今さらながら2014年度「8ヶ月連続ウルトラマラソン・ウルトラトレイルチャレンジ」実績レビュー②<レビュー編>

2014年度「8ヶ月連続ウルトラマラソン・ウルトラトレイルチャレンジ」のレビュー編です。

前のエントリはこちらから。
今さらながら2014年度「8ヶ月連続ウルトラマラソン・ウルトラトレイルチャレンジ」実績レビュー①<実績編> | reboot blog

レビュー1:どんな敵も侮るべからず。

まず、最大の反省はサロマ湖100kmウルトラマラソンのDNF。

実はこのレース計画を組んだとき、8本のうち「サロマが一番ラク」と高をくくってました。この慢心。

4、5、6月はロードのウルトラマラソン3連発で、3戦目にもなればさすがに慣れているだろうと思ってました。4月の富士五湖は112km(実際はコース変更で108km)と距離が長く、5月の野辺山はアップダウンの激しい難コースで、いずれもフラットで100kmきっかりのサロマ湖ウルトラだったら、悪くても完走はできるだろうと。

結果的には、30度近い猛暑の中、60kmほどで関門にかかりました。13時間と、制限時間が短かったことなど言い訳にもならないぐらい全く走れませんでした。

足元をすくわれるのは、いつだって相手を見くびった時です。計画上は、他のレースに比べて相対的に小さな目標に見えてしまったサロマ湖でしたが、比較すべきは他のレースではなく、自分の実力でした。ごめん、サロマ。いつかサロマでSub10やります。

レビュー2:間髪入れずにレースを走り続けろ。

よかったところもレビューしましょう。

何よりよかったのは、8ヶ月走り抜いて体が無事だったということ。

速く走れるようになりたいというよりは、「80歳でウルトラマラソンを走れる心と体」をつくるという長期計画の起点だった2014年なので、「どこまでやっちゃうと壊れるのか」「どこで堪えたら壊れないのか」そこのところの感覚を得られたのは収穫でした。

なんせ毎月毎月、いやでもレースがやってくるわけなので、壊れないということは大事です。そして、壊れても再起動できるということが大事です。そのためには、いかに走るかと同様に、いかに休むかも大事になってきます。つまり日々、24時間使ってウルトラランナーになるわけですね。

そういうことが何となく分かってきたのも、毎月レースに追われ続けたからこその話。レースプランとしてはめちゃくちゃなので、決して速くはなりませんが。

レビュー3:ただただ前倒すべし。

最後に、UTMBへのエントリー権を逃したのはやっぱり悔しいっす。HK168を完走できなかったのもさることながら、その結果UTMBが先送りになってしまったことは本当に悔しい。

でも、よく考えると、一年でよくもう一歩というところまで来たなあとも思うわけです。

「2014年は準備の年!」なんてのんきなことを言っていたとしたら、絶対に7pt獲得まで来れていません。昨シーズン本気でがんばったからこそ、今シーズンは3pt以上のレースを一本でも完走すればいいという状況まで来れています。

ストレッチターゲットを本気で狙いにいって、仮にダメでも元のターゲットは余裕で達成。これは仕事における目標達成のための必勝パターンですが、レースも同様。前倒しで格上レースを走りにいって、仮にダメでもリベンジでは余裕で完走。これです。

今年、UTMBエントリー権を獲得してからもう一回言いたいと思います(笑)

***

昨日から始まったUTMFのエントリーを完了!
抽選、当たるといいんですが……

エントリーは3/15日までですね。お早めに!
ULTRA-TRAIL Mt.FUJI【UTMF・STY】

今さらながら2014年度「8ヶ月連続ウルトラマラソン・ウルトラトレイルチャレンジ」実績レビュー①<実績編>

今日から3月に入り、本格的なトレイルランシーズンが始まります。またこの季節がやってきました。2週間後にはIzu Trail Journeyが控えています。

というわけで、かなり今さらではありますが、今シーズンが始まる前に昨シーズンを振り返っておきたいと思います。記録用にかろうじて書いた「HK168(残り4.5km)リタイア記」をのぞき、仕事に集中するために4ヶ月ほど中断していたこのブログも再開です。

ラン部門2014年度目標の復習

まずは、目標の振り返りから。

2014年は、こちらにも書いた通り、


毎月、ウルトラレースを走る!


ということを自らに課し、「8ヶ月連続ウルトラマラソン・ウルトラトレイルチャレンジ」というものをやっておりました。

そして、これは憧れのUTMBにエントリーするための8ポイントを獲得するためであり、UTMBを完走するために、まずはロードの100kmウルトラマラソン級は、抵抗なく走れるようになるためのステップでした。

さっそくその結果を振り返っていきましょう。

「8ヶ月連続ウルトラマラソン・ウルトラトレイルチャレンジ」実績

実績はこの通り。ちなみにウルトラレースの私的認定基準は、100km以上の距離 and/or 制限時間14時間以上でした。

・4月: チャレンジ富士五湖112km ⇒完走
・5月: 野辺山100kmウルトラマラソン ⇒完走
・6月: サロマ湖100kmウルトラマラソン ⇒DNF@60km
・7月: 大雪山ウルトラトレイル110km ⇒完走
・8月: IRONMAN JAPAN 北海道(トライアスロン226km) ⇒完走
・9月: 信越五岳トレイルランニングレース110km ⇒完走
・10月: 日本山岳耐久レース(ハセツネ) ⇒完走
・11月: HK168 ⇒DNF@163.5km

6月のサロマ湖と11月の香港でDNFとなったものの、予定通り全てのレースに出走。

これが始まる前は、「ウルトラマラソンって、そもそも毎月走っていいものなんだっけ??」という感覚。走力的にも一度ウルトラマラソンを完走したことがある程度だったので、4月5月でとっとと撃沈し、夏を迎える前にうやむやにしている可能性もゼロではありませんでした…

結果はDNF率こそ25%ではありますが、DNS率は0%。

どれだけギリギリの目標設定ができるかに賭けているわけですから、全力を尽くした上でのDNFは勲章みたいなもんです。それ以上に、DNSせずに8ヶ月間をやり繰りしたことは、我ながらよくやったと言ってやりたい気分です。

「UTMBエントリーのためのポイント獲得」実績

一方で、残念ながらUTMBエントリーのための「3レース以内で8ポイント(以下、pt)」は獲得することができず。現実は厳しい……

3レース以内で8ptということは、
・4pt + 4pt
・4pt + 3pt + 1pt以上
・4pt + 2pt + 2pt
・3pt + 3pt + 2pt

のいずれかが必要。

・7月: 大雪山ウルトラトレイル110km ⇒2pt
・9月: 信越五岳トレイルランニングレース110km ⇒3pt
・10月: 日本山岳耐久レース(ハセツネ) ⇒2pt

と3レースで7ptまでは来たもの、もう一本3pt以上の完走が必要という状況で、背水の陣で臨んだHK168(4pt)を残り4.5kmでDNFとなり、あと一歩というところで散りました。全く現実は厳しい……

「100kmウルトラマラソン級は、抵抗なく走れるようになる」ことはできたのか実績

最大の目標だったUTMBへのエントリー権を逸したので、正直言ってそれ以外は、もうどうでもいいと言ってしまいたいところですが、それでも収穫だったのが、100kmウルトラマラソン級に慣れることはできたこと。

「毎月ウルトラ走っていれば、さすがに慣れるだろ」という極めて雑な期待ではありましたが、今では100kmウルトラマラソンを、一年前に42kmフルマラソンに抱いていたのと同じくらいの感覚で走れるようになりました。

なおこれは、以前42kmを走っていたのと同じくらいの労力で100kmが走れるようになったという、走力の向上を意味するわけではありません。残念ながら。そんなに格段に走力が上がるほど練習はしておりませんので。残念ながら。

ただ、100kmに対する心理的なハードルは確実に下がったのです。「明日100km走れ」といきなり言われても、以前だったら42kmに感じていた「いきなり言われても無理っしょ」感と同じくらいの嫌さレベルで100kmを走る覚悟ができるようになりました。

本当に成長したのか、イマイチ分かりませんが…

(レビュー編につづく)

***

この4ヶ月は、完全に仕事中心の生活を送っていましたが、少しだけ落ち着いたので、ブログも徐々に再開したいと思います。

サロマ湖100kmウルトラマラソンリタイアから大雪山ウルトラトレイル110K完走までの3週間でやった地味なこと。

前のエントリでようやく第2回大雪山ウルトラトレイル110Kの完走記を書き終えたんですが、サロマ湖ウルトラをリタイアしてからの3週間で、復活のためにやったことを忘れないうちに記録しておきたいと思います。

3週間の状況

何度か書いているように6月はリタイア続きで絶不調。しかし、今年は4月から毎月ウルトラレースを走り続けるというドM(ドS?)プロジェクト進行中で、来月には今年のメインディッシュの一つである洞爺湖アイアンマンが待ってるし、その先も格上レースが目白押しなので、ここらで食い止めないと、このプロジェクトもなし崩しになってしまいそうな危機的状況でした。勝手にやってるだけなんですけど。

なお、この間は仕事のスケジュールが詰まっていて、貴重な2つの週末もあいにく予定が詰まっていたので、平日中心のかなり地味な内容になっております…本当は、泊りがけで合宿でも行きたいぐらいだったんですが。

だから、派手なポイント練習もありませんが、結果的には日々の地道なトレーニングこそ大切なんだと再確認。

地味にやったこと①:毎日ちゃんとコアスイッチ

まずは、毎朝15分、コアスイッチトレーニングを続けました。

基本的にはこれまでもやっていたものの、疲労抜きや多忙を言い訳にサボることも、ままありました。

本来は走る前に実走とセットでやるのがいいんですが、コアスイッチをサボりたくなる時というのは、実際に走る量も減っているものなので、実走の補完ということで、走れない時こそしっかりやることに。最低限のことを継続することが大切ですね。

地味にやったこと②:毎日15階分、階段登り

ランニングの入門書には、だいたい「日常もトレーニングの一部」的なことが書いてあり、エレベーターやエスカレーターではなくできるだけ階段を歩きましょう!といった例が挙げられていることが多いですが、これをまじめに実践。

会社の食堂があるのが4階で、自分のデスクがあるのが19階なので、この15階分を一日2回、食事のあとに登るようにしました。

エレベーターで上がると、待ち時間と途中の階で止まる時間を考慮すると3分。階段で登ると5分。+2分で、トレーニングができるということで。

この程度でどれくらい効果があったかは不明ですが、軽く息は上がるし脚もそれなりにだるくなるので、毎日続けていると地味に効いているんじゃないかと思います。

今回も、初日の後半には平山、有明山、天狗岳と、急登が続いたものの、粘り強く登り続けられた気がします。

地味にやったこと③:疲れた状態で走る練習

今回は初めての2ステージ制だったので、大きな不安材料の一つが、2日目にどれだけ走れる状態なのかということ。そのため「疲れている状態で走る」というのを何度か実験しました。実際のつらさは、この実験の比ではなかったですが(泣)

経験値を積むということもそうですが、トレーニングとしても個々の練習の強度以上の負荷がかかって効率的なのかも。もちろん、ケガ・故障のリスクもあるので注意して練習する必要がありますが。

60km弱走ったサロマ湖ウルトラの翌日、反省ランということでワッカ原生花園を15km走ったのもこの練習の一環でした。葉山オープンウォータースイムで3km泳いだ翌日に18kmロングジョグを入れたり、本番と比べるとレベルは全然違うんですが、「走れない中で走る感覚」を養うにはとてもよかったと思ってます。

地味にやったこと(番外編):コース図を覚えるまで眺める

練習ではありませんが、コース図を覚えるまで眺めました。リタイアした奥久慈トレイルなんて、前日初めて見たぐらいだったので・・・

トレイルなので、ストリートビューなんかでシミュレーションはできないものの、あらかじめレース展開の想像やエイドでの補給をプランニングしておくと、やっぱり本番がかなり余裕をもって迎えられますね。

***

この3週間でやっていたことは基本中の基本ではあるんですが、改めて効果を実感しているので、今後も継続しようと思います。

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記⑧

今週末に参加した第29回サロマ湖100kmウルトラマラソンのリタイア記のおまけです。

完走記もリタイア記も、完結まで毎回8エントリになるのはなぜなんでしょう…
これまでのエントリは、こちら。

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記① | reboot blog

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記② | reboot blog

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記③ | reboot blog

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記④ | reboot blog

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記⑤ | reboot blog

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記⑥ | reboot blog
第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記⑦ | reboot blog

大会翌日、反省の旅へ

こうして60kmにも達することができずにリタイアに終わってしまったサロマ湖100kmウルトラマラソンなんですが、あまりに消化不良だったので、実は翌日、リタイア地点からレンタカーで、ゴールまで走るはずだった残りの道のりをたどってみました。反省の旅。

奥に見える茶色の建物、ルートイン・グランティアサロマ湖。リタイアとなったこのレストステーションが忘れられないっす。ちなみに、帰りのバスで無事ケータイを回収したので、翌日の写真はあります(笑)
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そして、このレストステーションから出たところの上り坂。ここに向かって出ようとして止められたんですね。
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この先にあった道の駅で、名物の豚丼を食べながら反省しようと思ったら、正面には嫌でも思い出させてくれるウルトラマラソン特集が(笑)
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ラクな100kmなんてない

反省の旅の途中で、サロマ湖展望台に上がってみました。レストステーションのグランティアサロマ湖の少し手前の細い道を右に入って5kmほど砂利道を進むとあります。

そこからのサロマ全景がこちら。
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サロマ湖でけーーーーー!!!

これを人力で、一日で回るってすごくないですか!?人類の偉業。100km走るってすごいことなんだと感じざるをえません。今さらですが。
ラクな100kmなんてないですよね。悪い意味で慣れてしまってました。

サロマン・ブルーをはじめ、何度もウルトラを完走している人がリタイアする一方、初挑戦で泣きながら完走している人もいました。

自分のことを振り返ってみても、初めてのウルトラ挑戦だった白山・白川郷ウルトラが一番しっかり準備できていました。それは恐怖心や不安から来るものだったかもしれませんけど。

このままダラダラと準備もなしに走るようになってしまうと、道中でよく会う、「今から急いでも、もう間に合わないよ」と口走ってしまうベテランになってしまうことが最も怖いことです。

そうならないために、6月の二度のリタイアがあったのだと思っています。

【サロマ湖で学んだこと⑥】
ラクな100kmなんてない。

【番外編】ワッカ原生花園ラン

最後に、反省の旅の終わりにどうしても走りたかったワッカ原生花園を、反省ランしてきました。
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さすがにランナーは一人も見かけませんでした(笑) 脚は重く、足首も痛い。でも、当日走っていたとしたら、この程度の苦痛ではなかったはず。と思い、2時間ちょっとかけて、80km地点からレースと同じコースを15kmほど走りました。

最後にこんないいコースを持ってくるなんて、サロマも憎いなあ。日陰もないし、最後に直線の折り返しはきついけど、ここまでたどり着いたランナー同士の励まし合いもあるんだろうし、やっぱりここまできたかったなあ。

そんなことを想像しながら、誰もいないワッカ原生花園を走り、今回の旅は終了!

サロマで反省したことまとめ

今回は反省することが多々ありました(汗) どれもこれも当たり前のことですが、当たり前のことこそ肝心な時に疎かになりがちなので、もう一度おさらい。

【サロマ湖で学んだこと①】
ポチったあと、180%がんばらないノーポチは無意味。

【サロマ湖で学んだこと②】
発揮できない実力は、実力ではない。
厳しい状況でこそ、実力が浮き彫りになる。

【サロマ湖で学んだこと③】
練習は嘘をつかない。練習不足も嘘をつかない。

【サロマ湖で学んだこと④】
フラットコースは、すべてを自分で決めなければならない。

【サロマ湖で学んだこと⑤】
当日の頑張りで何とかなるのは「50:50」でスタートしてこそ。
「50:50」まで持って行くのは練習と準備。

【サロマ湖で学んだこと⑥】
ラクな100kmなんてない。

サロマへの旅費が無駄にならなかったと言えるよう、次につながるようにがんばります!

(終わり)

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記⑦

今週末に参加した第29回サロマ湖100kmウルトラマラソンのリタイア記その7です。

これまでのエントリは、こちら。

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記① | reboot blog

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記② | reboot blog

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記③ | reboot blog

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記④ | reboot blog

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記⑤ | reboot blog

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記⑥ | reboot blog

再び国道沿い@50km~レストステーション@55km

55kmのレストステーションまでは、このコースの数少ないアップダウン。
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右脚付け根の痛みは我慢できないところまで来ているので、歩くのも苦痛。自分でも、どうしてこんなことになってるんだろう???というレース展開。いや、まったく。50kmからの5kmには、なんと一時間近くかかっています。

50~55km:57分27秒

レストステーションに着くと、すでに大量の人が日陰に座りこんでいる。少ししてから気付いたのは、彼らが残りの距離を走破すべく休んでいるのではなく、すでにレースを終了しているということ。一度日陰に入って寝転がってしまうと、もう出たくなくなる気持ちは嫌というほど分かります!

しかし、着替えている時間すらないので、ドロップバッグを受け取り、補給だけをさっさと済ませ、右脚のストレッチをして出ようとすると、ここで非情な(でも極めて妥当な)ストップ宣告・・・今から出ても間に合わないので、止めさせていただきます、と。

次の60km関門までの時間が30分。ここから6:00/kmペースで走るのは、さすがに厳しいというのは分かってるんですが・・・うーん。体はたしかに限界ではあるんだけど、なんか消化不良・・・こんなに簡単に終わっちゃっていいの!?でも、これで終わり。突然だけど、これで終わり。あっけないけど、これで終わり・・・

何台も何台も、リタイアした人をすべて乗せ切るまでやってくるバス。その最終便に乗ってゴール地点に戻りました。バスからは、まだ走っているランナーたちの姿が見え、あっち側にいない自分が本当に情けなく感じる瞬間。

いや〜無念です。なんでこんなことになっちゃったんだろう。6時間ほど時間を巻き戻したい。でも、こうして振り返ってみると、もう一度スタート地点に戻ったところで、結果は同じだっただろうと思うわけです。

せめて「50:50」の状態で臨む

ぼくは、本当のウルトラは60kmから始まると思っています。

だから、そこまで到達できなかった今回のサロマは、ウルトラを走った感が全くありません。走れなくなったのは事実だし、力尽きるまで全力を出したことも間違いないんですが。

でも、この6時間はあっと言う間で、何もできないまま終わってしまったというのが正直な気持ち。こんなこともあるんだなあと思います。正直、戸惑ってます。

4月5月6月と、3ケ月連続でウルトラを走ってみて、富士五湖と野辺山を何とか完走できたのは、それぞれ大苦戦の要因はあったものの、それでもスタート地点に立つ時点で、完走の可能性を「50:50」までは持って行けていたんだろうと思います。今、思えば。

その上で、”1″をもぎ取って「51:49」に倒す、または「50.1:49.9」にして何とか完走するという勝負はやってきたけど、今回のように最初から「30:70」だったのを、当日の頑張りだけで逆転することは無理だったってことだと思います。

これまた当たり前のことですが、普段の練習が大事。準備が大事。当日の頑張りは、その上での話でした。当日の出来に期待できるのは、せめて完走する資格のある状態でスタート地点に立った人の話。

そういう意味で、今回のサロマはスタート地点にすら立っていなかったのかもしれません。全く反省の多いレースでした。走る度に宿題が増えますねぇ・・・

【サロマ湖で学んだこと⑤】
当日の頑張りで何とかなるのは「50:50」でスタートしてこそ。
「50:50」まで持って行くのは練習と準備。

(ちょっとだけつづく)

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記⑥

今週末に参加した第29回サロマ湖100kmウルトラマラソンのリタイア記その6です。

これまでのエントリは、こちら。

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記① | reboot blog

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記② | reboot blog

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記③ | reboot blog

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記④ | reboot blog

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記⑤ | reboot blog

国道沿い@40km~サロマ湖沿岸@42.195km

苦しい苦しい国道沿いから、フルマラソンの距離42.195kmに向けて、サロマ湖沿岸に戻ります。

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暑すぎてジリジリしてはいますが、湖面がキラキラしていて、サロマ湖は美しかった。42km地点にモニュメントもあり、普段なら写真を撮っていくところなんですが、このあたりの景色は、ケータイを忘れてきてしまったことを本当に後悔。

サロマンブルーの会話②

42.195kmの計測地点を超えてすぐに、近くを走っていた一人のランナーが縁石に座り込むのが目に入る。なんと、またもや、サロマンブルーランナー・・・

「今年は、暑すぎてもうだめですわ。」

と、スタッフに話しかけている。そして、リタイアを告げる。いや、ここは日陰がないから、40kmまで戻ろうかなとか、もうちょい先まで進もうかなとか迷っている。迷い方もさ貫禄の余裕度(笑)

きっと、この日はこんな会話が至るところで行われていたことでしょう。完走率56%ということは、1000人以上がリタイアしてるということ。

しかし、サロマンブルーはどなたも判断が早い。経験のなせる業なのか。 

これまた何も見なかったことにして進む。ここにきて40kmからの5kmを40分以内で走ったのは、振り返ってみると、このレース最後の意地でした。

それも、42km地点から、淡々と走り続けるタンクトップ女子と勝手にデッドヒートしていたおかげ。ストレッチのために立ち止まると抜かれ、走り始めるとまた抜かし、ストレッチしているとまた抜かれ。

この女子、小柄で軽装、古着屋で売ってそうな迷彩のキャップかぶってるし、けっこうチャラそうな格好なんですが、めちゃめちゃ根性があって、ゆっくりだけど絶対に歩かない。

ウルトラ後半でよく遭遇する、ゆっくりだけど絶対完走するおばちゃんとか本当に尊敬するんですが、ウルトラはどれだけ歩かないかってことに価値があるんじゃないかと、最近よく思います。

ゆっくりでもいいから、100km走り通せるようになりたい。そして、村上春樹のように

「(ウルトラ)マラソンは走る競技であって、歩く競技ではない。それが僕の基本的な考え方である。」

とか言えるようになりたい。

タンクトップ女子と並走したのはこの区間だけなので、彼女のその後の結果は分からないけど、無事完走しているといいなと思います。

サロマ湖沿岸@42.195km~再び国道沿い@50km

再び湖岸を離れたところから、左脚をかばっていたからか調子の悪かった右脚が本格的に痛み出し、特に右足首と脚の付け根は度々ピキッと脚を止めさせる。

熱したフライパンのような道路に寝転がってストレッチしても、数百m走ると元通り。貯金もきっちり消化しつつあり、あせっているのに進まないっす。

歩きながら回復を待ちつつ、いよいよこれは本格的にやべーな、と唇をかんでいた時に、前を歩いていたのは、サロマンブルーランナーと今回サロマンブルー入りがかかっているらしいランナーのお二人。

サロマンブルーの会話③

「もうやめるんですか?」

     「ええ、次で。もう時間的にも間に合いませんからね。」

「そうですよね。私もそうなんです。」

     「(サロマ完走が)9回まで来たんですがね、なかなか10回目がね…」

「来年もありますから。来年がんばりましょ。」

ここに来て、ようやくサロマンブルーランナーにも2種類のランナーがいるということに気付く。

一つ目のタイプは、毎年恒例の行事としてサロマ湖ウルトラに参加。調子や状況がよければ完走するが、完走してもしなくても、イベントとして楽しむ。毎年走っているうちに、結果として完走の実績が積み上がる。生涯ウルトラ・ランナー。

もう一つは、いかなるコンディション・状況であろうとも完走必達。必ず完走するので、10年目でサロマンブルーを達成するか、または初回に完走叶わず、その後10回連続で完走するというタイプ。 毎回、自己ベストの更新を狙う。

どちらが良くて、どちらが悪いというわけではなく、それぞれのサロマの楽しみ方があるはず。でも、今年の自分は後者の気持ちで走らなければいけなかったのです。しかし、気付いたら周りには、(今年の暑さを考慮するといささか分が悪い)前者型のランナーしかいないところまで、ずるずると後退してしまっていたことに、この期に及んでようやく気付いたというわけで。

     45~50km:41分37秒

45kmからの5kmに40分以上を費やしながら、ようやく50km地点を超えたのは、制限時間13時間の半分である6時間半の15分前。

前半でたった15分の貯金しかないのは、後半にかけての失速を計算すると絶望的。腹をくくって行けるところまで行くことを決めて、先へと進むます。

(つづく)

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記⑤

今週末に参加した第29回サロマ湖100kmウルトラマラソンのリタイア記その5です。

これまでのエントリは、こちら。

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記① | reboot blog
第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記② | reboot blog
第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記③ | reboot blog
第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記④ | reboot blog

国道沿い@35km〜40km

35km地点は、まだまだ全行程の1/3を少し過ぎたばかり。ですが、暑さのためか、同じくかなり消耗しているランナーも多く、せめてワッカ(原生花園)までは走りたいけどなあ、という弱気の声も、周囲からチラホラ聞こえ始めます。
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35km地点のエイドでは、楽しみにしてた大好物のスイカが初登場。テンション上げて先を目指します。

サロマンブルーの会話①

ここで耳に入ってきたのが、前を走る3人組の会話。なんと3人ともサロマンブルー。

サロマンブルーとは、サロマ湖100kmウルトラマラソンを10回以上完走したランナーに対する称号で、一般ランナーとはゼッケンの色も違い、控え室やスタート時も優遇されるらしく、この大会の憧れの存在。

今回、初めて参加するサロマなので、ペース配分など若干不安だったものの、周囲にサロマンブルーランナーがいると、完走ペースで走っていると安心させてもらってました。

ところが、前を走る3人にとっても現在のペースは芳しくないらしく、

「こりゃ、いかんなあ。」
「ああ、この暑さだと気力が持ってかれるからなあ。」
「今日はあかんねぇ。」

・・・

ですよね・・・
そうですよね・・・
やっぱいかんですよね・・・

ゴールする気ないんかい!

勝手にペースメーカーとさせていただいたランナーが、完走を諦めていることを知った時の衝撃たるや。

サロマを知り尽くしているからこその判断の早さ!知らないからこそ頑張れることもあるのに、サロマンブルーは影響力が大きすぎる。

もちろん、サロマンブルーに対する敬意はゆるぎません。10回以上完走ということは、10年以上に渡って100km走れる状態をキープしているということ。たった3ヶ月ですらそれを保つことができない自分が情けなくなります…

しかし、ここのところは、何も聞かなかったことにして、先を急ぐことに。

フラットコースって全然ラクじゃないじゃないか

高低図を見ても分かる通り、サロマは全体を通してほぼフラットなコース。
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50km付近から多少のアップダウンがあるように見えますが、スケールを見ると数十メートルの話。累積標高が2000m級の白山・白川郷とか野辺山とは桁が違う。富士五湖ですらもう少しアップダウンがあった。富士五湖のゴール前最後の登りは地獄だし。

このフラットなコースがサロマを甘くみてしまった一つの要因ではあります(サロマ、ごめんなさい)。その分、制限時間は13時間だし、暑いし、全然甘くはないんですが。

でもフラットってつらい。そのことが今回よく分かりました。

どこを走ってどこを歩くのか、どこまで走ってどこから歩くのか。どれくらいのペースで走ってどれくらいのペースで歩くのか。

全てを自分で決められるから、全てを自分で決めないといけない。

厳しい峠越えがあれば、そこは最初から歩くことを計算に入れればいいし、その分下りで時間を稼ごうとかってレースプランを組むことができます。登りは走ってもタイムはあまり変わらない割に消耗が大きい、だから歩くべしとかって大義名分があります。

でも、フラットだと何もない。自分の心の甘さ以外に歩く理由がないんです。だから、走り続けるしかないし、一度歩き始めると走り出すきっかけもない。

完走ギリギリランナーにとって13時間という制限時間は絶妙。14時間制限が多い100kmウルトラですが、このフラットなコースをダラダラ歩いてもゴールできるような関門設定であれば、それほど苦労はありません。ある程度、走り続けないと間に合わないよってのが、ウルトラの苦しさだと思うのです。

ここのところ、甘く見てました(もう一度、サロマごめんなさい)。

【サロマ湖で学んだこと④】
フラットコースは、すべてを自分で決めなければならない。

そんなこんなで、すっかり消耗しながら、リフレッシュのためのトイレ休憩も含め、5kmになんと48分もかけて40kmを通過。

35~40km:48分26秒

まだまだ先が長いっす。

(つづく)

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記④

今週末に参加した第29回サロマ湖100kmウルトラマラソンのリタイア記その4です。

これまでのエントリは、こちら。
第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記① | reboot blog
第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記② | reboot blog
第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記③ | reboot blog

畑の中の直線@30km~国道沿い@35km

少しの間、サロマ湖沿岸を離れる30km手前から42km地点は、このレースで最も苦痛な区間となりました・・・

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(Source:第29回サロマ湖100kmウルトラマラソンオフィシャルサイト/コース)

サロマは、一般ランナーでもスペシャルドリンクが置けるというすばらしいシステムがあり、ドロップバッグは55km地点の一か所だけでも、このスペシャルドリンクにジェルなんかもテープで貼り付けておけば、簡易ドロップバッグぐらいの役目は果たしてくれます。

2本しか用意しなかったので、当日朝ちょっと迷って30kmを外し、後半の63.5kmと80kmに置くことに。もちろん、完走する前提で・・・目にすることすらなく、無念の廃棄となりましたが。

というわけで、30km地点はスペシャルドリンクを置かなかったんですが、これが精神的にけっこうな痛手となりました。なにしろ、まさか30km地点でここまで消耗しているとは思ってなかったので。

長く続いた影のない直線を直角に左折し、またまた影のない直線を進み、またまた直角に左折すると、そこからは国道に入ります。

ジェルを投入してもアミノ酸を投入しても、順調に体が動かなくなってきて、いよいよ戸惑い始めた国道沿い。

我が家では、業務用でも使われているマキタのリチウムイオンバッテリの充電式掃除機を愛用していますが、これのバッテリが切れてくるときと同じ感じで脚の回転が鈍ってきます。モーターが回らない・・・

「分が悪い。」

ここまでの走力低下曲線と余力、まだまだあと5時間ほどは上がり続けるであろう気温、残り時間。どんな要素を計算にかけてもかなりやばい、という結果しか出てこず、希望は前半のわずかな貯金のみ。

脚が止まるのは時間の問題と覚悟し、どうやって復活させるかを考え始め、ガス欠にならないようにエイドの度にバナナとかアンパンを押し込み、こまめに屈伸やストレッチをするものの、鈍くなる一方の脚。掃除機なら、充電すれば回復するんですけどねえ。

そもそも30kmで脚が止まるのは、走り込みが足りていない証拠。走力を保つ努力すら怠っていることの結果が、この動かない脚に如実に表れている・・・

アテネオリンピックのマラソン金メダリスト、野口みずき選手が、

「走った距離は嘘をつかない。」

と語っていたのを、自分でも練習ができている時は心の拠り所にしています。一方、練習ができていない時には目を背けたくなる言葉でもあります。

でも、これは真実。少なくとも、体が壊れるほど練習をしているのではない限り、多くのランナーにとっては真実だと思います。練習をしっかり積んでいる時はそれなりに走れるし、積んでいない時はそれなりにしか走れません。

練習が嘘をつかないように、練習不足も嘘をつかない。そのことを痛感しながら、30kmからの5kmに40分近くを費やし、ようやく35km地点エイドに到達します。

【サロマ湖で学んだこと③】
練習は嘘をつかない。練習不足も嘘をつかない。

(つづく)

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記③

今週末に参加した第29回サロマ湖100kmウルトラマラソンのリタイア記その3です。

これまでのエントリは、こちら。

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記① | reboot blog

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記② | reboot blog



直線終わり@10km~三里番屋折り返し~サロマ湖沿岸@20km

スタートからの一直線を抜けると、ようやくサロマ湖へ。まずは時計回りで三里番屋の折り返しを目指します。

Image(5)

(Source:第29回サロマ湖100kmウルトラマラソンオフィシャルサイト/コース)

序盤のトイレは混んでいるのであまり行きたくないんだけど、脱水症状が怖いのでこまめに給水していると、やっぱりトイレに行きたくなる・・・ 20kmまでに3回ほど立ち寄り、計10分ほどのロス。でも、まあ計算内。

サロマはエイドのボランティアの学生さん達が元気で、励まされます。みんなハイタッチで迎えてくれる!こういうのが嬉しいんです。北海道まで来た甲斐がありました。

そうこうしているうちに、15~16kmあたりから折り返してきたトップ集団とすれ違う。速すぎる・・・100km走るペースとは思えないっす。トップは6時間台で走るわけだから、当然といえば当然ですけど、同じ競技とは思えない。

トップ集団を感嘆をもって見送りながら、先を走っているであろうランチーム仲間・ザック選手が折り返してくるのを探しながら走るも見つからず。トイレ行ってる間に抜けちゃったかな。

それにしても、折り返しが意外と遠いっす・・・

今年のサロマは、NHK BS1の番組「ラン×スマ」から中村優さんが出場していたらしく、前を走っていたところを折り返し付近で見かけました。カメラに囲まれながら、快調にさわやかに走ってました!

結果は8月の放送までのお楽しみとのこと。スタート前にもマイクで挨拶してましたが、初ウルトラだったんですね~初めては一度しかないので、うらやましいです。

思えば、奥久慈トレイルにも「ラン×スマ」からハブさんが30Kの部を走っていました。「ラン×スマ」が来ると、なぜか自分がリタイアするという・・・気のせいか。人のせいにはしないようにしよう。

 

サロマ湖沿岸@20km~再び畑の中の直線@30km

三里番屋を折り返す頃にはすっかり晴れ渡り、容赦のない日差しが・・・

まだ7時過ぎなのに、日陰を選んで走らないと、暑さでどんどん消耗していきます。2.5kmおきにある「かぶり水」がありがたいっす。

ここまでのところ、5kmごとのラップは、

    0~5km:33分53秒

  5~10km:34分02秒

10~15km:31分50秒

15~20km:32分06秒

そして、三里番屋を折り返したあとの5kmでも、

20~25km:33分18秒

ときわめて順調。

6:15~30/kmで押していく作戦なので、5kmだと31~33分ぐらいで行ければ十分、トイレやエイド含めて35分で行ければいいかなと思っていたので、ここまでのところは予定通りですが、なにしろどんどん暑くなってるので、ちらほら歩き始める人が現れるのがこのあたり。

サロマ湖沿岸を戻り、また森の中に入ったところで、事前にブログで勉強させていただいていたサロマン・ブルーの方を発見。話かけようかと思ったものの、どうも調子が思わしくないらしく、ちょうど歩き出したところだったので、躊躇する。

ここからまた、最初の直線と同じような風景の直線に入りますが、同じ道かと思うぐらい風景が同じ。両サイドに拡がる畑と牛たち、そして今度こそ日陰は全くない。思わず「まぢか・・・」と口走る。直線嫌いです。

この日の気温は30℃を超えることになりますが、この時点ですでに日差しが強烈で、ジンジン刺さってくるのを感じます。

ハーフタイツ+ゲイターの組み合わせでヒザが空いているので、レース後に改めて見てみたら、モーグル選手の、ヒザの動きが目立つようにヒザ部分だけ色を変えたユニフォームのごとく、日焼けしてました。下半身ですらこの有り様なので、頭上に降り注ぐ太陽の光といったら。

暑い!

暑い!!

暑い!!!

と、憤っているうちはまだいいんですが、30kmに到達する頃にはすでに意識が朦朧としてきて、自分を奮い立たせることすらできなくなりつつある自分。これは、根こそぎ意識を持って行かれる状態っす。やばい。この状態まで来るのが早い。

正直言って、サロマがこんなに厳しい闘いになるとは思ってませんでした。25~30kmは、

25~30km:33分19秒

タイム的には、まだ予定通りのラップを刻んでいるものの、後から振り返ると、内面的にはこの時点ですでにかなり劣勢に立たされていた模様。

この日がもっと涼しければ、もしかしたら完走できていたかもしれません。事実、この日の完走率は56.5%で、前年を12.4ポイント下回ったそうです。前年と同じ状況であれば、完走できたかもしれません。でも、その場合、完走ラインが後ろに下がっただけの話で自分の実力は何ら変わっていません。

「実力が発揮できた」とか「発揮できなかった」とか言いますが、発揮できない実力は、実力ではありません。状況によって左右される程度の、「if」付きの実力なんだとしたら、それは完走できるかどうかを、自分以外に委ねていることになります。

もちろん、そういうこともありますよ。本当にチャレンジングなことであれば。「人事を尽くして天命を待つ」という。でも、自分にとって100kmウルトラマラソンはそうではありません。どんな状況であっても、完走は実力でもぎ取らないといけないもののはず。

30km地点で、当たり前すぎる真実を改めて突き付けられることになりました。

【サロマ湖で学んだこと②】

発揮できない実力は、実力ではない。

厳しい状況でこそ、本当の実力が浮き彫りになる。

そして、今の自分の実力が、どんな状況でも100kmを走り切れるレベルのものではないということも・・・走りながら認識するには残念すぎる事実!でも、まだ先には進みます!!

(つづく)

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記②

今週末に参加した第29回サロマ湖100kmウルトラマラソンのリタイア記その2です。

これまでのエントリは、こちら。

第29回サロマ湖100kmマラソン(困憊)リタイア記① | reboot blog

今回の旅程

今回は、期限の迫るANAのマイルを消化したかったということもあり、オフィシャルツアーではなく、全て自分で手配しました。来年、リベンジするはずの自分のために記録しておくと、

・フライト(ANA羽田空港⇔女満別空港):3万7000円分ぐらい

・レンタカー丸2日間+ガソリン代:早割で1万ちょっとぐらい

・宿2泊(朝食2/夕食2付き):3万4000円ぐらい

 (いずれも2月半ばに手配したので、早割あり)

でした。オフィシャルツアーより少し出費を抑えられたかなというところ。

出費はともかく、前後のスケジュールに自由が利くところがいいです。

前日は16時半の便で羽田から女満別へ飛び、夕方着で温根湯温泉の大江本家というところに泊まりました。こちらの宿では、事前にゼッケンの引換券を送っておくと、代理で受け付けをしてくれるので前日の入り時間が遅くなってしまう人でも大丈夫です。

女満別空港からも車で1時間半ほど、スタート地点までも1時間ほどかかるので会場からはちょっと遠いんですが、サロマ湖ウルトラの宿泊パックがあり、当日の送迎もあり、さらにはこのツアーに同行する支配人も一緒にレースに参加します。 しかも、支配人は今回の大会で10回目の完走となり、見事サロマン・ブルーとなられました! どおりで行き届いているわけですね。

食事もおいしかったです。前日はバイキングでしたが、たっぷりカーボローディングできました。

140701_1

レース翌日は夜のフライトにしておいてよかったです。リタイアした後の、完走していれば走るはずだったコースをレンタカーでたどり、一人反省ツアーを行いました。もっともこれは予定外、本当は普通に観光するはずだったんですが・・・


DNF後はしばらく、



     「この世は二種類の人間に分けられる。完走できた者と、できなかった者だ。」

とでも言われているかのような気分になるので、それを消化するには、内省する時間が取れてよかったのかもしれません。




レース当日の朝


当日は、2時過ぎに起床。ストレッチ・テーピング・着替えを済ませ、受付でおにぎり弁当を受け取って、3時にバスで出発しました。


前日夜は、20時前に宿に到着し、それから夕食を取り、ゼッケンをつけたりレース荷物の整理をしたので就寝は22時くらい。6時間は寝たいところなので、入りの時間からもっと早くすべきだったと今さらながら反省しています。こういうところから、レースはすでに始まっているんですね~

バスの車中からは、サロマ湖越しに朝日がきれいに見えました。

140701_2

きれいに見えるのはいいんですが、暑い一日になりそうです。前日地元の方に聞いたところによると、30℃は超えそうとのこと・・・

ちなみに今回は、行きのバスにケータイを忘れるという失態を犯したので、レース当日で残っている写真は、バスから撮ったこの一枚のみです。


タイムは多少犠牲にしながらも、写真は気ままに撮りながら走る主義なんですが。エリートランナーのように一分一秒を争うレベルにあるわけでもないし、基本的にはレースをきっかけに色んなところに行くことができたり、走りながらその土地を味わうというのが自分にとっての楽しみ方なので。

時として(往々にして?)それが、関門時間争いを生むこともありますが・・・それは走力で解決すべき問題ということで。




スタート@0km~畑の中の直線終わり@10km

ドロップバッグとスペシャルドリンクを預け、今回同じく参加しているはずのラン仲間ザック選手を探すも、さすがに3000人を超える参加者の中からケータイなしで人力で探し出すのは難しく、スタートで落ち合うのは断念してレース中の折り返しで探すことに。

すっかり明るくなった頃、湧別総合体育館をスタート。

朝夕は寒くなるかと思いアームカバーも用意していたんですが、今年は暑い年にあたったので全く必要ありませんでした。下も暑そうだったのでフルのサポートタイツはやめて、ハーフタイツ+ゲイター+テーピングの組み合わせを採用。

先日の奥久慈トレイルも、これでヒザの痛みは封印して走れたので。このスタイルで2連敗するとは、この時は思ってませんでしたけど・・・

走り出しは好調で、予定通り6:15-6:30/kmのペースをキープしながら進みます。

湧別総合体育館の周りをぐるっと一周回ると、いよいよ北海道らしい一直線。本当にまっすぐですね~

広大な大地を感じられていいんですが、先を行くランナーの列がよく見えて、これはこれでげんなりします(笑) 農地のど真ん中をひたすらまっすぐ進み、ようやく森が見えてきたところで10kmを迎えます。

早朝はいい具合に雲がかかっていたけど、この辺りから雲が抜けて行き、途端に暑くなってきます。まだ朝6時なんだけど、大丈夫でしょうか!?

(つづく)