“リバースグラフィティ”というものをご存知でしょうか?
環境にやさしいアート ”リバースグラフィティ”
歌手Eminemのプロモーションビデオで少し話題になっているようですが、
ストックホルムで展開されたこの広告は、車の排気ガスなどで真っ黒になった壁の汚れを取り除いていくことでグラフィティを生み出す「リバースグラフィティ」という手法。通常は、スプレーなどを使い壁や電車に落書きをすることから器物破損など違法行為に問われることもあるグラフィティだが、この手法は汚れを落とすことで生み出される「環境にやさしいアート」。
(Source: THE NEW CLASSIC 『エミネムの広告で話題!リバース・グラフィティって??)
だそうです。
こういうの、好きです。気の利いた広告だと思いませんか? ふつうのストリートグラフィティの場合は、作品としては「すごい!」と感じるものはあっても、”落書き”である限り、不快に感じたり、実際に清掃作業が必要になって被害を受ける人が出てしまうことがあります。
ちょっとおしゃれな清掃活動!?
しかし、このリバースグラフィティ、ちょっとオシャレな清掃活動だと思えば、嫌な気分になる人ってほとんどいないのでは!? 表現の内容に対しての好き嫌いはもちろんあると思いますが、物理的には元々汚れていた壁を部分的にきれいにしただけですから、よほどひどい表現でなければ、寛容な気持ちで見れるような気がするんですよね。(「せっかくなんだからもっと掃除してくれよ」と思う人はいるかもしれません。)
スプレーで描くグラフィティも独特の世界があって面白いのは面白いんですが、消すときがとても大変そうです。描く方と消す方のいたちごっこになっている場所もありますし。リバースグラフィティであれば、高圧洗浄機があれば簡単に消すことができて、なおかつ最初よりきれいになりますし、いたちごっこが続くほど街はきれいになっていくわけですね。
地域のイベント告知なんかにもよさそうですよ
こういった商業広告のみならず地域のイベントなんかでも、告知というとすぐにビラ配りに頭がいってしまうのは思考停止ではと感じます。地域の祭りやイベントなんかの告知を、近隣の家の協力を得て家の塀にリバースグラフィティを描き、イベントの最後にみんなでグラフィティを落としながら清掃活動なんて、なかなか粋な企画なのではないでしょうか。
「足してたものを引いてみる」の、いい発想の転換例だと思います。