第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記①

走ってきました、サロマ湖100km!!
そして、走り切れませんでしたサロマ湖100km!!!

第29回サロマ湖100kmウルトラマラソン兼IAU 100km世界選手権2014 日本代表選考会 | 晴れの舞台を目指して、新たなチャレンジを!

4月のチャレンジ富士五湖112km&5月の八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソンに続き、3ヶ月連続ウルトラ完走に向けて張り切っていってきたはずだったんですが、あえなく撃沈いたしました・・・

今回はリタイア記を書くのも、全く気乗りしません。

正直言って、

「ブログ書いてる時間があったら練習すれば?」

と、嫌みの一つも自分に言ってやりたい気持ち。でも、書きます。リタイア記は受け入れがたい現実を直視するいい訓練、なんてことを自分で書いたばっかりだし。まずは総括から。

達成できたこと

残念ながら完走できなかったものの、それだけだと収穫がなさ過ぎなので達成できたことを絞り出してみると…

・ロキソニンにさよならを言えたこと

当日朝のブログで、「No more ロキソニン!Never ロキソニン!!」を宣言して出走しましたが、これだけは死守し、最後まで使うことはありませんでした。

今回は、野辺山で暴発した左ヒザの痛みは完封したものの、それをかばっている右足首と右ヒザ内側、右脚の付け根に痛みが移り、最終的には付け根の痛みがひどくなり、歩いて凌ぐこともできないほどまで追い込まれました。前半の貯金を浪費し、DNFを決定づけたのはこれですね。

痛み止めも自分にとってのW杯やオリンピック級の勝負レースであれば、使ってでも走るべきときがあると思います(野辺山がそうでした)。

ただ今は、フォームが悪いとか脚力不足とか練習不足とか、原因とちゃんと向き合うためにも、痛み止めでごまかして走ることに慣れたくないということで。

・暑さ慣れしたこと

同じくリタイアした奥久慈トレイルも30℃越えして撃沈しましたが、今回も同じ展開。暑さに苦手意識はなかったんですが、実はめっちゃ弱いのかも。みんな暑いのは嫌だと思いますが…

ちなみに慣れはしたけど、攻略はできてません。要対策。暑いと全然走れなくなることがよく分かりました。冬生まれだからかな。

・北海道慣れしたこと

慣れたことばっかりで何ですが(絞り出してるので)、遠征に慣れるというのは、レースにとっては結構大事な要素である気がします。本当に。

夏の北海道は、学生の時にゼミ旅行で行って以来だったんですが、実は来月・再来月と北海道に来る予定です。

いずれも、空港から長距離移動のあるレースなので、そういうスケジュールに慣れたというのはいい経験だったと思うことにします。ゴハンも美味しかったし、北海道好きです。

達成できなかったこと

・完走できなかったこと

一方、達成できなかったことは、もちろん完走できなかったこと。完走するために来たので完走できなかったら意味がないんです。

今回レース中に、おなじみダイコン着ぐるみ姿をお見かけして初めて参加していることを知ったんですが、『マラソン中毒者』の小野さんも走ってました。脚が止まってストレッチしている間に、声をかける間もなく安定のペースで抜き去られ、それっきり遠ざかる一方でしたが…

そんな小野さんから学んだ「ノーポチ」ですが、「ノーポチ」において絶対に忘れてはいけないことがあります。それは、

ノーポチしたら、それに向けて180%全力でがんばる。

ということ。

ノーポチは、ノーポチだけでは完結しないのです。そこんとこを忘れてはダメです。そこそこ頑張っててもダメ。頑張ってるフリはもっとダメ。ノーポチするようなチャレンジは、そこそこの努力では何ともなりませんから。”3ヶ月連続ウルトラ”なんてポチってるからには、180%の努力で取り組むべき。

忙しさにかまけて、100%の努力すらできてなかったんじゃないの?という自問に答えられません。180%だったら、6月に練習で2回しか走ってないなんてことにはならんです。ということで、

【サロマ湖で学んだこと①】
ポチったあと、180%がんばらないノーポチは無意味。

これが、完走できなかった今レースの最大の収穫です。

次のエントリから、レース展開を振り返りたいと思います。

***

昨日はレース後、同じくランチームAdmiralから参加したザック選手とゴール後になんとか落ち合うことができました。

実は、早朝の会場行きバスで寝ぼけていたのかケータイを忘れてきてしまい、レース前に落ち合うことができなかったので、ザックのゴール後に人力で探しました(笑)

フルマラソンではチーム最速を誇るザックですが、ウルトラでも宣言通り12時間を切る快走、あの暑さの中お見事の一言です。完敗です。というより、勝負にならなくて申し訳ない…

また一緒にウルトラ走りたいっす。

第29回サロマ湖100kmウルトラマラソンはじまるよ〜

本日は2時起床。いよいよ、あと数時間でサロマ湖100kmウルトラマラソンが始まります!

今年は4月から毎月ウルトラを走ろうと、

・4月 チャレンジ富士五湖112km
・5月 八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン

と、何とか完走を続けていますが、富士五湖は関門との死闘、野辺山はヒザの故障との死闘と、どちらも想像を絶する限界ギリギリレースになったので、今回もどこまで追い込めるのか楽しみ(!?)です。そういうレースの方が後から振り返っても面白いし。

ウルトラランナーにとってサロマは憧れのレースの一つ。絶対にいつかは走ってみたいと思っていたのが、こんなに早く叶うのは嬉しいことです。

完走はもちろんなんですが、今回の最大の目標は野辺山で6錠投入した痛み止めのロキソニンを封印すること(笑) ここで頼るとくせになりそうなので。「薬を使ったのは、後にも先にも野辺山だけっすよ」と言えるようになって、野辺山をロキソニンの永久欠番にしたい。

今はまだ気持ち的に、


「No ロキソニン、No ラン。」


という、非常に情けない心持ちなんですが、ここらでバシっと、


「No more ロキソニン!Never ロキソニン!!」

と胸を張って言えるように、きっちり自力で完走してきます。

***

今回は初めての女満別空港。フライトも初めてAIR DOを使ってみたんですが、あっという間で快適な1時間半でした。

AIR DOは、紙コップがかわいい。
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潜ってもかわいい。
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イメトレ・シミュレーション・仮想体験:ウルトラマラソン前日でもできること。

いよいよ明日は、第29回サロマ湖100kmウルトラマラソン。これから北海道に移動します。

せっかくなのでおいしいもの、食べてきたいですね〜その前に100km走らないといけないけど・・・

今回は(も)、ちょっと不安・・・

毎度のことですが、今回もほぼ練習できておらず不安です。

調べてみると、今月の月間走行距離は60km弱でした。しかも、その大半は月初に走った奥久慈トレイルですので、その後の練習という意味ではほとんど走れておらず。最後に走ったのも2週間ぐらい前だし。

でも、理由の大半は、恥ずかしながら残業続きで走れる時間帯に帰れていないだけ、というきわめて自己責任な話なので、「その分本番で苦しむがいい」と思っています。万全の状態で走れることなんて、そもそもないですし。

6月1日奥久慈トレイルのリタイア、6月7日の伊豆大島トライアスロンの中止と、今月に入ってからよくない流れにあるので、来月以降の更なるチャレンジに向けて、今回は気持ちよく完走しておきたいところです。

イメトレで最後まで悪あがき

というわけで、最後まで悪あがきしています。

もちろん今から練習しても間に合わないし、精神面でカバーすべくイメージトレーニングに励んでいます。

といっても、コース図と高低図を眺めていても想像力に限界があるので、去年までにサロマ湖100kmを走られたランナーのブログを片っ端から見て、勉強させていただいてます。

すでにブログも一般的なメディアになったのか、どんな大会であっても検索してみるとだいたいいくつかの「完走記」が見つかります。

写真付きのものもあって、シミュレーションするにも最適です。あまり読みすぎると、自分が走ったような気になって疲労感に苛まれることもありますが。

ゴールするところまで読み終えてから、よくよくその人のタイムを見て、「つらいつらい、と書いておきながら、めっちゃ速いやん!」ということも往々にしてあります(※)が、たとえ自分のレベルとは全く合っていなくても、その大会の雰囲気が感じられるだけでも参考になります。

※でも、本当は、どのレベルのランナーが書いた完走記/リタイア記なのかは読む上では重要なので、最初に書いてあるといいですね(笑) こういった理由から、自分で書くときは最初の方にゴールタイムとか、ギリギリ完走レベルであることを書くようにしています。高速ランナーの方には、コースの予習以外にはほとんど参考にならないと思われますので。

ウルトラの場合は、一日の天候や気温の変化とか、どの関門をどれくらいで抜ければ完走できるかとか、エイドにどんなものがあるのかとか、事前情報では掴みきれないけど重要な情報が、ブログで拾えたりするので大変ありがたいです。

今回勉強させていただいたブログ

というわけで、今回イメトレさせていただいたありがたいブログはこちら。

どれもこれもウルトラ完走歴多数の強者ランナーのみなさんたちで、遠く及ばないレベルではありますが、そういう人たちがどんな風に走ってるのかというのも勉強になります。

11サロマ湖100kmマラソン完走記~第1章~ | SAROMAN BLUE 鈴木健司 – 楽天ブログ

ART SPORTSかつサロマン・ブルー(サロマ湖ウルトラ10回以上完走者)の方だけあって、情報も装備も充実しています!

『サロマ湖100kmウルトラマラソン』の完走記 : ますけんの走る日記

目標タイム7時間半とは・・・いつかはこのレベルに達したいものです!

サロマ湖100Kmウルトラマラソンの挑戦:サロマ2013完走記 – livedoor Blog(ブログ)

今年で9回目のサロマということで、完走記も歴史がありめちゃめちゃ参考になります!

完走記「第27回サロマ湖100kmウルトラマラソン」|遊・RUN ひらっちのブログ by ひらっち

12時間28分の完走ということで目標タイムに近く、このタイムでのレースを仮想体験させていただきました!

どれも本当に参考になります。ありがとうございます!

***

昨日も結局24時までお仕事だったので体が重いですが、張り切って行ってきます。

これから北海道に飛びます!北海道は学生の時ゼミ旅行で行って以来なので、最後に行ってから10年以上経ってますね。楽しみです。来月も再来月も行きますけど(笑)

夕方着なので、9時には就寝して5時間は睡眠時間を確保したいところです。

サッカーW杯ゲーム観戦後のお楽しみ:「326490」をのぞいてみよう!

残念ながら、日本代表はグループリーグ敗退となってしまったサッカーW杯ブラジル大会ですが、今日探し物をしていたら、たまたまW杯に関連した面白いサイトに行き着いたのでご紹介です。

326490

「326490」とは

謎の数列ですが、それぞれには意味があり、

・32:W杯出場32ヵ国を代表する各1名(組)のクリエイターが、

・64:全64試合について、それぞれの国の試合内容を、

・90:試合終了後90分以内でアートワークで表現する。

というプロジェクトの略のようです。

とっても面白い試みです。

これほど世界各地、いろんなところから集まったアーティストの作品を一斉に見る機会は中々ないですし、それぞれアートワークに個性があって、ゲームを観戦していなくても楽しめます。

さらに興味深いのが、同じゲームを対戦したそれぞれのチームの目線から表現して、それを並べて見るところ。同じ試合であっても、チームの置かれている立場・順位・意気込みなんかによって意味合いが変わってくるのは当然ですが、そういうところをうまく表現している作品が多いように感じます(ド素人目線ですが)。

 

個人的好みでいくつかピックアップ

1次リーグD組第3節 イタリア vs ウルグアイ

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(Source:http://326490.com/tournament/group-d/italy-vs-uruguay/)

これ見ただけで何があったゲームだったのか、容易に思い出せます・・・両チームにとってゲームを象徴する出来事だったんでしょう(そりゃそうか)。ご存知ない方は、こちらをどうぞ。

 

1次リーグC組第2節 日本 vs ギリシャ

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(Source:http://326490.com/tournament/group-c/japan-vs-greece/)

たしかに「MAKE MORE WAVES」って言いたくなる試合でした。ちなみに”日本代表”のクリエイターはMASAFUMI INABAさんです。

 

1次リーグB組第3節 オランダ vs チリ

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(Source:http://326490.com/tournament/group-b/netherlands-vs-chile/)

欧州系は皮肉るのが本当に上手いなあと思います。それにしても、どの作品もこれを90分で仕上げているなんて、クオリティ高すぎでは・・・

余地があるから面白い

コピーでもグラフィックでも、すべてを語り尽くされてしまうと、妙に他人事っぽく冷めてしまいます。一方的に説明されてしまった、という感じでしょうか。

W杯では、もちろん勝つチームもあれば負けるチームもあり、先へ進むチームもあれば去るチームもあります。そして、そこには歓喜や絶望や皮肉や冷笑など、複雑で人間らしい感情が生まれるわけですが、どれも多弁すぎるとうんざりしてしまうんですよね。

こういう表現って、つくり手が放った凸凹付きのメッセージを、受け手の想像力でその凸凹を埋めることで一つの完成形になるんじゃないかと思ったり(度々で恐縮ですが、ド素人目線)。

普段仕事で使っている、100%誤解のないよう伝えることがよしとされるロジカル・コミュニケーションとは全く異なる表現のあり方。いつもと違う脳が刺激されたようで、とても心地いいです。

これから決勝リーグが始まりますが、試合そのものはもちろん、試合後にどんなアートワークが出てくるかも楽しみです!

***

火曜日の初2.5km泳でつった右ふくらはぎの痛みが取れず、不安に拍車がかかっています。歩けるので肉離れではないはずなんですが。

あと2日なのでムリはせず、最善のコンディションで臨めるように準備したいと思います!

マネジメントの仕事は組織のOSをつくることだ!(Google I/Oを見て思ったこと。)

US現地時間6月25日9時(日本時間26日未明)から、Google I/O 2014が開催されました。

Tech系のブログ記事は大量生産されると思いますが、ちょっと違った観点で感じたことを書いてみたいと思います。

こちらは、Gigazineのまとめ記事です。

Image(5) 新デバイス・サービスが発表されまくった「Google I/O 2014」総まとめ – GIGAZINE

Google I/Oって?

ご存知の方も多いと思いますが、I/OはGoogleが毎年開催している開発者向けのイベントで、今年もKeynoteは85ヵ国から100万人以上の人がライブストリーミングを視聴したそうです。 Androidは、言うまでもなくGoogleの提供する情報携帯端末を中心としたOSですが、今年はスマホやタブレットに加えて、腕時計などのスマート・ウェアや、TV(こちらは数年前から試みは続いてますが)、車などサービス対象が拡がったのが一つの特徴だったかと思います。

具体的な内容については、たとえば、

・スマートウォッチによってスマホを何度も取り出さなくてもいいようにしたり(“Android Wear”)、

・車でも音声操作でナビ/コミュニケーション/音楽を利用できるようにしたり(“Android Auto”)、

・スマホと同じような感覚で使えるTVをつくったり(“Android TV”)、

・プラットフォーム共通で直観的な操作ができるUIを用意したり(“Material Design”)、

・より多くの人がもっとお安くスマホを入手できるようにするための仕組みをつくったり(“Android One”)、

・開発者の生産性を向上するような仕組みをつくったり(“Google Cloud Platform”)。

もっと細かいところだと、

・各アプリの動作をより高速化したり(新”ランタイムART”)、

・省電力で動くモードを用意したり(“Project Volta”)、

・通知センター機能を強化したり、

・・・

などなど、大ネタ小ネタおりまぜつつ、見どころいっぱいでした。

 

OSづくりと組織づくりの共通性

techieなことは置いておくとしても、OSから丸ごとサービス・デザインを考えるのはとても面白いことですね~

今回のI/Oの発表を見ても、サービスの提供範囲を拡張したり、現状の使い勝手を改善したり、参加者を増やすための環境整備だったり、要素同士のコミュニケーション・デザインだったり、本当に多岐に渡ります。

そういった各々のアクティビティを見ていて、これはまさに組織づくりと同じだと思ったわけです。

OSは、機器を動かすための基本的なソフトウェアですから、組織を一つの機器みたいなものだと考えると、組織にだってそれを動かすためのOS的なものがあるはずですね(ここで言うOSは、かなりゆるーく抽象的な意味で使っています)。

たとえば、組織の持つ物的・人的リソースを”ハードウェア”、個々のプロジェクトを”アプリケーション”と考えてみると、その間をつなぐのがOSの役割になります。

OSが正しくアプリケーションを動かしているのと同じように、組織がきちんと回るようにするためには、経営方針やビジョンのような統一されたルールが必要でしょうし、コミュニケーションのためには共通言語やインタフェースを用意する必要もあります。

また、OSの大切な役割の一つとしてマルチタスクの実現がありますが、組織においても有限なリソースを並行して有効活用し、時間当たりのアウトプットを高めるのは必須です。

 

組織づくりをOSづくりと考えてみると

何かを思い通りに動かそうと思ったら、そのための仕組みと仕掛けが必要になりますが、OSはそのアナロジーとしてなかなか優秀だと思います。

その理由は、システム的な物事の捉え方をもたらしてくれるところ。

会議やメール一つ取っても、必要な情報を必要なところに集めて判断し、必要なところに行き渡るように設計されているかどうか。こういったことは、「会議論」や「メール論」ではなく、システム全体として考えられているべきことですが、組織の”OS”として考えることがそういう発想をもたらしてくれるんじゃないかと思います。

機器のOSはバグがあると不具合が発生したりパフォーマンスが落ちたりします。”組織のOS”はパフォーマンスが落ちるだけで動いてしまうところが厄介なところですが、だからこそ、”OS”を意識して、しっかりデザインすることが大切なのではと思います。

「組織のOSをつくる」と考えると、マネジメントも少し違った視点から取り組めるのではないでしょうか。

***

ちなみに、Google I/Oの参加者全員に配られたお土産も、らしさがあって粋ですね。どこかの国の株主総会でも、こんな工夫があれば、もっと支持を得られるじゃないかと・・・

Image(6) Googleがイベント参加者に配布した謎のダンボールに隠されていた秘密 – GIGAZINE

「たられば」を語るなら、未来の「たられば」を語ろう。

W杯サッカー日本代表は、今朝のコロンビア戦に敗れ、残念ながらグループリーグ敗退となってしまいました・・・

サッカーについては語れるほどの知識もないのでゲームやプレイ内容に関しては触れませんが、W杯など緊迫した局面で選手たちがどんな心持ちで本番に臨んでいたのか、それを終えて、何をどんな風に考えているのかということは、興味深いところです。

「○○には、”たられば”はありませんが・・・」

サッカーやスポーツに限らずですが、重要な試合やイベントで思い通りの結果を残せなかった場合、誰もがついつい口走ってしまう言葉第一位は、いわゆる「たられば」でしょう。

「もし、~~だったら、・・・」「もし、~~であれば、・・・」というやつですね。スポーツの場合は、選手よりも解説者の方がよく使うかもしれません(笑)

そして、その際に枕詞のように使われるのが、「○○には、”たられば”はありませんが・・・」という前置き。「たられば」な話は、ないと分かっていても語りたくなってしまうものなんですね。

多くの人が、わざわざそんな前置きをするのは、今さら言ってもどうにもならないことを言い訳のように語っていることに対する後ろめたさがあるからでしょう。

だったら、そんな前置きしてまで語るのをやめればいいのに、と思ってしまうことも・・・

過去については「のでから」を語る

「たられば」話に後ろめたさを感じるのは、生産性がないからだと思います。「覆水盆に返らず」ということを誰もが理解しているからです。

それでも語ってしまうのは、現実を受け入れられないとか、うまくいかなかったことの正当化とか、ポテンシャルに関しては自分(たち)の可能性を信じたいとか、色々理由はあると思います。

この気持ち、よく分かります。ウルトラマラソンやトレイルランでは、頭の中を渦巻いているのは、ほとんどこんな「たられば」なことばかりですから。

でも、そんな時こそ、言い訳につながりやすい「たられば」という言葉を使うよりも、現実の直視につながりやすい言葉を使って考えた方が生産的な方向に気持ちが向かいやすいはず。

「~が、…だったので、どうなった」とか「~が、…だったから、こうなった」とか。

言い訳ではなく、現実を直視するためには、なぜそうなったのか原因を探るというアプローチは一つあるかと思います。正しいかどうかはこの際問題ではなく、現実を受け入れることが、この時点では大切なんじゃないかと思います。

そういう意味では、DNFレースのリタイア記をきちんと書くというのは、受け入れ難い現実を直視するいい訓練かもしれません。とってもつらいですが(笑)

未来についてこそ「たられば」を語る

それでは、「たられば」は禁句なのかというとそうでもありません。せっかく仮定を置いて想像を働かせるのであれば、その思考は未来に向かわせるべきだと思います。

つまり、過去についてではなく、未来のことについてもっと「たられば」を使いましょうということ。

「もし~が、…だったら、どうなる(かも)!」とか「もし~が、…であれば、こうなる(かも)!」と妄想が膨らみます。

未来の可能性を拡げるためのイメトレには、最適な言葉だと思います。むしろ、未来に向けては積極的に使うべき言葉ですね。

***

昨日は、トライアスロン仲間と一緒に始めての2.5km泳に挑戦。

長い距離を泳いだのは4月の美ら島トライアスロン本番の1.5km以来だったので、かなり不安でしたが、途中で足がつりながらも何とか泳ぎきることができました。

自信を持って8月のアイアンマン本番に臨めるよう、距離に慣れていきたいと思います。つったのが本番でなくてよかったですが、そういう事態も本番の「Expect the unexpected.」の中に入れておきたいと思います・・・

“Expect the unexpected.”の精神で備える。

本日、買い足した緊急時用トイレが届いたので、併せて緊急避難用のグッズ類も確認しました。今日はそのあたりのお話を。

「救急トイレ」買いました

ちなみに、今回購入した緊急時用トイレはこちら。
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ポケットティッシュよりほんの少し大きいぐらいのサイズで、男女共用・大小共用ティッシュ付きです。

緊急時用トイレは、元々はトレイルラン用に買っていたものですが、災害避難用にも使えるので、緊急避難バッグにも入れておくようにしています。車は持っていないんですが、高速道路で渋滞に巻き込まれた時などに備えて、車に配備しておくのもよさそうです。

幸運にも今のところ使う機会はないんですが、いざという時のために、一度試しておいた方がいいかなと思っています。使った経験があるかないかは、一刻を争う時(!)には決定的な違いになるものですから。

緊急時の備え

我が家では、緊急時災害時に備えて、

①会社のオフィスのデスク脇バッグ(置きっぱなし)
②自宅のベッド脇バッグ(置きっぱなし)
③日々持ち歩くバッグ

の3か所に緊急時用のモジュールを入れています。

①②は使っていないバッグに、特に災害時に必要になりそうなものを入れておき、いざという時にはそれだけ持っていけば何とか安全を確保できる、という状態にしてあります。

③は、毎日持ち歩くものなので、さらに絞って最低限にしています。中身については、また別の機会にご紹介したいと思います。

緊急時の心構え

“Expect the unexpected.”

緊急時への心構えはこれに尽きると思います。日本語だと、

「不測の事態を予測する」
「不測の事態を予期しておく」

といった感じでしょうか。

上記の避難用バッグやトレイルランでも使用しているサバイバルシートのパッケージにもしっかり書かれていますね(真ん中の濃いグレーの部分)。実は、今日のエントリはこれを見て書こうかと。
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“Expect the unexpected.”には2つの意味があると思っています。

一つは、常に不測の事態に対して備えておく、ということ。これは、まさに上に書いたような緊急時のための物理的な備えであったり、または保険など経済的なものであったり、日頃からしっかり親孝行しておくといった精神的なものもあるでしょう。

もう一つは、常に不測の事態の可能性を折り込んで判断・行動する、ということ。特に、トレイルランやトライアスロンなどは、自然の中で行われる上に過酷な競技なので、常にその可能性を折り込んだ上で、自分の身は自分で守ることが何より重要です。

こうやって抽象的に書くのは簡単なんですが、最も重要なポイントは具体性。

・不測の事態とは、どんな事態を想定しているのか?
・その事態に陥った場合、必要になるものは何なのか?
・判断や行動をどんな風に変えるのか?

こういった問いを地道に繰り返しながら、少しずつ「Unexpected」を想定内にしていく作業が、”Expect the unexpected.”なんだと思っています。

***

東京は、梅雨時らしく天気の悪い日が続いており、なかなか走るタイミングが合いません。

今週末は、3ケ月連続ウルトラマラソン・プロジェクトで(勝手にやってるだけですが…)、北海道へ行ってきます。それまでに何度か調整として走っておきたいです!

オーダーメイドの白衣があると聞いて考えたこと:自分が知らない=ニッチだと思ってしまう病。

先日、医者の友人と話していて初めて知り驚いたんですが、オーダーメイドの白衣というのがあるらしいです。自分とは全く違う世界の話を聞くのはおもしろいものです。

オーダーメイドの白衣

・自分の体型に合わせたサイズ感

・生地/質感を選べる

・着丈とか袖丈を変えられる

・ポケットやペン差しなどデザインを変えられる

・自分の名前の刺繍の色を変えられる

など、たとえばビジネススーツなんかのオーダーメイドと同じレベル。まあ、医者にとっては白衣が仕事着ですからね。

調べてみると、たしかに色々ありそうです。オーダーメイドの通販なんかもあるんですね。

 

知らない=ニッチだと思ってしまう病


オーダーメイドと言えば数か月前、自分でもトライアスロン用につウェットスーツをつくったばかりなんですが、その時も「え、そんなところまで測るの!?」というぐらい細かく採寸してベストサイズのものを納品していただき、驚いたものです。

でも、よくよく考えてみるとこういった身に付けるモノに限らず、サービスやシステム、コンサルティングから家庭教師まで、オーダーメイドのものというのは、意外とよくあるものです。

いや、よくあるというよりは、レディメイド→オーダーメイドというのは、商品・サービスを提供する上では極めて基本的なラインナップの構成ですから、たいていのものにはあるはずのものです。

ということで、白衣のオーダーメイドが存在することに驚いてしまった自分の反応を深く反省しました・・・

そこの反応は、「白衣のオーダーメイド?聞いたことはないけど、そりゃあるでしょ。」とクールに言い放つぐらいであるべき。

マーケティングにおいて陥りやすい思考のパターンの一つは、自分の知らない(興味の薄い)分野のことを、すべてニッチ市場だと思ってしまうことです。つまり、「白衣のオーダーメイド?そんなニッチな市場があるのか!!」という反応です。

ニッチかどうかについては、市場の絶対的な大きさや従来の視点では見えなかったニーズの有無等、色々な要素がありますが、自分が知っていたものかどうかはもちろん無関係です。

たまには知らない世界にも触れてみよう

ちなみに、白衣業界では、レディメイドの白衣でも、コスト重視のものから高級ブランドまであり、シルエットや裏地の模様など、こだわりの逸品というものがやはりあるそうです。

職場(医局)によってトレンドがあったり、個人によってこだわりがあったりもするようなので、単純に「作業着」と割り切ってしまうようなものではなく、個性を発揮する対象でもあるようです。勉強になりますね(笑) ちなみに一番人気と聞いた白衣ブランドは、恥ずかしながら聞いたこともありませんでした・・・興味があったら検索してみてください。

自分の仕事や興味の深い世界を客観化し、相対的に見るためにも、普段接することのない世界の話も聞いてみることが大切ですね。

大人は脳内プログラムを書き換えるために”お勉強”すべし。

ここ数週間ほど仕事に忙殺されており帰りも遅く、生活サイクルも乱れがちです。

よってもって、まともに体も動かせていない状態です。伊豆大島トライアスロンの中止で第2戦がいきなり洞爺湖アイアンマンになってしまったので、少しでもアイアンマン完走に近づくべく、この週末はしっかり泳いでいます。

泳ぐと同時に、これまで頭に詰め込んできたフォームのポイントやtips的なことを体系的に整理する作業も進めています。

大人はお手本を見せるだけでは変われない

電車で見かけたおばあちゃんとお孫さんについての昨日のエントリでは、あるべき姿を自分の行動で示すのは見習うべき伝え方ですよね、ということを書いたんですが、

一方、相手が大人となると、手本を見せるだけではダメなんですよね・・・いきなり「こうするのがよし」というものを見せられても、混乱するか拒絶するかして終わってしまいがち。

何かしらの変化や成長が要求される時、自分が伝えられる側だとすると、

・まず、あるべき姿を頭で理解し、
・お手本を見せてもらって納得し、
・自分でやってみて、お手本との違いをあぶり出し、
・そのギャップを、一つずつ埋めていく

といったステップを一歩一歩踏んでいく必要があります。ステップ的には多くなっても、やっぱりこれが最短距離だと思います。

そのための第一歩は頭で理解すること、つまり”お勉強”です。

大人がお手本だけでは変われない理由

大人がお手本だけでは学べないのは、何かしらの”脳内プログラム”、つまり判断基準とか行動規範などが、すでに書き込まれているからです。そして、そのプログラムがすでに存在する以上、それを<上書き>する必要があるためだろうと思います。

単純に<上乗せ>してしまうと、一つの事柄について複数のプログラムが存在することになって、混乱してしまいます。二つのプログラムについて、どこがどう違って、どっちがどう優れているのか、逐一判断していく必要があるわけです。この過程を飛ばしてしまうと、混乱や拒絶に振り回されることになりがちです。

“お勉強”=プログラム書き換えの手段

そして、プログラムの上書きを一番効率的に行うことができるのが”お勉強”=頭による論理的な理解です。

たとえば、泳ぎ始めたばかりの4ヶ月前の自分のスイムフォームは、相当イマイチだったと思います(実際、初めてスイムレッスンに行ったときには「典型的な素人泳ぎですね」とバッサリ…)。

このイケてないスイムフォームのように、これまでの人生でインストールしてしまった間違った(あるいは効果的でない)プログラムは、理想的なプログラムを書き込むのを邪魔しているだけなので、実はマイナスからスタートの状態と言えるでしょう。

子どものように白紙の状態から始めるか、または一瞬で既存のプログラムをアンインストールできれば簡単な話です。しかし、人間そううまくはできておらず、間違ってプログラミングされている箇所は一つ一つ書き換えて上書き保存していくしかないというのが、ここ数ヶ月スイムの練習をしてきて感じていることです。

そして、その作業を最も効率的に進めてくれるのが、頭による論理的な理解です。古いプログラムを否定することは、言い換えれば自己否定ですから、それなりの納得感が必要になるからです。

実践の伴わない頭でっかちは意味がありませんが、実践を前提とした”お勉強”は、古いプログラムのアンインストールと正しいプログラムへの書き換えのために有効な方法なんですね(※)。

※言うまでもありませんが、何より大事なのは実践です。起動しないプログラムを何度インストールし直しても意味がありませんので!

***

ただいま自分の体で、3.8km完泳プログラミング実験中です。 8月の洞爺湖アイアンマンの結果をご期待ください(笑)

電車で見かけたおばあちゃんの、叱らない伝え方。

今日、電車に乗っていて見かけた光景なんですが、おばあちゃんとお孫さんが二人でお出かけしていたようで、仲良さそうに電車に乗っていました。

お孫さんの方は、幼稚園の年長さんぐらいの年頃だと思うんですが、おいしそうにお菓子を食べながら、行儀良く座席に座り、目的地に着くのを待っていました。

目的の駅に着き、ドアの前でいざ降りようとしたその瞬間、お孫さんが持っていたお菓子の袋を落としてしまい、中のお菓子を車内にばらまいてしまったんですね。

「ちょっと、何やってんのよ〜!ほら、行くわよ!!」

とか言って子どもを叱りつけながら行ってしまう光景はよく見かけるんですが、そのおばあちゃんはちょっと違い、

何も言わず、ゆっくり丁寧に一粒一粒ばらまいてしまったお菓子を拾い始めました。そして結局、その途中で停車していた電車のドアは締まり、二人は次の駅で降りて向かいのホームから目的の駅に戻っていきました。

お孫さんの方は自分がやっちゃったことに、気まずそうにしゅんとしつつも、じっとおばあちゃんがお菓子を拾う姿を見つめていました。本人からすると、その時間は苦痛だったでしょうね(笑)

一方のおばあちゃんはと言えば、ただ淡々と、急ぐでもなく散らかしたお菓子を片付けていました。

***

自分が同じ状況に置かれた時どうすべきなのか、については人によって意見が違うかもしれません。でも、おばあちゃんの伝え方は誰もが見習うところがあるんじゃないかと。

子どもは大人の姿を見て育つ、とはよく聞きますが、叱りつけたりしなくても、あるべき姿を示し、それを実行している姿を見せるだけでも、子どもたちは勝手に学んでいくんじゃないだろうか、と思います。

大人相手だったら言葉で伝えても、頭を使って理解するかもしれませんが、子ども相手に何でも言葉で分からせようとしてしまうのは、単に大人の怠慢なのかもしれません。

まあ、「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ(山本五十六)」という格言もあるぐらいですから、大人の方が手厚い対応が必要かも(笑)