HK168(残り4.5km)リタイア記⑬|まとめの代わりに:HK168をオススメしたい人、オススメしない人。

2014年11月末、8ヶ月連続ウルトラマラソン/トレイルチャレンジの最終章、「HK168」で香港に行ってきました!

結果は…全168kmのうちの163.5km地点、ゴール手前のCP15で関門時刻に間に合わずDNFとなりました。無念のリタイア記です。

前のエントリはこちらから。

HK168(残り4.5km)リタイア記⑫|最後の最後でまたロスト、163.5km地点にてDNF。 | reboot blog

そんなわけで、結局37時間半に及んだ長い長いレースをリタイア記として書いてきたわけですが、書くのも嫌になるぐらい長かったっす(汗)

長いものを、そのままきちんと長く書くのは思いのほか大変だったんですが、それでもそうしようと思ったのは自分にとっての初100マイルレースを、記録としてしっかり残しておきたかったというのが理由の半分。残りの半分は、まだ2回目のこの大会、事前に調べていても情報があまりなかったので、これから走ろうという人に、多少なりとも参考になる情報を残しておこうということで。っていうか、その「これから走ろうという人」とは自分です。必ずリベンジします

HK168をオススメしたい人

もちろん自分でも、またこのレースを走りたいと思っていますが、他にもオススメしたい方がいるので、まとめの代わりとして。

・適応力を鍛えたい人

丸めた言い方してますが、ずばり「ロストしたい人」ってことですね!

マーキングはあるにはあるんですが、100人走って100人迷わないようなものではありません。迷いやすいところに人が立っているわけでもないので、初めての場合はロストしやすい箇所がけっこうあります。距離表示もありません。この辺が、日本の大会とは一番大きく違うところかと。

基本的には山に入る以上、マーキングがなくても自力で回ってこれるくらいであるべきだとは思うので、運営が悪いというよりは日本の大会が過保護なのかもと思ったりもしますが。

そもそも若い大会なので規模も小さく、良くも悪くも手作り感たっぷりです。タイムの計測も、チップこそあるものの、チップでのタイムの計測は2カ所ぐらいしかなかったような…… あとはナンバーを読み上げてスマホ(のアプリ?)に打ち込んでました。まあ、これが軽いリソースで運営を回す最新のやり方なのかも。

エイドも、事前に大会から発表されていた通りのものが各エイドで出てこず、当てが外れてがっかりということはしばしば。CP4のように予定通りカップヌードルはあるけど、お湯が切れていて…… ということも。まあ、こういうことよくあることだし、スタッフさん&ボランティアはとても温かいです。ドロップバッグを3カ所使えるので、これで補えば問題ないです。

・とにかく海外のウルトラトレイルレースに挑戦したい人

海外レースとなると、国内とは少し勝手が違ったりして戸惑うことも多々あり、レース以外のところで消耗することも多いです。なので、レース自体は走力に比べて少し余裕があった方がいいかもしれません。

HK168は、累積標高6580m(※)ですが最高標高が1000mにも満たないですし、深夜でも動いていれば半袖+アームカバーで対応できるぐらい。トレイルもよく整備されていて、全般的に堅めですが走りやすい。コースや気候条件は100マイルレースとしては比較的ラクな方かと思います。

日本からはアクセスもいいので、海外レースの中ではハードル低めではないかと。

※オフィシャルには6580mとなってますが、ロストしまくった結果、GARMIN計測によると9300m。感覚的には8000m前半ぐらいかなという印象。

・UTMBエントリーのためにポイントが欲しい人

日本国内だと4ポイントレースは数えるほどしかなく、2014年だと

・UTMF (169km/9478m)

・OSJ おんたけ100マイル (155km/6400m)

・山田昇杯 (120km/8300m)

・OSJ KOUMI100 (155km/8945m)

の4戦のみ。UTMBエントリー(3戦以内で8ポイント以上)のためには、3〜4ポイントのレースが必須なので、どうしても限られたレースにエントリーが集中し、抽選に外れれば、走ることすらできません…… 

HK168は100km以上のトレイル完走経験があればOKで、今のところはエントリーすれば抽選なしで走れるので、スタートラインに立つまでのハードルも低いです。

エントリー費も安めですし、LCC使ってゲストハウスに泊まるなど、工夫すれば国内レースより安く上がるぐらいです。IRONMAN JAPANはエントリー費だけで8万円でしたから…… 

HK168をオススメしない人

・ゆる〜いレースが嫌いな人

大会受付がスポーツ用品店の臨時テーブルだったり、9時スタートなのに8時58分にスタートしたり、Cut-off Timeが告知なしで1時間早まっていたり、色々とゆる〜いです。小さな大会だからなのか、まだ2年目だからなのか、香港だからなのか理由は不明。

そういえば、序盤と半分から後はほぼずっと最後尾を走ってましたが、スイーパーはいませんでした。リタイアも申告不要なのか(?)、CPの間でレースを断念して勝手に帰っていく人もよく見かけました。

ぼくがリタイアした時は、迷いに迷ってCut-off Timeから30分後にCP15に到着し、スタッフの車でゴール地点まで連れて帰ってもらったんですが、これはリタイアする人を収容する車ではなく、エイドの片付けを終えたスタッフが、たまたまそのタイミングでゴール地点に戻るところだったから乗せてもらったという、ヒッチハイク以上のものではありません。

あと10分遅れていたら、跡形もないCPで途方に暮れていたことでしょう。ゴールに戻れていなかったら、ゴール地点に送られていた自分の荷物と着替えもどうなっていたのか……

・運が悪い人

リタイア後のことも含めて、今回はあらゆることが綱渡りでした。その理由の大半が自分の実力不足であることは間違いないんですが。

レースの報告をしたときに、37時間かけて163.5kmも走ったのに完走できなかったなんてかわいそう!と言ってくれた友人知人がたくさんいたんですが、どちらかと言うと、163.5km地点までたどり着けたこと、もっと言うとゴール地点まで無事に戻り、翌日予定通り帰国できたことが偶然以外の何物でもなく、2014年で最も幸運に恵まれた日だったとすら思っています。

走力でねじ伏せられるぐらいの余裕があるのでなければ、運を味方につけることも必要かと(笑)

ぼくはアメリカ横断ウルトラクイズという番組が好きだったんですが(そういえば以前こんなエントリも書きました)、HK168を完走するにはやっぱり「知力、体力、時の運」がすべて必要だったと痛感しています。ニューヨークまで一歩及ばず…

 

終わりに、ごくごく個人的な感想。

色々ありましたが、このレースに満足はしてないけど、納得はしています。

2014年のランにおける最大の目標だったUTMBエントリー権の獲得は、このDNFによって残念ながら達成できませんでした。でも、間違いなく今季のベストレースだったし、関門に追われ続けた後半の80kmは今季のベストランでした。

ゴールこそできなかったものの、「一番最後までレースを捨てなかったランナー」であったことは収穫だし、それこそがこの一年の集大成。

そういう意味ではCP8には間に合って本当によかった。それがなかったら、その後のがむしゃらランはなかったので。そして、CP15に間に合わなくてよかったです。必ずしも、頑張ったことがが報われるわけではないということも分かったので。現実は残酷なものです。

ここで得たことは、また『ラン大学で学んだこと』として書いてみたいと思います。

***

ちなみに、レース翌日は、普通に宿を10時頃チェックアウトし、レース後カーボローディングへ!

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香港粥がめっちゃうまいっす。胃にも優しい(涙) ネギと生姜と出汁醤油のつけダレ?が美味。

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とめどなく栄養を欲する体に素直になってハシゴ。筋肉痛はあるんですが、不思議と初フルマラソンや初ウルトラマラソンの時とは違って普通に歩けるぐらい。走り過ぎて、体がちょっと壊れてるのかもしれません。

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牛バラ麺もまた美味。この日に帰国してから年末まで、30日間休みなしで働くことになるとは、この時は思ってませんでしたけど・・・

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リベンジを果たすため、必ずまた香港に帰ってきます!

HK168(残り4.5km)リタイア記完。

HK168(残り4.5km)リタイア記⑫|最後の最後でまたロスト、163.5km地点にてDNF。

2014年11月末、8ヶ月連続ウルトラマラソン/トレイルチャレンジの最終章、「HK168」で香港に行ってきました!

結果は…全168kmのうちの163.5km地点、ゴール手前のCP15で関門時刻に間に合わずDNFとなりました。無念のリタイア記です。

前のエントリはこちらから。
HK168(残り4.5km)リタイア記⑪|5分前…7分前…関門をくぐり抜けて140km。 | reboot blog

CP13:Shing Mun Pineapple Dam@141.5km 〜 CP14:Shing Mun Main Dam@151km

行楽客も多いダム周辺をまわり、山越えしてまた貯水池に降りてくる9.5km。
コース図CP14

ほぼ舗装路のこのパート、急登はあるけどなぜか3時間の設定。
高低図CP14

ここまで13個の関門をくぐり抜け、かろうじてCP14への挑戦権を得たものの、最終組であることは相変わらず。エイド休憩中に一緒になった中国からの青年ランナーと一緒に出発。するも、青年はエイドを出てすぐに気持ち悪くなり、補給したばかりの水分を木陰でリバース。みんな満身創痍です……

「少し休んで行くから先に行っててくれ」と言ってる風の、英語が全く話せない彼に、「途中で必ず追いついてこいよ!」と伝わった風で前に進む。そういえば、CP8を一緒に出た日本の方は、どこまで走れたんだろう?せめて御礼だけでもきちんと言いたかったな。

散策を楽しむ観光客もいなくなったところで本格的な登りスタート。
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眠気との付き合い方に慣れてきて、直線なら目をつぶりながらでも歩けるようになってきた…… よく考えたら丸一日以上寝てないんだな。この斜度だと、脚の重さに任せてちんたら歩いてると、あっという間に15分/kmぐらいまで落ちてしまう。
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そして再び、夜がやってきました。レース前は着替えたくなったりするかな~と呑気なことを考えてましたが、そんなことはどうでもよかった。どれだけベタベタしてようと、ドロドロしてようとお構いなし。Who cares???

登りの仕上げに尖がった山を二つ。暗闇の中、気を抜いたら滑落しそう。
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頂上からは、さすが香港の夜景。
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しかし、見とれている時間はなし。暗闇の中、一人孤独に石段を下り降りる。青年ランナーは来ているだろうか。ヒザが笑ってヒクヒク。自分の脚だという感覚がない。
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長く走りすぎて、もうヒザのテーピングも脚からはがれなくなってんじゃないかなーとかつまんないこと考えながら下っていると、ダムを渡る橋が、うっすら暗闇の中に見えてきた。もうすぐCP14。

エイドと勘違いして、広場でバーベキューパーティーをやっていた一団に突入し、「Check point??」と騒ぎ立て混乱させる…… ごめんなさい。

そこから500mほど先に発見したエイドは、なぜかもう片付けを始めている……

曰く、ここのCut-off Timeは18:30だと。いやいやいや、大会が事前に出してる情報にはPM7:30って書いてあるよ、前のエイドのスタッフにも7:30だって確認したよ、7:30だって分かってたらこんなにのんびり来るわけないっしょ(これはウソ)、と必死の主張。
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スタッフが本部に電話で確認、”特例として”通過させてくれるとのこと…… いやいやいやいやいや特例ちゃうやろっ!ルール通りやろっ!!そうこうしていると青年ランナーも降りてきてエイドに到着。

もう完走さえできれば、それでいいんです。スタッフのみなさんは、最終組の二人にとても良くしてくれました。エイドのポカリと、CP12でおばちゃんがくれたおにぎりで、最後の補給。(結果的には)最後となるパートへ向けて出発!
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CP14:Shing Mun Main Dam@151km 〜 CP15:Sha Tin Pass@163.5km

貯金も合わせて3時間で12.5km。正直言って、絶対行けると思ってました……
コース図CP15

距離は長いけど、ほとんどフラットだし行けるはず。いや、絶対行けると思ってました……
高低図CP15

青年ランナーとともに出発。英語がしゃべれないながらも、片言で日本のアニメが好きだと教えてくれる。UTMF、走ってみたいとも。再会できるといいんだけど。
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街の夜景を横目に見ながら、黙々と。ここまでは順調。
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ところが、MacLehose Trailを抜け、一度ロードに出たところ。本来は、少し進んでまたすぐにトレイルに入らなければ行けなかったらしい。でもここは、どれだけ探してもマーキングが見つからない。もちろんかなり慎重に探しましたよ。青年と悩みながらも、下っている高低図を信じて、そのまま「金山路」と案内のあるロードを、マーキングが見つかることを祈りながら下っていく。

レースを終えてから振り返ると、この時点でこのレース何度目かのロストが確定、DNFとの分岐点でした。

下っても下ってもマーキングはなく、不安ながらも下り切ったダムを道なりに渡り、大通りに突き当たる。ここでいよいよ進む方向が分からなくなり、完全にお手上げ。

仕方ないので大会スタッフに連絡して助けを求めるしかないかと思っていたところ。青年が誰かを電話で捕まえたと思ったら、どこからともなく知り合いらしい老ランナーが合流。道を知っているから付いて来い、と。

英語が話せる彼に状況を聞いてみると、本来のルートからはすでに外れているが、とにかく獅子山郊野公園に入ってWilson Trailに入れば本線に合流できると言う。ただし、時間的にはかなりチャレンジ。もちろん自分も完走したいから、行けるところまで行ってみようじゃないかと。

「We are on the same boat.」とか「You, hit the wall!」とか、なんかやたらかっこいい言い回しを使ってくる老ランナーだったが、この人のおかげで諦めかけた完走に向けて、最後の挑戦権を掴み(いや、もちろん正しいルートではないんですが)、完全にSWITCH ON。

あとどれだけの距離を走ればいいのか、皆目見当もつかない状態で、それでもなお全力で走り続けるだけ。残された時間が着実に減っていくのを一分一分確認しながらも、「絶対完走」という気持ちだけは最後の最後まで失われることなく、Hong Kong Night Trailをとことん満喫した最後の2時間でした。

Lion Rockの回りを全力で疾走しながら、CP15のCut-off Timeである22:00を迎え、37時間に及ぶレースが終了。まさか走りながらレースを終えることになるとは思わなかった。これで、2014年最大の目標だったUTMBのエントリー権獲得もならず…… どうにも消化できない悔しさとは裏腹に、ラストランはとにかく気持ちよく、ここまで160km走ってきたとは思えない動きで、Shatin Passまで走り続けました。

まあ、金三路を下ってしまった時点でコースを間違っているので、たとえ関門時刻に間に合っていたとしてもアウトなんですが。

結局、かなり大回りのコースを走り、30分遅れでCP15に到着。HK168、163.5km地点にてDNFとなりました。本当かどうか分かりませんが、GARMINによると累積標高9300m。いくらロストしたとはいえ、6580mのレースのはずなんですけど(笑)
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HK168(残り4.5km)リタイア記⑬総括へ続く。

HK168(残り4.5km)リタイア記⑪|5分前…7分前…関門をくぐり抜けて140km。

2014年11月末、8ヶ月連続ウルトラマラソン/トレイルチャレンジの最終章、「HK168」で香港に行ってきました!

結果は…全168kmのうちの163.5km地点、ゴール手前のCP15で関門時刻に間に合わずDNFとなりました。無念のリタイア記です。

前のエントリはこちらから。
HK168(残り4.5km)リタイア記⑩|自己最長110kmを超え、未知の領域に突入。 | reboot blog

CP11:Tai Lam Chung Reservoir Road@118km 〜 CP12:Rotary Club Park@130km

セクション3のラストパート。ドロップバッグの待つCP12(=CP8)へ戻る最後の12km、めちゃめちゃ長かった……
コース図CP12

高低図で見るより、ずっとつらいこのパート。
高低図CP12

というのもこのパート、12kmあるのに設定時間が2時間しかなく、セクション3に入ってから、ずっと焦って貯金を作り直していたのは、全てここのためでした……

何もないエイドをさっさと出て、暑いトレイルへ。背後では、このエイドでリタイア申告する人の声。エイドから中々出ようとしない他のランナーたちも、もうレースを終えたんでしょう。関門時刻から30分ほどのギリギリゾーンを走っていると、どのエイドもそんな状態。出ていく人より、そこでレースを終える人の方が多いという・・・
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高低図を見る限り、序盤はなんてことなさそうなのに、とんでもなくつらかった舗装路のアップダウン。しかも斜度がひどい。壁でしょ、壁。足柄峠の頂上付近、もしくは野辺山ウルトラの馬越峠を思い出す。
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この辺りですでに、先に出て行った何人ものランナーが次を諦めたことが分かるような走り方。

しばらく併走した二人組は、

「もう無理だって!この調子じゃどう考えても間に合わない。」
「私はそれでも行くわ!やってみなきゃわからないじゃない!」

みたいな会話を・・・「それでも行くわ」おばちゃん一人が、走ってしばらく付いてきましたが、途中で脱落。別の三人組も、無理を悟ったのか、公園内の地図を見てコースルートを外れて下山していきました。

CP8を最終ランナーとして出てからというもの、何人かは抜いてきたけど、おそらくその人たちは、次のエイドでレースを終えているはず。抜いても抜いても、常に最終ランナー。

起伏の激しい舗装路ゾーンを抜けると、CP12へ抜ける激登りが待ち受け。前を登る軽快な女子ランナーは、トレーニングで来てるらしい。香港のトレラン人口すごいな〜
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なが〜〜い激登り。
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登り切ったら走るだけ。いかんせん時間がない。

そもそも走力的にカツカツな上、すでに28時間130km近くも走っている体。前半の貯金にかけてたんだけどなーすってんてんだなー…… 基本的にはどのレースも、「宵越しの銭は持たない」系のギリギリランではありますが、今回はいよいよやばい。一瞬たりとも迷ってる暇はない。

いよいよエイドかというところで迷いかけたところ、CP12を出てきたらしいランナーを発見。とっつかまえて、「チェックポイントどっち!!???」と問い詰め、教えられた方に見覚えのある駐車場を発見して駆け込んだら、関門時刻の5分前…… やれやれ。
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(写真はドロップバッグ拾って、落ち着いてから撮ったので2分前の14:28)

まるでタスキをつないだ箱根ランナーの気分。これで次の区間も走れる。第13ランナーも自分だけど。

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CP4で、まさかのお湯切れで食べられなかった激辛ミーゴレンカップヌードルで復活にかける。一番きついと思っていたパートを抜けました!ようやく完走が見えてきた!!

CP12:Rotary Club Park@130km 〜 CP13:Shing Mun Pineapple Dam@141.5km

いよいよ最終のセクション4へ。
コース図CP13

ここも11.5kmで2時間と厳しいパート。一難去って、また一難。
高低図CP13

しかし、カップヌードルがめちゃめちゃうまい。これで息を吹き返した。でも辛い。めちゃめちゃ辛い。こんなもの、ランナーにくわしちゃいかんだろ。

ここでもレースを終えた人たちがすっかり寛いでいる中、5分前に駆け込んできて、なお先に進もうとするぼくに、ボランティアのおばちゃんがおにぎりをくれた。香港式なのか、力士が握り固めたような固さだけど。最後の40kmのお守りとして、背負ったままのザックに詰めてもらう。ゼッケンに付いている日本の国旗を見て「ガンバッテ!」と。エイドのおばちゃんは、どこの国であっても天使に見える。

結局ここでも最終ランナーとして出発。しかし、すぐに分岐に出くわし、マーキングがない。こんなんばっかだな。高低図に従って下ってる方を選ぶと道路に出たところでマーキング発見。もうロスってる時間ないからね。
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町の中を通過してトレイルへ入る。
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なぜだか最終ランナーとしてのプライドが芽生えてきた。激辛カップヌードルのおかげもあり、135kmを超えてもまだ走れる。全身、めっちゃ重いけど。体の感覚、もうほとんどないけど。
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下りに転じると残りは2kmほどのはず。間に合うかなあ〜転がり落ちるように下ってると…
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出た!CP13!!
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7分前に到着!危なかった……

日本語を使ってくれようとする親切なスタッフ。最後だから色々とかまってくれる(笑)インスタントスープを作ってもらい、おばちゃんにもらったおにぎりと一緒にいただき、夜に備えて補給!

HK168(残り4.5km)リタイア記⑫へ続く。

HK168(残り4.5km)リタイア記⑩|自己最長110kmを超え、未知の領域に突入。

2014年11月末、8ヶ月連続ウルトラマラソン/トレイルチャレンジの最終章、「HK168」で香港に行ってきました!

結果は…全168kmのうちの163.5km地点、ゴール手前のCP15で関門時刻に間に合わずDNFとなりました。無念のリタイア記です。

前のエントリはこちらから。
HK168(残り4.5km)リタイア記⑨|関門時刻7分前!ロストから奇跡の生還 ( o´Д` )=з | reboot blog

CP9:Tai Tong Shan Road@98.5km 〜 CP10:Kat Hing Bridge@108km

CP10までは、Tai Lam Chung Country Trailを走る9.5km。
コース図CP10

前のパートと同じ距離ですが、登りあり。しかもなぜかこの区間、2時間の設定…… 全く休めないorz
高低図CP10

CP9に着いたところで一旦ザックを下ろし、高速で態勢を整え直す。

腰に付けっぱなしだったライトを外し、充電パックをザックに収納し、ガーミン再始動。補給もロクに取ってなかったので、ドロップバッグからポケットに突っ込んできたベビースターを流し込み、走りながらでも摂りやすいグミを取り出しやすい位置にセット。IRONMAN JAPANのバイクで試してから愛用してます。

微妙な勾配の登り林道からスタート。気合い入れていきます。
141130 CP10 1

登りロードを、ゆっくりながらも走っていると、CP8手前でロストした時に一緒に道を探した中国女子ランナーが前を走っていたので、抜き際に声をかける。アイコンタクトで「あなたもレースに復帰できたのね、行けるとこまでがんばろう」と。言ってました、たぶん。

ロードから高速道路脇の山へ。
141130 CP10 2

香港は本当にどこにでも山があって、どこにでもトレイルがありますね。
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尾根沿いの、下っては登らせるパターン。見通しが利く分覚悟ができるので、目の前に急登が現れた時のようなダメージは少ない。景色は本当に素晴らしい。初日だったら最高なんですけど(笑)
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なんだかんだで100kmを通過。でも、残り時間がもう丸一日もないんだなと思うと焦ってしまう。あと70kmも走れんのかな。

CP10!あと6つ!!
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10:30が関門時間なので、ギリギリだと思ってたけど、なんと15分の貯金加算。走るところをきっちり走ってるからでしょうか。

ボランティアのお姉さんが、砂糖増量のミルクティーを作ってくれる。少しだけ時間に余裕ができて、一気に疲労感に襲われた体に染みる……

「あら、東京から来たの!ボランティア初めてだけど、応援するの楽しいわ!ガンバッテ!!」と。あ〜癒されるわ。

CP10:Kat Hing Bridge@108km 〜 CP11:Tai Lam Chung Reservoir Road@118km

セクション3もあと半分。MacLehose Trailを経由して、Tai Lam Chung Reservoirという貯水池(というより湖)を回ります。
コース図CP11

一旦登り一山超えたら湖の沿岸まで下り、あとは湖岸沿い。ここをクリアすれば累積標高が5000mを超えます。GARMIN見ると、すでに5900mぐらい登ってるんですけど、そんなにロストしてたかな〜もう笑うしかないな。
高低図CP11

こうして何度新しいトレイルに入ってきたか…… さすがに飽きてきた(笑)
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トレイル自体はめちゃくちゃ気持ちいい。
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再び気温が上がり、頭がぼーっとしてきた頃、気付いたら貯水池が見える高さまで登ってました…… このあたりで信越五岳で走った自己最長の110kmを通過。未知の領域へ突入。
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走れると少しだけ目が覚める。舗装路の長い下りを湖沿いまで。
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湖岸まで降りると観光客がたくさん。応援してくれるのが嬉しい。
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この湖岸は、マウンテンバイクの聖地?休日を楽しむライダーとたくさんすれ違う。バイク乗りたいわ。
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昼が近づき、あまりに暑い。通りすがりのグループが、25度以上あるらしいとの情報。聞かなきゃよかった。
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橋を渡るとそろそろエイドのはず。ところが、しばらく行っても出てこないので、またマーキングを見逃してるかもと、進んでは戻りを繰り返し、またタイムと残り少ないHPをロス。すっかりロスト恐怖症を患ってる模様。

疲れてる時ほど自分に自信が持てなくなる。15分ほどロス。かなり疲労してたのでゆっくりしたかったのに、このエイドには水しかなく、タイムロスしたことだしさっさと次へ。また貯金が30分を切る。
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HK168(残り4.5km)リタイア記⑪へ続く。

HK168(残り4.5km)リタイア記⑨|関門時刻7分前!ロストから奇跡の生還 ( o´Д` )=з

2014年11月末、8ヶ月連続ウルトラマラソン/トレイルチャレンジの最終章、「HK168」で香港に行ってきました!

結果は…全168kmのうちの163.5km地点、ゴール手前のCP15で関門時刻に間に合わずDNFとなりました。無念のリタイア記です。

前のエントリはこちらから。
HK168(残り4.5km)リタイア記⑧|CP8手前、まさかのロスト(゚ロ゚*)ノ 時刻は深夜3時。

ラン人生初ロスト

後から冷静に振り返ってみれば、墓地に出てきた時点で明らかに間違ったところを下ってきていたわけですが、当事者としてロストしていると判断することができない。

ロストした時に取るべきOne&Onlyなアクションは、来た道を戻ること。正しいところまで戻り、正しいコースを走り直すこと。

そんなことはもちろん分かっているわけです。誰だって分かっている。でも、ロストの一番恐ろしいところは、自分がロストしているということを確定できないということ…

もちろん、何かおかしいというのは感じる。明らかにおかしい。誰かが上空から見ていて、「あなたロストしてますよ」と告げてほしい。でも、実際は、あいまいな状況証拠とぼんやりした思考能力だけを頼りに、判断を下さなければいけないんですね。

仮にロストしていて、仮に戻らないといけないとして、一体どこまで戻ればいいの? 時間も労力も費やして戻ったのに、やっぱり今来た道が正しかったとしたら? もしかして合ってるんじゃないの?

CP8で充電予定だったGARMINのバッテリーも、気が付けば力尽き、もう何kmぐらい登って降りてを繰り返したのかも分かりませんが、制限時間は刻一刻と迫っています。2時間以上の貯金があって、まさかこんなところで関門と闘うことになるとは……

別の分岐を探すというおじさんランナーと中国女子ランナーとは行動を別にし、さらに登って戻っていると、CP6を出てすぐに一緒に迷った日本人ランナーの方が下ってきて再会。

二人で、迫ってくる関門時間の中、ダメ元でウロウロしまくっていたら、奇跡的にマーキングを発見し、ダメ元でマーキングをたどっていたら、奇跡的にCP8でDNFして帰る途中のランナーに出会い道を聞き、ダメ元で走り続け、ダメ元で関門に駆け込んだら、奇跡的に関門時間の7分前でした。

間に合った。 しかし、7分前…… (*T▽T)

本当なら1時間53分前にここにたどり着き、時計を充電しながら補給と仮眠を取り、優雅に手を振りながらエイドを後にし、今頃はもうすぐCP9にたどり着こうかという時間のはず。

でも、もはやそんなことはどうでもよく、レースをつなぐことができただけで有り難いことなのです。

自分たちより前にそこにたどり着いていた人たちを含めて、すでにリタイアを決めた人たちしかいない時間帯で、スタッフすら、まだぼくたちが先に進もうとしていることに驚きを隠さない。

しかし、ここでレースを止めるという選択肢がただの一度だって頭をよぎることはなく、ドロップバッグから手当たり次第に補給を詰め込み、動作時間を全うしただのバカでかい時計となったGARMINを充電するためのモバイルバッテリーを手に握りしめ、最終ランナーとしてCP8を後にしたのでした。

ロスト怖えーよーーーーーーー!!!!!

CP8:Rotary Club Park@89km 〜 CP9:Tai Tong Shan Road@98.5km

バッタバタのままともかく後半戦スタート。セクション3! まずはCP9まで下り基調の9.5km!
コース図CP9

下ってる、下ってる。本当はかなりラクなパートのはずが、時間の余裕が全くないっす。
高低図CP9

走った。とにかく走った。
走れメロスのように走った。

自分の代わりに仮眠中のGARMINとモバイルバッテリーを入れたジップロックの袋を手に持ちながら走った。
飲みかけのペットボトルのコーラの泡が、しゅわしゅわと漏れだしているのも気にせずに走った。

一緒にCP8を出たもう一人のランナーの方は、トレイルを走り始めるところまでは一緒だったけど、すぐに「先に行ってください」と立ち止まった。CP8に着いた時点ですっかりリタイアモードだったところを「全部走ればまだ間に合いますよ!」と、半ば強引に連れ出してきてしまったような状態だったから、もしかしたら、レースを断念して戻っているかもしれない。

1時間ほどがむしゃらに走り、気づいたら夜明け。ハンドライト一本にしようと思っていたのに、時間がなくて腰にもライトをつけたまま。このパートはこの写真のみ。だから、急いでたんだってば。
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無我夢中で走っているうちに、先行していたランナーを二人ほどかわし、突然道路に出たと思ったらCP9に到着!
141130 CP9 2

おぉ、ここにきて30分の貯金… この先のことを考えると全く余裕ないけど。

でも、このパート、個人的には間違いなく2014年のシーズンベストの快走。歩かず、泣かず、諦めず。今年ここまでに走った7本のウルトラレースと、応援してくれているであろうラン仲間を心の支えに走り通し、CP10までの挑戦権獲得!

HK168(残り4.5km)リタイア記⑩へ続く。

HK168(残り4.5km)リタイア記⑧|CP8手前、まさかのロスト(゚ロ゚*)ノ 時刻は深夜3時。

2014年11月末、8ヶ月連続ウルトラマラソン/トレイルチャレンジの最終章、「HK168」で香港に行ってきました!

結果は…全168kmのうちの163.5km地点、ゴール手前のCP15で関門時刻に間に合わずDNFとなりました。無念のリタイア記です。

前のエントリはこちらから。
HK168(残り4.5km)リタイア記⑦|最難関の第2セクションでナイトトレイルに突入! | reboot blog

CP6:Lam Kam Road@66km 〜 CP7:Lead Mine Pass@77km

CP7までは北側からTai Mo Shanへアプローチする11km。
コース図CP7

6km/750mを登りっぱなしとは…第2セクションの正念場。
高低図CP7

大きな道路沿いのエイドを出てもうしばらく下り、道路を横断して次のトレイルへ向かいます。

しかし、分岐がいっぱいあるのにマーキングがなく住宅街に迷い込み、一人だったら完全にロスト……
141130 CP7 1

CP5まで同じ集団で走っていた人が、前のエイドで日本の方だったことが分かり、一緒にさまよいながらトレイルへの入り口を発見、何とか本線に合流。

ここからはまた階段でひたすら登り。そして登っていくとまた雨。風も強い。

6kmの間登り続けている間、というより、レースの間中ずっと支えになっていたのは、このレースの前に練習で行ったハセツネ前半のレビュー走、三頭山までの35km。走っといて本当によかった。このレース、距離こそ長いけど、4つのセクション各40kmのどこをとっても、ハセツネ前半の方がずっときついもんね。ハセツネFinisherなんだから、最後まで走り切れるはず。

6kmの登りを耐え忍び下りに転じてからは、急に視界が開け、明るいときに走っていたらさぞ気持ちいいだろうなというところ。でも、開けすぎていてどっちの方向に進めばいいのか分からない。

前後を走っていたランナーたちとウロウロしていたところ、ここら辺の道に詳しいローカルおじさんランナーに救われ、おじさんの後に一列になって付いていく一団。ライトの照らす足元に集中していてふと顔を上げると、野良牛の集団がそばにいたりして結構びびる…

でかい岩もゴロゴロする中を無心で下る。
141130 CP7 2

山の中の休憩所、CP7へ到着!
141130 CP7 3

到着したのが00:24。知らない間に新しい日を迎えてました…… 距離の計測がすでに10kmもずれてきてますが、ここまで77kmを走り、ここまでの貯金が2時間半。悪くないけど、さすがに疲れたよ。

一度止んだ雨がまた降ってきたので、屋根があるだけありがたい。インスタントの玉子スープ風にレーズンブレッド。うめーよー、温かいものが体に入るとなんか泣けてくる。
141130 CP7 4

CP7:Lead Mine Pass@77km〜 CP8:Rotary Club Park@89km

第2セクションの正念場をクリアし、次のドロップバッグポイントCP8へ向けて出発。Tai Mo Shan南側の中腹を周りながら通過して下る12km。
コース図CP8

12kmで登りが360mですから、それほど難しいパートではないはず。だったんですが…
高低図CP8

CP7を出た下りから、すぐに右の登りに入る。エイドを出ると雨が少し激しくなっていたので、アクティブシェルを取り出して再びザックの上から羽織って出発。

数kmは傾斜のきつい林道。消化時間を稼ぐためにも歩いて登っているのに、上を羽織ってるとすぐに暑くなる。トレイルに入ると木が雨よけになるのですぐに脱いで走り出す。

ここからは一人旅になり、真夜中の眠気との闘い。

竹林のトンネルを抜け、
141130 CP8 1

遠くにかすかに見えるマーキングを頼りに岩場を進み、
141130 CP8 2

全身で草木をバシバシと掻き分けながら獣道を進むこと2時間弱、
141130 CP8 3

街が近づいてきました。あの辺のどこかに降りていくんだろうな。CP8はもうすぐのはず。
141130 CP8 4

夜中3時を迎え、眠気もピーク。

CP8に着いたら、30分ほど仮眠を取る予定でここまで貯金を積み重ねてきました。あ〜早くたどり着きたい。そろそろGARMINの充電も必要だしね。

そんなわけで一人でガンガン下ってたわけですが、どうも様子がおかしい。標高も下がってきて、距離的にもそろそろエイドが見えてくる頃のはずなのに。

トレイルを下りきると、なんと墓地の真ん中を突っ切る階段に出て、「さすがにこれはコースとしておかしい??」と思ったのが夜中の三時半。よりによって丑三つ時に墓の中を彷徨うのは……

ロストしてるかもと思い、降りてきたところを登り始めると、上から集団で同じルートを降りてくるのでとりあえず合流。「やっぱ間違ってないよね?分岐なかったよね?」とお互い確認し、お墓を突っ切って道路に突き当たるも、右側にも左側にもマーキングなし。いよいよおかしい。

突き当たった道路を左に行くと下り。高低図を見るとCPまでずっと下ってるし、左が正しいのか。一方、コースマップを見ると、右方向に進むのが正しいように見える。数人が分かれて見に行ったりしている間にも続々とロストしたランナーたちが下ってくる。もちろん、ロストしたとは思ってない。

こうなったら各々が正しいと思う行動をとるしかなく、間違っていることを承知で道路を進む人もいれば、うんざりしながら来た道を登る人もいる。自分ももう一度登り始めては、上から来る人に事情を説明し、マーキングがあったか?分岐はなかったか?を幾度となく確認し、確認する度に戻ろうという決意が揺らぐ… だって、誰だってせっかく下ってきた道を登り直したくないでしょ。

中国から来たという女子ランナーと一緒に登ってマーキングを探しに行くも、どうも今回のレースのものではないようなものしか見つからず、そうこうしているうちに「こっちの方かも」と言うおじさんランナーが現れ、藁にもすがる思いで彼が見つけた右方向への分岐を三人で進むも、しばらく行って行き止まり。OMG!!!

マンガとかで頭を抱えて悩んでいる人が出てくるけど、本当に混乱するとあんな状態になるんだな。まるでマンガのキャラように頭を抱え、「どうすればいい?どうすればいい??」と口からこぼれている自分に気付いた深夜4時半。こんなはずじゃなかったのに…

HK168(残り4.5km)リタイア記⑨へ続く。