナーともすれ違いましたが、フルマラソン1本分の差がついちゃうって、エリートってやっぱ世界が違う。

翻って自分はといえば。初めてのバイク180kmから生還した脚の調子は・・・・・・・・・いけ、る?かも??

いけそう?いけるかな。重いけど、重いけどいけそう。これは、まだいける。おそらく下腹部の深層で腹筋は灰になっているものの、脚はまだ生きてるっぽい。Sub4の暗示にだまされてくれてるのかもしれない。

サロマ湖100kmウルトラをリタイアした翌日、反省ランと称して重い体でワッカ原生花園を15km走ったのはこの日のため。大雪山ウルトラトレイルで72kmを完走した初日で満足せず、二日目の40kmも重い脚を止めなかったのはこの日のため。なぜか今年は3ヶ月連続で北海道に遠征してるのです。北海道に落とした汗と涙を、北海道は裏切らない。

GARMINが相変わらずGPSを拾ってくれないので距離とラップが取れないものの、瞬間速度だけは生きていたので、自分の感覚とのギャップを擦り合せるようにチェックして、きっちり5:30/kmペースをキープして進みます。

ランまで生還した「ポセイ丼」

1周目の往路は、湖を眺めて気を紛らわしながら同じペースのランナーにつき引っ張ってもらう。まだ陽も高く、日向はけっこう暑いです。トライウェア+アームカバー+カーフガードでここまでずっと来てますが、ランに入ってアームカバーは外す。

貯金をつくる余裕もないので、抜かれても気にせず、気持ち悪さをこらえながら、胃の中を消化できるまで我慢。3kmおきぐらいにエイドがあり、ジェルもコーラもしっかり配備されていて助かるんだけど、水しか飲めない。

バイクコースは、仲間とすれ違う可能性がほとんどないので、完全に自分の世界の中での闘いだったものの、ランに入って、仲間が無事なのか気になる。往路の端まで行って折り返してからは、早くすれ違わないかと探しながら走っていると、、、

15km地点ぐらいで兄さんを発見!

兄さん!もちろん、兄さんもスイム・バイクで消耗しているだろう。しかし、そのことを微塵も感じさせない盤石な走り。さすがだ。ハイタッチでお互いの健闘を祈る。

兄さんと会ってほっとしたのか、吐き気よりわずかに空腹感が勝るようになってきた。これ以上の我慢はガス欠の恐れありなので、エイドで少しずつジェルを摂取する。結局ランでは最後まで、ジェルとコーラ以外の補給はできなかった。

あとは、師匠と羅王選手。漆黒で屈強な肉体美を誇りながら、毎回太ももが腫れたと自己申告される師匠はどこらへんを走っているのか。肩を痛め、前日まで泳ぐこともバイクに乗ることもできなかった羅王選手の座薬は効いているのか。

日が傾き始めた復路でこの半年を思い出し、ちょっと感慨深くなっていると、

17km地点ぐらい、往路の月浦バス停エイドでトイレに並ぶ羅王選手を発見!

肩は大丈夫なのかと尋ねると、「ええ、何とか。」と。いやいやいや、絶対痛いでしょ。よくバイク走り通したな。こういう時の羅王選手は、尋常じゃない精神力で障害を乗り越えていくことを知っているので、想定通りといえば想定通り。しかし、本人にしか分からない水面下での闘いは相当なもののはず。母集団がどれくらいいるか分からないが、座薬を入れながらIRONMANを走った選手の中では表彰台は間違いない健闘ぶりだ。

あとは師匠。職業が税理士でありながら、Excelに傾倒しすぎたためか計算が得意でない師匠。我々のデビュー戦の美ら島トライアスロンでも、バイクを1周多く回る事案が発生したため、まさか今回も110kmコースを2周目に入っているのでは、との想像が頭の片隅をよぎらなかったかと言えば嘘になる。

1周目の復路も終盤に差しかかり、有珠山記念公園から遊歩道に戻ってくると、観客からの声援がうれしい。周回コースの場合、一番心が折れそうになるのは2周目に入るところ。せっかく走って戻ってきたのに、同じ道をもう一度行くのかと思うと気が滅入る。そこにたくさん応援がいてくれるのは、本当にありがたいことなんです。そして、

2周目に入った遊歩道で、師匠を発見!

師匠!どうやら、関門時刻を勘違いしていて、バイクがギリギリになったとのこと。よーく思い起こせば、たしかにシューズ以外はほぼバイクウェアのまま。でも、無事でよかったっす。「2周目?」と聞くので、「2周目です。」と答えると、「おめでとう!!」と師匠。いや、2周目なので、まだ半分残ってます。やっぱり計算を間違えておられる師匠。

しかし、これで全員がまだレースを闘っていることを確認、にわかにエネルギーが湧いてきました。

師匠の指導を受けながら最後のランまでやってきた、トライアスロンチーム「ポセイ丼」、本当に半年でアイアンマンになっちゃうの!?

「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑰」につづく。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑮:Sub4には届かなくても、やっぱりランが好き!

先週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

IRONMAN JAPAN 北海道2014 完走記その15です。

これまでのエントリは、こちらから。 

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。 | reboot blog

トライアスロンを始めてからアイアンマンまでの半年間の道のりはこちらから。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②:アイアンマンまでの道のり<前編> | reboot blog

IRONMAN JAPAN北海道 2014の様子はこちらから。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑥:[前々日] いざ洞爺湖!&大会イベントに参加。 | reboot blog



ランへのトランジション

バイクを終え、メイン会場に戻ってきてバイクを降りて最初に感じたことは「もう、今シーズンはバイクに乗らなくていいんだ!」というトライアスリートにはあるまじき感想。でも本心です。小躍りしたい気持ちだったけど、180kmの後ではもちろん小さくすら躍れない状態で、ひいひい言いながらバイクをラックに預ける。

     「ゴールまでに全ての力を出し切る」

とは、日本のトップトレイルランナーである鏑木毅さんの言葉ですが、ちゃんと出し切りましたよ、鏑木さん。ゴールはまだ42km先だけど。一見当たり前の言葉にしか見えないんですが、その意味が分かってきたのはつい最近のことです。

ラン用のトランジションバッグをピックアップして、テントに駆け込み、ヘルメットを外してサンバイザー装着。バイクシューズを脱いでランシューズに履き替え。用意しておいたドリンクを一気飲みして、すぐに駆け出します。

・Transition 2:6分11秒

バッグを預けようとしたら、片手だけバイクグローブはめたままだったりして、自分の慌てっぷりがよく分かります… さて、レース開始からすでに8時間20分ほど経過してますが、ここからフルマラソンとは!

 

ドキドキのラン、スタート!

ランのコースは、ほぼずっと洞爺湖岸を走る片道10km、往復20kmを2往復のコースです。

フラットなのはいいんですが、湖岸沿いの景色はそれほど大きくは変化せず、それを2往復となるとかなり単調ではありますが、仲間とすれ違って励まし合えることが唯一の救い。

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(Source: Official Website 「コース」 )

一度ゴールのある洞爺湖万世閣ホテルの方向へ走り出すんですが、トランジションエリアのある有珠山噴火記念公園からここまでの区間は、温泉街のホテルが立ち並んでいることもあり、応援してくれる人が多く、華やか。声援があるとやはり、がんばれます。

ゴールにほど近いエイドで、さっそく”命の水”コーラを、たまらず2杯ほど体内に注ぎ込みますが、この負荷が高すぎたのか、はたまたバイクの後半で食べたいなり寿司&赤飯おにぎりの消化に苦戦しているのか、胃腸の調子がよくなく、吐き気と闘う前半となりました・・・

結局その後も、1周目の20kmでは、気持ち悪くて固形物は一切受け付けず水をなめる程度。それもお腹がたぷたぷしてきたので、脱水症状にならないようにする程度にしか補給もできない苦しい展開。後半のエネルギー切れが怖いものの、今、走れなくなったらそれはそれで13時間を早々に諦めることになるので、我慢して走り続けることに。

このエイドの付近で、チームメイトの兄さんの会社の後輩、M山くんを発見!バイクで6時間以上もの間一人っきりだったので、知り合いに会えただけでもほっとします・・・

お互い一周目だったので、ほぼ同じタイムでここまで来ているということ。デビュー戦だった美ら島チャレンジトライアスロンでもほぼ同じタイムでゴールした思い出があるものの、トライアスロンのキャリアは彼の方が長く、実力的にもずっと上なので、今同じところにいるということは、かなり健闘しているということを認識。「アイアンマンまで42km!」とお互い気合を入れ直し、M山くんには先に行ってもらう。

さてさて、ようやくホームのランまでたどり着きました。でも、トライアスロンでの42kmは初めてなので、体がどんな風になってるのかめっちゃ不安・・・走り出す瞬間、自分の体にドキドキしましたよ!

 

ランで、意地見せたる

自分の体がどんな風になってるか分からない、というのも不思議なものですが、バイクに乗ってると本当に分からなくなるもんです。体の使い方も違うし。これは、競技時間がだいたい同じな100kmウルトラマラソンでも味わうことのない感覚です。

どれだけウルトラマラソンとかウルトラトレイルとか走り慣れていたとしても、徐々に重くなっていく脚をマネージすることと、重い脚からスタートすることは別物です。58kmまで来た後のウルトラマラソンにおける42kmと、スイム・バイクを終えた後で新たに走り始めるアイアンマンレースの42kmはちょっと違います。だから、それぞれに慣れておく必要があるんだと思います、そこそこの走力しかないド素人トライアスリートとしては(涙)

初めてのトライアスロンを終えたあと「結局、ランも”アウェー”でした」と同じようなことを書いてましたが、その時から「こりゃやべー」と思ってたわけですね。

そのために、何度か重い脚で走る練習をしてみました。2ステージ制で、72kmのトレイルを走った翌日に、また40kmのトレイルを走らなければいけなかった大雪山ウルトラトレイルの対策でもあったんですが。もちろん、大雪山の2日目自体が、このアイアンマンのための最高の練習にもなっていたわけです(めちゃめちゃ退屈だったけど、踏ん張ってよかった)。

おかげで今回は、少しばかり食らいつけそうですよ。

ランでは、自分に負けたくないんです。だって、トライアスリートの前にランナーなんだから!みたいなカッコいい(?)ことは恥ずかしいので言いませんが、ランナーとしての意地は見せたいと思います。だから、Sub4目指して走ります。

「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑯」につづく。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑭:バイク初180kmでも、腹筋ちぎれるまで攻める!!!!

先週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

IRONMAN JAPAN 北海道2014 完走記その14です。

これまでのエントリは、こちら。 

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。 | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②:アイアンマンまでの道のり<前編> | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記③:アイアンマンまでの道のり<中編> | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記④:アイアンマンまでの道のり<後編> | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑤:アイアンマンまでの道のり<直前編> | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑥:[前々日] いざ洞爺湖!&大会イベントに参加。 | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑦:[前日] バイクCheck-in & 試泳 & バイクコース下見。 | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑧:[当日レース前] いざ出陣。 | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑨:アイアンマンレース、開幕です。 | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑩:スイム初3.8kmを落ち着いて完泳。 | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑪:バイク初180kmでも、腹筋ちぎれるまで攻める! | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑫:バイク初180kmでも、腹筋ちぎれるまで攻める!! | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑬:バイク初180kmでも、腹筋ちぎれるまで攻める!!! | reboot blog



バイクエイド6:豊浦新富@121km〜バイクエイド7:豊浦美和@137km

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さて、バイク正念場。ですがこの辺り、もはや記憶がありません。下っ腹に鉛のような重さを抱えていたこと以外は・・・

ここまでのところ、うんざりするようなアップダウンの繰り返しにめげることなく、斜面に合わせてけなげに回し続けます。これは完全に北海道の大地との我慢比べになっております。このバイクという競技、見た目の派手さとは対照的に、勝負(?)を分ける要素があまりに地味です。

脚を回し続ける。

脚を回すのに最適な姿勢を保持し続ける。

脚に最適な負荷がかかるように最適なギアを選択し続ける。

朝、会社に行って仕事して、ランチを食べて仕事して、コーヒー飲んで仕事するのと同じくらいの時間、この極めて地味な作業を延々と続けるって…..面白い!漕ぎ過ぎてなんだか楽しくなってきました。

下りも休まず漕ぐ漕ぐ。フロントアウターに入れて漕ぐ。DHポジションで漕ぐ。登り返しまで全速力で漕ぐ漕ぐ。登りながらギアを少しずつ落として漕ぐ。

最後の二山に向かう手前のエイド7でスペシャルニーズを受け取り。仕込んでおいた赤飯おにぎりといなり寿司を背中のポケットに押し込んで出発。

バイクエイド7:豊浦美和@137km~バイクエイド8:水の駅@156km

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下りではおにぎりは食べられないだろうと、激しく登りながら赤飯をほおばってると心拍がMAXに。そりゃそうだ・・・

それでも懸命に登っていると、スポンサーのリレーチームでバイクパートの丹羽なほ子さんが、一生懸命クライミング中。赤飯のかけらを片手に抜き去る瞬間、「丹羽さん、がんばってください!」と声をかけると、息も絶え絶えながら「ありがとう…ございます…がんば..りま…すぅ」と笑顔を返してくれました。こんなにつらい状況でもおキレイでした。勝手に話しかけ、勝手に充電!

もういかなる姿勢を取っても1分と保たないほど、脚も腹も腕も尻も背中も限界…肘おきに手を置いて、しこしこと登り、ようやく下り始めた頃には腹を交互によじってつかの間の休息。一回転する赤い橋を渡ったら、来る時に通った洞爺湖へのアプローチに戻ります。あと一山。

来る時は気持ちよかった最初の下りがそのまま最後の劇坂。目の前でこの坂を登る全ての人たちが右へ左へ蛇行しながら、気力だけで登ってます。これ登ったら、もう今日は登らなくていいんだということだけが希望。みんな何考えながらバイク乗ってるんでしょう。

「バイクの終盤は、ランに向けて脚を残す」との教えもあったような気がするけど、脚を残した漕ぎ方と残さない漕ぎ方の差は、もはやなさそう。これ以上ゆっくり登ったらパタッと倒れそうという速度でしか走れてませんし。

最後の登りを、ほぼ白目で「ヤターーーー!!!」とクリアしてからは、Boxに残っている全てのGel Blastsを口に放り込み平地を疾走、洞爺湖に向けて全速力で最後の下り。坂の途中で応援してくれてる人がいて、涙が出るほどうれしい。

バイクエイド8:水の駅@156km~バイクFinish@180.2km

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最後に待ってたどフラットの湖岸25km、実はこれが一番つらかった。

洞爺湖まで戻ってくれば何とかなると思ってたけど、漕いでも漕いでも進まない。180kmと比べたら大したことはない距離でも、流して終わる距離ではないっす。ここまでで完全に終わっていましたよ。

目標時間に間に合うのか、6時間ほどバイクに乗ってしびれ切った頭とお尻では何回計算してもよく分からない。けど、とりあえず急いだ方がよさそうなので、エイドを華麗にスルー。

なぜかこのレース中は、エイドをスルーすることが、結構かっこいいことであるように思えていた。自分の中では。ランでもウルトラだとそうだけど、後半の思考能力の低下は著しい。まあ、実際のところ、この期に及んで補給するものもなかったけど。

DHポジションを取る力もなく、後ろから抜き去っていく人たちに少しだけ食らいついては千切られ、食らいついては千切られを繰り返しながら、地道に距離を詰んでいくのみ。辛すぎて、無力感に苛まれ、ちょっとだけ泣く。

「みんなバイク速いな〜。」と心の中でつぶやきつつ、小さくなっていく背中を眺めていたんですが、そんな人たちより前を、今の今まで自分が走っていたんだよ!と思い直して、最後の最後で奮起。DHポジションで、平地に入ってから抜かれたバイクを探しながらペダル回しまくり。フィニッシュが近づいた洞爺湖温泉街の沿道では、声援を送ってくれる観客がツール・ド・フランス気分を醸し出してくれた。

いやーバイクがこんなに辛いなんて。でも、ちゃんと最後まで攻めました。予定より10分遅れだけど、6時間40分で帰ってきました。初めての180km、ありがとう。バイクがちょっと好きになったよ。もうしばらく乗らないと思うけどね。これからフルマラソンなんだが、腹筋どうしてくれんじゃい?

・Bike(180km):6時間40分23秒

「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑯」につづく。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑬:バイク初180kmでも、腹筋ちぎれるまで攻める!!!

先週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

IRONMAN JAPAN 北海道2014 完走記その13です。

これまでのエントリは、こちら。
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。 | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②:アイアンマンまでの道のり<前編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記③:アイアンマンまでの道のり<中編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記④:アイアンマンまでの道のり<後編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑤:アイアンマンまでの道のり<直前編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑥:[Day1] いざ洞爺湖!&大会イベントに参加。 | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑦:[前日] バイクCheck-in & 試泳 & バイクコース下見。 | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑧:[当日レース前] いざ出陣。 | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑨:アイアンマンレース、開幕です。 | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑩:スイム初3.8kmを落ち着いて完泳。 | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑪:バイク初180kmでも、腹筋ちぎれるまで攻める! | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑫:バイク初180kmでも、腹筋ちぎれるまで攻める!! | reboot blog

バイクエイド3:京極@69km〜バイクエイド4:真狩@88km

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唯一ピットインしたエイド3を出ると、さっそくジリジリとした登りから。

エイド3に向かう頃からずっと霧雨が煙っている状態だったのが、京極を折り返して南下する頃には本降りに。路面が濡れると下りが怖い。羊蹄山を右手に見ながら走れるはずのコースも、曇っていて結局見えずじまい(涙)

エイドでもらった水ボトルを、減ってきたフロントボトルに移します。気温がそれほど上がらなかったためか、結局摂取した水分はバイクトータルでも1.5Lほどでした。

今回、180kmに備えて新たにフロントボトルを装着してみました。こまめに水分補給を行うためには、ボトルを取り出して口まで持っていくといったささいなレベルのことでも省略し、できるだけ心理的抵抗を減らしておいた方がいいのです。もちろん、空気抵抗も。
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そういうわけで、装着したのがこれ(白いやつ)。漕ぎながらの姿勢でも手軽に水分補給できていい。

ちなみにこのボトルの土台、カーボンらしいです。無駄にカーボン。ショップで、安いので(が)いいと言ったのに在庫切れでレースに間に合わないので、やむなくこのカーボンになりました。ほんのちょっとだけ軽いらしい。このボトル一式に数万円とは、バイクの世界は恐ろしいです。

バイクは、お金をかけようと思えばいくらでもかけることができます。でも多分、今の自分ぐらいの走力だったら、フレームがそこそこのバイクでさえあれば、ホイール以外はそんなに変わらないんじゃないかなあ。たぶん、気休めと自己満足です。新しいパーツに頼ってしまいたくなるのは、たぶん不安の現れです。他の人のバイクの装備にビビってしまう場合、それはただの心の弱さです(だって、この超高いフロントボトル、高いけど、たぶん何も変わらん)。

そう自分に言い聞かせ、必死に出費を抑えているのです!

今回、チームメイトの兄さんが、敏腕商社マンとしての仕事の手腕をバイクにもいかんなく発揮し、レース間近で次々と設備投資を行っていたのがかなりの脅威でした。え、それないと、もしかして完走できないかなあ…と、いとも簡単に流されてしまいそうに。兄さんの決断力の高さとともに、自分の心の弱さを垣間見ました。

まあ、変わらないはずというのも、そう思い込もうとしているだけの話で、実際は、(コスパはともかく)本当は何か違うはずですから。その違いが分かるレベルになりたい、ということ。兄さんのバイクは、見る度に成長を遂げ、カッコ良くなってます。そして、最初は差し色だったはずのピンクが勢力を拡大し、3割ほどを占めるようになっています。

ともかく、今回初めて使ってみたけど、フロントボトルはいいですね。姿勢を崩さず水分補給できるので、ロングライドには必須です。安いのでいいですけど。

バイクエイド4:真狩@88km〜バイクエイド5:ニセコ@104km

真狩からニセコまでの区間は、畑の中の農道を継いで行くようにギザギザと進む。
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アップダウンが続くコースということで、登った分の下りはあるものの、急降のままT字路にぶつかり90°の右折左折をする箇所が多く、せっかくの下りなのにスピードが出し切れないもどかしさも。何ともやり切れない。

どのパートだったか、急降からの左カーブで、3台くらい前を走っていたバイクが、曲がりきれず制御不能になり、誘導で立っていたボランティアさんの中に突っ込み落車するところを目にしました。誰も巻き込んでいなかったし、本人も大きなケガにはなっていなかったようなのでよかったですが、こういうことが、大いにあり得そうな状況とコースではありました。こわいこわい。

見通しのいい下りではきっちり漕いで、「Slow Down」の標識に従って直線のうちにきっちり減速、とメリハリをつけて対処。バイクは体力だけじゃなく、常に集中力を求められるところがまた過酷です。

中だるみしがちな上、右折・左折の多いこのパートは特に神経を消耗…

バイクエイド5:ニセコ@104km〜バイクエイド6:豊浦新富@121km

そうこうしているうちにエイド5のニセコへ。エイド前で背中に入れているジェルを消化し、通過しながらENE-AIDのジェルを受け取り。ボトルだけでなく、ジェルも手渡ししてくれたエイドがあって助かりました。

ニセコと言えば、10年以上前スキーに誘われてやって来たことがあります。滑れもしないくせにパウダースノーに魅了され突然スキーにどハマり、東京に帰って早速板を買って、そのシーズンは10週連続でゲレンデに通うことになったという思い出の地。

そんなニセコに、トライアスロンでやってくるとは想像もしていなかった展開。当時、高いなあと思っていたスキー板も、バイクに比べれば安いもんだったな。

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そんなことをぼんやり考えながら、事前情報で勝負所と言われた長い長い登りがスタート。20kmほど斜度1〜2%の登りが続く。

ここまでのところは、まだ何とかバイク6時間半が見えるぐらいのペースで走行していたものの、腹筋との本格的な闘いが開始。走ってても気にはならないぐらいの、でも、いつの間にかしっかりスピードが落ちているぐらいの斜度が続き、休むところがないまま延々20km。

「前半は体が感じるより2つ軽いギア、後半は1つ軽いギアで。」というアドバイスを事前にもらっていたので、速度よりケイデンスを意識してクルクル回すも、あまりに長い登りで腹筋がやばくなってきた。

腹筋の肉離れは聞いたことがないけど、もしかして腹筋が千切れることはあるんじゃないの?という考えが頭をよぎる。お腹と股関節まわりが燃えるように熱くてつらい。

気を紛らわすための補給補給補給。常に何かを口に入れ続ける。頭に浮かんだものを口に入れる。ジェルを8本溶かしたボトルとビーフジャーキーを交互に口に運ぶ。

レースの10日前に駆け込みで行ったヤビツ峠練とビーフジャーキーがなかったら、110kmからの登りっぱなしは耐えられなかっただろうと思います。ありがとう、ビーフジャーキー!

「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑮」につづく。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑫:バイク初180kmでも、腹筋ちぎれるまで攻める!!

先週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

IRONMAN JAPAN 北海道2014 完走記その12です。

これまでのエントリは、こちら。
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。 | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②:アイアンマンまでの道のり<前編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記③:アイアンマンまでの道のり<中編> | reboot blog
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IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑪:バイク初180kmでも、腹筋ちぎれるまで攻める! | reboot blog

バイクエイド1:水の駅@24km〜110kmコース入口

初めての通過式エイドを無事ノンストップで通過し、右折するとさっそく上り。長い上り坂で、視界の端、上の方までバイクが連なっているのが見える。さっそくこれかよ、アイアンマン!

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序盤のこの上りは、「決してがんばってはいけない」という、去年このレースを走ったトライアスロン大先輩からの情報に従い、焦ることなく軽いギアでクルクルと回す。力まないようにGel Blastsを口に放り込んだりして。

さっそく呼吸を乱しながらも懸命に登る脇を、DHポジションでサーっと音も立てずに通り過ぎて行く女子トライアスリートがいたりするので、「トライアスロンの世界は奥が深いなあ…」とヘコみながらも、体重が軽い分登るのはまだ速いらしく、少しずつ前方のバイクをかわしながら頂上へ。

この上りを皮切りに、ここからは再び洞爺湖に戻ってくるまでアップダウンしかないコース。あと、どれだけ登ればいいんだろ…なんて思ってる暇はなく、登り切ったあとは切り換えが大事。ダラダラと休んでいるとペースが掴めないままズルズルいってしまうのはトレイルと一緒だろう、とギアを切りかえて加速。

洞爺湖を離れてからは、北海道らしい雄大な景色の中を走れるので、アップダウンさえなければ気持ちのいいコース(笑) 坂を登り切って国道を渡ってからのも牧草地や畑の中を伸び伸び走れます。巡航時はケイデンス90〜100、巡航速度30〜35km/hを切らないことを目標に。間もなく来る110kmコースへ向かう下りも休まず、フロントをアウターに入れて回し続ける。

一通り、平地・上り・下りと走り少し落ち着いてバイクの方針を確認。常に、こまめに、さぼらずギアを最適な状態に切り換え続けることを”センターピン”にすることにした。ギアを切り換えて常に同じ負荷で漕ぐというのは、つまり常に(それなりに)全力で漕ぎ続けるということ。攻め続けるとはそういうことなんだろう、と。きっと、ベテランのバイク乗りのみなさんにとっては当たり前のことなんだろうけど…

ちなみに、スイムが終わってからのトランジションでテント内に長くいたからか、GARMIN 910XTがGPSを拾えなくなってしまい、スタートしてからの時間以外のデータが見れなくなってしまいました!ただのストップウォッチやん…

というわけでサイクルコンピュータの速度とケイデンス表示だけを頼りに走ります!

110kmコース入口〜バイクエイド2:るすつ@53km

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高低図を見ると一気に登っているように見えますが、微妙に斜度が急になったり緩くなったりを繰り返しながら、ずっと登り続けているので、印象に残るような坂もないまま、林の中の道を無心で漕ぎ続けてたら前に進んでいるという感じ。もちろんつらいんですけど、まだ序盤なので。

村に入ると比較的フラットな畑の中、村と村をつなぐ道が斜度きつめの峠越えといった構成なのか。

10kmおきにある距離表示を見て、その都度時間だけはチェック。GARMINがGPSを拾わず距離が取れなくなったのでラップタイムが分からないのです…

スイムはトランジション含め1.5hほどだったので、トータル13時間を切ろうと思ったら、

・バイクで6.5時間+ランで4.5時間。
・バイクで7時間+ランで4時間。

といった組み合わせで帳尻を合わせるしかない。ランSub4は狙ってはいるものの、ちっと厳しそうなのでバイク6.5時間を目指し、アベレージ30km/hからどれくらいの遅れで凌いでいるかを確認します。ここまでのところ、登りがあった割にはほぼイーブンで来ているので順調です。この後も登りばっかりなんですけど(笑)

50kmを通過し、留寿都のエイドを迎えます。ボトルキャッチャーに投げ入れてみたいんだけど、今のところ不要なボトルもなく、エイド2は素通りします。

バイクエイド2:るすつ@53km〜バイクエイド3:京極@69km

エイド2を出ると、257号線を北上。すぐに林の中の走りやすい一本道に入るので、再び固形物の補給を開始。CLIF BARとようかんをかじった後、ビーフジャーキーを投入。やっぱり塩っぱいものを間に挟むと補給が捗る。

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コース最高地点を通過したら、めちゃめちゃ爽快な直線の下りに入るので、DHポジションでギアをアウターに入れて回しまくり。細かいアップダウンはあるけど、見通しのいい直線で路面もいいので、このパートだけはもう一度走りたいくらい気持ちいい。

その先の牧場ゾーンを走る頃には天気が崩れ小雨が。バイクが始まって2時間ちょっと、時刻も10時近くになっているはずなので、気温も上がってきているのを感じる。多少の雨は、クールダウンにちょうどいいぐらいっす。去年は寒くて大変だったみたいですが。でも、羊蹄山は全く見えないのが残念です。

69km地点のエイド3で初めてのピットインでトイレ休憩のあと屈伸をして、weider-inとENE-AIDをもらって背中へ詰め込み再出発。まだバイク、折り返しません…長い!

「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑬」につづく。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑪:バイク初180kmでも、腹筋ちぎれるまで攻める!

先週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

IRONMAN JAPAN 北海道2014 完走記その11です。

これまでのエントリは、こちら。
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。 | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②:アイアンマンまでの道のり<前編> | reboot blog
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バイクでの決意

スイムを予定通り終え、ほっと一息。スイムはいつだって、DNFの可能性と闘っています。陸にさえ上がれば、あとは楽しむだけ。

と、いつもなら思えるのに、今回は話が違う。180kmのバイクと、180kmバイクの後に走るフルマラソンは、いずれも未知の世界。どれくらいの力で行けばいいのか、全く検討がつきません。そしておそらく、どんな力でいっても力尽きることは必至。

15kmまでしか練習で走ってなかったのに出場した初めてのフルマラソンとか、42kmまでしか経験がなかったのに出場した初めてのウルトラマラソンとか。こういうものは大体、ぶっつけ本番・・・周到に試走などを実行できる人を尊敬します。本当に。

こういう時、未知の世界はとっても不安になるものですが、トライアスロンと考えたら初めて尽くしのアイアンマン・ディスタンスだけど、制限時間17時間のエンデュランスレースだと考えると、これはもう今年の4月から何度も闘ってきた”自分の土俵”じゃないですか。

・4月 チャレンジ富士五湖112kmの部
・5月 野辺山100kmウルトラマラソン
・6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン
・7月 大雪山ウルトラトレイル110km

タイムは遅かろうと、完走ギリギリだろうと、これだけ走ってきた耐久レース、大好物なはずでしょ?? だから、何があっても絶対に最後までは走り切れると信じて、バイクでは後のことは考えずに攻めることにしました。前向き!

一番不安だったのがバイク。そして、一番攻めたのがバイク。
その結果、一番きつかったのがバイク。そして、一番面白かったのがバイク。

「バイクで脚を残しておかないと、ランが走れない」と散々言われてました。でも、攻めることにしました。だって、ここで攻めないと、コミットした13時間に届かないじゃないですか。

未知なる180kmの旅。バイクスタート!

バイクは、洞爺湖を反時計回りに半周ほどして、110kmのコースを1周、再び洞爺湖岸半周35kmに戻ってくるという180.2kmのコース。
BikeCourse
(Source: Official Website 「コース」)

洞爺湖岸から110km1周コースに入る前にある激坂の上り下りと、後半110kmぐらいからじわじわ続く、長い長い上りがあります。獲得標高約1900mだけあって、かなりのアップダウン・・・

BikeCource 1

トランジションエリアを抜け、颯爽とバイクを漕ぎ出す。結局、バイクへのトランジションでは、羅王選手が無事スイムを終えたのをアナウンスで確認できたものの、師匠と兄さんがどういう状況なのかは確認できず。でもきっと、アイアンマンに向けてそれぞれのレースをしていることでしょう。

バイクスタートは7時半ぐらい、気温もそれほど高くなく、スイム上がりで濡れた体で走り出すと涼しくて気持ちいい。多くの観客が拍手で送り出してくれるのがうれしい。絶対、帰ってきますからね。

洞爺湖を左手に眺めながら、まずは最初の激坂上りまでに補給を開始。これは師匠に授かった作戦で、序盤でとにかく補給をする。しかも、まだ食べられるうちに固形物からしっかり補給をしておくというもの。

さっそく、トライウェアの背中ポケットに詰め込んだ、いなり寿司を口に放り込み、スポーツようかんを2/3ほど食べたところで路面の衝撃で残りが吹っ飛び、仕方がないのでCLIF BARを一口二口かじる。

この後はバイクだけでも6~7時間、ランまで含めると10~11時間は動き続ける長丁場。しっかり食べておかないとハンガーノック
行き確実です。

ペダルを回しながらの不慣れな補給で湖沿いを進んでいると、道路脇にバイクを止めてパンクの修理や調整をしている姿がチラホラと。直前にパンク講習は受けたものの、その時、自分のパンク修理が超絶下手くそだということが確認できたので(まだ不慣れなだけです、たぶん)、ああなったらおしまいだと思って、路面状況を見ながら、集中して運転!

バイクエイド1水の駅@24km:アイアンマンボトルGet!

しかし、IRONMANはさすがに参加者の気合が違うのか、エントリーフィーが高いだけにお金持ちが多いのか、バイクのグレードがほかのレースより数段高い気が・・・エアロホイール標準装備なんじゃないかと思うほど。でも、走ってても、みんなカッコいいし、見てるだけでも楽しめます。もちろん、見るのは抜かれ際ですけど(涙)

最初の補給も終わって落ち着いた頃、24km地点の最初のエイドステーションに差し掛かり、初めての通過式エイドに挑戦。

しっかり減速して、アイコンタクトして、「水ください~」と言いながらボランティアの方が手を伸ばして差し出してくれているボトルを通過しながらキャッチ。こういうささいなこと一つ一つが、新鮮だし、おもしろいっす。あらかじめ開けておいたボトルゲージに念願のIRONMANボトルを格納、一個ボトルゲージ増やしてよかった(笑)

バイクFinish時に持っていたボトルは記念に持って帰れるんですね。
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ここから最初の激坂に挑みます!

「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑫」につづく。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑩:スイム初3.8kmを落ち着いて完泳。

先週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

IRONMAN JAPAN 北海道2014 完走記その10です。

これまでのエントリは、こちら。 

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。 | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②:アイアンマンまでの道のり<前編> | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記③:アイアンマンまでの道のり<中編> | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記④:アイアンマンまでの道のり<後編> | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑤:アイアンマンまでの道のり<直前編> | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑥:[前々日] いざ洞爺湖!&大会イベントに参加。 | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑦:[前日] バイクCheck-in & 試泳 & バイクコース下見。 | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑧:[当日レース前] いざ出陣。 | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑨:アイアンマンレース、開幕です。 | reboot blog



スイム、落ち着いてスタート。

エリートの、同じ競技とは思えない猛烈なスタートを見届けてから、ドキドキしながら待つこと10分。10秒前のカウントダウンから、例の「プォォォォォォォーーーーーーン!!!」という音でスタート。

いよいよ始まりました、初めてのIRONMAN!

長旅です。焦ることなくスタート。浜からではなく水中からのスタートということもあって、デビュー戦の美ら島チャレンジトライアスロンのように、走って、駆け込んで、息が上がってあっという間にパニックということはない。それでも、いつもより呼吸が浅いことに気付いて、やっぱりどれだけ冷静なつもりでも緊張してるんだなあと思う。半年間目指してきた舞台なんだし無理もないか、とも。

怖くてパニックというよりは、どちらかと言うと、感極まって込み上げてくる情緒的なものが呼吸を妨げている模様。ウルトラで泣きそうになりながら走っている時にはよくあることだけど、「おいおい、まだ始まったばかりだぜ?」と、アメリカンなキャラ設定で自分に言ってみたりして平常心を心がけます。

スイム3.8kmは、変則の周回コース。最初の500m、最初の10分が冷静に入れたら完泳はできるというのが、OWSコソ練から得た収穫の一つ。だから、一番長い、最初の直線を落ち着いて泳ぎ切れるかがポイントです。

Image(3)[4]

(Source: Official Website 「コース」 )

3分おき、ウェーブごとにスタートするといっても、1ウェーブあたり250人ほどはいるので意識してゆっくりストロークし、周りに人が少なくなるまでは、先に行ってもらうぐらいのつもりで自分のペースを守って泳ぐ。

最初の直線約1kmは、だだっ広いところを泳いでいる分、人も分散し、比較的広いスペースで泳ぐことができる。と思ってたら、あっという間に次のウェーブの猛者がやってきては飲み込まれ、それを凌ぎ、落ち着いてきた頃にまた次のウェーブの猛者に飲みこまれるということをしばらく繰り返す。

最初の1kmは、周囲に人がいないのを見計らって平泳ぎを多めに入れ、進路を確認しつつ、パニックを予防。少しでも怖くなってきたら、早めに平泳ぎを入れて落ち着くようにする。

そのうち、場が落ち着いてきて、同じぐらいの泳力の選手たちだけになるはずなので、それまではとにかくパニックにならないようにする。自分の場合、慌てても急いでも、そんなにタイムは変わらないからね。

少し落ち着いてきたら、伸びている時間をしっかり取ることと、伸びている時のストリームラインが練習通りにできていることを確認しながら、ドリルをやっている気持ちで淡々と泳ぎます。

海水と違って口に入ってもしょっぱいこともなく、3~5mほどは視界もあったようで、冷静でさえいればそんなに接触もない。水温は20℃ちょっとということで、スタート前は寒かったけど、動き始めたら気にならないぐらい。

そうこうしているうちに、最初の直線1kmの半分ほどは来て、気持ちよく泳げるようになってきた。もう大丈夫、泳ぎ切れる。途中、おそらく斜め前を泳いでいる人のヒジがゴーグルに直撃して外れたりもしたけど、立ち泳ぎをしながら付け直し、冷静に対応。

アイアンマンには、いかなる事態においても冷静に対処する鉄の心が求められるのです。たぶん。

スイム、Open Waterを泳ぐのって楽しいね

一つ目のブイを回ってからは、陸が近くてまっすぐ泳ぎやすいからか、少しばかり混雑。

第2ブイも周り、1周を終えた上陸地点で時間を確認すると、手元の時計で48分過ぎ。思ってたより速いので、ゴーグルを付け直し、落ち着いて残りの2/3周を泳ぐことに。他の3人も無事泳いでるだろうか。羅王選手の肩は大丈夫だろうか。

GARMINのGPSウォッチで、500mごとにバイブする設定にしていたので、ラップも500mごとです。決して速くはないですが、実力から考えると遅くもないです。

Image(4)[4]

2周目は、一人旅でのびのび泳げる時間をできるだけ長く取ることを意識。朝日に向かって、気持ちよく泳ぎます。自然の中で泳ぐのって、プールとは違って野生に戻った気分になれるので、ものすごく気持ちいいのです。学生時代、屋久島の海中温泉から全裸で海に飛び込んだときの開放感を思い出す。

半年前では想像もできなかった自然の楽しみ方だなあ。泳ぐって、自分にとっては新鮮です。ネガティブな面に焦点があってしまうと、急に怖くなってパニックになってしまうのは相変わらずですが。

早朝のスイムもいいな~とのんびり考えながら、集中して泳ぎます。ランナーズハイならぬ、スイマーズハイで気持ちよく。

スイム、1時間22分1秒でアップ

2周目の第2ブイを回った後は、けっこうな波が立ってました。湖だけど桶状になっているので、風が吹いたら波は立つと聞いてましたが、陸に近い部分では岸壁から戻る波もあって、なおさら大きな波になっているのかも。

ここからは、スイムパートのラストで、スピードを上げる選手も多く、接触を回避するのに苦労しました・・・

一方で、混雑を嫌ってかコースを外れそうになってしまった時、足をタップして「そっちじゃないよ」と声をかけてくれた人もいました。アイアンマンになる人は、鉄の心だけではありませんでした。あの人も、最後までいいレースができているといいなあ。

初めての3.8kmを1時間22分1秒で無事完了、スイムから生還!

・Swim(3.8km):1時間22分01秒

こんなに気持ちよく泳げたOWSは初めてです。あっという間の1時間22分でした。

バイクへのトランジション

トランジションバッグをピックアップして、芋洗い状態の更衣テントへ。足の踏み場もないところにスペースを見つけてウェットスーツを脱ぐ。

ぼくはウェット・スーツを脱ぐのが苦手なんです。前日の試泳後、ウェットを脱ごうと悶えていたら・・・

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何事にも盤石な兄さんが脱ぎ方を教えてくれました。ウェットを下からめくりあげて脱ぐ時に腕を入れると、スペースができて意外とスムーズに脱げるらしい(言葉だとうまく説明できないけど)。

そんなテクまでいつの間にか習得していた兄さん、盤石です。知らない間にあらゆることに対して盤石になってるんだろうな。

トライウェア・アームカバー・カーフガードはウェットの下に装着しているので、足だけふいてソックスとバイクシューズを履き、背中のポケットに補給食を詰め込んで出発。背中に突っ込む時、腕を攣りそうになる。

テントを出たところで、マイクで羅王さんの名前が呼ばれるのを聞く。「おお!スイムから無事帰ってきた!!!」 こりゃ、こっちも全力で攻めないとね。ランで会うまで、バイクも無事で帰ってくることを祈りつつ、バイクを拾いに行く。

・Transition 1:11分59秒

のんびりしていたつもりもないんですが、トイレに寄ったりしていたら、結構時間がかかっていたみたいです。まあ、それでもスイムは予定通り。そして、ここからが正念場のバイクです!

「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑪」につづく。