Apple Watchより欲しかったスマートウォッチはこれ。Withings "Activite"買いました。<後編>

Apple Watchの出荷が始まり、Facebookのタイムラインもこのネタでにぎわっております。が、その裏でこっそりぼくは別のスマートウォッチを購入しておりました…… 

Apple Watchより欲しかったスマートウォッチはこれ。Withings “Activite”買いました。<前編> | reboot blog

の続きです。

全部開けると、こんな感じ。

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革バンドの他にシリコンベルトがもう一つと、ボタン電池の予備、電池交換のために裏蓋を開けるためのツールが入っています。

取扱説明書にも日本語もありました。

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3万円も安いのにActivite Popを選ばなかった理由

なお、このActiviteですが、廉価版のActivite Popも今年のCESで発表になっています。

最大の違いはなんといってももちろん価格。$300ほど安いようで。驚くべきことにSmart Watchの機能としては全く同じ。メーカーの発想だと、機能の差でLine-upを組んでしまいそうなところ、全く同じ機能を提供した廉価版というのは、新鮮です。

それでもActivite Popを選ばなかった理由はといえば・・・

雑に扱っても気にならないサファイアガラス

オリジナルの方は、強度に優れ傷がつきにくいサファイアガラスを使用。一方、Popの方はミネラルガラスのようです。ほかのモノと擦れたり当たったりということが日常茶飯事の腕時計です。多少雑に扱っても大丈夫という安心感は、毎日気軽に付け続けるために個人的には重要。気休めかもしれませんが。

ちなみに、iPhone6でも液晶部分に使われると散々噂されたサファイアガラスでしたが、結局カメラカバーと指紋センサー以外は非搭載。Apple Watch/Apple Watch Editionに搭載されましたね。

革バンドと白フェイス

完全に好みの問題ですが、端整な白フェイスとそれに似合う茶色い革バンドがよかったので、デザイン的にはオリジナル一択でした。Activiteには革のものに加え、シリコンベルトも付属していますが、Popはシリコンだけのようです。

Smart Wathらしからぬ(?)”SWISS MADE”

オリジナルは、フェイスにも記載されているように「Swiss Made」、Popはそうではないとのこと。スイス製じゃないと時計とは認めない、といったこだわりは全くないんですが、「スマートウォッチなのにスイス製」というところにはちょっとグッときます。

そういうわけで、ぼくはオリジナルの方を選びましたが、Popのコスパはめちゃくちゃ高いですね・・・とりあえずPopを使ってみるという選択もありかと思います。

 

強いて言えばの、今のところの不満点

不満というほどの不満もないんですが、ちょっと気になるかなという点をご参考まで。

日付の表示がない

どうってことないんですが、前の時計には日付表示があったので、「今日、何日だっけ?」という時、ちょこちょこ見てしまいます。でも、それ以上にスッキリしたフェイスが気に入っているので不満というほどでもないです。

同期が遅い

BluetoothでiPhoneと同期するんですが、少し時間がかかります。接続から同期が完了するまで体感的には30秒ぐらい?この辺はソフトウェアのupdateで改善されることに期待。

アラーム設定が1つ&スヌーズ機能なし

アラーム設定はアプリ側で行うんですが、設定できる時刻は一つだけです。スヌーズ機能もないので、これだけに頼るのは少し不安かもしれません。でも、音こそ出ないものの、手首で直にバイブするので結構起きられるものです。

ちなみにフェイスをダブルタップすると、現在時刻にあった針が、アラーム設定時刻までクルクル動いて確認できます。この挙動がなんかかっこいいです。まだコツを掴めておらず、ダブルタップ成功率2割以下ですが(笑)

夏場も革バンドを付け続けるのか問題

これは商品に対する不満というより、ユーザ側の問題かもしれませんが、寝るときも革バンドの腕時計を付けたままというのは、人によっては気持ち悪いかもしれません。夏場は特に嫌かも・・・

しかし、そんな時は、バンドの根元の小さな玉のような部分を内側に引っ張ると、すぐにバンド交換ができます。でも、多少慣れが必要。

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Activiteはシリコンバンドも付属、肌触りもまずまずでこれなら気にならないかも。水深50mまで防水なので、シリコンバンドであれば海やプールでも安心。デザインもなかなか。

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ちなみに、ランニングの時はGARMINのこちらを使っているので、いずれにしてもActiviteは使いません・・・

  まあ、ちょっとした不満はいくつかありますが、大満足です。完成度、相当高いです。

2015年4月27日現在では、すでに品薄状態・・・Amazonの正規代理店では3~5週間待ちになっているようです。気になる方はお早目に!

Apple Watchより欲しかったスマートウォッチはこれ。Withings “Activite”買いました。<前編>

Apple Watchの出荷が始まり、Facebookのタイムラインもこのネタでにぎわっております。が、その裏でこっそりぼくは別のスマートウォッチを購入しておりました…… 

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こちら、Withingsの”Activite”、60999円。やっと届きました。欧米では昨年末に発売され、日本でも今年、2015年4月16日にようやく発売になりました。この情報を入手してすぐにAmazonの正規代理店で発注、しばらく「納品日未定」でしたが、最終的には一週間程度で届きました。腕時計しか発注していないとは到底思えない、バカでかい箱で。

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30代半ばの社会人として、ここ数年は一応それなりには見えるように、某スイスブランドの二桁万円ぐらいの腕時計を使っていました。

その時計も気に入ってはいたんですが、もう5年ほど使っていて、「そろそろオーバーホールに出さないとな」「でも面倒だな」「気分転換に時計変えようかな」「スマートウォッチ使ってみようかな」等と思い煩っていたところでした。

そんな頃、Appleが満を持してスマートウォッチを出すということで期待していたんですが、公表された情報を眺めていても、どうも自分の手にそれが付けられているイメージが湧かずにいました。MBAとiPhoneを長らく愛用する、まあApple愛好者なんですが、それでもいかにもスマートウォッチ然とした姿にピンと来なかったのです。

”Activite”を選んだ理由

というわけでしばらく色々と物色してたんですが、写真で見た瞬間に「これやん!」と即購入を決断したのがWithingsの”Activite”でした。

Withingsは2008年に設立されたフランスのIoT製品メーカーで、ヘルス系のライフログに強いイメージがあります。数年前に発売されたWiFi接続の体重計はけっこう評判になったような。

この時計はその名の通り、Activity Trackerです。歩行・走行・睡眠の日常的な活動を絶え間なく計測してくれます。そのデータの表示やそれをベースにしたアドバイスなどはアプリで見ることができます。時計の設定やアラーム時刻の変更もアプリから。

ライフログに関してはそれほど必要性を感じたわけではありませんでした。仕事に追われる生活の中で体調管理の必要性は感じながらも、一市民ランナーとして日常的に運動もしているし、体脂肪率やBMIを気にしなければいけないほど人間ドックの結果も悪くない。

それでもこれを選んだのは、まあ言ってしまえば、一目惚れしたわけですね。単純に、これを身につけたいなと。
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言わなきゃスマートウォッチだと絶対に分からない

何がいいかって、いかにもデジタル然とした他のものに対して、どう見てもスマートウォッチに見えないじゃないですか。

今のところぼくがスマートウォッチに求めるのは、センシングデバイスとしての機能ぐらいで、情報端末やメディアプレイヤーや多種多様なアプリケーションで時間をつぶすための機能ではありません。むしろ、スマホ断ちしたいぐらいなのに、手首にまで情報が現れるようになったらスマウォ中毒になるのは間違いなし…… ちらちら一日に何度も何度も、自分の意に反して時計を見なければいけない生活には陥りたくないということで。

このあたりはあくまで今の気分なので、半年後には180°反対のことを言っている可能性も高いですが(笑) Apple Watchがユーザのインスピレーションを引き出し、新しい使い方とライフスタイルがどんどん開拓されていくことに期待しています。Apple Watchもグランス・ジャーナリズムも面白いと思いますが、今のところまだ自分の中でちょうどいい使い方、キラーコンテンツが見つかっていません。

リューズがない…アナログ時計としてのデザイン進化

それにしてもシンプルで端整なデザインです。時刻表示と、その内側のサブダイヤルがその日の活動量の100%表示。これしかありません。

そして、この時計、リューズがないんですよ。
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アナログ時計の顔をしていてリューズがないって新鮮じゃないですか?この真円のフェイスがとても美しいと思います。とても小さなことなんですけども。

Apple Watchがリューズの部分を「デジタルクラウン」と呼んで、新しいUIの入り口にしたのとは対照的です。アナログ時計顔なのにリューズをなくしたActiviteとデジタル時計顔なのにリューズに新しい役割を与えたApple Watch。おもしろいですね。

時刻の設定なんかはすべて、Bluetoothで接続したスマホのアプリ(iOS/Android両方あり)で行います。スマホの画面いじると腕時計の針が物理的に動くのは新鮮な驚き。
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リューズのない、完全にシンプルで端整なフェイス、アナログ時計のデザインとしても進化しているように感じるんですが、それを実現しているのはこういうアプリだったりして、アナログとデジタルのベストハイブリッドな感じですね。

めっちゃ軽い

これは、前につけていた某スイスブランドの腕時計との比較になりますが、軽いです。軽いので寝ているときに付けていても全くストレスになりません。生まれて初めて腕時計して寝ました。

どうやって取っているのかは分かりませんが、入眠時間や睡眠の浅さ・深さもちゃんと取れてます。
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これまで使っていたスマホの睡眠計測&アラームアプリ「Sleep Cycle」での同じ日のデータはこちらですが、精度はほぼ同じようです。
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このアプリもめちゃめちゃいいんですが、ケータイを充電した状態でベッドに伏せておく必要があるので、電源が必ずしもベッドの近くにあるとは限らない出張先や遠征先で使えないのが難点でした。

Activiteのアラームはバイブなので、家族と一緒に寝ている場合や遠征で知らない人と相部屋の場合など、音が出ないので迷惑になりません。直に体についた状態だと、弱めのバイブでも意外なほど起きられました。

充電がいらない

これはでかいです。Activity Trackerとしてはずっとつけていることは大事。コアなロガーになると、データが計測できていない時に活動したくない!という、本末転倒な事態が発生しますからね(笑) 

頻繁な充電が必要ということになれば、その間は時計を外さざるを得ません。これは避けたい。昨年末のHK168という100マイルトレランレースの途中で、GARMINのGPSウォッチとモバイルバッテリーを手に持って充電しながら走ったという、苦い思い出に裏付けられています。40時間近く走り続けるレースで使う時計と同じように考えるのもどうかと思いますが。
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付属の専用ツールを使って、自分で裏蓋を開けてボタン電池を交換できます。元々入っていた電池で動作しなかったので、さっそく付属していた予備バッテリーと交換。固いけど、何とかなります。交換したら、カチッと音がするまでしっかり閉めるだけ。8ヶ月は保つそうですが、時計屋に持って行かず、自分で作業できるところがところがいいですね。

こうして改めて書いてみると、Apple Watchがこれから提供してくれるであろう新しいUser Experienceやライフスタイルよりも、単純にActiviteのモノとしての完成度の高さと、すんなりと今の生活に浸透してくれる自然さの方に惹かれたってことなんでしょう。毎日、付けたくなること優先ということで。白フェイスと茶色い革バンドのものをちょうど探していたということもありますが。

久しぶりにワクワクするモノに出会って、ちょっと書き足りないので、後編に続くことにします…… 

オフィス・書斎・カフェよりもっと「考える」のに最適な環境って?

「考える」という作業は、あらゆる人にとって最も重要な作業の一つです。

なんて改めて言うほどのことでもないんですが、企画することを仕事にしているぼくにとっては、考える時間を量的にどれだけ確保できるか、その時間を質的にどれだけ高めることができるかというのは死活問題です。

ところが、(不毛な)資料作成や(不毛な)会議や(不毛な)他者の説得なんかで、考えるための時間は意外と多くないというのが現実で、だからこそいかに質を高めるかということが大切になってきます。

社会人を10年以上やってきて、ずっとこのことに悩まされてきて、それがピークに達したこの半年、一つの結論に至りました。思考の質を上げたければ、机の上でうんうん唸ってないで、「現場へGO!!!」だと。

「考えること」の質を上げるために最も重要なこと

先週の話ですが、アメリカに出張に行ってました。まさにぼくにとっての「現場」、お客さんとダイレクトに(正確に言うと、マジックミラー越しに)触れ合うために。いくら論理的に正しそうに見えていた議論やその結果の仮説も、目の前のお客さんが繰り広げるFactには到底かないません。そして、お客さんと直に触れることから得られる情報量とインスピレーションは、いつだって圧倒的。

たしかに質を上げるために大切なのは環境です。いつ、どんなところでどんな風に考える作業に入るのかは生産性に大きく影響します。本当は、いつでもどこでも高品質思考ができるのが理想ですが、いつでもどこでも低品質思考というのが実態。

ぼくも最適な場所をずっと模索してきましたし、フェイバリットな場所の変遷もあり、それは休日のオフィスの時もあれば、行きつけのカフェだったこともありました。存在しない架空の書斎に憧れたことも。

とりとめなく思索を巡らすとか、想像の世界に没入するといったタイプの思考であれば、静かで集中できる、たとえば休日のオフィスやカフェや書斎のような環境がぴったりなのかもしれません。

が、自分のように企画することを仕事とし、考えるべきテーマや対象が割と明確に決まっているような場合、そもそもそういうことではありませんでした。繰り返しますが、考える作業にもっとも適している環境、それは断然「現場」です。

現場とは、考えるべきテーマや対象が目の前にあり、五感をもってそれを体感できるところ。具体的な場所でなくても、そういったインプットが得られる状況であれば場所はどこだっていいんだと思いますが。

「三現主義」とはよく言われますが

ものづくり、特に品質改善や問題解決において、「三現主義」ということがよく言われます。三つの「現」とは、現場・現物・現実のこと。

そう、「現場」が大事なんて、社会人になった時から言われていたことでした。しかし、実践するのは意外と難しいのです。おそらく、多くの人たちにとって「考えること」=「お勉強」で、黙って静かに机に向かうものと刷り込まれているからではないでしょうか。大人にとっての「考える」、本当の意味での「考える」はそうではないでしょ、と気付くのに10年以上を費やしてしまいました。

 

コピーライターがコピーを書く方法

ちょっと話は脱線しますが、コピーライターがコピーを書く方法の分類の一つとして、

・手で書く

・胸で書く

・足で書く

というのがあるらしいです。

「手で書く」というのは本数。書く量です。量が質を担保するという考え方。「胸で書く」というのは、ハートで書くということ。つまり相手の感情を想像し、共感しながら書くということです。最後に「足で書く」、これは取材です。コピーの対象となる事物の現場に赴いて、実際に現物に触れてみて初めて言葉にリアリティが生まれます。

コピーを書く作業においても同じなんですね。3つの「現」を知り、体感することで、机上では書けないリアリティのあるコピーを生むのでしょう。アウトプットの形こそ違うものの、コピーを書くことも企画することも、知的作業としてはほとんど同じもの。やっぱ大事なんですね、現場。

<机の上で考える>より<現場に行って考える>のはもちろん。

<現場に行って考える>より<考えるために現場に行く>ぐらいの姿勢がいいんじゃないでしょうかね。

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こういうことを言うと必ず、「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!!!」 とか言いいながら腰を折ってくる人がいるんですが、こんな青臭い台詞にぽかーんな新世代も会社に存在するようになって、それはそれで焦りを感じています。