一つの着想から次のアイデアを"吸い上げる"方法。

今日は、一つの着想から次のアイデアを”吸い上げる”具体的な方法について。

いいアイデアが出てきたら、それを”呼び水”にしてポンプのようにガンガン吸い上げましょう!



(1) 「なぜいいアイデアだと思ったのか」を問う

吸い上げ方として最も簡単な方法は、「なぜいいアイデアだと思ったのか」を一度掘り下げ、そこから拡げることです。

いいと感じた理由を掘り下げていくと、その理由を満たす他のアイデアが自然と出てきます。多くの場合は、その理由がいくつもあったりするので、芋づる式に出てくることも多いです。

たとえば、「冬の朝に早起きするための方法」というお題について考えていたとしましょう。

「エアコンのタイマーで、起きる時間に布団から出たくなるぐらい部屋を暑くする」というアイデアが出たとして、これを「いいアイデアだ!」と感じたら、なぜそう感じたのかを一度立ち止まって考えてみましょう。

もし、その「布団の中にいるのを不愉快にする」というアプローチに面白さを感じたのだとしたら、

・起きる時間に、枕が熱くなるようにする

・起きる時間に、枕が高くなるようにする

・起きる時間に、布団が重くなるようにする

・起きる時間に、布団が冷たくなるようにする

・起きる時間に、お○しょをしてしまったような感触を与える

・目覚まし時計のアラーム音を、黒板をひっかいている音にする

・目覚まし時計のアラーム音を、上司の声にする

・・・

などなど、「不愉快なことって何だろう?」と別の方向に頭を使えるようになるというわけです。

(最後のアイデアは、起きれたとしても絶対イヤですけど・・・)

(2) 「Why-How-What」どこについてのアイデアなのかを問う

企画を考える際には、「Why-How-What」を考えることが重要です。

  • <Why>はMissionで、「なぜ、それをやる/つくるのか?」
  • <How>はDirectionで、「どう、それをやる/つくるのか?」
  • <What>はSolutionで、「何を、やる/つくるのか?」

ですね。

個別のアイデアについても、これと同じように、どのレベルの話をしているのか考えてみることが大切です。

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たとえば上の冬の早起き法の例で言うと、「部屋を暑くする」というアイデアは、具体的な解決方法ですから<What=Solution>にあたるアイデアです。この具体的なアイデアから引き出した「布団の中にいるのを不愉快にする」というのは、解決の方向性になりますので<How=Direction>にあたります。

元のアイデアが<What>レベルだと認識できれば、次は<How>レベルで拡げてみようということを考えられるというわけです。

つまり、「布団の中にいるのを不愉快にする」とは別の<How>として、たとえば、

・「早く起きたくなる状況をつくる」

・「早く寝たくなるようにする」

・「気が付いたら起きていた、という状況をつくる」

・・・

といった感じでしょうか。

<How>を変えただけで、出てくるアイデアの方向性が変わってきそうな気がしませんか?ここで出てきたそれぞれの<How>について、またアイデア出しをします。

簡単な問いの場合は、わざわざこんなことを考える必要はないですが、複雑なビジネス課題を解決しようとしている場合などでは、<How>レベルで考えている人もいれば、<What>レベルで考えている人もいます。ここを合わせるだけでも、アイデア出しがよりスムーズで活発なものになります。議論のレベルを合わせるという意味でも、重要な視点ですね。


(3) いいアイデアは、ライバルアイデアとして品質基準にする


最後に、あえて違う領域に向かうための方法として、内容については一旦切り離してしまい、アイデア品質の参照基準として使うというやり方があります。

たとえば、「朝起きたらコップ一杯の水を飲む」というアイデアがあったとして、「部屋を暑くする」というアイデアの品質と比べると、まだまだ後者の方が起きたくなりそうです。コップ一杯を後者のレベルまで引き上げようと考えてみると、

・コップ一杯の水を夜用意しておいて、起きたらすぐ飲む

という考えに進化するかもしれません。それでも、まだ比べてみるとまだイマイチと感じたとすると・・・

・コップ一杯のオレンジジュースを夜用意しておいて、起きたらすぐ飲む

となるかもしれません。それでも、イマイチであれば・・・

・朝起きたら、大好きなコーヒーがすぐ飲める準備をしておく

になるかもしれませんし、

・大好きなコーヒーの香りで目覚める

になるかもしれません。

ライバルアイデアを置くことで、それと同じ基準まで引き上げるための参考として使うということです。これだと、異なる方向性のアイデアも、育てやすくなりますね。

***

ここに挙げたのは、とても基本的な使い方の例ですが、いくつかアイデアさえあれば、それを”呼び水”に、いくらでも別のアイデアは吸い上げられそうですよね。別のアイデアが生み出せれば、一つのアイデアに固執して、振り回されることも減ります。

今日は、限られた時間の中で、アイデア出しをするための考え方をご紹介しました。ぜひ一度、使ってみてください!

いいアイデアはスタートであってゴールではない。

前のエントリで、

「せっかくいいアイデアを思いついても、そのアイデアに振り回されてしまうと、最終的なアウトプットにつながらないこと多いですよね。」

ということを書きましたが、結局のところ、そうなるかならないかは、心構え一つで変わるものです。

Image(2) いいアイデアこそ要注意!着想がアウトプットにつながらない理由。 | reboot blog

もし掘ってるのが温泉だったら・・・

温泉を掘り当てようとしてる人も石油を掘り当てようとしている人も、穴を掘ってて、チョロっとでも、温かい水や黒いドロドロが出てきたら、この下をもっと掘ってみようと思うはずです。たとえ、そこには大きな脈がないとしても、それを確かめるために、必ず掘るでしょう。

ではアイデアはどうでしょう?

ほんの少しいいアイデアが見つかったからといって、そこで考えるのを止めてしまうのは、せっかく温泉が掘り当てられそうなところまで来たのに、チョロっと出た水やドロドロをすくっただけで、掘るのをやめてしまうのと同じことです。

アイデアを掘る人になった途端、とてももったいないことをしていることになります。

「出たから、終わり」か「出たから、これから」か

一つのアイデアに振り回されてしまうのは、それ以上考えるのをやめてしまうことで選択肢がなくなってしまい、そのアイデアに固執せざるを得なくなってしまうからです。

これは人が相手の交渉と同じです。代替案があれば、そのアイデアに固執する必要はなくなります。

だから、拡散フェーズにある間は、途中でどんなにいいアイデアが出ようと、とにかく拡散しまくることに集中することが大切です。

一ついいアイデアが舞い降りてきた時、「出たから終わり」と考える人と、「もっといいアイデアはないか」と考える人で、最終的なアウトプットが大きく変わります。

あるアイデアは、次のアイデアを考えるためのきっかけ、つまりスタートであって、ゴールではないんですね。 ここのところの心構えがとても大切です。

アイデアは、次のアイデアのための”呼び水”

とは言っても、仕事でもワークショップでも、締切や時間制限がある場合の方が多いです。いつまでも無制限に掘ってるわけにもいかないでしょう。

そういう時こそ、最初に出てきた「いいアイデア」を”呼び水”にして、”アイデア水脈”から他のアイデアを吸い上げることを考えるのが効果的です。(時間が許すのであれば、全然ちがう場所にある他の水脈を当たってみることも大切なんですが。)

ちなみに”呼び水”の元の意味は、ポンプで揚水するときに、あらかじめポンプ内に入れておく水のことです。ポンプ内に水が満たされていないと、水を吸い上げることができないからです。

“アイデア水脈”も、ポンプで吸い上げることをイメージしてみるといいかもしれません。一つのアイデアをこの”呼び水”のように使って他のアイデアを吸い上げてみましょう。

具体的な”吸い上げ方”の例については、次のエントリにて。

いいアイデアこそ要注意!着想がアウトプットにつながらない理由。

先日、学生さん向けワークショップのファシリテーターを務めました。

ファシリテーターといっても、今回の役割は議論のかじ取りを行うことではなく、必要に応じて議論のサポートをしながら、終わったあとに講評をするコメンテーターに近い役割でした。

140226 1 Meeting

いいアイデア=いいアウトプット??

今回は、提示された課題に対してグループごとに3時間ほどかけてビジネス提案をつくる、というワークでした。

どのチームも参加メンバーが積極的で、議論は盛り上がっていたんですが、興味深かったのが、序盤にいい着想を得ているチームほど、最終提案で「もう一歩」というところで終わってしまうことが多かったこと。

これは、現実のビジネスの現場でもよくあることで、プロセスの最初の方でおもしろいアイデアが出ているのに、最終的には平凡なアウトプットに終わってしまうパターンは、意外と多いように思います。

なぜ、いいアイデアが最終アウトプットにつながらないのか?

いい着想ががアウトプットにつながらない理由はいくつかありますが、一番大きな原因は、いいアイデアであればあるほど、それに振り回されてしまうことです。

振り回されるとはどういうことか、いくつか例を挙げてみますが、思い当たる節がある方も多いのでは!?

●他のアイデアがつまらなく思えて、視野が狭くなってしまう

いい着想は、議論をしているメンバーにとって、何かしらの目新しさを持っています。だからこそ新鮮だし、いいアイデアだと感じます。

そうするとせっかくそれまでに出ていた他のアイデアが、途端につまらないものに見えてきて、視野に入らなくなってきます。視野がどんどん狭くなっていくのです。

アイデアは単体での勝負だけでなく、次のアイデアの踏み台になったり、他のアイデアと組み合わせるという形で活きることも多いですが、他のものに目がいかなくなってしまうと、先の展開も狭くなってしまいがちです。

●一つのアイデアに固執してしまい、別のアイデアが出なくなる

一旦、いい着想を得てしまうと、それをサポートしたり強化したりする方向にしか考えられなくなります。

もしかすると、全く違う方向にもアイデアのタネがあるかもしれないのに、同じようなところをグルグル回るだけになってしまい、議論のダイナミックさが失われてしまいます。

既存のアイデアが目に入らなくなる上に、新しいアイデアも出にくくなってしまうということですね。

●「いいのが出たから終わり」感が出て、それ以上拡散できなくなる

上の項目と似ていますが、こちらは議論全体の流れの話です。まだアイデアの拡散フェーズにある場合でも、いいアイデアが出た時点で”打ち止め”になってしまうことがしばしばあります。

一度この雰囲気が漂ってしまうと、もう一度エンジンをかけ直すのは難しく、「もうこれでいいんじゃない!?」と誰かが口にした時点で、拡散作業が終わってしまいます。

本来、いいアイデアは次のアイデアの呼び水になるべきもので、拡散フェーズの終了ホイッスルではないんですが・・・

時間制限が厳しいときこそ、この状況に陥りがちですね。

●他の人の意見を受け付けられなくなる

発案者には特にありがちですが、他のアイデアはもとより、そのアイデアを修正したり変化させたりする場合でも、意見を受け付けることが心理的に難しくなります。

あまりにいいアイデアは、ときに人格を変えてしまうこともありますね(笑) アイデアを守るために、ケンカの寸前まで行っているのもよく見かけます・・・

●そのアイデアの都合のいいように他のことを考えてしまう

最後に、そのアイデアを否定するような要素を排除してしまうということがあります。たとえば、あるサービスについての着想を得た場合、その案に都合のいいお客さん像をつくり上げてしまうといったことです。

本来は、現実的なお客さん像をベースに、アイデアの方を見直すべきなんですが、アイデアに面白さを感じてしまっているが故に、そこを軸に他のすべてを合わせこんでいき、結果的には現実性を欠いた提案になってしまうというパターンです。

「もったいない」という気持ちを捨てよう

色々と原因を挙げましたが、ここから抜け出すのは本当に難しいことです。どれもありがちですよね?自分自身のことを振り返っても、失敗の数は両手では数えきれません。

いいアイデアを思いついてしまったら、どうにかしてそれを活かそうと思ってしまうのは自然なことです。変えたり、捨てたりするのが「もったいない」と感じてしまうんですよね・・・しかし、一つのアイデアに振り回されて、他のアイデアが出てこない方がよっぽどもったいないことです。

アイデアはコスト0です。使っても使わなくても費用はかかりません。後からもう一度、その案を採用することもできます。

まずは「もったいない」という気持ちを捨てることから始めてみるのはいかがでしょう。それだけでも、アイデアに振り回されることはぐっと少なくなると思いますよ。

カーリングの面白さ「すべてのものは二度つくられる」②

前のエントリの続きです。

カーリングの面白さ「すべてのものは二度つくられる」① | reboot blog

第一の創造と第二の創造

にわかファンながら、カーリングは、

「囲碁や将棋のように高度な読みと相手との駆け引き能力が求められる上に、ダーツやボーリングのようにプレイの精度も求められる文武両道ど真ん中スポーツ」

なんてことを感じたわけですが、もう少し堅い言い方をすると、「第一の創造と第二の創造」を行う競技だということです。

「第一の創造と第二の創造」とは、『7つの習慣』の中で提示されている考え方で、第二習慣「目的を持って始める」の前提となっています。

すべてのものは、まず頭の中で創造され、次に実際に形あるものとして創造されるということで、前者は<知的創造>、後者は<物的創造>と呼ばれます。

あらゆるものが、この<知的創造>と<物的創造>の二つを通してつくられるということですが、『7つの習慣』ではこのことを、

「すべてのものは、二度つくられる」

という言葉で表現しています。

カーリングは、<知的創造>と<物的創造>の競技

<知的創造>と<物的創造>ですが、具体的なモノをつくる場合を想像すると分かりやすいですね。何かをつくり始める前には、必ず設計図を描きます。そして、その設計図をもとに実際にモノをつくります。

同様に、カーリングでもまず、「どういう風にストーンを投げ、どのストーンに当て(または当てずに)、最終的にどこに置くか」を頭の中でイメージします。これは<知的創造>です。そして、そのイメージに対して、できるだけ精度高く実行します。これは<物的創造>ですね。

つまり、カーリングでは、一投一投が<知的創造>と<物的創造>の繰り返しであると言えるでしょう。

すべてのものを二度つくっているか?

そんなカーリングを見ていて考えるのは、自分の出しているアウトプットは、ちゃんと”二度”つくっているのか?ということ。

仕事ではちゃんと企画書を書いて、マネジメントの承認を得て、実行という流れで、しっかり”二度”つくっていることが多いでしょう。

しかし、カーリングで言うストーン一投のレベルまで分解していくと、たとえば一つ一つのメールや、人と話しているときの個々の発言なんかもアウトプットの一つですが、何の考えもなしに実行していることも多いのではと思います。

または、単に頭の中で思いついたけど流れていってしまっていることも潜在的なアウトプットです。考えているばかりで、ストーンを投げずにいても、ゲームが進まないのと同じことで、思いついたら実行まで持って行かないとアウトプットとして顕在化しません。

考えっぱなしでは創造ではないし、何の考えもなしに実行しても創造ではない。分かっていてもなかなか難しいことです。でも、カーリングの選手は、1ゲームごと、1エンドごとではなく、一投一投その作業を繰り返しているんですよね。

計画してから実行する。

カーリングほど、計画フェーズと実行フェーズが鮮明になる競技はないでしょう。「すべてのものは二度つくられる」まさにこれが、カーリングの面白さだと思います。

カーリングの面白さ「すべてのものは二度つくられる」①

いよいよこの週末でソチ五輪も終わってしまいましたね。残念ながら、あまり生中継を見ることはできなかったんですが、録画放送や総集編を見るだけでも、感動した場面や印象的なシーンがたくさんありました。

なかでも個人的に新しく面白さを発見したのは、カーリング。もっと早く見てればよかったです。
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カーリングってこんなスポーツだったのか

今回たまたま見ることができたのが、17日に行われた日本女子代表と中国代表の試合。この試合には勝ったものの、同日行われたスウェーデン戦に敗れ、予選敗退してしまいましたね。結果としては準決勝に進めなかったものの、そのゲーム展開に熱中し、思わず見入ってしまいました。

ルールも分からないカーリング素人の私にとっては、「スーっと滑りながら取っ手のついた石を投げる人と、その石の周りを一生懸命こすっている人が、なんとか円の中に石を残そうとしているらしい」という、なんともいい加減な理解しかしていませんでした。

勉強のために、観戦しながら調べたWikipediaからそのまま引用すると、

4人ずつ2チームで行われ、目標とする円をめがけて各チームが交互に8回ずつ石を氷上に滑らせる。石を円の中心により近づけたチームが得点を得る。これを10回繰り返し、総得点で勝敗を競う。高度な戦略が必要とされ、その理詰めの試合展開から「氷上のチェス」とも呼ばれる。

それほど間違ってはいなかったようですが、両チームが8回ずつ、10回も投げていたんですね・・・こするのも大変そうだし、体力も集中力も必要そうです。

「氷上のチェス」というのは聞いたことがありますね。どこにストーンを置くかの作戦や相手との駆け引きなど、頭脳戦の要素がこれほど高いスポーツはなかなかないです。

カーリングの醍醐味

にわかファンとして、カーリングの面白さを表現してみると、こんな感じでしょうか。

  「囲碁や将棋のように高度な読みと相手との駆け引き能力が求められる上に、ダーツやボーリングのようにプレイの精度も求められる文武両道ど真ん中スポーツ」

囲碁や将棋は、相手との駆け引きが重要ですし、とにかく頭を使います。しかし、駒を動かすのは簡単です。そこに技術は必要ありません。かっこよく「ぱちん」と駒を置く技術はあるかもしれません。

一方、ダーツやボーリングは、プレイに精度が求められますが、どこを狙うかはある程度決まっています。勝負のポイントは、どこまで精度の高い投擲を続けられるかというところにあります。

これを両方同時にやっているなんて、相当すごいスポーツです。観戦していて、特におもしろかったポイントを挙げてみたいと思います。(いかんせん素人ウォッチャーなので誤解しているところがあるかも。ご了承ください。)

素人ウォッチャーにとってカーリングおもしろかったポイント

・ボーリングのようにカーブさせたりもできる

ストーンはすごく重そうな印象だったので、手前に敵のストーンがある場合は、いかにパワーで弾き飛ばすかみたいな勝負だと思ってました。投げる瞬間に、手首をくいっとやってるのが、曲げるための動作なんでしょう。あの投擲の精度、本当にすごい技術です。

・捨て駒(捨て石??)もある

相手がいい位置にストーンを置きにくくするために、あえて中途半端な位置にストーンを置いたりします。そしてそれを弾き出すという攻防が延々と続いたりします。すべては8回投げ終わった瞬間に自分たちのストーンがどういう状況にあるかをイメージしながらプレイしているんですね。すごいシミュレーション能力です。

・靴を履いたまま氷の上を滑って移動する姿がいい

靴を履いたまま氷の上を滑ってる人を見る機会がないためか、その姿に妙に惹かれます。スーパーで、かかとで滑っている子どもを見るとイラっとするのに不思議です。

・持ち時間が決まっている

頭脳系スポーツの宿命というべきか、考える時間が両チームで平等になるように、持ち時間が決まっていてタイマーで管理されています。時間によるプレッシャーが、プレイにも影響しそう。メンタルが強くないと、絶対に勝てなさそうです。

・審判がいない

接触プレイもないし、基本的にはプレイヤー同士が自分たちで判断してゲームを進行しているのはゴルフと同じですね。ストーン同士の遠い近いもチーム同士で判断し、合意すればそれでOKというのがおもしろい。両チームのどちらかが納得できない場合は特製メジャーが登場しますが、これはテニスの「チャレンジ」のような緊迫感があります。

・会場の人の入りもゲームに影響

これは試合後のコメントで選手の方が言っていたんですが、会場の人の入りで室温が変わり、氷上のストーンの滑り具合が変わる、と。そういった環境にいかに適応していくかも、勝敗を左右する要因になり得るというのがおもしろいです。

観客の多寡が、プレイのモチベーションに影響することはあっても、ゲームに直接的に影響するというのは聞いたことがありません。


というわけで、まだ見たことがない方も、少しはカーリングを見てみたいと感じていただけたでしょうか。オリンピックは終わってしまいましたが、カーリングシーズンは続きますので、ぜひ見てみてください!本題は次のエントリにて。

平日は頭の”アクティブレスト”を取り入れる!

前のエントリで、「毎日新しいことを取り入れると決めて、週末まとめて実行する」というやり方で、生活の新陳代謝を高めてますということだったんですが、この方法だと週末の負荷が重くなります。

実際に、初めてのことをやってみると、刺激が多く楽しい反面、精神的に疲れてしまうこともあるんです。

ライフスタイルの”新陳代謝”を上げる方法。 | reboot blog

そうすると、どこかで休まないと!と、平日は手を抜きそうになってしまうのですが、仕事があるしそうもいかず・・・今回はこのあたりの話です。

“アクティブレスト”という考え方

肉体の疲労回復には「アクティブレスト」という考え方があります。通常、疲労回復というと、休養して疲れを抜くということを考えがちですが、逆に体を動かすことによって、疲労を抜くという発想です。

ただ休んでいるよりも、強度の低い運動をした方が血流がよくなり、疲労の原因である乳酸が早く減少するため、より早く疲労回復が行われると言われています。

ランにおいても、「疲労抜きジョグ」ということで、ポイント練習以外は7:00/kmよりも遅いゆっくりペースで走り、しっかり疲労を抜くことが勧められています(賛否両論あるかもしれませんが)。

ちなみに、ランとしての「疲労抜きジョグ」に興味のある方は、こちらの本が参考になります。

頭にも”アクティブレスト”を取り入れる

経験的に、最近よく感じているのが、結局のところ頭や心についても同じなんじゃない?ということです。つまり、頭も使った方が回復が早いんじゃないかと。そもそも脳は疲れないらしいですし・・・

そう思って、頭についても”アクティブレスト”の要素を取り入れてみているんですが、これがなかなかうまく行っています。疲れているからといって気を抜いたり、手を抜いたり、活動量を減らすのではなく、逆に活動量を増やしてみるということです。

ただし、実際にやることは「疲労抜きジョグ」と同様、淡々とこなせる、強度の低いものです。定着している日課や、それほど頭を使わずに処理できる単純作業です。

負荷の低いものを処理しているうちに、段々と調子が上がり、気付いたらすっかり疲れが抜けています。

頭の”アクティブレスト”としてやっていること

たとえば、”アクティブレスト”としてやっていることは、

・日課の前倒し
(一日のうちのすき間時間でやっている日課を、先にまとめてやってしまう)

・情報収集など受動的な作業
(頭が回らなくなるランチ後に取っておいてるんですが、前倒しで朝一に)

・いつやってもいい単純作業
(会社員の人であれば、期内の出張精算など。こういう時のために待機させておく)

「1分メモ書き」
(しつこいようですが、これ強力です。いきなりトップギアに入ります)

といったことで、いずれも強度の低いものです。こういった軽めの作業を淡々と大量にこなしているうちに、脳内の乳酸(的なもの)がしっかり排出していく感じです。

日課はやり慣れていて負荷が低いということを、うまく利用するということですね。「メモ書き」は強度は低くないかもしれませんが(笑)、始めるまでのハードルは低いので手をつけやすいです。

逆に、疲労しているときに絶対にやらないようにしているのが、重い仕事です。

普段は一番頭の回る朝一に、最も重要かつ波及効果の高い仕事に手をつけるんですが、疲れがたまっているときは、締め切りが近づいていてもいいものができないことが多いので、意図的に”アクティブレスト”作業の後に回します。

“ポイント練習”としての週末

ということで、平日にいつも通り全力で仕事をしながら疲労回復ができるようになると、さらに週末には新しいことを入れやすくなるという好循環が生まれます。

平日の“疲労抜きジョグ”に対し、週末は”ポイント練習”ということになるでしょうか。

“ポイント練習”にあたる日と、”疲労抜きジョグ”にあたる日を明確に分けることでメリハリがつきます。そういう感覚で平日を過ごし、週末はいつもとちがう頑張り方をするという生活が、ライフスタイルの新陳代謝を上げてくれているように思います。

ライフスタイルの"新陳代謝"を上げる方法。

今週末は、仕事・プライベート・トライアスロンに向けたトレーニングと、盛りだくさんでした。年末のPerfume東京ドーム公演以来、久々にライブにも行けたし、新しく出会った方もたくさんいたし、新しい泳ぎ方にも出会えた(!?)ので、収穫の多い土日でした。

一方で毎日、日課で行っていることが全然こなすことができず。新しい習慣として定着を試みている「1分メモ書き」だけは何とか続けましたが・・・という状況です(汗)

 

ライフスタイルの”新陳代謝”を上げる

そういう状況だったので、ルーティンをこなせないことの気持ち悪さは残りましたが、それでもいいかなと思っています。

なぜなら、普段と違うことをやってみることで、今後のライフスタイルの軸になるかもしれない種を持って帰ることができるからです。もちろん、育たない種も多くありますが、いつもと同じことをこなすよりも、いつもと違うことをやってみることが優先です。

こんな風に、自分のライフスタイルの新陳代謝を上げることは、新しいチャレンジを続けていくことになるし、楽しいことに出会える確率が上がるので、とても重要な活動だと考えています。



毎日少しずつ新しいことを取り入れる

新陳代謝を上げるためには、新しいことを取り込んでいく必要があるわけですが、そのためにやっていることが二つあります。

一つは、小さくてもいいので、毎日少しずつ新しいことを取り入れるという方法です。

こちらは、たとえば「1日1新」ということで、まわりでも多くの友人が実践しています。記録していくだけでも、続けるモチベーションになるので、とてもいい方法ですね。

初日は「あかすり」!1日1つは新しいことを体験する「1日1新」 | EX-IT

ただ、自分の場合は、平日はオフィスにいることが多く、選択肢が限られています。だからこそ、意識して新しいことを取り入れようという試みは重要なんですが、やってみると大抵は「新しいもの食べた」とか「コンビニで新しいもの買ってみた」ということになりがち。

それも何かのきっかけにはなり得るんですが、ただの”新商品好き”みたいな感じになってしまうことが多く、取り入れるのが難しいと感じていました。



毎日新しいことを取り入れると決めて、週末まとめて実行する

こういった形で、毎日の活動ベースで新しいことを取り入れるのは大変だという場合、毎日新しいことをやると決める「一日一決断」という形にすると、もう少し選択肢に幅が出てきます。

実際の行動は先でもよく、予定を入れたり、予約をしたりすればいいので。私も毎日はやっていませんが、「三日一決断」ぐらいはやるようにしています。その結果として、この週末のように、スケジュール的に自由のきく週末に予定が詰め込まれるという状態になるわけです。

こうなると、平日とも普段の週末とも違うことをやるので、精神的に疲れます。慣れない場所に行くだけでもけっこうストレスになりますし。だから、最近は週末でリフレッシュというより、週末の方がぐったりしていることもしばしば(笑)

でも、生活の新陳代謝を上げる方法として、<決断>と<実行>のタイミングをずらすのは、実行しやすいという意味でとてもおすすめです。毎日の習慣にすることができないものは、週単位の習慣にする、ということですね。

ちなみに、こうして詰まったスケジュールをやりくりする方法については、以前のエントリで書きましたのでご参考まで。かなりの荒業ですが(笑)

「やりたいことが多すぎる人」におススメのスケジューリング法。 | reboot blog

恋愛ドラマじゃないのに、こんなボタンのかけ違いが本当にあるんだという話②

前のエントリの続きです。

Image(1) 恋愛じゃないけど、こんなボタンのかけ違いが本当にあるんだという話① | reboot blog

ボタンのかけ違い⑤:

2/18(当日) 大学同期Nさん、よりによって19日に同期会を開催


UさんとNさん、本当は久々の電話だったにも関わらず、電話の相手が私だと思っているUさんは、挨拶もそこそこに、まだ飲んでいるか聞きました。

直接は確認していませんが、Nさんはきっと「え、飲み会明日だよ」とでも答えたことでしょう。なぜなら、偶然にもNさんは翌19日(水)に同期会を企画していたからです。どうりで話が阿吽の呼吸で進むわけです。

その返答を聞いたUさんは、まず戸惑い、そして私からのメールを確認したことでしょう。件名は「2月18日」、しかしよく見ると日時が「2月19日」となっている。どっちやねん。いつの間にか日程変わったのかな。でも電話でも明日と言ってるし、明日また来ればいっか! 前向きなUさんは帰宅することになります。

その頃宴は、Uさんの知らないところで最高潮の盛り上がりを迎えます。

 

ボタンのかけ違い⑥:

2/18(当日) 大学同期Nさん、メーリングリストからUさんが漏れていることに気付かず

ちなみに、大学同期会幹事のNさんは、メーリングリストで案内を流していましたが、Uさんがなぜかそのリストから漏れていたことを知りませんでした。当然Uさんは、同期会が開催されることを知りませんでした。

同期会に来る予定のUさんから、日程確認の電話だと思っているNさん。今日やっているはずの集いが終わっていないか、私に確認しているつもりのUさん。アンジャッシュにも引けを取らないすれ違い・・・

 

ボタンのかけ違い⑦:

2/19(翌日) Uさん、幹事に電話するも間違い電話

気を取り直して翌日。今日こそ飲み会だと、勇んで二晩続けて六本木に繰り出したUさんでしたが、どうもまだメンバーは来ていない様子。それどころか、予約すら取られていないとのこと。

さすがに不審に思い、幹事のOさんに電話するもつながらず。

それもそのはず、暗いところで番号を打ったため、老眼の影響で間違った番号にかけていたUさん。しばらくしてから、「S木ですがお電話されましたか?」と折り返しの連絡があり、間違い電話だったことに気付きます。

それにしても、二日続けて間違った人にしか電話できない、Uさんの電話成功率の低さ!

 

ようやく事件全容が明らかに

この間違い電話を経て、宴の開始時間から約24時間後、私のところにようやく”一本目”の電話がありました。「あれ、昨日ですよ。」と冷静に告げられ、さすがに何かがおかしいと気付きます。

  「昨日、私から電話ありました!?」とUさん。

  「(なんだ、その質問??)いえ、ありませんよ。仕事終わらなくて来れないんですかねえって話してたんですが・・・」と私。

  絶句するUさん。

その後、Uさんが同期会に合流したかどうかは確認しておりません。これ以上、ボタンのかけ違いがあったとしたら、悲しすぎるからです。

 

社会人としての教訓

この話から得られる教訓があるとすれば、スマホを使うようになると、電話のもっとも基本的な用途であったはずの「電話をかける」という能力が、著しく落ちている可能性が高いので注意、ということでしょうか。

私も社会人として、あまりに基本的な連絡作業と確認作業を疎かにした点は反省していますが、まだちょっと、このミラクルに心を乱されていて、ちゃんと振り返ることができません。

ちなみにUさんは、私よりもリカバリーが早く、幹事Oさんと間違えて電話した相手に対し、

  「このS木さんの話ぶりは大変感じよく、これを機会に友達になりたいと感じさせるほどでした。間違い電話対応時に見習いたいと思います。」

と、さっそく学びを得られています。また、会場についても、

  「○○○のスタッフのおもてなしぶり。日時を間違えた客に対する応対ぶりがすばらしかったです。わざわざエレベータまで送って、エレベータが閉まりきるまで深々とおじきをされました。」

と感激しておりました。さすが六本木の会員制クラブ、接客も一流だったようです。

Uさんにとっての収穫は、大学同期のメーリングリストに自分の名前が加わったことと、偶然にもS木さんの電話番号をゲットしたことでしょうか。人生、こんな風に転がっていくんでしょうね。

恋愛ドラマじゃないのに、こんなボタンのかけ違いが本当にあるんだという話①

昨日のエントリに書きましたが、一昨日は、あるグループの集い@六本木でした。

Image 六本木ディナーで思ったことあれこれ。 | reboot blog

集まったメンバーとしては、とても楽しい会だったんですが、実は、この裏でちょっとした事件があり、一人の方が残念ながら参加できませんでした。私にも責任の一端があるので、反省も込めてそのお話を記録しておきたいと思います。

事件当日までのあらすじ

残念ながら参加できなかった方を、Uさんとしましょう。

このグループは、ふだんFacebookグループでやり取りを行っていました。UさんはFacebookアカウントを持っているものの、頻繁にアクセスする習慣もなく、投稿の仕方もよく分からないということで、いつも私にダイレクトにコンタクトされていました。

なので私がメールで連絡を受け、代わりに私がこのグループにUさん情報を書き込むという伝言システムが確立しています。

ある日、このグループの話の流れで、久々に集まりましょうかということになり、日程の調整を行い、多くの人が参加できそうな2/18(火)に開催が決定しました。

私もさっそくUさんに連絡し、Uさんも参加表明をされていたのですが、直前になって海外からの来客があるということで、残念ながらUさんは参加できないことになったのでした。

ボタンのかけ違い①:

2/13 幹事から連絡の日付がずれている

Uさんは参加できないということだったんですが、なんと海外からのお客様が宿泊されるのが六本木のホテルということで、そのお客様を送ったあとに合流できるかも、という可能性が出てきたのです。

そこで、Uさんにも詳細を連絡をしておいたのですが、幹事Oさんからの書き込みで、日時が「2月19日」となっていたのです。

「幹事失敗あるある」ベスト3には入るであろう、曜日は合ってるけど日付が間違っているパターンです。ちなみに、日付合ってるけど曜日間違ってるパターンもベスト3入りですが、曜日で動いていることが多いサラリーマンには、こちらの方が致命傷になることが多いです。



ボタンのかけ違い②:

2/17 その間違いに気づかず、コピペして連絡

そんな間違いに気付くことなく、私はそのままコピペして、Uさんに送りつけてしまいました。Uさんとやり取りしていたメールの件名が「2月18日」だったにも関わらず。

さらに罪深いのは、幹事Oさんは2時間後、そのミスに気づき、投稿にコメントする形で日時の訂正をしていたにも関わらず、私はUさんに間違ったまま連絡していたことを失念していたことです。

 

ボタンのかけ違い③:

2/17 Uさん、件名と連絡内容の違いに気付かず

そんなわけで、元々聞いていた日時と、案内されてきた詳細連絡が食い違っていたわけですが、Uさんもそのズレに気付くことはありませんでした。

多忙のUさんは、そんな細かいところまで確認する時間もなかったのでしょう、確認作業が行われぬまま当日を迎えることになるのです。

 

ボタンのかけ違い④:

2/18(当日) Uさん、私に電話したつもりが、同姓の大学同期Nさんに連絡

さて、当日です。久しぶりの集いで盛り上がるメンバーたち。一方Uさんは無事に海外からのお客様を六本木のホテルに送り届けます。幸運にも18日に開催されることを確信していたUさんは、まだ宴が終わっていないか確認しようと、私に電話しました。

実際にかけた相手が、私と同姓の大学同期Nさんだったことを知るには、翌日会場まで行って異変に気づき、再び私に電話をかける時まで待たなければなりません。

まだお話は途中なんですが、本日は残念ながら時間切れです。明日に続きます!

六本木ディナーで思ったことあれこれ。

昨日は、年末に御縁があって知り合った方たちと六本木でディナーへ。六本木の高層ビルにある会員制クラブへご招待いただきました。

六本木は、美術館や講演会で訪れることはあっても、頻繁に来るところではないですし、ましてや会員制クラブで東京の夜景を眺めながらの食事となると、その居心地の悪さたるや…もちろん「ギロッポン」とか言ったことありません。やはり庶民的な生活の方が合っているようです(笑)

とは言いながらも、おもしろい仲間たちと楽しい時間を過ごすことができました。たまには自分の生活範囲を飛び出して、非日常の世界に飛び込むことは大切ですね。とってもいい時間でした。

そんな中で、

「六本木が、赤ちゃん乗せたカートを押したママが、普通に歩いてる街になるなんてねえ」

という話になりました。うーん、たしかに。

六本木といえば、”大人の夜の街”であったり、”バブルの象徴”といったイメージがありましたが、特に六本木ヒルズができたあたりの頃から、その印象もずいぶん変わったように思います。

国立新美術館もできたし、ヒルズの森美術館や周辺に拠点を置くデザイン会社の印象もあり、デザインやアートの街という印象も加わってきました。

歴史を遡ると、もともと六本木は武家地でしたし(六本木という地名は、”木”が名前に入っている青木氏・一柳氏・上杉氏・片桐氏・朽木氏・高木氏の各大名屋敷が存在したことに由来するという説があります)、その後も軍事施設が置かれていましたが、変われば変わるものですね。

街づくりというのは本当に面白いです。

 そこにあるモノ・コトを変えれば、住む人・集まる人が変わって、

 住む人・集まる人が変われば、街の雰囲気・イメージが変わります。

反対に、

 街の雰囲気・イメージが変われば、住む人・集まる人が変わって、

 住む人・集まる人が変われば、モノ・コトが変わります。

街のような巨大な”アウトプット”でも、要素や部分を変えていくことで、大きな変化が生まれるんですね。

なんてことを考えた六本木ディナーでした。