先週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。
IRONMAN JAPAN 北海道2014 完走記その10です。
これまでのエントリは、こちら。
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。 | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②:アイアンマンまでの道のり<前編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記③:アイアンマンまでの道のり<中編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記④:アイアンマンまでの道のり<後編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑤:アイアンマンまでの道のり<直前編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑥:[前々日] いざ洞爺湖!&大会イベントに参加。 | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑦:[前日] バイクCheck-in & 試泳 & バイクコース下見。 | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑧:[当日レース前] いざ出陣。 | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑨:アイアンマンレース、開幕です。 | reboot blog
スイム、落ち着いてスタート。
エリートの、同じ競技とは思えない猛烈なスタートを見届けてから、ドキドキしながら待つこと10分。10秒前のカウントダウンから、例の「プォォォォォォォーーーーーーン!!!」という音でスタート。
いよいよ始まりました、初めてのIRONMAN!
長旅です。焦ることなくスタート。浜からではなく水中からのスタートということもあって、デビュー戦の美ら島チャレンジトライアスロンのように、走って、駆け込んで、息が上がってあっという間にパニックということはない。それでも、いつもより呼吸が浅いことに気付いて、やっぱりどれだけ冷静なつもりでも緊張してるんだなあと思う。半年間目指してきた舞台なんだし無理もないか、とも。
怖くてパニックというよりは、どちらかと言うと、感極まって込み上げてくる情緒的なものが呼吸を妨げている模様。ウルトラで泣きそうになりながら走っている時にはよくあることだけど、「おいおい、まだ始まったばかりだぜ?」と、アメリカンなキャラ設定で自分に言ってみたりして平常心を心がけます。
スイム3.8kmは、変則の周回コース。最初の500m、最初の10分が冷静に入れたら完泳はできるというのが、OWSコソ練から得た収穫の一つ。だから、一番長い、最初の直線を落ち着いて泳ぎ切れるかがポイントです。
(Source: Official Website 「コース」 )
3分おき、ウェーブごとにスタートするといっても、1ウェーブあたり250人ほどはいるので意識してゆっくりストロークし、周りに人が少なくなるまでは、先に行ってもらうぐらいのつもりで自分のペースを守って泳ぐ。
最初の直線約1kmは、だだっ広いところを泳いでいる分、人も分散し、比較的広いスペースで泳ぐことができる。と思ってたら、あっという間に次のウェーブの猛者がやってきては飲み込まれ、それを凌ぎ、落ち着いてきた頃にまた次のウェーブの猛者に飲みこまれるということをしばらく繰り返す。
最初の1kmは、周囲に人がいないのを見計らって平泳ぎを多めに入れ、進路を確認しつつ、パニックを予防。少しでも怖くなってきたら、早めに平泳ぎを入れて落ち着くようにする。
そのうち、場が落ち着いてきて、同じぐらいの泳力の選手たちだけになるはずなので、それまではとにかくパニックにならないようにする。自分の場合、慌てても急いでも、そんなにタイムは変わらないからね。
少し落ち着いてきたら、伸びている時間をしっかり取ることと、伸びている時のストリームラインが練習通りにできていることを確認しながら、ドリルをやっている気持ちで淡々と泳ぎます。
海水と違って口に入ってもしょっぱいこともなく、3~5mほどは視界もあったようで、冷静でさえいればそんなに接触もない。水温は20℃ちょっとということで、スタート前は寒かったけど、動き始めたら気にならないぐらい。
そうこうしているうちに、最初の直線1kmの半分ほどは来て、気持ちよく泳げるようになってきた。もう大丈夫、泳ぎ切れる。途中、おそらく斜め前を泳いでいる人のヒジがゴーグルに直撃して外れたりもしたけど、立ち泳ぎをしながら付け直し、冷静に対応。
アイアンマンには、いかなる事態においても冷静に対処する鉄の心が求められるのです。たぶん。
スイム、Open Waterを泳ぐのって楽しいね
一つ目のブイを回ってからは、陸が近くてまっすぐ泳ぎやすいからか、少しばかり混雑。
第2ブイも周り、1周を終えた上陸地点で時間を確認すると、手元の時計で48分過ぎ。思ってたより速いので、ゴーグルを付け直し、落ち着いて残りの2/3周を泳ぐことに。他の3人も無事泳いでるだろうか。羅王選手の肩は大丈夫だろうか。
GARMINのGPSウォッチで、500mごとにバイブする設定にしていたので、ラップも500mごとです。決して速くはないですが、実力から考えると遅くもないです。
2周目は、一人旅でのびのび泳げる時間をできるだけ長く取ることを意識。朝日に向かって、気持ちよく泳ぎます。自然の中で泳ぐのって、プールとは違って野生に戻った気分になれるので、ものすごく気持ちいいのです。学生時代、屋久島の海中温泉から全裸で海に飛び込んだときの開放感を思い出す。
半年前では想像もできなかった自然の楽しみ方だなあ。泳ぐって、自分にとっては新鮮です。ネガティブな面に焦点があってしまうと、急に怖くなってパニックになってしまうのは相変わらずですが。
早朝のスイムもいいな~とのんびり考えながら、集中して泳ぎます。ランナーズハイならぬ、スイマーズハイで気持ちよく。
スイム、1時間22分1秒でアップ
2周目の第2ブイを回った後は、けっこうな波が立ってました。湖だけど桶状になっているので、風が吹いたら波は立つと聞いてましたが、陸に近い部分では岸壁から戻る波もあって、なおさら大きな波になっているのかも。
ここからは、スイムパートのラストで、スピードを上げる選手も多く、接触を回避するのに苦労しました・・・
一方で、混雑を嫌ってかコースを外れそうになってしまった時、足をタップして「そっちじゃないよ」と声をかけてくれた人もいました。アイアンマンになる人は、鉄の心だけではありませんでした。あの人も、最後までいいレースができているといいなあ。
初めての3.8kmを1時間22分1秒で無事完了、スイムから生還!
・Swim(3.8km):1時間22分01秒
こんなに気持ちよく泳げたOWSは初めてです。あっという間の1時間22分でした。
バイクへのトランジション
トランジションバッグをピックアップして、芋洗い状態の更衣テントへ。足の踏み場もないところにスペースを見つけてウェットスーツを脱ぐ。
ぼくはウェット・スーツを脱ぐのが苦手なんです。前日の試泳後、ウェットを脱ごうと悶えていたら・・・
何事にも盤石な兄さんが脱ぎ方を教えてくれました。ウェットを下からめくりあげて脱ぐ時に腕を入れると、スペースができて意外とスムーズに脱げるらしい(言葉だとうまく説明できないけど)。
そんなテクまでいつの間にか習得していた兄さん、盤石です。知らない間にあらゆることに対して盤石になってるんだろうな。
トライウェア・アームカバー・カーフガードはウェットの下に装着しているので、足だけふいてソックスとバイクシューズを履き、背中のポケットに補給食を詰め込んで出発。背中に突っ込む時、腕を攣りそうになる。
テントを出たところで、マイクで羅王さんの名前が呼ばれるのを聞く。「おお!スイムから無事帰ってきた!!!」 こりゃ、こっちも全力で攻めないとね。ランで会うまで、バイクも無事で帰ってくることを祈りつつ、バイクを拾いに行く。
・Transition 1:11分59秒
のんびりしていたつもりもないんですが、トイレに寄ったりしていたら、結構時間がかかっていたみたいです。まあ、それでもスイムは予定通り。そして、ここからが正念場のバイクです!
「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑪」につづく。