2014年11月末、8ヶ月連続ウルトラマラソン/トレイルチャレンジの最終章、「HK168」で香港に行ってきました!
結果は…全168kmのうちの163.5km地点、ゴール手前のCP15で関門時刻に間に合わずDNFとなりました。無念のリタイア記です。
前のエントリはこちらから。
HK168(残り4.5km)リタイア記⑧|CP8手前、まさかのロスト(゚ロ゚*)ノ 時刻は深夜3時。
ラン人生初ロスト
後から冷静に振り返ってみれば、墓地に出てきた時点で明らかに間違ったところを下ってきていたわけですが、当事者としてロストしていると判断することができない。
ロストした時に取るべきOne&Onlyなアクションは、来た道を戻ること。正しいところまで戻り、正しいコースを走り直すこと。
そんなことはもちろん分かっているわけです。誰だって分かっている。でも、ロストの一番恐ろしいところは、自分がロストしているということを確定できないということ…
もちろん、何かおかしいというのは感じる。明らかにおかしい。誰かが上空から見ていて、「あなたロストしてますよ」と告げてほしい。でも、実際は、あいまいな状況証拠とぼんやりした思考能力だけを頼りに、判断を下さなければいけないんですね。
仮にロストしていて、仮に戻らないといけないとして、一体どこまで戻ればいいの? 時間も労力も費やして戻ったのに、やっぱり今来た道が正しかったとしたら? もしかして合ってるんじゃないの?
CP8で充電予定だったGARMINのバッテリーも、気が付けば力尽き、もう何kmぐらい登って降りてを繰り返したのかも分かりませんが、制限時間は刻一刻と迫っています。2時間以上の貯金があって、まさかこんなところで関門と闘うことになるとは……
別の分岐を探すというおじさんランナーと中国女子ランナーとは行動を別にし、さらに登って戻っていると、CP6を出てすぐに一緒に迷った日本人ランナーの方が下ってきて再会。
二人で、迫ってくる関門時間の中、ダメ元でウロウロしまくっていたら、奇跡的にマーキングを発見し、ダメ元でマーキングをたどっていたら、奇跡的にCP8でDNFして帰る途中のランナーに出会い道を聞き、ダメ元で走り続け、ダメ元で関門に駆け込んだら、奇跡的に関門時間の7分前でした。
間に合った。 しかし、7分前…… (*T▽T)
本当なら1時間53分前にここにたどり着き、時計を充電しながら補給と仮眠を取り、優雅に手を振りながらエイドを後にし、今頃はもうすぐCP9にたどり着こうかという時間のはず。
でも、もはやそんなことはどうでもよく、レースをつなぐことができただけで有り難いことなのです。
自分たちより前にそこにたどり着いていた人たちを含めて、すでにリタイアを決めた人たちしかいない時間帯で、スタッフすら、まだぼくたちが先に進もうとしていることに驚きを隠さない。
しかし、ここでレースを止めるという選択肢がただの一度だって頭をよぎることはなく、ドロップバッグから手当たり次第に補給を詰め込み、動作時間を全うしただのバカでかい時計となったGARMINを充電するためのモバイルバッテリーを手に握りしめ、最終ランナーとしてCP8を後にしたのでした。
ロスト怖えーよーーーーーーー!!!!!
CP8:Rotary Club Park@89km 〜 CP9:Tai Tong Shan Road@98.5km
バッタバタのままともかく後半戦スタート。セクション3! まずはCP9まで下り基調の9.5km!
下ってる、下ってる。本当はかなりラクなパートのはずが、時間の余裕が全くないっす。
走った。とにかく走った。
走れメロスのように走った。
自分の代わりに仮眠中のGARMINとモバイルバッテリーを入れたジップロックの袋を手に持ちながら走った。
飲みかけのペットボトルのコーラの泡が、しゅわしゅわと漏れだしているのも気にせずに走った。
一緒にCP8を出たもう一人のランナーの方は、トレイルを走り始めるところまでは一緒だったけど、すぐに「先に行ってください」と立ち止まった。CP8に着いた時点ですっかりリタイアモードだったところを「全部走ればまだ間に合いますよ!」と、半ば強引に連れ出してきてしまったような状態だったから、もしかしたら、レースを断念して戻っているかもしれない。
1時間ほどがむしゃらに走り、気づいたら夜明け。ハンドライト一本にしようと思っていたのに、時間がなくて腰にもライトをつけたまま。このパートはこの写真のみ。だから、急いでたんだってば。
無我夢中で走っているうちに、先行していたランナーを二人ほどかわし、突然道路に出たと思ったらCP9に到着!
おぉ、ここにきて30分の貯金… この先のことを考えると全く余裕ないけど。
でも、このパート、個人的には間違いなく2014年のシーズンベストの快走。歩かず、泣かず、諦めず。今年ここまでに走った7本のウルトラレースと、応援してくれているであろうラン仲間を心の支えに走り通し、CP10までの挑戦権獲得!
HK168(残り4.5km)リタイア記⑩へ続く。