第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記⑦

7月の3連休に参加した第2回大雪山ウルトラトレイル110Kの完走記その7です。

これまでのエントリは、こちら。 

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記① | reboot blog

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記② | reboot blog

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記③ | reboot blog

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記④ | reboot blog

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記⑤ | reboot blog

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記⑥ | reboot blog



天狗岳@66km地点~Day1 ゴール@72km

天狗岳頂上からは、ゴール地点の白滝高原キャンプ場までほぼ下り。さっそくのハシゴ・・・下り序盤は急斜面が少し続きます。70km以上走ってきた脚がプルプルして全然定まらず・・・自分の脚とは思えないっす。

140729_1

ここを抜けてからは、数km走れるシングルトレイルが続くので、無心で距離を稼ごうと、同じペースの集団について一緒に走らせてもらいました。

体力と集中力の限界で、何度か木の根に足を引っかけ、吹っ飛びかけました。全身がずっしりと重く、全然スピード出てないんですが、脚がついていかないからか、下りはかなりのスピード感。

視界が開けたと思ったら、巨大な人工物が。

140729_2

遠くに下界が見えます。あそこまで下るのか・・・高低図を見ると、まだまだ下りはこれから。そろそろ急勾配を下るポイントに出るはずなんだけど。

140729_3

と思ってたら、来ましたよ、ゲレンデ下り。この終盤でのゲレンデ下りはつらすぎる・・・林道もうやだって言ってたけど、距離伸びてもいいから林道で迂回したかった・・・ヒザが笑って仕方ないです。長すぎる下りゲレンデ。

140729_4

ゲレンデの終盤はやはり林道。しかも砂利の林道、じゃりんどう。やっぱ林道やだ、とワガママ言いたくなるのはウルトラレース終盤の恒例ということで。

一気に500m以上降りてきて、やっとロードに出たと思ったら登り!思わず、ちょっとした大きさの声で「ここに来ての登り!」と一人叫ぶ。

140729_5

ロードを走ること1kmちょっと。ようやく帰ってきました、白滝高原キャンプ場。スタッフさん、観客のみなさん、走り終えたランナーのみなさんが拍手と声援を送ってくれる。

140729_6

長かった・・・初日は13時間ちょっとでゴール。珍しく制限時間に1時間近く余裕が。これも中盤でしっかり、”架空の最終完走者ライン”と闘ったからでしょうか。

振り返ってみると、強度的には51kmの平山登山口が半分の折り返し地点ぐらいの72kmでした。

140729_7

この後、1時間ほど芝生に寝転がって、回復に努めながら帰ってくるランナーに声援を送りました。

今日すでに、100kmのウルトラマラソン1本分くらいは走ってるのに、明日もまた40km。走れるのか、自分!?

宿はツアーのホテル大雪というところでしたが、かなりしっかりしたホテルで翌日の英気を養うには十分。他のランナーの方々と相部屋で、トレラン話で盛り上がりながら、バイキングの夕食で可能な限りの補給を行って、温泉による疲労抜きに励みました・・・

明日のことは、明日起きてから考えよう(笑)と、準備を整えてさっさと就寝!

(Day2につづく)

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記⑥

7月の3連休に参加した第2回大雪山ウルトラトレイル110Kの完走記その6です。

これまでのエントリは、こちら。 

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記① | reboot blog

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記② | reboot blog

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記③ | reboot blog

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記④ | reboot blog

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記⑤ | reboot blog



比麻良山@57km地点~有明山@64km地点~天狗岳@66km地点


稜線沿いからの景色は抜群です。体は重くても、心は軽い。

140723_8

さて、ここからは大会で定められた歩行区間1.8km。コマクサの群生地でもあるこのあたりは、第2回の今年から環境保全のため走行を禁止し、歩行区間として設定。この区間の通過時間は、どれだけ速く行っても全ランナー最低30分で加算されるというルールなので(30分より長くかかった場合はそのままその実タイムが足される)、ゆっくり時間をかけて歩きます。

140728_1

歩行区間が設けられたことについては賛否両論あるかもしれませんが、個人的には、歩行区間に設定することでこんなステキなところ大会のコースとしてもらえるあれば、More than welcomeでも。自然を傷つけてまで走ることは、多くのトレイルランナーにとっても本望ではないはず。

140723_9

何より、時間を気にせず、こんな景色をゆっくり楽しみながら歩くのは幸せな時間です。ここまで60km近く走って、登ってきた甲斐がありました~

140728_2

しかし、思いの他長かったこの1.8km。30分あれば余裕で歩けると思っていたのに、40分近くかかってました。のんびりし過ぎたというのもありますが、ここまでの疲労が全身にどっしりと載ってきてます。歩行区間は補給区間、ということで、あれやこれや口に入れて回復に努めます・・・

140728_3

歩行区間を終了し、もうしばらく稜線沿いを走ってから下りトレイルへ。比麻良山を一度大きく下り、有明山頂に向けて再び直登です。

course01

トレイルはフカフカですが、脚はすでにガクガク。気を抜くと前に転げ落ちそうになる。このあたりは目印の白いテープが少なかったからか(?)、前を行っていた女子ランナーが道に迷ったと思い、ホイッスルを吹きながら一人歩いてました。熊と遭遇か!と思いビビりましたが、話を聞いて、「一本道だったから多分合ってますよ」という頼りない励ましをして先へ。

140728_5

下り切ったらまた登り。これ、ちゃんと有明山に向かってますよね!?

140728_6

険しくなる一方の登り。

140728_7

やっと頂上が見えてきた。けど、ほぼ垂直。有明山は今、日本で一番、乳酸密度の高い山になってるはず。いや~下半身がもう限界・・・

140728_9

有明山登頂。頂上にスタッフが立っててくれなかったら頂上とも分からなかったであろう頂上に到着。しかし、そこからは、次に目指さなければならない天狗岳が見えるという残酷さ。遠くない!?なんで一回下ってんの??

140728_10

せっかく登った有明山を反対側にもう一度下り、再度天狗岳を目指す。コースマップの有明山のところに「ここからが勝負どころ」と書いてあった意味がようやく分かりました。

140728_11

フラスクに入れたジェル、塩キャラメル、エビ塩あげせん。あらゆるものを口に入れ、走れると信じる下りに備えながら我慢の登り。急登時の塩キャラメルは、のどに絡んで呼吸がさらに苦しくなるので失敗。

いよいよ、初日最後の頂へ!登り切った~ 頂上では迷彩服姿の自衛隊のみなさんもサポートしてくれてました。頂上でしばし小休止。

140728_12

あとは7km下るだけ!!

(つづく)

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記⑤

7月の3連休に参加した第2回大雪山ウルトラトレイル110Kの完走記その5です。

これまでのエントリは、こちら。 

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記① | reboot blog

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記② | reboot blog

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記③ | reboot blog

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記④ | reboot blog



A4@51km〜比麻良山@57km地点

A4からゴールまで距離としては20kmなので、初日72kmの内の3割弱程度にすぎないんですが、時間的には13時間中の6時間、つまり半分近くかかっています。

ここからの険しさがよく分かります。ここからが本番だということ。

course01

いざ比麻良山へ!!!という士気を削ぐ、登山口入口の熊注意の看板。

140727_1

ここから先は、険しい登山道。ここまでの、のぼりんどうで既にかなり疲弊しているお尻とハムですが、追い討ちをかけるように酷使を余儀なくされる。お尻とハムは疲れにくい筋肉だと聞いてましたけど??

140727_2

ところどころ、ヒザに手をつきつつハァ~ハァ~と荒い呼吸をしながら登っていくランナーたち。すれ違う登山客のみなさんが応援してくれて、涙が出るほどうれしい。その視線の先には、雪が!

140727_3

これが噂の雪渓!初めての雪渓渡り!! 写真で見るより急斜面で、気を抜くと谷に滑落しそう。

140727_4

一度やってみたかった雪渓アイシング。疲労の蓄積した脚に効きます・・・時刻はもうすぐ12時、これから一番暑くなる時間帯。寝っ転がってしばし全身を冷やしてリフレッシュ。本当に暑いんです。

140727_5

前を見る余裕もなくなるぐらいの急斜面が続く。そんな時ふと顔を上げた時に目に入る高山植物が癒し。

140727_6

二つ目の雪渓に飛び込むようにして休憩。だいぶ上がってきましたが、まだ上があります。前日までは荒天だったらしく、同じ天気なら中断もありえたとのこと。いい天気でよかった。暑いけど・・・とても暑いけど・・・

140727_7

最後は、登山客のおじさまおばさま達とあいさつを交わしながら、感覚的にはほぼ壁の岩場をよじ登る。

140727_8

うおりゃ~!!!と気合で1737m標高点分岐へ到達。ここからは絶景の稜線沿い。よくがんばったよ・・・

140727_9

架空の”最終完走者ライン”

ここまで登ってきてようやく初めて、「初日の72km、なんとか完走できるかも」と。もちろん、油断はしませんが。

完走ギリギリランナーとして、これまでも格上の完走ギリギリレースを経験してきましたが、完走できる時というのはどれだけ遅くなっても“最後の一線みたいなもの”にだけは負けないものです。

それは、目には見えないけど確実に存在する、「ここより遅くなったら完走できない」という、架空の最終完走者ライン。競泳のテレビ中継に表示される世界記録ラインの関門制限時間版みたいなイメージでしょうか。

この架空の最終完走者ラインを、どれだけ背中に感じながら走り続けられるかというのが、ギリギリランナーにとっては極めて重要だと思っています。このラインを感じられなくなったら、何の緊張感もなく、ズルズルと出来高で走ってしまい(歩いてしまい)、気付いた時にはもう手遅れ・・・となっているのが、DNFレースで経験してきたこと。

逆に、このラインを意識できている限りは、常に、

     「あきらめたら そこで試合終了ですよ・・・?」

というささやきが聞こえます。オカルトな話ではなく。

意地でも完走したいと思ったら、サッカーでオフサイドトラップをかける統率のとれたディフェンスラインのように、自らの意志でこの最終完走者ラインを押し上げていくぐらいの気概が必要で、ラインを押し上げながら落ちてくるランナーたちを拾っていくという感覚が必要です。

こうして進んでいるうちに、気が付いたらその最終ラインは、桃鉄の貧乏神をなすりつけるように後続のランナーにバトンタッチして(後ろを走るランナーを陥れるという意味でもありませんが結果として)、自分はギリギリラインから抜けているものですが、このラインをどれだけ意識して我慢できるかが中盤の正念場。

落ちてくる人たちと一緒にずるずると後退してしまうのか、自分が最終ラインのつもりで押し上げるのか。

結果的にDay1は、制限時間14時間のところ1時間の余裕をもってゴールすることができたものの、ずるずる行っていたら、1時間ぐらいあっという間に吹っ飛ぶものです。

さて、稜線まで出たらあとは気持ちよくゴールまで行けると想像してましたが、それは想像に過ぎず、まだまだ苦難が待っていました・・・

(つづく)

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記④

7月の3連休に参加した第2回大雪山ウルトラトレイル110Kの完走記その4です。

これまでのエントリは、こちら。 

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記① | reboot blog

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記② | reboot blog

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記③ | reboot blog

A3@38km〜A4@51km地点

A3を出ると、ここから先は平山に向けてオケイナイ林道を進みます。オケイナイ林道は、事前に正念場だと説明を受けていたところ。気温も上がる上に日陰も少なく、スタッフによる試走でもグッとペースが落ちる、とのこと。

140726_1

A4の第一関門抜けないと、このレースの一番おいしいところを走らずに終わっちゃうので気を引き締めて出発。と思ってたんですが、事前情報は残酷なほどに正しく、容赦ない日差しと登りで、これまで蓄積された疲労がここにきて顕在化。言わずに我慢してたけど、脚重いよー。

140726_2

そんな中、少しだけ興奮したのが(!?) 林道の途中で発見した熊のフン。 説明会で見せてもらったものに似てたからたぶん合ってるかと…写真では伝わらないかもしれませんが、実物はめっちゃでかいっす。写真撮ってたら、後ろから来たランナーも「見つけてくれてありがとうございます!」と言って、写真撮ってました(笑) 本当にいるんだなと実感し、熊鈴を再チェックしてから進む。

140726_3

のぼりんどう。暑い。全部歩くとずるずる行ってしまいそうなので、暑い日向は走り日陰は歩く、を繰り返しながら登る。

140726_4

どこまで行っても、のぼりんどう。暑い。林道もういいよ!

140726_5

6kmほど登り続けたところからようやく下りに。「やったぜ、下ったらA4通過!」と思って走ってたんですが、下り切ったところで、スタッフの方に「ここから登り5kmです」と言われた時は、心の中で「OMG!!!」と叫びました。

マップ上では、急登前の下り切ったところらへんがA4っぽく見えていたので。冷静にマップを見てみると、「登山道入り口」ではなく「登山口」なので、そんなに低いところにあるわけがない。「OMG!!!!!」

course01

というわけで、悪魔ののぼりんどうアゲイン。

140726_6

 

暑さと補給

今回のレースで一番気をつけたのが補給。6月に2連敗した酷暑の奥久慈トレイル&サロマ湖ウルトラから学んだことは、「補給しないと走れない」という当たり前すぎる事実。

今までだってそんなことはもちろん知っていました。ただ、「暑いといつもより消耗するのが早いから、補給が追い付いていないんだ」と勘違いしていました。だから、ジェルとかいっぱい持って、こまめに補給することを心がけていた、と。

でも、奥久慈とサロマを振り返って気付いたのは、暑さはアウトプット(消費)を早めているだけでなく、インプット(補給)も阻害し、出る方と入る方のダブルで消耗を促しているということ。つまり、「暑いから補給が足りない」ではなく、「暑いから補給ができない」というところに補給作戦上のミスがあったのです。

だって、暑いと食欲がなくなるのは日常生活でも一緒で、だから夏バテとか言われているわけなので、走っている時はなおのことです。今まで補給で苦労したことはそれほどなかったので、こんな簡単なことに気付いてなかったんですね・・・(恥) 食欲がない人に心がけで頻繁な補給をさせようとしても実行不可能。

というわけで、こちらが今回打った手です。

①補給の(心理的)ハードルをできるだけ下げる

・ジェルは、あらかじめ摂取必要分をソフトフラスクに入れておいて、ショルダーハーネスに収納。

ジェルを開けるのが面倒&手がベタベタするしゴミ持って走るのイヤだから・・・とエイドまで待ってしまいがちだったので、補給頻度が大幅改善しました。

それに、開けてしまったジェルはすべて摂取しないと無駄になるので、飲み切ろうという強制力が働きます(ちょっと発想がせこいけど)。

・これまで別々に摂っていたジェルとアミノ酸粉末をフラスクで混合。

主要な補給路をフラスク一本に集約することで、あれこれ考える必要がなくなり、とにかくフラスクのスペシャルジェルを補給することに集中できるようになった。

②補給したくなるものを用意して、レース中はとにかく何かを口に入れる習慣づけ

・ビーフジャーキー(前述)

・えび塩あげせん(しょっぱいものでリフレッシュするのは大事)

・塩キャラメル

など、そもそも心理的な抵抗の低いものを持っておくと、何かは口に入れられてよかったです。

今回は、補給をうまく確保できたことで、最後まで完走の希望を失うことはありませんでした。

ちなみに、今回使ったソフトフラスクはこちら。

そうこうしているうちに、歓声が聞こえてきたと思ったら、エイドのテントが!

140726_7

レースプランぴったり!スタートから7時間、平均予想タイムの11:15を15分上回る11:00にA4を通過。この時点ですでにガッツポーズ(笑) 

「これでようやく山に登れる!」という、ドMならではの、すでに50km以上走ってるとは思えない喜び方。

140726_8

説明会で、最後のA5では水しかないという情報を得ていたので、ここで”命の水”コーラを空いたフラスクに補給。

140726_9

(つづく)

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記③

7月の3連休に参加した第2回大雪山ウルトラトレイル110Kの完走記その3です。

これまでのエントリは、こちら。
第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記① | reboot blog
第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記② | reboot blog

A1@17km地点~A2@27km

ここまでのところ走りは順調ですが、楽しんで走り過ぎたのか(?)レースプランの予想平均タイム通りに走るところからは10分の遅れ。

A1を出てからは、山際の林道を走ります(ブレブレの写真ですいません…)。
140725 1

細かいアップダウンのある砂利道で、この後2日間に渡って散々この砂利の林道「じゃりんどう」に苦しめられることになるんですが、ここではまだ元気。4時スタートの甲斐あって、時刻もまだ6時過ぎなので日陰で快適。

20kmを少し過ぎたあたりで一度林道を抜け、さわやかな公園へ。スタートしてから2時間半ほど過ぎているので、ほどよくランナーもバラけてきました。A2からA3にかけては、ずっと6:30-7:00/kmぐらいのペースで淡々と進みます。
140725 2

そして、小川の渡渉を経て、支湧別牧場までその小川の脇を行くんですが、ここがトレイルというより、子どもが鬼ごっこに使う裏道みたいな感じでめちゃめちゃ走りにくい…草が生い茂って路面が見えない上、ぼっこぼこ。

気を抜いたらすぐ足くじきそうです。普通だったら並行しているロードを走らせそうなもんですが、それでもここをコース設定するところに、運営側のトレイルランナーへの愛を感じます(笑) トップランナーもこんなとこ走ったんだと思うとちょっとおもしろい。
140725 3

このあたりで、小樽から来た同年代ランナーの方と並走し、「お互い熊鈴が役に立つところまでがんばって走りましょう!」と誓い合う。

やっとぼっこぼこトレイルを抜けると、牧場脇の開けた道へ。こういう広大な景色は、本当に北海道らしい。
140725 4

約27km地点のA2に到着。スタートから3時間、A1で遅れていた10分を取り返し、レースプラン通りです。時刻はまだ7時過ぎなのに、すでに十分暑い。
140725 5

A2@27km~A3@38km

スポーツドリンク・梅干・あんぱんを補給して、A3へ。この区間は林道ラッシュです。林道に入る手前の小麦畑は見事!
140725 6

畑を抜けていよいよ林道ラッシュに突入。登り、登り、登りの「のぼりんどう」。

疲弊してきたところで、今回お試しの秘密兵器、ビーフジャーキーを補給。ビーフジャーキーは、適度な塩分がジェルの甘ったるさに飽きた口にはちょうどよく、ペッパーの刺激もいいです。消化には多少時間がかかると思いますが・・・
140725 7

実は、ビーフジャーキーは、去年走った蔵王トレイルラン中盤で疲弊していた時に、仲良くなったフランス人ランナーが分けてくれて、めっちゃうまい!と復活したことを思い出し今回用意してみたもの。これからも長いレースには必携だな。弱ってても食べやすいように、小さく切って入れてます。

のぼりんどう、アゲイン

一つ林道を走り切ったと思ったら、一旦短いロードを経て再び林道へ。また林道。入り口からすでに傾斜11%とは。
140725 8

延々続くのぼりんどう。このあたりから8時スタートの42kmの部とコースが合流しているので、42kmのトップランナーに次々と抜かれていく…

登り切ったと思ったら、「せっかく登ったのに…」と思わずにはいられないほど下ります。そしてその「くだりんどう」もまた長い。
140725 9

のぼりんどうと、くだりんどうを何度か繰り返し、林道もうお腹いっぱい、と思っていた頃ロードに出て…
140725 10

ようやくA3@38km地点に到着。この時点で1.5Lほど入れていたウォーターリザーバの水がだいぶ減っていたので補給してもらう。次のA4でも補給してもらったので、結局この日は5L近く水飲んでます。暑い!
140725 11

少し休憩して気を取り直して出発するも、この先もちろん、のぼりんどうです…

(つづく)

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記②

7月の3連休に参加した第2回大雪山ウルトラトレイル110Kの完走記その2です。

これまでのエントリは、こちら。
第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記① | reboot blog

0km@スタート〜A1@17km地点

スタート時刻は朝4時。5時スタートレースは何度も経験してますが、さすがに4時は初めて。深夜1時起きだったので、全然寝た気がしないっす…ちなみに42kmの部は8時スタートなので、集まったのは初日ロングコースを走る110kmの部と72kmの部の選手たち。
140723 7

いよいよスタート!すでにけっこう明るいです。北海道の日の出は早い。走り出すと半袖でも全く寒くないぐらいでちょうどいい気温。暑くなる前にできるだけ早く中盤の長い林道を抜けておきたいところですが、調子はいかに??
140724 1

さわやかにロードを駆け下ります。全員が熊鈴をつけているので、熊鈴の合奏。
140724 2

途中から広大な畑の中を抜けるコースに入っていきます。朝焼けがまぶしい。見渡す限りの畑と遠くにそびえる山々。幻想的な空間の中を気持ちよく走ります。
140724 3

今回の110kmは走力的に考えると、完走できるかどうかは五分五分といったところ。

失意のサロマDNF後、できるだけの準備はしてきたものの、2回あった週末も予定がびっちり入っていて、自信回復になるようなポイント練習もこなせず。平日も仕事につき、ひたすら地道なトレーニングでコンディション調整に専念。

かなーり慎重に、でも楽しみながら北海道の大地を駆け抜けます。駆け抜けるというほどのスピードでもないので、踏みしめます、ぐらいですかね。いや〜最高。
140724 4

土の上、草の上は走ってて本当に気持ちいいです。ガラスのヒザにも優しい。ここらへんまでは(涙)
140724 6

「これは民家の裏道では…」みたいなところとか、畑のあせ道のようなところも巧みに通過しながら(この大会にご協力いただいている地元のみなさまには本当に感謝)、ロードに出たと思ったら…
140724 7

約17kmを走り終え、最初のエイドA1へ到着。あ〜気持ちよかった!しかし、本番はまだまだこれから!
140724 8

ここまでは、第1回とは違う新コースだったようです。去年は単調すぎる一本道だったようで…ここから林道ラッシュに入ります!

Day1のレースプラン

初日は、まずはとにかくA4の関門を通過することに集中。じゃないと、このレースの一番のお楽しみ、平山からの稜線を走れなくなってしまうので…だから、A4まではそこそこのスピードをキープして走り続けることが大切。
Course01

逆にA4以降は、最後の下り以外はほとんど走れそうなところもないので、そこまでにたっぷり時間を残しておきたいところ。

ということで、コース図に書かれている「予想平均タイム」を少しだけ上回るつもりで走ることに。A4通過の目標時刻は11:00。

そこから逆算するとA1は5:40より早めに通過したいところだったんですが、ガラスのヒザを考慮して大事に入ったからか、コースが気持ちよすぎて写真を撮りすぎたからか(!?) 通過タイムは予想平均タイムから10分遅れの5:50。ここからの巻き返しを誓い、A1を出発!

(つづく)

第2回大雪山ウルトラトレイル110K(意地の)完走記①

先週末の3連休ですが、先月に続き北海道に行ってました。目的は第2回大雪山ウルトラトレイル110K参戦!

最近、LCCやらモエレ沼公園のエントリを先に書いて先延ばしにしてたんですが、ようやく本題の大雪山ウルトラについて書く気になりました(笑)

一人で勝手に4月から続けている連続ウルトラチャレンジですが、ここまでの戦績は、

・4月:チャレンジ富士五湖112km ⇒完走
・5月:野辺山100kmウルトラマラソン ⇒完走
・6月:サロマ湖100kmウルトラマラソン ⇒DNF

と2勝1敗。これからどんどんチャレンジレベルが上がっていくので、これ以上の負け戦は避けておきたいところでしたが、結果は・・・トータル20時間7分で何とか完走!!!

いや〜長かった。本当に長い二日間でした。

第2回大雪山ウルトラトレイル110K

「トータル」と言っているのは、このレースが2ステージ制だから。日本では珍しいでしょうか??

100milesぐらいまでの距離であれば夜通し走り通すのが普通だと思いますが、北海道は熊(!)が出るので夜間走行はリアルに危険だからということらしいです。実際、熊の生活の痕跡は至るところにありました…もちろん、熊鈴は必携。

最初に簡単にこのレースの紹介をしておくと、初日は72km、二日目はスタート地点を移動してまた別の40km(今年はコース変更で2km増)を走って合計110kmのレースです。初日だけの72kmの部と、その初日コースをさらにおいしいとこ取りした42kmの部も併設されています。

つまり、それぞれ、

・110kmの部:<Day1> ロングコース72km + <Day2> 40km
・72kmの部 :<Day1> ロングコース72km
・42kmの部 :<Day1> ショートコース42km

という構成になっております。
第2回 大雪山ウルトラトレイル

どれを選ぶ? 110km/72km/42kmの部

こちらのDay1 コース図と高低図を見ていただければ分かりますが、本格的な山岳パートに入るのは、(72kmの部で言う)A4以降の50kmから。Day1でロングコースを走るランナー(110kmの部/72kmの部)は、そこまではじりじりとアップダウンを繰り返しながらフルマラソン一本分強を走らないと、大雪山ウルトラの本丸までたどり着けないんですね…
Course01

A4を越え、平山の登山道に入ってからは雪渓あり、コマクサが群生する稜線あり、とこの大会のハイライトゾーンで、ここだけ楽しもうと思ったら、ショートコースの42kmの部が一番おいしいです。
140723 9

しかし、走ってみて本当に感激したのが、ロングコース序盤の広大な畑の中を走るA1までの17kmほどのエリア。朝焼けの中ここを走るのは本当に最高なので、来年走るとしても、ぜひともロングコースを走りたいです(序盤のところは第1回とコースが変わったようです)。天気に恵まれたのもあるかもしれませんね。
140724 5

平山からのトレイルをおいしく楽しみたいということであれば42kmの部、100kmウルトラマラソンを走れる程度の走力があり、北海道の雄大な大地を感じながら走ってみたいという方は72kmをオススメします。

110kmの部は…誰にオススメすればいいんでしょう(笑) UTMB/UTMFのポイントが欲しい人!?

今回の旅程

今回も、羽田〜新千歳空港往復のフライトとDay2終了後の札幌一泊の宿は自分で手配。それ以外の、空港から受付会場までのバスと前日・Day1後の宿とゴール地点から札幌までのバスはオフィシャルツアーを利用しました。

朝9時頃新千歳空港に着き、バスの集合時間までは2時間ほど空港で時間をつぶし(ブログ書いてました)、昼前に空港を出発。4時間弱かかるらしい。やっぱ北海道はでかいです…1時間半ほど走ったところで「日本最北のサービスエリア」砂川SAへ。

牧場直送の牛乳をつかったイタリアンジェラートがとても美味しそうだったけど並んでたので断念。
140723 1

中を物色していると、とうきびモナカ発見!見た目も味も、全くその名を裏切らない。甘すぎずおいしいです。全国展開すればいいのに。LOTTEさん、なかなかいい仕事です。
140723 2

到着直前に土砂降りになり焦りましたが、すぐに止んですっきり。15時頃受付会場の白滝国際交流センターへ。
140723 3

事前説明会ではコース説明とともに、とにかく「熊いるから注意情報」をインプットされ、恐々とした気持ちに。注意って何すればいいの?? って感じですが、こちらから「人間が通るよ〜」ということを示していれば(だから熊鈴とホイッスルは必須)、向こうから出てくることはないそうです…ほとんど…信じるしかないっす。ちなみに、累積標高は4462mだそうです。
140723 4

説明会後の懇親会では、無料でとうもろこし&汁物&ビールが振る舞われました〜この汁、餅?だんご?が入っててめちゃめちゃうまかったです。
140723 5

さて、受付会場からまたバスで1時間。本日の宿は、キララン清里というところ。素泊まりの一番安いプランを選んだため、ユースみたいな雰囲気です。宿ではなく研修所らしい。でも十分です。途中で買い出しのためにSeico Martに立ち寄ってくれます。
140723 6

この時点ですでに20時過ぎ。翌日は1:40集合→2:00出発→4:00スタートなので、すでに睡眠時間が…さっさとレースの準備をして就寝!次からいよいよレースの振り返りです。

(つづく)

イサム・ノグチ設計モエレ沼公園行ってきました!<後編>

イサム・ノグチ設計モエレ沼公園行ってきました!の後編です。

前のエントリは、こちら。

イサム・ノグチ設計モエレ沼公園行ってきました!<前編> | reboot blog

札幌国際芸術祭2014

ちょうどこの3連休から、今年初めて開催されるという札幌国際芸術祭2014が始まり、モエレ沼公園もその会場の一部になってます。いいタイミング!

140721_2_1

ゲストディレクターの坂本龍一さんが手がけた作品も、ガラスのピラミッドに展示してありました。

「FOREST SYNPHONY」

「樹木の生体電位をデータとして取得・集積・解析し、音楽へと変換、空間全体でシンフォニーとして体験できるインスタレーション」だそうです。

140721_2_2

“木の音”って聴いたことないですよね。不思議な空間です。

     「木は光合成によって太陽光をエネルギーに換える、つまり電磁波をとらえる天才。その周期性を音楽にしてみたい」(坂本 龍一)

木も天才かもしれませんが、教授のその発想が天才ですわ・・・天井から吊ってあるスピーカーから、各地の”木の声”が。

140721_2_3

「Sensing Streams」

「自然や都市におけるさまざまな情報の流れ(ストリームズ)を感知(センシング)し、可視化・可聴化していく作品」ということで、こちらの特設会場では、Perfumeの演出などでも知られる真鍋大度さんとのコラボ作品も。

札幌駅前の地下道チ・カ・ホに流れる電磁波をセンサーで感知し、そのデータを真鍋大度さんが映像化・坂本龍一さんが音楽に変換して、特設の4Kビジョンに映し出したものだそうで、展示前にあるダイアルをラジオのように操作して周波数帯を切り替えられます。もちろん、映像と音楽もそれに合わせて変化。

140721_3_1

可視化・可聴化するだけでなく、触ってインタラクティブに楽しめるのもいいです。インスタレーションならではですね。

140721_3_2

モエレ沼公園、行ってよかったです。110km完走後で、体はボロボロでしたが、公園を散歩して回復してきました。

札幌国際芸術祭2014は、9/28までの開催だそうです。夏休みに北海道に行く予定の方はぜひ脚を伸ばしてみてください!

イサム・ノグチ設計モエレ沼公園行ってきました!<前編>

7月の3連休は大雪山ウルトラトレイル110Kに参戦、せっかく札幌までやって来たので、帰りにモエレ沼公園に行ってきました!

この公園を知ったのは10年ほど前、イサム・ノグチ展に行ったときに写真で見て以来、一度は行ってみたいと思っていた場所でした。

さっぽろ駅から地下鉄南北線で環状東通駅まで行き、バスで30分ほどで到着。札幌駅前からは到着まで1時間ってとこでしょうか。着いてからは2時間あれば、ゆっくり一回りできますが、のんびり過ごしたいと思えば、3時間は見ておいた方がいいかと。

バス停から橋を渡ると、公園の山が見えてきました。レンタサイクル(200円)もありましたよ。

140721_1_0

「大地を彫刻する」モエレ沼公園

モエレ沼公園があった場所は、ゴミ処分場だったということです。公園にする計画はもともとあったということですが、

「人間が傷つけた土地をアートで再生する。それは僕の仕事です。」(イサム・ノグチ)

とイサム・ノグチが計画に参画、「公園全体がひとつの彫刻作品」というコンセプトが提示され、17年後の2005年に完成しました。 

上から見ると、本当に彫刻のようです。スケールが大きい。

140721_1_1

公園内のメイン施設でもあるこのガラスのピラミッドには、雪を活用した冷房システムが導入されているそうです。

140721_1_4

ピラミッドの中から眺める山の姿。

140721_1_5

○と△と□で構成された、こんな公園ははじめて!おもしろいですね~でも、人工的な感じはなぜか全く感じません。

敷地内には、野球場やトラックやテニスコートもあるんですが、幾何学形態を多用したこの公園の中に配置されると、すべてがアートの一部のように見えてくるから不思議です。

140721_1_6

(後編へ続く)

格安航空会社(LCC)のフライトがけっこうな確率で遅延する理由<後編>

格安航空会社(LCC)のフライトがけっこうな確率で遅延する理由の後編です。

前のエントリは、こちら。

格安航空会社(LCC)のフライトがけっこうな確率で遅延する理由<前編> | reboot blog

コストダウンになってるけど、遅延のリスクにもなっていること

遅延しやすい理由のほとんどは、料金を安くするためのコストダウンに起因するものです。

だから、客として安さを求めている以上は、この遅延リスクを折り込んだ上で航空会社を選ぶべきなんですよね。まあ、遅延は大手航空会社でも発生するし、天候など航空会社の影響範囲外の要因もあるので、一概には言えませんが。

遅延リスク要因がどのようにコストダウンにつながっているかを整理しておくことで、今回の溜飲を下げたいと思います(笑)

ちなみに、私は専門家でも業界人でもなく、だいぶ前にビジネス的に研究した時の記憶をベースにしているので、古い情報もあるかもしれませんがあしからず。



●駐機時間(飛行機が空港に留まっている)の短縮

飛行機は、乗客を運んでいない時間は全く価値を生み出していません。つまり、地上にいる時間は少なければ少ない方がよく、できるだけ多くの便を飛ばして利益を増やしたいわけです。

だから、コストをできるだけ下げたいLCCは、元々かなり過密な運航スケジュールが組まれているのが普通です。国内線の場合、大手は折り返し時間(着陸してから次の便の離陸まで)60分程度で組んでいるはずですが、LCCは30~40分程度のところが多いように思います。

元々過密なスケジュールなので、フライトの度に何か順調にいかないことがあると少しずつ遅れていき、その日の後便になればなるほど、遅れが蓄積されてドミノ式に遅延の可能性が高くなります。だから、最終便は最も遅延リスクが高いと言えます。

これが、遅延の最大の要因かと思われます。

●搭乗ゲートが遠い

空港の使用料を下げるために、出発ロビーのカウンターも搭乗ゲートも遠い位置にあります。遠いとその分、移動には時間がかかるので、相対的に乗客が遅れる可能性が高くなります。

行きも帰りも、別のフライトではありましたがゲートに来ないお客様を待つために、出発が遅れていたようです(遠いからかどうかは分かりませんが)。

●受託手荷物が有料→持ち込み荷物が増える→収納に時間がかかる

LCCは受託手荷物が有料です(スカイマークは違うので、こういうところはLCCではないということですね)。

有料にすることで受託手荷物を減らし、上記の駐機時間を短縮することもできますし、地上係員も減らすことができます

(もしかすると宅急便などのB2B荷物の輸送とかやっているのかもしれませんが)。

しかし、受託手荷物が減るということは機内持ち込みが増えるということなので、全ての乗客の手荷物をきっちり収納するにはパズル的な困難さを伴い、すべてが収まるまでには、それなりに時間がかかるということです。荷物を入れる場所を探すのが嫌なので、早く並んで先に搭乗するという人も多いですから、それだけ後から乗って大きな荷物を入れるのは大変だってことですね。

●1便あたりの座席数が多い

これは同じサイズの機材と比べると乗客数が増えるということなので、必然的に乗降にかかる時間も増えるということですね。

以上、思いつくままに書いていますが他にもあるかもしれません。ここまでやって、料金下げてるんだから、遅れることがあるのも仕方ないかな、という気持ちになりませんか?? もちろん、オペレーションは改善していただくにこしたことはないんですが!

 

コストダウンになってるけど、遅延のリスクにもなっていないこと

徹底的にコストを削っているLCC、もちろん他にも色々やっています。

上に挙げたものは、乗客としては残念な遅延の可能性にもつながりうるコストダウンですが、そうでないものもあります。これで低価格フライトを実現しているんだから、すばらしい営業努力ですね。

●各都市の第2空港を拠点にして空港着陸料を抑える

アクセスは多少悪くなりますが、それを踏まえてお客さんが選ぶことなので・・・

●ネット予約によるコストダウンと柔軟な価格設定による稼働率アップ

お客さんの利便性を高めつつのコストダウンなので、文句なしでしょう。

●人気路線に絞る

稼働率が高く、人気のある単発路線だけに絞ることができるのは、サービスとネットワークを売りにする大手と比較した場合のLCCの優位性でしょう。

●「沖止め」によるボーディングブリッジ使用料の削減

「沖止め」とは、ゲートから離れた場所に止まることです。バスでゲートまで向かうので、時間がかかって嫌な気もしますが、空港によっては、遠いゲートに到着して長い距離を歩かされるより、近くまでバスで行ってくれた方がいいというケースもあるようです。



●使用機種の統一によるメンテナンス効率化

複数機種があるとメンテナンスの器材やオペレーションの研修など、何かとコストがかかるかと。

●機内設備の簡素化

短時間のフライトであれば、設備より価格の方が大事というお客さんも多いので、Win-Winのソリューションですね。

●機内食などのサービス廃止

上と同じで、短時間であれば機内食はいらない人も多いでしょう。オペレーションが減る分、CAさんの数を減らせるという効果もあるかもしれません。

●CAさんによる機内清掃

清掃員が入って掃除する時間の短縮として、CAさんが清掃も行いますが、これはもしかすると遅延の原因にもなってるでしょうか?? 

***

ということで、改めて格安航空会社が低価格でフライトを提供できる理由をおさらい。

終電に間に合わなかったイライラもすっかり消化、また前向きな気持ちでLCCを利用させていただこうと思います。