IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑦:[前日] バイクCheck-in & 試泳 & バイクコース下見。

先週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

IRONMAN JAPAN 北海道2014 完走記その7です。

これまでのエントリは、こちら。
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。 | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②:アイアンマンまでの道のり<前編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記③:アイアンマンまでの道のり<中編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記④:アイアンマンまでの道のり<後編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑤:アイアンマンまでの道のり<直前編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑥:[Day1] いざ洞爺湖!&大会イベントに参加。 | reboot blog

[前日] バイクCheck-in & 試泳 & バイクコース下見

この日の早朝、事件が。前日の補給会議の途中で、携帯食コレクションを陳列したまま寝落ちしたチームメイト羅王さんが朝風呂に行ったところ、突然肩に激痛が走り、とても動ける状態ではなくなってしまいました。

基本的には、なんでも盛り気味に話す人なので、最初は大げさに言ってるだけだと思ってたんですが、様子を見ると本当に痛そう。筋やっちゃってるのかも。

ぼくも以前、首を寝違えて半日全く動けなかったことがあります。ピキピキ系は本当に動けないです。あの花道が、ダンコたる決意をもってしても堪え難そうでしたから。とりあえず安静にして様子を見ることに。

バイクセッティング

二日目は、まずバイクのセッティングから。5日前の日曜日にショップに持ち込み、火曜日に発送してもらったようなので、東京から3日ほどで届いたようですね。
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組み立てる時はいいんですが、戻すときに自分で同じようにパッキングできるかかなり不安。なので、写真を撮りまくりながら組み立てます。
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Stealth号、無事復元。無事ではありますが、かなり格闘してます。 気の重い作業が終わりました!乗るのは好きなんですけどね。
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バイクCheck-in

バイクのCheck-inはレース前日の夕方までなんですが、この日は昼から、車でバイクコースの下見に行く予定で、夕方までには戻ってこれないので先にCheck-inします。

トランジションエリアからランコースへ入るところの景色です。前日とは、打って変わっていい天気です。
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Check-in完了。この後、パラパラと雨も予想されるため、バイクカバーをつけている人も多いです。何事においても盤石な兄さんだけがバイクカバーをコッソリ持ってました。さすがです。
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Check-inの際に、バイクとメットにIRONMANシールを貼ってもらうんですが、このロゴ見るとなんか燃えます。本当にここまで来たんだなあ、と。
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バイクのメカニックには長蛇の列ができてました。みなさん、最後まで調整に余念がありません。しかし、IRONMANは他の大会と比べても(比較対象は一つしかないですが)、バイクのグレードが全体的に一段二段上という印象があります。さすがに本気度の高い人が集まってます。こういう環境に身を置くと目線が上がるんですよね。でも、予算は上がりませんから。
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スイムコース試泳

昼からは90分ほど試泳の時間が儲けられてます。実際に泳ぐコースを事前に泳げるのはありがたい!
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湖岸から少し離れると一気に深くなり、怖くてパニックになることがある、という事前情報だったんですが、前日の雨でにごっていたからか、怖いと感じることは全くなかったです。
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初めての淡水オープンウォーターということで、ウェット着てても浮かないという話もありましたが、立ち泳ぎを続けるには、たしかに海水よりは大変ですが、仰向けになって脱力すればしっかり浮くので、こちらも大丈夫そうです。しかし、最初のブイまで1kmほどの直線なんですが、これが遠い…

なお、羅王さんは肩痛のため試泳は見送り。この後、近くの病院に駆け込み、痛み止めの飲み薬と座薬をもらい、ちょっとはラクになったようですがまだまだ辛そう。結局、レース中も座薬を入れながら走りました。この執念、本当に見事です。

バイクコース下見

病院に寄った後、車でバイクコース180kmの下見へ。

とその前に、羅王さんの提案により、みんなでスイカをいただきました。ぼくはスイカ好きなのでよかったんですが、バイク下見の時間がなくなる!と師匠はご立腹で、怒りのあまり握力でスイカを粉砕してました…スイカが…
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バイクコース180kmは、車で回っても3時間ほどかかり、その長さにうんざり。

車からでも辛そうだと分かる登りと、急カーブが待っているため飛ばしきれない下り。絶え間なく続くこのアップダウンを乗り切れるか、かなーーーーり不安になりましたが、この下見をしていなければ、当日攻めることはできなかったでしょう。

下見は大事。知っていることは大事です。未知のチャレンジに未知のまま突入することは、挑戦でもなんでもなく、単なる無謀です。

下見しておいて本当によかったです。スイカもおいしかった。

「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑧」につづく。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑥:[前々日] いざ洞爺湖!&大会イベントに参加。

先週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

IRONMAN JAPAN 北海道2014 完走記その6です。

これまでのエントリは、こちら。
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。 | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②:アイアンマンまでの道のり<前編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記③:アイアンマンまでの道のり<中編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記④:アイアンマンまでの道のり<後編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑤:アイアンマンまでの道のり<直前編> | reboot blog

[前々日] 現地入り&競技説明会

こうして、色々あった割にはあっという間だった半年が過ぎ、いよいよIRONMAN本番を迎えます。

レースは8月24日の日曜日ですが、色々とイベントがあるため金曜の朝一フライトで北海道へ入ります。

・8/22(金) 選手受付&競技説明会(必須)/Welcome Party
・8/23(土) バイクCheck-in/スイム試泳
・8/24(日) レース当日
・8/25(月) バイクCheck-out/Award Party

と、ほとんどの人が全4日の行程になります。こりゃ、ある程度仕事と家庭をコントロールできる人じゃないと、参加は難しいですね…

IRONMANブランドなだけにエントリーフィーも同等レースの倍ぐらいらしく(初めてエントリーしたレースだったので、トライアスロンって出走するだけでこんなにお金かかるの!?と驚きました)、旅費など含めると15万円は軽く超えるでしょうか。アイアンマン、9月は働きます!

北海道へ移動

今回の手配は、トライアスロン事情がよく分かっていないド素人軍団に代わって、すべて師匠がやってくださいました。ありがとうございます!

バイクは事前にトライアスロンショップからホテルに発送済みです。輪行だと空港からホテルまでのレンタカーに乗り切らず、他に運ぶ手段もなさそうなので(しつこいけど、嫌いだし)。

こういうロジスティックスも含めてのトライアスロン。そういったところでは経験のない我々は、全く及びません。来期はもうちょっと貢献できるようにがんばります。

というわけで、今回は成田→新千歳空港までJetstarで。詳細は書きませんが、LCCなだけあって、LCCっぽいサービスで、LCCなクオリティでした…

ぼくはLCCには多くを求めない派なので、全然問題ないんですが、羅王さんは搭乗時間締め切り間近にカレーを食べていて、軽い叱責を受けていました(笑) それより徹夜明けの早朝からカレー食べられることがすごい。

東京はいい天気だったんですが…
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到着した北海道は大雨。
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空港でもう一人のトライアスロン仲間と合流し、土砂降りの中、レンタカーで洞爺湖へ向かいます。新千歳空港から1.5〜2時間ぐらいでしょうか。
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洞爺湖、ゴハン食べるとこなし

洞爺湖に到着。参加必須の説明会は何回か開催されるので、とりあえず昼食へ行こうと洞爺湖のメインストリートを探すものの、食べるところが全然ないです。

会場となるエリアには、洞爺湖の湖岸沿いの道に沿ってホテルが並んでますが、ちゃんとしたレストランは数えるほどしかなく、選手だけで1300人を超える人が訪れるIRONMANで、明らかにキャパ超えしている様子でした。行こうと思った洋食屋さんも満席でさらに並んでました。

G8サミットが開催されたウィンザーホテルまで、車を走らせてわざわざ行ってみるも、時間がかかりそうなので断念、結局、メイン会場近くのラーメン屋へ駆け込みました。

北海道と言えば味噌ラーメン。運良く入れましたが、何組かは入ってくるお客さんを断らざるを得ない状況でした…宿泊についているもの以外は、食事に最後まで苦労しました。
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選手受付&競技説明会

スタート地点から少し離れた洞爺湖文化センターで選手受付と競技説明会。相変わらず土砂降りです。
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説明会に参加するとこのバンドがもらえます。これがないとバイクCheck-in/outとかできないようで、選手の証明みたいなものですね。
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レース中も含め、期間中ずっとつけている必要があるので、気になる方は、左右どちらに着けてもらうかとか、どれくらいのきつさで着けてもらうかとか少し気を遣った方がいいかもしれません。こんなの着けるの、野外フェス以来だな。

いよいよ説明会開始。1時間弱です。最初に動画でレースコースの説明ビデオが流されました。このビデオ、レース開始までに何度か見たいのでYou Tubeとかにアップしてもらえるとありがたいです。
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一度ホテルに戻って休憩。朝早いフライトだったのでほとんど寝ておらず、ほぼ昼寝状態です。届いていたバイクを組み立てる気力もない(笑)

Welcome Party

夕方は、ゴール地点のホテルで開催されるWelcome Partyへ。選手は参加無料で、パスタ・カレー・メロン・お饅頭など。スポンサーが多いからかご挨拶が多かったですが、この雰囲気はIRONMAN特有のオフィシャル感がありました。地方大会の手作り感も好きなんですけどね。
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完走を誓って、ゴール地点で記念撮影。本当に完走できるかな…と、この後に及んでまだ不安。
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夜はホテルに戻って、恒例の補給会議。

物量で勝負の羅王さん(右上)。カレーなくて大丈夫?
質・量・種類いずれも、売りに来たのかと思えるほど盤石な兄さん(左上)。
経験から来るバランスのよさがにじみ出る師匠(左下)。
こうして見ると自分のは(右下)、トレイルでも走んのか、君??って感じですね…
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トライアスロンはバイク上での補給が重要になります。なんといってもレース時間の半分近くをバイクの上で過ごすわけですから。

バイク中のための補給だけでなく、スイム後の補給とランに備えるための補給も行う必要があるので、まさに補給の要です。ここがウルトラマラソンやウルトラトレイルの補給と大きく異なるところ。初めてのためかなり頭を悩ませました。バイクに着けているバッグに全然入らない! 結局、背中のポケットにモコモコといなり寿司とか入れまくることになるんですが(笑)

「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑦」につづく。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑤:アイアンマンまでの道のり<直前編>

先週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

IRONMAN JAPAN 北海道2014 完走記その5です。

これまでのエントリは、こちら。
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。 | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②:アイアンマンまでの道のり<前編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記③:アイアンマンまでの道のり<中編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記④:アイアンマンまでの道のり<後編> | reboot blog

アイアンマンまでの道のり

アイアンマンに至るまでの軌跡の続きです。これからトライアスロンを始める人、アイアンマンを目指す人の参考になれば嬉しいです。

■2014年6月16日:トライアスロン諸先輩方からアイアンマン13時間切りの目標提示

3月のトライアスロン合宿で知り合ったトライアスリート大先輩に、教えを乞う会合が開かれます。本当は、野辺山100kmウルトラマラソンの完走をほめてもらうための会だったんですが、トライアスリートという人種は、素直にほめるのが上手でない人が多いようです(でもご馳走さまでした)。

そこでは、IRONMANより100kmウルトラマラソンの方がきついから大丈夫、という励ましがあったものの、そういう方々がおっしゃることなので全く信じていませんでした。

そして、ここで「男なら、13時間切りを狙うべし。」という例の訓示を受け、その難易度の感触も掴めぬままコミットすることになります。

後から聞いたところによると、その後の会話の流れで「いや、やっぱり12時間半切りで。」ということになったらしいんですが、(都合よく)その部分は一切記憶に残っておりません。やっぱり目標は分かりやすくないと覚えられません(汗)

■2014年7月6日:第2回葉山OWS(3km)完泳

ここからは、やむを得ず単独行動で(コソ練との非難は受け流しつつ・・・)ポイント練習を入れていきます。

仲間たちは、6月末にみやじま国際パワートライアスロン(Swim 2.5km/Bike 55km/Run 20kmのミドル)で、しっかり長距離スイムや激坂バイクの経験を積んでいる一方、自分はその裏で3ケ月連続ウルトラ完走を目指してサロマ湖100kmに挑むものの、奥久慈トレイルに続くDNFと、トライアスロンでは大きく出遅れる一方、ランも絶不調といいとこなしでした。
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せめてスイムだけでもと、3kmのオープンウォータースイムにチャレンジしたのがこの葉山です。

海も穏やかで、無事3kmを完泳でき、スイムに関しては自信がつきました。IRONMANに向け、少しだけ明るい兆しが見えてきました。

その時のエントリはこちらです。
初めてのOWSレース!第2回葉山オープンウォータースイム。 | reboot blog

■2014年8月9日:第3回三浦スイカOWS(3km→2kmへ短縮)完泳

コソ練第2弾です。コッソリのつもりもなかったんですが、これ行きますと伝えた時にはすでにエントリーが締め切られていたもので・・・

こちらは、自分だけが参加できなかった宮崎シーガイアトライアスロンの埋め合わせ。宮崎は所用と、その翌週参加する予定だった大雪山ウルトラトレイル110Kの調整ということで参加を見送りました。ちなみに、大雪山ウルトラは完走し、ようやくランは復活。
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大好きなスイカが食べたくてこのOWSを選んだのに、台風接近によりまたしても大荒れ。元遠泳部の友人ですら、「これは泳いで良い日ではない・・・」と口にするほどの状況でしたが、最終的には3kmが2kmに短縮されて開催されました。

白波立つほどの大波と沖のうねりと格闘、かろうじて完泳し、スイムは大きな自信になりました。しかし、それにしても荒れ率が高い。

ちなみにこの日、こっそりバイク練をしていた羅王さんと兄さん。羅王さんは35km/h走行中に落車し、IRONMAN本番2週間前にして負傷。骨や靭帯が無事で本当によかった。気を引き締めないと・・・

その時のエントリはこちらです。
台風接近の中、NOWS三浦スイカOWS大会2014泳いできました!<前編> | reboot blog

台風接近の中、NOWS三浦スイカOWS大会2014泳いできました!<後編> | reboot blog

■2014年8月14日:初ヤビツ峠&初100km超ライド

コソ練第3弾です。これもコッソリのつもりはなかったんですが、この周辺に全員で行きましょうと言っていたロングライドが、天候不良や日程の問題で実行できなかったため、IRONMAN10日前のギリギリのタイミングでねじ込みました。
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バイクにまともに乗ったのは、3月の合宿と4月のデビュー戦、一度チーム全員で行った三浦半島ライド(しかもこの時は、腸脛靭帯が痛くなっているのでかなり不安)と、6月の大島トライアスロン中止後の特訓ぐらい。

月に一度乗ってればいい方という壊滅状態だったので、なんとしても本場前に100km以上のロングライドと、アップダウン対策で峠を走っておきたかったのです。

スイムは三浦スイカOWS、ランは大雪山ウルトラトレイルで自分の中では「GO」を出していました。ヘロヘロになりながらも140km&ヤビツ峠を走り切ったこの練習で、ようやくバイクにも「GO」。

その時のエントリはこちらです。
IORNMAN JAPAN北海道10日前!ヒルクライムの聖地・ヤビツ峠に初挑戦。<前編> | reboot blog

IORNMAN JAPAN北海道10日前!ヒルクライムの聖地・ヤビツ峠に初挑戦。<中編> | reboot blog

IORNMAN JAPAN北海道10日前!ヒルクライムの聖地・ヤビツ峠に初挑戦。<後編> | reboot blog

最後の最後まで駆け込み練習でバタバタでしたが、半年間でできる限りのことを詰め込んで、いざIRONMAN JAPAN 北海道へ出発!

「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑥」につづく。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記④:アイアンマンまでの道のり<後編>

今週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

そこで感じたことと、完走記その4です。

これまでのエントリは、こちら。
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。 | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②:アイアンマンまでの道のり<前編> | reboot blog
IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記③:アイアンマンまでの道のり<中編> | reboot blog

アイアンマンまでの道のり

アイアンマンに至るまでの軌跡の続きです。これからトライアスロンを始める人、アイアンマンを目指す人の参考になれば嬉しいです。

■2014年3月21-23日:LUMINAトライアスロン・シーズンインキャンプ参加

トライアスロンデビュー戦が迫った3月下旬、しっかり集中して練習しておこうとメンバー4人でキャンプに参加しました。
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道具もあらかた揃い、気持ちだけはトライアスリートに近づいてきたと、油断していたわけではないですが、待ち合わせの駅までの自走でド素人っぽくかかる時間を大幅に読み違え、さらには地図も読み違え大遅刻。仲間には大変な迷惑をかけました…ごめんなさい。

初めての輪行だったんですが、これ以来ぼくは輪行が大嫌いです。バイクを解体したりする手間が嫌いなんだと思ってましたが、こうして振り返ってみると、この遅刻の心の傷が輪行嫌いにさせているのかもしれない…

ともかく3日に渡るこの合宿で、コーチとして来ていた日本トライアスロン界の”レジェンド”宮塚さんはじめ、たくさんのトライアスリート諸先輩方と触れ合うことができ、感銘を受けたと書きたいところでしたが、それ以前にドン引き。
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全員、”ふつう”のレベル感がぶっ飛んでるよー。「トライアスリート」という人種とは、一生分かり合えないと思いました。笑顔で恐いこと言う時の奥さんが一番恐いのと同じで、笑顔でぶっ飛んでることを平然と言うこの写真の人たちが、とっても怖かった。

こっちは、ランで結構鍛えているはずの脚が70kmに渡るバイクの全体練習(しかも、しこたましごかれた後の最終日)ですでにプルプルなのに、これからここの大半の人たちが、あと70km自主練するって言ってたよー。もちろん、ぶっ飛んでないぼくらは速攻で帰ったけどね。

アウェー感しかなかったものの、トライアスリートの世界にどっぷり浸かれたのは収穫でした。

その時のエントリはこちらです(ドン引きを悟られないよう平静を装って書いてます)。
それはトレーニング?それともプラクティス? トライアスロン・レジェンド宮塚さんに学ぶ。 | reboot blog

運動に自信がない人でも、やればできるのがエンデュランス系。 | reboot blog

■2014年4月6日:トライアスロンデビュー!美ら島トライアスロン完走

大嫌いな輪行でいざ沖縄へ!

マラソン・ウルトラマラソン・トレイルランでもそうですが、レースを通じて旅行するのが好きで頑張っているところがあるので、遠征はいいですね。輪行は嫌いですけど。大嫌いですけど。
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デビュー戦はなんだってほろ苦いものです。初トライアスロンは、「開始数分でパニックになり命の大切さを噛みしめた。」この一文で十分です。終わった直後、もうトライアスロンはいいわ、と思いました。

今ならあの海が激しく荒れていたと、心してかからないと危険であると分かります。が、初めてのオープンウォータースイムだったあの時は、戦場に赴く戦士のごとく勇んで飛び出し、速攻で溺れるという、心身ともに痛いことをやっていました。

●Total:2時間44分14秒
・Swim(1.5km):36分05秒
・Bike(40km):1時間18分22秒
・Run(10km):49分47秒

しかし、このレースを完走した意味は大きく、これがなければIRONMANに出場することはできませんでした。

というのも、この後に入れていたもう一戦の伊豆大島トライアスロンは開催中止となったため、結果的にはこの美ら島が、IRONMAN前唯一の完走レースに。これをもって「51.5km以上のトライアスロンを完走したことがある」という条件をかろうじて満たすことができました。

もし、このレースが中止、またはコース短縮、またはDNFとなっていたらと想像すると、冷汗が止まりません・・・

ちなみにこのデビュー戦後は、あまりに予定が詰まり過ぎていてまともに練習もできず、

・沖縄から帰った翌日から仕事でイギリス出張
・出張から帰った週末(つまり、美ら島の翌週末)には、トレイルのハセツネ30K
・さらにその翌週末はチャレンジ富士五湖112km
・さらにその翌週末はニコニコ超会議(関係ないですけど)

と、仕事もランもそれ以外もごった返した状態で、怒涛の4月が過ぎて行きました。

もちろん体はボロボロ。もともと過密スケジュールだったところに、ド素人のトライアスロンをぶち込んでしまったことを、さすがに少し後悔。

その時のエントリはこちらです。
初トライアスロンを終えて①:アイアンマンのアイアンって、ハートのことだったのね。 | reboot blog

■2014年6月7日:伊豆大島トライアスロン荒天中止

5月にはチームメイトの兄さん・羅王さんとともに、野辺山100kmウルトラマラソンに出場。しかし、開始4kmでガラスのヒザの腸脛靭帯が痛み出し、6錠の痛み止めを投入、ヒザを犠牲に完走するという惨劇が起こります。

そして、6月の第1週には、奥久慈トレイル50Kでまさかのラン人生初のDNF。唯一の支えだったランにも、にわかに暗雲が立ち込めます。

そんな中での伊豆大島トライアスロン。

仕事の合間を縫ってかろうじて練習しているスイムと、全く乗っていないバイクと、暗雲立ち込めるラン。かなりやばい状態で大島に乗り込んだんですが、もっとやばい状態だったのが天候で、台風接近のため最終的には中止となりました・・・

開催予定時刻にはたしかに荒れ気味だった天気もその後は回復し、ここで知り合ったヘンタイトライアスリートの大先輩に連行されて、3種目みっちりしごかれました。おかげさまで、結果的にはいい合宿になりました。
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ちなみに、この大島の翌日からはドイツ出張へ。トライアスロンの翌日にはなぜか海外出張が入るという、ありがたくないスケジュールが続きます(本当は、先に入っているトライアスロンに合わせてかなり強引に出張スケジュールを調整しています…)。

その時のエントリはこちらです。
荒天中止でもけっこう楽しかった第26回伊豆大島トライアスロン記(前編) | reboot blog

荒天中止でもけっこう楽しかった第26回伊豆大島トライアスロン記(後編) | reboot blog

IRONMANまであと2.5ヶ月!

「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記⑤」につづく。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記③:アイアンマンまでの道のり<中編>

今週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

そこで感じたことと、完走記その3です。

これまでのエントリは、こちら。 

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。 | reboot blog

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②:アイアンマンまでの道のり<前編> | reboot blog

アイアンマンまでの道のり

アイアンマンに至るまでの軌跡の続きです。これからトライアスロンを始める人の、何かの参考になれば嬉しいです。

■2014年1月28日:「鉄人会議」

1月21日、IRONMAN”ノーポチ”によって、トライアスロンへの挑戦が決定しました。右も左も分からない状態なので、さっそく師匠にIRONMANに向けた作戦会議の開催をお願いし、1月28日に「鉄人会議」が開催されます。

結局ぼくがポチったあの日の異様なノリで、何人かがIRONMANに興味を示すものの、最終的には現メンバーである羅王さんと、この後、チャレンジ富士五湖・野辺山ウルトラと一緒に走ることになる、通称「兄さん」の4人となりました(兄さんは、鉄人会議時点では合流前)。

新宿のY’sロードで、トライアスロン用のバイクとはいかなるものなのか下見をしてから、IRONMAN JAPAN 北海道に向けた会議ということで、居酒屋「北海道」での開催という師匠の粋な計らいでした。

ランはすでに全員がやっていてそこそこ目処が立っていたので、とにかくスイムとバイクの立ち上げに全力を注ぐことが決定。

●スイム

・ウェットスーツの発注(オーダーメイドだと納期3週間ほど)

・オープンウォータースイミング専用の技術の習得とそのための練習会参加

・まずは1.5km(オリンピック・ディスタンスでの距離)を泳げる泳力をつける

●バイク

・バイクの発注(納期1週間~10日ほど)

・ヘルメット/グローブ/バイクパンツなどの手配

・とにかくトライアスロン用TTバイクはママチャリとは別の乗り物であることを理解する

●他にもレースに向けて

・IRONMANに向けてのレース計画と手配

・トライウェアの手配

・ゼッケンベルトなどトライアスロン特有のグッズ手配

・トランジションの準備と練習

などなど、あまりのToDoの多さに、さすがにクラクラしました・・・仕事やりながらできるんだろうか。

しかし、同日、師匠によりFacebookグループが作成され、手厚いサポートが始まります(心から感謝!)。

翌日にはIRONMANまでのレース計画が組まれ、すでに申込みが始まっていた6月の伊豆大島トライアスロンにエントリー完了。そして、初戦は4月6日の沖縄・美ら島トライアスロンに決定と、ものすごい勢いで前進していきます。一度やると決めたら、躊躇せず前進あるのみ。

■2014年2月3日:東京体育館で高校の体育以来の初泳ぎ

スイム始動です。

まずはどれくらい泳げるのかを把握することから始めよう、ということでメンバー4人で東京体育館へ。

イギリスに住んでいた頃に、ランでヒザを痛め、気まぐれで泳ごうと思って水着だけは買って持っていたもののロクに泳ぎもしなかったので、ちゃんと泳ぐのは高校の体育以来のことになります(高校の体育も、ちゃんと泳いでいたとは言い難いですが・・・)。

50mプールがあるということで初めて東京体育館に来たものの、25mプールしか見たことがなかったため、その距離におののき、とりあえず一階下の25mプールでちゃぷちゃぷしてみることに。案の定、25mで精一杯、往復することもできず、かろうじて片道を泳ぐだけで肩で息をするほど。

小学校の頃習っていたらしく、羅王選手がけっこう速く泳いでいるのを見て「いいなー」と思うものの、距離的には羅王選手ですら25mを泳ぐのがいっぱいいっぱいでした。

自分でイメージしているよりはるかに泳げない現実を突き付けられ、がっかりするとともに、本格的にまずい、、、と思い始める。

■2014年2月10日:TIスイムの体験レッスン

東京体育館での”スイムがっかり”から一週間、師匠がオススメするTIスイムの体験レッスンへ行ってみる。

この時さらっと、「ああ、典型的な素人泳ぎですね」と言われ、さらにがっかり。その場で、4回セットのパーソナルレッスンを申込み、それ以外は仕事を早く片づけて、地道に区民プールに通い、レッスンで習ったことをひとり反復練習する日々でした。

このあたりで、師匠と羅王さんは、なぜかボルダリングを始めたりして浮わついている様子でしたが、ぼくにはそんな余裕もなく、とにかく4月の初レースまでに1.5kmを安全に泳げるようにと練習していました。

3月にはIzu Trail Journey(75km/4200m)を走る予定だったので、ランの練習もしなきゃいけないのに、スイム練習とトライアスロンの立ち上げでままならない日々が続きました・・・(結局、大雪の影響でITJは中止)

その時のエントリはこちらです。

Image(3) ド素人がトライアスロンに向けて、TIスイムに初挑戦。 | reboot blog

■2014年2月16日:バイク発注 →オーシャンナビ 『Let’s Open Water Swimming』@新代田スイミングに参加

何度か下見をしていたバイクですが、トライアスロンを始めてからずっとお世話になっているトラ・ショップTail Windさんで、いよいよ発注。

全身のサイズを測ってもらい、こんなものに乗ってみて、最終的に発注するバイクのサイズを決めます。いや~届くのが楽しみです。

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そして、その後チームメンバーと、初めてオープンウォータースイミング(以下、OWS)の講習会に参加します。

プールで泳ぐのとは違い、海ならでは泳ぎ方や技術がたくさんあることを知って、トライアスリートやオープンウォータースイマーを尊敬。プールでさえまともに泳げないのに・・・知らない世界はたくさんあるものです。

進行方向を確認するためのヘッドアップやら、集団で泳いでいる時のバトルでの処し方など、混乱しながらも叩き込まれ、プールの「直線1コース1人」制度がどれだけ有り難いことなのかを知る。

ただし、なぜかここで最初に習ったのがドルフィン・スルーだったため、これが超基本技なのだと勘違いして初トライアスロンで使ってしまい、初レースのドキドキに拍車をかける心拍上昇を生み、開始3分でパニックになるという失敗の元凶になるとは、この時は知る由もありません。

とにかく、プールでの練習会ではあったけど、早い段階でOWSとはいかなることなのかを体感できたのはよかった。

■2014年3月8日:OWS講習会@東海大浦安高校で初ウェットスーツ!

続いて、千葉県トライアスロン連合主催のOWS講習会に参加して、初めてウェットスーツを装着。

ただし、まだオーダーした自分のウェットスーツは納品されていないので、急場しのぎのレンタルウェットスーツで参加する。ウェットスーツが浮くことは分かったけど、特有の密着でかなり息苦しく感じる上、着脱も大変で、かなり萎えました。

でも、ウェットを着るとそれっぽく見えるので、ちょっとだけトライアスリートに近づいてきた気分にも。新しいことを始めるにあたってモチベーションを保つには、見た目はとても重要です。



■2014年3月9日:バイク納車&初練習会@大井埠頭

発注していたバイクが納車!

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スイス大好き、精緻で渋い雰囲気も好きなのでBMCのバイクにすることは決めていたんですが、フルカーボンのTT車(最初からIRONMANがゴールだったので、ロードではなくTTを選択)で予算内に収まるこちらを選びました。今でも我が家で最も高い資産です。

決め手は、色の名称が「Stealth」だったこと。色の名前ではないだろ、と突っ込みたくはなりますが、雰囲気は分かります。知らぬ間に背後に忍び寄って、颯爽と抜き去っていけそうじゃないですか。ドラフティングは禁止ですけど。

そして、Tail Wind店長指導によるド素人向けバイク講習会@大井埠頭で初乗りです。乗り方・止まり方・降り方とビンディングの付け方・外し方を習います。あとは、ただサイクル・コンピュータをにらみながら、言われた通り90-100回転/分で回すことに集中。

フルカーボンのTTバイクは、普段乗っているアルミの通勤用ロードバイクとの乗り心地の違いが格段です。軽さ・速さに感動。ただし、実力ではなく、バイク性能によるものだということを勘違いしないようにしないと。

しかし、メカが好きな男子にとってバイクは楽しいですね。ようやくアイテムが揃ってきました。

その時のエントリはこちらです(内容はちょっとずれますが)。

Image(4) ストイックについて、もう少し考えてみた。 | reboot blog

「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記④」につづく。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②:アイアンマンまでの道のり<前編>

今週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

そこで感じたことと、完走記です。

これまでのエントリは、こちら。 

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。 | reboot blog

アイアンマンまでの道のり

ほんのちょっと前まで、トライアスロンは”はるか遠い世界のお話”だと思ってました。ランニングを始めてからですら、”自分とは関係のない隣の世界”のお話でした。

それなのに、なぜかアイアンマンを走ることになるまでの主要な出来事をたどってみたいと思います。なかなかレース記に入れませんが、自分の気持ちの中では8月24日の前から、すでに長い長いアイアンマンレースは始まっていたのです・・・たぶん。当日だけがレースじゃないのです。

というわけで、アイアンマンに至るまでの軌跡をたどってみたいと思います。

■2011年のいつか:出張フライトの機内で「バラモンキング」のドキュメンタリーを見る

正確には覚えてませんが、おそらくは初めてのフルマラソンを走ったあとぐらいのことだと思います。当時仕事で駐在していたヨーロッパからの日本出張フライトの機内で、「バラモンキング(五島長崎国際トライアスロン。IRONMANと同じくロング・ディスタンスレース)」のドキュメンタリーを偶然見ました。

42km走ることの大変さをリアルに痛感した頃だったので、フルマラソンの前に4km泳いで180km自転車に乗るなんて、全くクレイジーなレースだ!としか思えませんでした。

一方で、激しいアップダウンで必死にバイクを漕ぎ、雨に打たれながら真っ暗な中を黙々と走り、それを応援し続ける五島のみなさんの姿が強く印象に残り、いつかはこんなレースを走れるようになるのかな、とぼんやり思ったことを覚えています。

もちろん、この頃は自分がトライアスロンを始め、アイアンマンレースを完走するなんて全く想像だにしませんでしたが、この時の「すげーなあ・・・」という感情がフックになって今回のトライアスロン挑戦につながったことは間違いなく、だからこそアイアンマンを終えた今でも、バラモンキングは走ってみたいと思っています(しばらくは、トライアスロンのことは考えたくないですが(笑))。

 

■2013年8月20日:トライアスロン師匠と初めて会う

「バラモンキング」のドキュメンタリーは、初めてトライアスロンというものを意識した瞬間でした。しかし、まだまだ遠い世界のこと。

それが、ぐっと身近になったのは、当時はまだ正式名称もなかったRUN仲間の集い(仮名称「RUNクラブ」)の焼肉に参加させていただいた時、今のトライアスロン師匠である井ノ上さんに出会ったのがきっかけです。

当時から漆黒で屈強な肉体をお持ちだったので、うかつに近寄ることもできず、ガクブル状態で挨拶程度にしかお話しできませんでしたが、ぼくが初めて出会ったトライアスリートです。ここまでならないとトライアスロンはできないのかと思ったものです。

自身初めての100kmウルトラマラソンへの挑戦が数週間後に控えていたこともあり、この時もまだトライアスロンをやろうとは全く思っていませんでした。身近にはなったものの、あくまで他人事という感じで。

今振り返ってみると、たしかに師匠は、あくまでトライアスロンの一部としてのラン、という姿勢を崩さなかったように思います。RUNクラブを率いているにも関わらず。ことあるごとにトライアスロンの魅力を語っていました。「オリンピック・ディスタンスはフルマラソンよりも楽だ」とも(今は納得できますが、初トライアスロン後は「だまされた」と思いました)。

しかし、当時はまだRUNクラブメンバーでトライアスロンに挑戦しようという者はおらず、師匠ご自身の漆黒で屈強な肉体が、トライアスロンのハードルの高さを暗黙のうちに物語ってしまっていることが原因だと、ご本人は気付いていないようでした。

 

■2014年1月21日:『マラソン中毒者』小野裕史さん講演会で”ノーポチ”アイアンマンエントリー

そうして、少しだけ身近になったトライアスロンでしたが、距離は縮まらないまま半年ほどの月日が流れます。が、ここからが急展開。

ラン仲間の一人が主催した『マラソン中毒者』小野裕史さんの講演会で、”ノーポチ”(=ノータイムポチリの略。心が動いたら、頭で考えて躊躇する前にアクションを起こすの意。)でIRONMAN JAPANにエントリーしてしまいました。

2014年の年間テーマを「身体を通して学ぶ」と設定していたため、年初のラン年間計画の時点で、すでにぎっしり無謀なトレイルランとウルトラマラソンの予定が詰まっており、すでにノーポチしまくっていた状況。

しかし、講演会の二次会に向かう道すがら、あれだけ「ウルトラマラソンはもうやらない」と言っていた師匠が、ウルトラをノーポチしているのを見て、これは何かやらないかんだろと思った瞬間、バラモンキングの映像がフラッシュバックし、IRONMANをポチりました(師匠が前年、そのバラモンキングを完走していたことも大きかったと思います)。

おかげで、二次会は、ケータイでの複雑なエントリー作業にその時間の大半を費やし、お酒と会話を楽しむ余裕もなく、周囲の方には大変ご迷惑をおかけしました・・・終盤までほぼ、ただケータイをいじっている人だったと思います。

エントリーでは、想定タイムを入れる欄があったんですが、ラン・バイクについては時間単位ですらどれくらいかかるものなのか全く目処が立たず、すべて師匠に言われた通りに記入。そして、エントリーをしていて初めて、IRONMANに出るにはオリンピック・ディスタンス以上のレース経験が必要だということが分かり、慌てて年間スケジュールを組み直すことになります。

過密スケジュールだったものが、超過密スケジュールに!

その時のエントリはこちらです。

Image(2) 思考停止を逆手に取る「ノーポチ」の威力を見た:アイアンマンに挑戦します。 | reboot blog

 

「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記③」につづく。

IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記①:アイアンマンになりました。

改めてまして、今週末の日曜日、2014年8月24日に北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

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アイアンマンになりました。

思い立ってトライアスロンを始めてから6ヶ月。「やりたいことは好きなだけ、とことん、徹底的にやる。ただしやる以上は超本気で。」というスタンスで生きているため、マイペースであることも多く、結果的に団体行動はあまり得意ではないんですが(汗)、トライアスロンに関してはチームと仲間がなければ絶対にここまで来れませんでした。

応援していただいたラン仲間、トライアスロンを通じて出会うことができたトライアスリート大先輩のみなさま、そして何よりトライアスロン師匠でありトライアスロンチーム「ポセイ丼」キャプテン井ノ上さんと、チームメンバーの兄さん&羅王さんに、心から感謝しています。

本当にありがとうございました!!!

応援してくれていたラン仲間の一人がブログで、

     「話が大きくなったけど、アイアンマンになった4人は、1人でもアクションを起こさせた時点で、ヒーローなんだ。」

と、(かなり青臭いけどかっこいいことを)書いてくれています。

当の本人たちは必死にやってただけで、人に影響を与えようなんて微塵も思ってなかったと思いますが、そういうことは、それこそ超本気でやっていたときにだけ、結果的に起こることなんだと思います。だって、フラフラになりながらも必死に最後まで走ってる人たちって、タイムなんか関係なくめちゃめちゃカッコいいですからね。

アイアンマンたちに一瞬でも心が揺れたあなたへ | HYメディア

レース結果報告

まずはレース結果の報告です。

●Total:12時間37分16秒

・Swim(3.8km):1時間22分01秒

・Transition 1:11分59秒

・Bike(180km):6時間40分23秒

・Transition 2:6分11秒

・Run(42km):4時間16分42秒

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初めてのロングディスタンス・トライアスロンだったので、フルマラソン相当のRun以外、それぞれどれくらい速くて遅いのかが分かりませんが、

○Total 13時間以内で完走

○Run 4時間以内で完走

を目標としていたので1勝1敗。ですが、Runで4時間を目指して走っていなければ、13時間以内での完走が厳しくなっていたのは間違いないので、大きい方の1勝を取ることができて満足しています。

正直言ってレースの一週間前までは「完走できれば上出来」と思ってました。スイム3.8kmなんて泳いだことはなかったし、バイクの180kmに至ってはその時点で100kmすら走ったこともなかったので、どうなってしまうか全く想像もできませんでした。

ですが、トライアスリート諸先輩方による「男なら、13時間切りを狙うべし。」という、キャリアとか個人差など一切無視した目標提示を受け、よく分からないながらも「そういうものなのか」と、基準として頭に刻みこんでいたので、最後までそれに執着することにしました。

お世話になったチームのアウトプットとして、「このチームは半年でどこまでやれたのか」ということを示したかったという気持ちが大きく、そういう意味でも最後まで気持ちを弛ませることなく終えられたのは、やはりチームのおかげです。

ちなみに、アイアンマンレースとはどういうことなのか、これを見るとお分かりいただけると思います。トライアスロンの最高峰「アイアンマン・ハワイ」です(チームメイトの羅王さんが、トライアスロン挑戦が決まった後ぐらいに紹介してくれたものです)。

 

週に一度は見て、見る度に涙してましたが、終わった後に見ると、レースの辛さがよみがえってきてなおさら泣けます・・・特に後半は感情移入して見てしまうため、電車で移動中に涙をぬぐってごまかしたことも一度ではありません(笑)

なにはともあれ、チーム4人全員で無事完走できたことが何より嬉しいです。

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「IRONMAN JAPAN 北海道2014完走記②」につづく。

総走行距離3500km以上!走り始めて初めて買ったランニングシューズ「Nike Free」と洞爺湖でお別れしてきました。

今週末の日曜日、北海道の洞爺湖にて開催されたIRONMAN JAPAN 北海道を何とか完走し、晴れて「アイアンマン」になることができました。

この半年間ずっと向き合ってきたことなので、思いのほか精神的に堪えていたようで、ブログを書こうにも手がつかず、しばらく放置してました(笑)

完走記は、改めて別エントリで書こうと思いますが、今日はその前に、長らくお世話になり、このIRONMANを最後に洞爺湖でお別れしてきたランニングシューズについての、ごく個人的なエントリです(笑)

初めて買ったランニングシューズ 「Nike Free」

このシューズ、実はぼくが走り始めて初めて買った思い出の一足です。
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2010年の年末、当時住んでいたスペイン・バルセロナのNikeショップで買ったもの。3ヶ月後に走った初マラソン、Marato de Barcelona(バルセロナマラソン)からずっと一緒に走ってきました。

初めての一足ということで選び方もよく分からなかったものの、条件が一つだけあり、それは「Nike+」に対応していること。

走り始める前に、ランのログを取れないとモチベーションが続かないだろうと思ってたんですが、スマホアプリもGPSウォッチもほとんどなかった当時、ログを取ろうと思ったら、靴の底に専用のセンサーを入れて、iPodと連携させるなんてことが必要だったんですね。今考えると、とんでもなく面倒ですが、当時としてはログが取れるだけで画期的でした。

このシューズとともに走った距離

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こうして見ると、すっかりくたくたになってますね…

当時『BORN TO RUN』でかなり話題になっていたベアフットランニング、ナチュラルモーションをコンセプトにしたモデルです(そんなこと全く考えずに選んでましたが)。

さて、どれくらい履いていたんでしょうということなんですが、2011年末に走り始めてからずっと使っているということは、かなりの走行距離になっているはず。

ちょっと計算してみると、

・2011年3月 バルセロナマラソン (42km)
・2011年8月 ヘルシンキマラソン (42km)
・2011年10月 ベネツィアマラソン (42km)
・2012年5月 モン・サン=ミッシェルマラソン (42km)
・2013年9月 白山・白川郷100kmウルトラマラソン (100km)
・2014年4月 チャレンジ富士五湖112kmの部 (コース変更により108km)
・2014年5月 野辺山100kmウルトラマラソン (100km)
・2014年6月 サロマ湖100kmウルトラマラソン (60kmでリタイア)

レースだけで500km以上走ってます。

練習でも同じシューズを使っていたので、ざっくり月間走行距離を100kmで計算しても2011年1月からこの8月まで3000kmほど走ってることになります(モン・サン=ミッシェルマラソン後、2013年初までのランニング休止期間除く)。

レースと練習を合わせると3500km以上ということで、我ながら信じられないぐらいの酷使っぷり!

ランニングシューズの寿命は、メーカーによる推奨でだいたい走行距離600〜700kmと言われています。一般的にはもう少し履いて1000〜1500kmぐらいでしょうか。

アウターソールが削れてミッドソールが見えてきたら交換時期の目安とされているようですが、そんなのお構いなしで愛用し続けたこのシューズ。ソールもすっかりすり減ってますね…

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そういうわけで、本当に長きにわたってお世話になりました。最後にIRONMANのゴールゲートと記念撮影。

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本当は、サロマ湖100kmウルトラマラソン完走で花道を飾り、引退させてあげたかったんですが、不甲斐なくリタイアしてしまったもので、シューズにももう一踏ん張りしてもらいました。IRONMAN完走で気持ちよく引退してもらうことができました。

長い間、ご苦労様でした!

デザインは、”LOGIC”と”SENSE”と”LOVE”の交点にあるらしい。

もう一ヶ月ほど前になりますがOpenCUのトークイベント、デザイナー田子 學さんによる「ManabuTago Talk 2 : デザインマネジメント 〜価値ある商品・サービスを創出する経営手法 」に参加してきました。

前のエントリで散々ラブレターについて書いていて、”LOVE”について語られていた田子さんのことを思い出したのです(笑)

DESIGN MANAGEMENT

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セッションの中で、「デザイナーは、コミュニケーターである必要がある。」と語られていたのがとても印象的でした。

デザインをデザイナーだけの聖域や専売特許とするのではなく、企業がイノベーションを起こすための手法として、デザイナーはその旗振りを担う存在であると考えているのではないかと思います。

数々の賞を受賞しているOSOROなど、実践を通して得た確信なんだろうな。

そんな中で語られていた「デザインの三大要素」に”LOVE”が出てきたというわけです。

デザインの三大要素

田子さんの考えるデザインの三大要素は、”LOGIC”と”SENSE”と”LOVE”だそうです。
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(Source:『DESIGN MANAGEMENT』)

この3つの要素が寄り添っていればいるほど、デザインが効果的に働くということで。3つ目の要素に”LOVE”が入っているのが、面白いなあと思うと同時に、まさに「そうそう!」と膝を打ちました。

著書『DESIGN MANAGEMENT』の一節、


「デザインを成功させるには、ロジカルに考えたシナリオと、経験によって集積された知覚要素を統合させながら、いかに人間の魂に触れ共鳴するような物語を作っていくか」

にこの三大要素の意味が端的に表現されていますが、どれだけLOGICとSENSEがあっても、魂に触れるようなものでないと人を動かすことはありません。これ、企画の仕事をやっていて日々感じていることでもあります。さすがデザイナー、うまいこと表現してくれます!

各要素を少し細かく見ていくと、

●LOGIC=「論法」

論理立てて情報を相手に伝えること。

LOGICが不在だと、クリエイター主導で極めてアートなモノが出来上がる(不在によって、その存在意味を語るというのも分かりやすいです)。

●SENSE=「知性」

日常の中で五感(知覚)によって感じ取った情報の集積を統合して考える力。

SENSEが不在だと、技術者主導で極めてシーズ寄りなモノが出来上がる。これは本当によくあります。思わず「いい技術なんだけどなあ、なんでこうなっちゃったかなあ…」と言いたくなってしまうタイプのものです。

●Love=「心」そして「情熱」

脳の働きでいう「快」という作用。また情熱でもあり、魂を突き動かすもの。

LOVEが不在だと、モノは出来上がるが当事者意識が感じられないため、魂を感じない。 これは本当に反省しなければなりません…当事者意識のないやっつけ仕事や思い入れのないアウトプットは、必ず伝わってしまうものです。

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写真内のスライドで語られているように、間に代理店が入ることでLOVEが不在になってしまうことがよくあるようです(小さくてすいません!)。

アリストテレス「人を説得するための三大要素」

この、”LOGIC”と”SENSE”と”LOVE”という話を聞いてまっさきに思い出したのが「エトス、パトス、ロゴス」。アリストテレスが人を説得するための三要素として挙げているものです。

(だいぶ前ですが、こんなエントリを書いてました。)
伝わらなかったときに唱える呪文「エトス、パトス、ロゴス。」 | reboot blog

デザインも表現ですから、人に伝えるための要素という点では共通するんでしょう、似たような構成になっています。アリストテレスが「パトス」と言っているのが、田子さんの言う「LOVE」なんでしょうね。

二つの三大要素を頭に浮かべ、「やっぱりここに行き着くのか!」と、とてもおもしろくお話を伺いました。著書はこちらです。興味のある方はぜひご一読を!

社会人に必要なのは、神通力より文通力!

私は、おそらく見た目だけの印象で修行僧っぽいと言われることがあるんですが、残念ながら”神通力”は使えません。まだ修行中だから・・・というわけではなく。ふつうの会社員ですから。

私のようなふつうの社会人にとって、”神通力”よりあった方がいいなと思うのは、”文通力”です。そりゃ、神通力で仕事が片付けば、こんなに楽なことはないんですが・・・(“神通力”とか言ってみたのは、単に字面が似てたからです・・・すいません。)

今日はその、”文通力”について。

“文通力”とは?

「文通力って何?」という話なんですが、ググっても出てこなかったので一般的に使われる言葉ではないのかもしれませんが、まあ単純に文通するのに必要な能力といった程度の意味です。

手紙を書くことって、実はかなりの能力を要することなんじゃないかと思っています。

特にラブレターなんて、書いたり受け取ったりしたことがあれば分かると思いますが(少ないですが一応私も何度か受け取ったことがあります)、そこにはものすごいエネルギーが凝縮されています。

ラブレターを書いている時って、相手のことをものすごく一生懸命想像しているだろうし、その上で、どう相手に想いを伝えるか、死ぬ気で考えています。何度も何度も書き直し、そして、例によって朝読み直して赤面し、くしゃくしゃにして捨てるわけです(この辺の感覚は、手紙じゃなくても、メールでもメッセでも同じことかと)。

こんなことを繰り返して書かれた本物のラブレターには、人の心を動かす力が宿ります。

妄想にとどまる想像だけでもなく、技術としてのコミュニケーションだけでもなく、相手のことを真摯に考える力と、それを真剣に伝えようとする力の交点にある、こんな力を”文通力”と呼んでいます。ちなみに、”ラブレター力”と言わないのは単に恥ずかしいというのと、もう少し恒常的な能力として捉えたかったからです。

まとめると、こんな感じでしょうか。

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文通だと思って仕事をしよう

「相手のことを慮り、真摯に伝えようとすることで人を動かす力」を”文通力”と呼んでみましたが、この力はすべての働く人に必要な能力なのではと思っています。

こちらでも書いた通り、他の人と協力して仕事を進める場合、自分のアウトプットがどんな風に他の人の役に立っているのか、想像してみることが大切ですが、その想像が同時に仕事の質を変えたりもします。

「相手が喜ぶ仕事とはどんなものか?」

「それをどんな形で届けるべきなのか?」

こういったことを考えることが”文通力”に他なりません。

自分の仕事を”手紙”だと思ったら、宛先によって中身を変えるだろうし、相手にどう思ってもらいたいか、とか、どう動いてほしいかとか考えながら仕事をするようになるのではないでしょうか。

というわけで、神通力ならぬ文通力についてでした。

***

今日のエントリ、もしかして、恥ずかしいこと書いてますかね・・・

明日の朝読み直したらクシャクシャにして捨てたいかもしれませんが、明日出発のトライアスロンの準備が終わらないので、ポストしてしまいます。